2011年01月02日
清水のスタメンは、山本、太田、ボスナー、岩下、市川、本田、山本、小野、岡崎、ヨンセン、藤本。この試合を最後に、チームを旅立つ選手もいれば、監督もいる状態の清水。最後の思い出作りには、最高の舞台が整った状態。ACLも出たいだろうし。長谷川監督も最後に意地を見せたいだろう。それにしても、移籍の噂のある選手ばかりである。永井は何をしているのだろう。
鹿島のスタメンは、曽ヶ端、宮崎、中田、伊野波、新井場、青木、小笠原、フェリペ、野沢、興梠、大迫。王者の名にふさわしい立場を維持するためには、ぜひとも欲しいタイトル。ついでに、ACLの出場権も獲得できれば、これ以上のない新年のスタートになる。久々に動く青木を見るかな。
■鹿島らしさって何さ
鹿島のシステムは4-4-2。攻撃的な守備で試合に臨んできた。狙いとしては、清水にビルドアップを許さないこと&高い位置でボールを奪って、ショートカウンターを仕掛けて、試合を有利に進めたかったのだろう。また、精度の高いボールをヨンセンに供給させたくなかったという狙いもあった可能性が高い。ボスナーも岩下も長いボールを蹴ることはできるタイプだった記憶がある。
清水のシステムは4-1-4-1。後方からボールを繋いで攻撃を組み立てたそうだった。つまり、特別な鹿島対策よりも、自分たちらしさ全開で元日決戦に挑む。清水の状況を考えれば、理解できる選択。天皇杯の勝ち上がり方も自分たちの強みがいい形で発揮されていたからと聞いているし。Jでも序盤は調子が良かったもんね。
試合開始直後の落ち着かない状況が過ぎると、試合は鹿島のペースで進んでいく。前述した攻撃的な守備がかなり機能していた。鹿島の前プレを交わすようなネタが、清水には特にないようで、鹿島の長所が遺憾なく発揮される展開となる。清水はヨンセンへの放りこみで状況打破を狙うが、ボールの精度が悪くなっているし、ヨンセンが競り勝てない状況で、かなり苦しい展開となっていった。
たまに本拓を経由して、プレスを回避できる場面もあったのだけど、清水は基本的に正面衝突だった。かつてのリバプールや最近のボルトンやバルセロナの前プレの威力はなかなかである。鹿島の前プレもかなりの破壊力がある。で、それを交わす手段は世界でも多数開発されている。なので、低い位置からのプレスや自陣に引きこもる戦術が流行しているのだろう。
かつてのラシンがバルサのプレスを交わした方法はかなりユニークであった。いくら前プレの強度が強くてもGKまで何度もプレスに来ることは少ない。なので、GKにボールを下げる→GKが抜群の精度のボールを前線におくる→ジキッチが楽勝で競り勝つの構図は非常に機能していた。今日の清水で言えば、山本は精度抜群のキックを誇っているわけでもなさそうだし、ヨンセンもあんまり競り勝てていなかったので、使える技ってわけじゃないけれど。
有利に試合を進めた鹿島は、裏狙いの攻撃が非常に多かった。大迫と興梠の下がってボールを受ける&相手の裏に走る判断がチーム内でよく意思統一されているようで、得点の匂いを感じさせるプレーの連続であった。ボールを繋いで中盤で勝負するよりも、CBとFWが勝負する機会を量産するほうが、効率がいいよねという、お手本のような攻撃。
もちろん、ボールを保持して攻撃を仕掛ける時もある。このときに鹿島のボールの動かし方は非常に秀逸であった。清水のプレスが前線が暴走する癖があるようで。岡崎あたりが我慢しきれないでプレスをかけて中盤が連動できない場面がちらほら。なので、プレスをかわせば、ボールを落ち着けることができた鹿島。連動性のないプレスを交わすのはそんなに難しい仕事ではなかった。
で、FWとMFの間にスペースができる清水。このスペースを上手く利用してボールを落ち着ける鹿島。相手のプレスに苦しんだら、相手のプレスのこないゾーンにボールを運んで攻撃をやり直すことに成功していた。逆に鹿島はこういったボールを落ち着けさせられるスペースを相手に与えない守備組織を作り上げていた。この守備組織の差が前半の内容に直結したのかなと。
大迫と興梠はたまに守備を忘れることもあったが、すぐに思い出して熱血プレスを欠けているのが印象的だった。あ、ここは俺じゃんみたいな。執拗に裏を狙い続けた攻撃が実れば、MVPを得ることもできたろうけど、山本の繰り返される飛び出しにとって、清水はぎりぎりのところで鹿島の攻撃を耐え忍んでいく。
しかし、セットプレーからフェリペに頭で押し込まれて試合が動く。困ったときのセットプレーとは言うけれど、鹿島は試合を支配できていたので、妥当な得点と言えそうである。ただ、強豪と呼ばれるチームはセットプレーが強い。相手を押し込む展開が続けば、セットプレーの機会が増えるので当たり前かもしれないが。
後半の清水はシステムを4-4-2に変更。岡崎とヨンセンが前線に、小野と藤本がサイドに配置された。サイドで小野がボールを落ち着けられるようになったこと&岡崎が中央からサイドに流れる動きをすることで、鹿島のゾーンを混乱させることに成功したのが大きい変更であった。前半の二人を思い出してみると、中央でも小野は上手かったが、違いを生み出せるほどではなく、サイドに配置されてそこから勝負を仕掛ける岡崎は別に普通だった。
サイドでボールを落ち着いたことで、清水は前半とは異なる攻撃を見せるようになる。また、鹿島の前線コンビがお疲れのようで、前半に見せたようなプレスが見られなくなっていく。ただし、鹿島は中盤に比べると、前線に無理をさせすぎな気がする。なので、試合は徐々に五分五分の展開に移っていく。前半からその攻撃性能の強さを見せつけていた太田の積極的なアタックもあり、清水が反撃を見せていく。
で、生まれた同点ゴール。ゴールキックのこぼれ球が清水の選手に渡る。で、DFラインの裏にボールを送ると、ヨンセンが長い足でゴールを決めることに成功する。岡崎がオフサイドの位置にいて、ボールに関与しないふり。で、ヨンセンもオフサイドの位置にいたのだけど、微妙な位置だったので、審判が見られなかったのだろう。そういう意味で幸運なゴール。
で、鹿島は本山を投入。システムを4-4-2のひし形に変更。本山はFWとMFの間をうろうろすることで、見事に鹿島の攻撃に深さをもたらしていた。また、鹿島の中盤の選手の配置が変わったことで、清水は守備の狙いどころがずれてくる展開に。青木、野沢、小笠原がどんどん前線に飛び出してくるので、非常に整理のしにくい鹿島の攻撃となった。
これで、清水に傾きかけた流れを引き寄せた鹿島。決定機が増えるようになるが、興梠はまたもヒーローになるチャンスを逃す。印象的だったのは、曽ヶ端のパント→本山がフリーで前を向いて、興梠にスルーパスを出した場面。あれで試合が決まっていれば、本山がもっとフューチャーされた決勝戦になったのかなと。
試合を決めたのはまたもセットプレー。競り合いの連続から高い位置でファウルを受けた興梠。ボスナーが猛抗議するような場面であった。あれがファウルかよと。興梠の勝ち。で、直接FKを野沢が決めて、鹿島が突き放しに成功する。小笠原が蹴ると思ったのか、山本はちょっと不意をつかれたような雰囲気だった。それにしても、野沢は面白い蹴り方をする。
直後に太田の突破からビックチャンスをつかむ清水。新井場があまりに簡単にかわれたので、鹿島は當間を投入。しかし、いきなりファウルで止め怪しい立ち上がりを見せるが、その後は落ち着いて対処していた。その後は攻撃を仕掛けながら防戦一方にならない鹿島の試合運びに苦戦する清水。本山を中心とする攻撃の前に、清水はうまく時間を使われてしまい、攻撃の機会を減らされて終了の笛を迎えることとなった。
■独り言
しっかりと清水の長所を抑えた鹿島の勝ち。そういった相手によって、自分たちの戦い方を変えられる柔軟性を身につければ、清水は化けるかもしれない。自分たちのやり方をどんな時も貫きたいのであれば、まだまだチームが仕上がっていない印象。次はどんなチームになるのか期待しております。
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鹿島対清水 ~天皇杯の決勝で~
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2010年12月31日
ガンバのスタメンは、藤ヶ谷、下平、高木、中澤、安田、明神、遠藤、橋本、武井、ルーカス、イグノ。良い印象を受けた平井は、あんまり試合に出ていないのだろうか。勝手な印象を言えば、年齢層に偏りがありそうなガンバ。上手く補強でごまかしたいところだが、日本人の補強はあんまりうまくない印象。でも、高木、中澤と地味に当たりもひいているので、印象は危険。
浦和のスタメンは、山岸、宇賀神、坪井、山田、岡本、細貝、堀之内、柏木、ポンテ、髙橋、エジミウソン。最後のフィンケ・インタビューを読む限り、この試合は良い意味でも悪い意味でも、フィンケのやりたいサッカーが具現化したようで。ボールは繋がって決定機はそれなりだが、点が入らないみたいな。そんなフィンケのラストダンスに注目。もちろん、ポンテも。
■挑戦の行方
浦和のシステムは4-2-3-1。想像していたよりは、浦和の攻撃は進化していた。ただし、その進化が、監督の予想通りの道のりなのか、最後の采配なので、現場のアドリブ力が遺憾なく発揮される状況のために現れた現象なのかを断定することはできない。強引に言えば、浦和のサッカーはかつての甲府に似た方向性がある。ボールの近くに選手を集めて、素早いパス交換で、守備網を突破していくイメージ。
サイドチェンジや相手の裏に蹴るボールが少ないのが特徴。で、サイドでボールを持つことはできるのだけど、突破は出来ずにクロスで攻撃が終わることが多い。そして、ゴール前に空中戦で飯を食っている選手はいないし、ゴール前の人数は少ないから効率が悪いみたいな。攻撃の幅が狭いので、相手に対策されると手詰まりになることが多い。だいたい、こんなイメージだった。
しかし、この試合ではサイドチェンジ、DFラインの裏を狙ったボールがちょこちょこ見られた。両方とも、他に選択肢がないとかネガティブな状況から生まれた選択ではなく、相手の裏や逆サイドにスペースがあるからといった、論理的な状況から生まれた選択であった。サッカーは駆け引きのスポーツなので、色々な攻撃を相手に見せたほうがいい。そういう意味で、この浦和の変化は非常に好ましいものであった。
じゃ、前半は浦和のペースだったのかというと、それと話は別。前半はガンバのペースであった。ガンバのシステムは4-4-2。イグノとルーカスも懸命に守備をしていた。なので、全員で組織的な守備で浦和の攻撃に対応するガンバ。ガンバといえば、分かりやすい攻撃のイメージがあるかもしれないが、いつのまにか相手の状況に合わせたサッカーを選択できることがガンバらしいと思う。
前半のガンバは、しっかり守備を固めてきた。まともにポゼッション勝負を挑んで、予想もできない状況に陥るよりは、最初から自分たちの思い通りに試合をコントロールする道を選ぶ。なので、浦和にボールを持たせる→高い位置からしっかりと守備網をしくことで、カウンターを狙う展開になった。
ボールを持たされた浦和はキーパーを使いながら、相手のプレスを回避していった。噂通り、バイタルまではボールを運べるようになった浦和。違和感なくプレーしている若手にちょっとびっくりしたくらいで。ガンバの守備網に引っかかることもあるけれど、基本的には突破出来ていたと思う。
で、今日の浦和はバイタルに入ってからの仕掛けも決して悪いレベルではなかった。攻撃の終わりを安易にクロスに終わることなく、エリア内に侵入していく場面もちょこちょこあった。なので、この攻撃を延々続けていけば、そのうちにガンバから得点が奪えるのではないかなと感じさせるには十分ったと思う。なので、フィンケさんもベンチでじっとしていた。
内容はよくなっているかもしれないけれど、結果があれだよねと言われ続けたフィンケさん。人件費や選手のピークを考えると、アジアを制したころの結果を今のチームに求めるのはきついだろうという意見はひとまず置いておく。なんで結果が出ないんだろうというのは、得点が取れないからというよりは守備がめちゃくちゃだからではないかなという結論に至った。そんなフィンケの最後の試合。
前半はガンバのペースだったというわけで、ガンバはカウンターで何度もチャンスを掴んだ。浦和の攻撃はガンバの選手が待ち構えるゾーンに突っ込んでいって、ガンバの攻撃は広大なスペースに突っ込んでいった。この状況の違いが、ガンバの決定機の可能性の高さを印象づけたのは言うまでもない。このような状況の差を選択するために、ガンバは試合のプランを練ってきたのだろうと。
なんでこんなに浦和がカウンターをくらんだろうなと眺めていた。理由は幾つか挙げられる。ボールの近くに選手が集まってくるので、ボールを奪われたときにいるべき場所に人がいないし、そのカバーリングもない。そもそも、ボールを奪われたときに最初にプレスをかける選手がほとんどいない。ボールの奪われ方もそこで奪われるのかいという場面が頻繁に。
カウンターの準備が出来ていないので、相手のFWとCBはがちんこの勝負が迫られる。相手はイグノとルーカスでは苦戦するもの仕方ない。ボールを奪えれば、攻撃は継続できるのだけど、奪えなければ一気にピンチの局面。このような状況が日常的に訪れるようだと、浦和はなかなか失点を防げないだろうなと。プジョルとテリーでも連れてこないと難しい。
また、ガンバがボールを持っている場面の守備もめちゃくちゃであった。攻守の切り替えが遅く、前線の選手は守備に戻ってくるスピードにムラがあるので、ボールホルダーにプレスがかけられない場面が多かった。ちなみに、守備の枚数が足りていてもプレスがかからない場面もあった。ひどい推測だが、守備がアドリブで判断されているのではないかと。必要のない前プレで無駄な体力を奪われたり、CBがボランチまで寄せたりとめちゃくちゃであった。
それに比べると、ガンバの守備はばっちり決まっていた。ゾーンによって、誰がボールにつめて、誰がカバーリングして、どこからプレスをかけて、マークはどこまで捨てるかが整備されていた。浦和の守備がぐちゃぐちゃだったので、余計にガンバの守備の精度が目立つことになる。でも、Jにはもっと守れるチームがあると思うけれど。
後半になると、ガンバはちょっとボールを保持するようになる。後半は自分たちも攻撃的にという姿勢を見せたのだろう。また、浦和のプレスがゆるくなったので、たまたまボールを持てた可能性もある。この変化によって、浦和はガンバのカウンターから開放されるようになる皮肉。ポゼッション勝負になると五分五分の展開になるから、戦い方の重要性を感じさせる後半の立ち上がりであった。
しかし、やっぱりカウンターをくらう浦和。数的不利のカウンターをハンドで止める山田。レッドでもおかしくないが、ラストダンスの選手が多いからか、何故かイエローで済んだ。だが、このFKを遠藤が決めて、ガンバが先制する。この得点する前に、ガンバは宇佐美を投入し、システムを4-3-1-2に変更していた。イグノとルーカスでそれなりに守れていた中央に選手が増えたことで、守備のバランスが崩れるガンバ。
高い位置で浦和のSBを抑えていたガンバの中盤だったが、システム変更によって、浦和のSBが普通にプレーできるようになる。中央は固めているが、相手を押しこんでボールを保持できるようになった浦和。高い位置でボールを持てれば、攻撃に迫力は出るわってことで、宇賀神のミドルが炸裂して、同点ゴールが決まる。そのあともガンバはシステムを変更することなく、試合を続行。ちょっと無秩序になりそうな気配のあった試合だったが、そのまま後半は終了。
で、延長になると、ガンバはシステムを前半に戻す。宇佐美をFWにして、佐々木をサイドで起用した。浦和は攻撃的な選手の枚数を増やして、可能性を感じさせる場面もあったが、前半と同じようにカウンターをくらう場面が増えていった。宇佐美のカウンターは得点の気配を感じさせるには十分すぎるほどだった。で、決勝点もカウンターから。ボールを奪われて、ゆっくり戻る浦和の面々。ロングボールを入れられて、最後は宇佐美のシュートが炸裂した。
これで試合は終了。最後のパワープレーちっくなクロスの連発も、空中戦の鬼がいない状態ではやっぱり怖くない。こうして、細貝、ポンテ、フィンケのラストダンスは終了した華麗な踊りを見せることは出来なかったが、若手が成長していることは間違いないわけで、この路線を継続してもらいたいところ。ただ、守備の整備をしないことには、何も変わらないと思う。
■独り言
そんなわけで、今年の更新は終了。普通に明日から更新しそうなので、日常と何も変化はないですが。今年の反省は、もっと生で試合を見たいけど、サッカーを教えているとそれはちょっと難しい現状に楔を打ちたいところ。でも、方法が見つからん。まだまだ、サッカーの勉強も足りないし、文章もいかれているので、勉強は死ぬまで続くのだろうと。ま、気楽ですが、まだ続けていく予定ですので、明けてもよろしゅうたのんます。
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ガンバ対浦和 ~ラストは踊れたか~
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2010年11月04日
磐田のスタメンは、川口、山本康裕、古賀、イガンジン、山本脩斗、那須、上田、西、船谷、ジウシーニョ、前田。磐田は先入観を抱けないくらいに、最近の情報がない。前に見たときは、岡田がミドルを決めた試合だった記憶がある。月並みなことを言えば、世代交代に失敗したのかなという勝手な憶測くらいである。成岡、犬塚は元気だろうか。ジウシーニョ、カレン、前田のトリオ時代が懐かしい。
広島のスタメンは、西川、森脇、中島、槙野、和幸、浩司、山岸、ミキッチ、高萩、高柳、李。広島の情報はたくさんある。ストヤノフと寿人、青山がベンチにいる次点でかなりきつい状況。でも、李が調子を上げてきていて、今になってニューヒーロを受賞した高萩も気合が入っているだろうし、槙野は言うまでもなく。ちなみに、久々のスタジアム観戦でした。
■決勝戦らしい30分
柳下監督曰く、はじめの30分は申し訳ないゲーム。なので、まずは磐田が先制する最初の30分までの印象を。広島はいつもの3-4-2-1を4-1-4-1気味に変更して、ボールを大切にするサッカーを実行する。決勝戦でも俺達はスタイルを変えないよ、という予想通りの広島の試合への入り方であった。選手がポジションを変更するのは、相手の守備の役割を混乱させて、ビルドアップを有効に進めるための方法である。
磐田のシステムは4-4-2。高い位置から積極的な守備を見せていた。前田とジウシーニョの絶え間ないプレスには頭が下がる思いだった。もちろん、どこまでも相手を深追いすることはなく、自分たちのプレスを始めるラインが明確に定められていて、チーム全体で共通の理解のもとに守備が行われていた。また、広島のシステムが流動的であることを織り込んで、守備の役割分担を行ったことから、広島はなかなかボールが運べない状態となった。
なので、広島は磐田のプレスがかからない位置にボールを動かしながら、前線にボールを入れる機会を慎重に伺う。磐田は深追いしすぎないように、それでも、隙あらばどこまでも深追いする準備をしながら、がっつりと守備を固めていた。広島は和幸がDFラインに入るので、アンカー気味に浩司が孤独だった。磐田はFWが浩司のパスコースを切り、中盤の選手もマークを外さなかったので、なかなか浩司経由でボールを運ぶことが出来なかった。
ただし、ボールが入れば、ダイレクトプレー&ロングパスで状況を変えられそうな雰囲気がなかったわけでもない。ただし、浩司にボールが入る機会を最小まで削っていた磐田の守備を褒めるべきなんだろうと。なので、シャドウがボール運びに加われれば、状況は変化したかもしれないが、そんな動きは見られなかった。ワントップとツーシャドウで相手のDFラインを中央に絞らせる&空いたサイドのスペースにWBを上がらせて相手を押しこむので、気軽にボールを受けに中盤に下がってくるべきではないかもしれない。でも、セレッソの3シャドウがやっているように、たまにはやるべきなのではないかと。
なので、試合は完全に膠着状態となる。広島は安全な位置からなかなかボールを運べないし、磐田はちっとも攻撃的な守備を発動しない我慢の時間が続く。どっちかといえば、磐田の方がFWと相手のCBが勝負をする場面が多かったので、何かを起こせるとしたら磐田だろうけど、なかなかそれも起きないだろうなという最初の30分となった。広島はゴールキックからボールを繋ごうとしたが、磐田はそれをさせずに空中戦を選択。しかし、空中戦はどっちつかずだったので、試合が動かない要因ともなった。
■意地みたいなもの
試合が動いたのは広島のミスからであった。見る人によってはボールを大切にするどころか、危険な印象を受ける広島のボール運び。ロングキックは上手いが、流れの中では意外に安全なプレーだったり、驚くようなミスをする西川くんが痛恨のキックミス。これを拾った船谷→前田のクロス→船谷がヘディングで決めて、磐田が先制点を得る。我慢を続ける磐田からすれば、願ってもない展開である。
これで、動き始めたのがミキッチ。広島は浩司のミドル以外はほとんど見せ場がなかったが、急に目を覚ましたかのようなドリブルを見せるミキッチに磐田はかなり苦戦する。そして、ミキッチが個人技でサイドを制圧して、DFと川口の間の絶妙なクロスを入れると、これを李が何とか押し込んで広島が前半のうちに同点ゴールを決める。両ゴールとも、ほとんどゴールの雰囲気がないところから生まれたゴールであり、不思議な印象を受けた。ちなみに、パフォーマンスを楽しみにしている観客は間違いなくいた。
後半になると、広島は得意のロングボールを増やして攻撃を組み立ててくる。磐田は中盤でのボール奪取を狙っているので、それにお付き合いする必要はないよねという修正。で、これがいきなり実のだから面白い。後方からのロングパスを李と山岸が上手く入れ替わって裏に飛び出すことに成功する。で、山岸は川口の股を抜くシュートで逆転ゴールを決める。
その後も広島はロングボールを中心にサイドから磐田の守備を苦しめる作戦を遂行。で、青山を投入し、ボールを落ち着かせることも狙ったようで。浩司に比べると、青山の方がボールを受ける動きは非常に多かった。焦る磐田は攻撃を組み立てようとするが、前半にも見られたように基本はロングボール。広島の攻守の切り替えに苦戦したように、試合を作れそうな雰囲気はなかった。なので、攻撃的な選手を投入。菅沼、山崎を投入し、流れを引き寄せようとする。
で、広島はミキッチ→横竹。この交代は物議を醸し出しているようで。スタジアムで感じたのは、延長戦をまったく考えていないのかなという不安。追いつかれたらどうするのだろうと、周りと話していた。ミキッチはバテてしまったようで、この試合の隠れMVPの退場にがっかりする空気があったのも見逃せない。横竹の登場くらいから、広島は引いて守備を固める方向に進んでいった。
磐田の流れの中での攻撃は西くらいしか可能性を感じさせる場面はなく、前田の個人技が爆発する雰囲気もなかったので、西川のファインセーブは上田のFKくらいかなと。これは印象で申し訳ないのだけど、磐田はコーナーキックも少なかったと思う。つまり、それだけ上手く攻撃を仕掛けられていなかった。しかし、広島が後方に下がってことで、磐田にとって、懸念されたボール運びが解決される状況となる。
ここで、輝き始めるのが上田と交代で入ってきた選手たち。広島のエリアに迫っていく場面が増え始め、あんまり見た記憶のないコーナーキックの回数も増えてきた。何度か相手の陣地で時間稼ぎをできそうな場面があったのだけど、仕掛けちゃって相手にボールを渡す場面もあり、次の機会にはいきそうな経験となるのだろうなと。それでも、守りきれるかなと眺めていたが、コーナーキックから那須→西川はじく→前田登場でまさかの同点ゴール。東京ドームに行く予定の人は悲鳴である。
というわけで、延長戦。周りと話していたのは攻撃的な選手を投入した磐田が有利だろうねと。ここから広島が流れを取り戻せたらすごいだろうと話していたら、広島がいつもどおりにプレーを始めるのだから凄い。ちょっと感動。そして、たぶん高萩のミドルがバーに直撃する。スタジアムのオーロラビジョンには李のくやしがる表情で李が打ったのかと勘違いしそうになった。
で、試合を決めたのはまたもセットプレー。ニアでボールをそらす那須→菅沼で広島は絶望となる。そして直後に積極的なゴリ押しドリブルで存在感を見せていた山崎が前田とのコンビで突破すると、最後はシュートを決めて、広島の選手に絶望感をもたらせる。しばらく立ち上がれなかったもんね。
でも、そこからあきらめない男・槙野が出てくる。延長前半の終了間際にFK。決めたらすごいなと話していたら、最初は壁にぶつける。で、またファウルをもらって、蹴り直しを豪快に決めて、まだ試合は終わっていないことをスタジアムに示した。しかし、試合は無秩序な状態になっていて、この状態の前田は恐ろしかった。しかも、運動量が落ちない。延長後半に広島に絶望的なとどめをさす。同点ゴールとこの一発でMVPは決まったのかな。それでも、あきらめない男・槙野は最後まで攻撃を続け、PKを得ると、これを川口に止められて試合が終了した。
■独り言
会場の雰囲気を。指定席はすいていたが、自由席はなかなか埋まっていたと思う。まだまだ入るだろうけど、これぐらい観客が入れば、選手たちも気合が入るのだろうなと。磐田サポのほうが多くて、声も出ていた。ちなみに、広島側で観戦。広島にとっては、延長は苦しい展開だったけど、最後まで応援を続ける広島サポには尊敬の念である。どこもやるだろうけど、実際に目にすると、その威力は違う。そして、最後まで勝ちに行った広島はファイナリストにふさわしかったと思う。大味な試合のようだけど、両チームの哲学や個々の選手の気持ちがたくさん表現されたいい試合だった。
最後に、黄金時代から姿を変えて、それでも復活しつつあるジュビロ磐田の今後に期待である。いい補強しているね。
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磐田対広島 ~チームの哲学と個人~
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2010年10月18日
浦和のスタメンは、山岸、平川、山田暢、坪井、サヌ、細貝、柏木、原口、峻希、達也、エジミウソン。久々のJ。やっぱり1試合くらいはやりたいなと感じている。欧州の試合を削ってでも。というわけで、フィンケ改革が結果に出ている雰囲気の浦和。しばらく負けていないらしい。そして、マルシオ・リシャルデスは来るのか。
セレッソのスタメンは、松井、高橋、茂庭、上本、丸橋、アマラウ、マルチネス、清武、乾、家長、アドリアーノ。ほぼベストメンバーだと認識している。調子の良かった頃と比べると、結果が出ていないような気がする。なので、その原因がわかれば吉。でも、みんな元気だといいな。そういえば、マルチネスをまともに見るのは初めてである。
■久々のJリーグ
浦和のシステムは4-2-3-1。フェンケ改革の目玉であろうボールを持っている時よりも、相手がボールをもっていないときに強さを感じる場面が多かった。前線の4人の連動したプレスとボールホルダーへの激しい圧力にセレッソはかなり苦しんでいた。特に、達也がマルチネスに鬼プレスを浴びせることで、セレッソのボール運びの中心であろうマルチネスを蚊帳の外におくることに成功する。
中央のプレスがきつければ、SBからボールを運びたいセレッソ。しかし、両サイドの若武者が激しい守備でセレッソのSBに対抗。特に高い位置を取る丸橋対どこまでもついていく峻希の勝負はかなり見ごたえがあった。ちょっと前のセレッソだったらDFラインを下げて、GKを使ったポゼッションで相手のプレスを回避していた気がするのだけど、序盤にそういうプレーは見られなかった。浦和の狙いが前プレならば、お付き合いする必要もないよねってことだろう。
なので、アドリアーノに放り込んで状況打開を狙うセレッソ。アドリアーノの周りにシャドウを配置することで、セカンドボールへの対策も万全の様子である。で、アドリアーノはその能力の高さを証明し、何度もボールをキープして独力で浦和の守備陣に勝負を挑んでいた。しかし、ボール奪取に優れた細貝と本当は守備もできるよ柏木によって、DFとMFで挟み込まれる場面が多かった。
落ち着いたボール運びで攻撃を構築出来ていたわけではないセレッソは、幅広い攻撃を相手に浴びせるというよりも、個人による特攻が多かった。乾とアドリアーノはそれでも可能性を感じさせるのだから凄い。しかし、浦和も数的優位で対応していたので、山岸を慌てさせるような場面はほとんどなかった。ドリブルに最初に対応した選手が意地でもついていくことで、数的優位作りに成功していた。
セレッソの攻撃を跳ね返しながら、浦和も攻撃を仕掛けていく。浦和の攻撃で怖さを発揮していたのが原口。ゴールへ仕掛けていくプレーが増えた気がする。プロにはうまい選手は多けれど、怖い選手は実は少ない。清武も相手に恐怖を与えるような選手になれれば代表も遠くないと思うのだけども。原口くんはこの調子で頑張ってもらいたい。以前に比べると、柏木は言うまでもなく、細貝も縦パスを入れる回数が増えているので、浦和はボールを運べない病から徐々に脱却しているのかなと印象を受けた。
先制点は浦和。峻希がトラップミスをそのままの勢いで相手にプレスをかける。エリア内でマルチネスからボールを奪って、達也→エジミウソンと繋いで綺麗なゴールを決めることに成功した。ボールを奪われたマルチネスは倒れていて、ファウルをアピールしたかったのかもしれないが、自陣であれでは味方に怒られそうである。この失敗を取り返すようなプレーをしない限り。
浦和のプレスによって、セレッソはゆったりしたポゼッションからの攻撃ができない→攻撃に枚数をかける時間がないので、前線の選手が特攻を繰り返す場面が多かった。個人技があるせいか、それでも形が作れてしまうことが、その形を継続することになるのだけど、状況を打開できそうな気配はあまりなかった。その苛立が全体に波及していくと、セレッソは球際でラフプレーが目立つようになる。浦和が球際で妙に強さを発揮していたこともこの原因かな。
で、25分くらいに達也→高崎。達也はファウルを受けまくっていた。背が小さいけれど、ポストプレーが好きでドリブラーな達也君は生傷が絶えないに違いない。そして、出番が増えつつある期待の高崎が登場。達也と同じように、高崎もマルチネスを担当するような様子を感じ取れたが、達也ほど熱心ではなかったので、徐々にマルチネスが力を発揮し始める。失点したことで攻撃意欲を強める&マルチネスとアマラウが自由になり始めたことが相まって、一気に浦和のゴールに迫る回数が増えていく。
いつものようにボールを運び始めたことで、セレッソの時間が増えていく。評判のマルチネスは左足で長短のパスを織りまぜてゲームメイクをしていた。確かにうまい選手のようで。ただし、エジミウソンは献身的に、両サイドの若手も上下動を繰り返しているので、セレッソはなかなか幅のある攻撃を仕掛けられなかった。さらに、柏木と細貝とDFラインが連携してゴール前を固めていたので、バイタルが開かないので、シャドウがなかなか輝かない様子。
流れが駄目なら、セットプレーだよと丸橋が得意の左足でチャンスを演出するのだけど、間一髪でそのピンチをしのいでいく浦和。でも、失点してもおかしくない場面ができていたのも事実で、このままでは危険な様子であった。それでも、前半は無失点で折り返すことに成功する。ボール運びにはまったく貢献していない山岸だが、安定感のあるセーブでチームを後ろから支えていた。
後半になっても、展開は変わらない。浦和は後方からボールを繋ぎたそうなんだが、セレッソのがむしゃらなプレスに苦しむ場面が多かった。なので、前線に長いボールを蹴るのだけど、それらをマイボールにできる計算がたっていなかったので、効率的ではなかった。なので、セレッソが浦和のゴールに迫る展開となる。怪我をしているらしいサヌは、途中で宇賀神と交代をした。
攻守に安定したセレッソだったが、恐ろしいボール奪取力を見せる細貝、柏木、山田暢、坪井の固める中央に苦戦していた。特に柏木は繰り返される上下動を試合終了まで何のためらいもなく続けていた。ようやく自分らしさを取り戻してきたのかもしれない。前線へのフリーランニングで味方を活かしたり、自分がボールを受けて仕掛けたりと、かなりの奮闘であった。ただ、こういう時間にボールを保持できれば、浦和はレベルアップするのだろうけど、まだまだ後方からのビルドアップには苦労が耐えないようで。
セレッソは播戸、小松を投入し、前線の枚数を増やしてきた。アドリアーノも下がるかと思ったが、お休みが続いていたようでフィジカルがまだまだらしい。システムを変更して、相手を混乱させる狙いである。しかし、フィンケも直ぐに対応。その前から細貝が高い位置から守備を従っていたのもその理由かなと。高崎→堀之内で4-3-3にシステムを変更。これで、柏木がより攻撃に力を発揮したのは言うまでもなく。
この交代の直後にスーパーゴールが生まれる。左サイドでボールを受けた原口はゴールに向かってドリブルを仕掛ける。味方のフリーランニングを囮に使いながら、中央に切れこんでいく原口は、右足を振り抜いてスタジアムに歓喜をもたらすことに成功する。自分の存在を声高に主張するようなゴールであった。守備をサボる場面もなく、ゴールを意識したプレーの増えた原口はこのまま成長していく可能性が高い。
この追加点と、攻撃的な守備を可能にした堀之内の投入によって、セレッソは意気消沈。残り時間は浦和が攻撃をしかけながら時間をつぶすことに成功し、またも結果を出すことに成功した。今年の目標はACLに出場することらしい。何よりも守備が安定してきたし、若手が普通にプレーできるレベルに成長してきているので、今後が楽しみなチームになってきた。これで、梅崎や山田直輝が帰ってくれば、楽しいことになりそうである。噂のリシャルデスはどうなるかわからないけども。
■独り言
というわけで、残り試合も少なくなったので、Jを一試合は見られるといいなと願っております。このまま名古屋が優勝するとは思えないので、盛り上がると嬉しい。そして、そろそろ残留争いも盛り上がってくるだろうで、それも楽しみである。サプライズを起こしたセレッソにはいい形で終わって欲しい。
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浦和対セレッソ ~柏木と細貝~
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2010年09月02日
広島のスタメンは、西川、横竹、中島、槙野、森脇、森崎弟、青山、服部、高萩、山崎、寿人。代表に選ばれている選手は、地獄のスケジュールに突入の季節である。今季は今までよりも各チームの監督が日程に文句を言っている印象が強い。そして、この過密日程について、選手はどう感じているのか興味深いところで。
ガンバのスタメンは、藤ヶ谷、加持加地、中澤、高木、安田、明神、武井、二川、橋本、宇佐美、ルーカス。ルーカスが帰ってきたので、平井はスタメンから落ちたようである。ってか、イグノやチョジェジンもいることを考えると、ガンバはFWの無駄使いをしている印象。FWで困っているチームにレンタルすればいいのに。
■ガンバ式広島対策
広島対ガンバはリーグ戦でちょっと前に試合をしている。その内容を簡単に振り返る。前半は広島が圧倒される展開となった。その理由は5-4で自陣に撤退する広島の守備だと、ガンバのボランチにプレスがかかりにくい現象。青山たちがプレスをかけると、5-4の真ん中にスペースができてしまうので、困る広島。で、後半はトップ下コンビを相手のボランチにぶつけて、守備の役割分担をはっきりさせる。これで、広島は流れを取り戻して、後半にらしさを発揮しました。
ただし、注意点がある。ガンバは前半にリードしていたので、相手にボールを持たせるような展開を望んでいた。なので、広島はそもそも守備をする機会が少なかったので、上手くいったという要素もある。この試合はそういう展開にならなかったので、ちょっと違う光景が繰り広げられた。また、ガンバもちゃんと広島対策を行ってきたのがえらい。なので、もっと異なる景色が姿をあらわすことになった。
ガンバのシステムは4-3-3。攻撃のときは4-4-2なのだけど、守備のときは4-3-3に変化していた。
個々の役割を見てみると、ルーカスと宇佐美が中央と左サイドを担当。橋本が右サイドの守備を行っていた。武井をアンカーとして、二川と明神は積極的にインターセプトを狙うことで、広島のボール運びを苦しめていた。特に槙野対策の橋本が非常に効いていた。
広島のボール運びは4バックに変更して行われることが多い。なので、相手を3バックだと考えて、守備の配置をすると、槙野がオーバーラップしてくることにびっくりすることが多い。ガンバは広島を4バックだと認識して、守備の配置を考えてきたようである。なので、橋本が槙野を担当することで、広島はサイド攻撃に厚みを加えることができなかった。いつもだったら、ロングパスでボールを受けるWBにフォローしに来るCBって構図を破壊したガンバの守備である。
さらに、宇佐美たちが積極的なプレスを見せることで、広島はなかなかボールを落ち着かせることができなかった。なので、寿人へ放り込む定番の形からチャンスを作っていくのだけど、さすがに技がそれだけでは悲しいところで。なので、森崎弟と青山のロングパスで状況打開を狙うけれど、サイドは上記のように孤立状態にある。孤立した状態でもサイドを突破できる選手であれば、こんなことは問題にならない。でも、今日の右サイドは守備のことを考えて森脇。前回に清水を使って失敗したのだから、しょうがない。
こうして広島の攻撃の分断に成功したガンバ。トップ下コンビが明神たちに襲い掛かっても、加持と安田がフリーであることが多いので、簡単にボールを運んでいくガンバであった。前回は攻撃意欲がなかったけれど、今日は目指せアウェーゴールってことで、二匹目のどじょうを狙った広島のもくろみはあっさりと崩れ去ることとなった。もうちょい高萩と山崎が仕事できたら、広島は強くなりそうだけども。
そんなわけで、ボールを保持しながら相手のゴールに迫っていくガンバ。ルーカスにボールがおさまるので、宇佐美が自由に動き回って仕掛けているのが印象的だった。そして、二川はいちいち上手いし、橋本は必ずボール前に顔を出すことでシュートチャンスを何度も得ていた。武井も後方から攻撃を支援し、明神は恐ろしいくらいのボール奪取を見せていた。なので、西川君を脅かす場面も作れたが、ゴールを奪うことはできなかった前半戦。広島はあまりチャンスがなかった。寿人の動きとボールの出し手がシンクロしたときくらいかな。
状況が思わしくない広島は選手交代で流れを引き寄せようとするが、まったく流れに変化は生まれないまま、時間だけがすぎていく。ガンバは自分たち発信&高い位置で相手からボールを奪って、チャンスを作っていくが、西川がスーパーな働きを見せることで、チャンスをしのいでいく。しかし、この流れでは時間の問題ってことで、先制はガンバ。相手のボールを奪ってカウンターを仕掛けると、相手のブロックが整う前に、ルーカスのミドルが炸裂する。
もう我慢できないってことで、広島はミキッチを投入するが、そんなに影響力はなし。ガンバは平井や佐々木を入れて、カウンターを仕掛けたがるが、徐々にリスクを冒し始める広島の前にボールをもたれる展開となる。なんというデジャブ。橋本がいることで、攻撃参加を自重していた槙野も死なばもろともってことで、高い位置に進出し始める。逆サイドもしかり。この動きによって、広島らしい数的優位な攻撃がちょこちょこ見え始める。なので、山口を投入して守りきりをはかるガンバ。こうして、アウェーゴールのウノゼロで試合を終えることに成功したガンバであった。
■独り言
広島は選手配置の妙によって、数的優位や周りの選手に時間とスペースを与えることができる。しかし、その数的優位や時間とスペースを活かせなければ意味がない。そういったものを日常的に得ることができていれば、近い未来に成長していく可能性は高い。しかし、今が旬の選手からすれば、周りの選手の成長を待っている暇はない。給料が高ければ、待つことはできるかもしれないけれども。今日の試合を見て、柏木が移籍した理由がなんとなくわかった気がした。ただこの広島のサッカーを個人技が鬼の選手たちがやったらどうなるかは、非常に興味深いところ。
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広島対ガンバ大阪 ~繰り返される~
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2010年08月15日
清水のスタメンは、西部、太田、平岡、岩下、市川、本田、小野、兵働、岡崎、藤本、ヨンセン。首位攻防戦で結果を出した清水。ここで負けたら意味ないよねと言われているが、そんなに簡単な相手では無いイメージ。ボスナーが帰ってくれば、ベストメンバーになるのかな。ベンチにボスナーが居る。
マリノスのスタメンは、飯倉、波戸、中澤、栗原、天野、松田、小椋、兵藤、俊輔、長谷川、渡邉。気づいたら、外国人が誰もいない。今季の補強に失敗したのだろうか。マリノスと言ったら、アルゼンチン人を補強していたのは、懐かしすぎる記憶か、狩野はどうしたのだろう。今日はちゃぶれるか。
■シュンスケナカムーラ
清水のシステムは4-1-2-3。CBから攻撃が始まっている。西部はそんなに足元があるわけではないので、CBからバックパスが行われる場合はちょっと厳しいかもしれない。でも、最前線にヨンセンがいるので、適当にハイボールを蹴るしかないときの保険がある。なので、清水に激しいプレスをかけてもリターンはあんまりないかもしれない。
CBに時間とスペースを与えるのが本拓の仕事。相手のFWがCBに襲いかかるようだったら、3バックでポゼッションに切り替える。相手のFWが守備ブロックに参加しているときは、FWの間に位置してボールを受けるよりは相手をひきつけることに尽力。試合を作る仕事は周りの選手ができるので、泥臭い仕事を引き受けているようである。非常にえらい。
SBは高い位置取りが基本。WGが中央に侵入したときは、サイド攻撃を担っている。もちろん、低い位置でボール運びに絡むこともあるが、クロッサーとしての仕事が多い印象。SBが攻撃参加する→開いたスペースに小野と兵働が移動してきて、前を向いてボールを運ぶケースも多く見られる。つまり、周りの選手の位置やチームの状況によって、多彩なポジショニングが求められる。
小野と兵働は仕掛けとボール運びがメイン。特に兵働は低い位置までおりて、局地的な数的優位形成に尽力している。小野はまさにクリエイティブなプレーで最後の仕上げを何度も行う、トリッキーなプレーも健在。また、攻守の切り替えが小野は非常に早く、最初にプレスをかける選手として機能する場面が見られる。
3トップは変幻自在。WGはサイドチェンジの受け手として機能することもあるが、基本的にはバイタルで活動したり、相手の最終ラインと駆け引きをしたりするのがメイン。なので、ヨンセンも含めて、ポジションチェンジが活発に行われる。サイド攻撃を担うのは、SBだったり、小野×兵働だったりするので、相手を混乱させる仕組みが成立している。
後ろからボールを落ち着けることができるので、ゴール前に選手を投入することが可能。なので、アーリークロスやサイドからの崩しが有効に機能する。WG、小野×兵働×SBがサイドに集まることで、サイドで数的有利になる場面を作ることが非常に多い。太田は突破力がそこそこあるので、ボールを持ったときが楽しみ。ただし、藤本と岡崎はサイドから突破する能力が長所ではないので、それを考えたサッカーとも言えそう。
そんな好調の清水に挑むのがちゃぶるマリノス。試合前の予想では、ポゼッションの激突になり、マリノスがそれなりのサッカーを見せて清水を苦戦させるのかなと考えていた。その理由は、相手がボールを落ち着いた時の清水の守備が強くない。なので、馬鹿みたいにボールを落ち着かせてポゼッションするようなチームとの相性が悪そうな予感。ちなみに、この予想は華麗に外れるのだけど、そういう要素を読み取ることもできた。
試合は序盤から動きを見せる。開始のホイッスルの余韻が残るスタジアムで、コーナーからトリックを見せるマリノス。ショートコーナーから俊輔が華麗なドリブル&右足でゴール前にボールを送ると、兵藤があわせてマリノスがあっさりと先制することに成功した。まさに俊輔が相手をちゃぶった瞬間である。清水は立ち上がりが悪いとかそういう感じは受けなかった。あれはしょうがない。
そんなわけで、清水の逆襲が始まる。マリノスは受けに回る格好となり、清水がポゼッションで相手を苦しめていく展開。しかし、鹿島戦で見られたような、ゴールキックをヨンセンにぶつける形がほとんど見られなかった。ゴールキックから愚直にボールを繋いでいく清水。しかし、この状態はマリノスも狙っていたようで、そこそこに危ない場面が多かった。後半は蹴っていたので、恐らく風が強かったのだろう。
よって、地上戦一辺倒になる清水。それでもボールを運んでいくのはやっぱり凄い。でも、鹿島に比べると、全員で守備ブロックを形成するマリノスの前に手こずる場面が多かった。清水のサッカーの肝はポジションチェンジや攻撃参加する枚数を増やすことによって、フリーな選手を作り出すことにある。しかし、マリノスはFWも守備に参加させたので、なかなかそういう状況がゴール前につくることができない清水であった。
また、サイドからクロスを上げてもBOMBERを中心とする高さが売りのマリノスの前に、跳ね返される場面が目立った。なので、ボールを運べるのだけど、相手を押し込むことができないし、アーリークロスもいまいち効果的でない清水。ちょっと困った感じだけど、そこまでネガティブになる状況ではなく、トッテナムのようにこの攻撃を続けていればいつかみたいな状態。
で、マリノス。決定機やシュートチャンスはほとんど作ることはできないのだけれど、ボールを運ぶのはゆっくりとうまくなっている。なので、清水のプレスを回避して、自分たちの時間をたまに作ることに成功していた。鹿島はここでロングボールを連発したので、すぐにボールを奪い返せた清水。マリノスはボールを保持したので、清水はちょっと体力を浪費したかなって印象。
で、清水の守備を見ていると、我慢し切れない場面が多かった。自分のゾーンを超えてプレスにいって、相手の攻撃のスイッチを入れてしまうみたいな。ボール運びを効果的に邪魔できないので、苦労しながらボールを運ぶマリノスからボールを奪えない場面がちょこちょこ。このあたりのリスク管理がバルサ的なポゼッションですってなると、ちょっと博打かなと思ってしまう。
しかし、流れが駄目ならセットプレー。清水には小野と藤本の精度の高いコンビがいる。で、コーナー崩れから藤本の完璧なクロスを岡崎が完璧なヘディングで同点ゴールを決める。やっぱりセットプレーって大切だなとみんなに思わせた瞬間。同点になっても基本的な流れは変わらない。日常的に清水がせめて、思い出したようにマリノスのボールを運んでいくような感じ。マリノスは俊輔がフリーダムな動きで相手のマークから離れていた。
■ボスナーの登場
後半になると、マリノスがちょっと攻撃意欲を強くしてくる。ボールは運べるので高い位置で仕掛けられる俊輔。で、自分でファウルをとって、自分で直接FKを決めてしまうのだから、漫画の世界のお話のようで。またも、立ち上がりの失点に後悔が募る清水であった。
で、清水の攻撃なんだけど、今日は全体の運動量が少ない→相手から自由になれない現象が多発。なので、パスカットされたり、ボールがそのまま流れたりする場面が多かった。太田が俊輔に仕掛けたように、俊輔をサイドを狙い撃ちする状況を作りたくても、マリノスの前線が邪魔をするので、困った清水。だったら、小野のファンタジーだけど、兵働ミドルは枠の外。だったら、セットプレーは長谷川にクリアーされる嫌な展開。
で、ちゃぶる監督は山瀬を投入。で、山瀬はそこまで守備をしなかったので、チャンスができそうな清水。追加点を狙う姿勢はかっこいいけど、そこをいじるかちゃぶる監督。
そんな中で、岩下が退場。足の裏を相手にみせたアフタータックルで一発退場であった。あの位置でそんなファウルをする必要があるかは疑問が残るプレー。これで、小野→ボスナーで攻撃の枚数が減る清水。4-3-2にシステムを変更して、相手にボールを持たれる展開となった。久々にちゃぶれそうなマリノス。
で、ボールを保持するマリノスは全然ちゃぶれそうな雰囲気がなかった。相手が10人になっても、引きこもっていれば、ちゃぶるのは難しい。しかし、相手は前に出てきているので、持ち味を出したかったところだなと。ここで追加点を取れていれば、文句のない試合になったマリノスであった。
清水は永井を投入。ドリブルで仕掛けさせるのかと思ったが、なぜかハイボールの的になっていた。ヨンセンの代わりに交代したからといって、この使い方は笑った。しかし、ハイボールに飛び込んでいく永井はヨンセン的な役割をこなして、チャンスをつくっていた。びっくり。でも、岡崎が外しちゃうのだけど。
ボスナーの強烈ミドルやボスナーを前線に上げたパワープレーで迫る清水。しかし、栗原の体を張ったプレーや、BOMBERの高さ、小椋、天野の身を投げ出したプレーと、異様な気合を見せるマリノスの前に、悲しい終了のホイッスルを迎えることとなった。こうして、鹿島に勝ったけど、次に負けるというやるせない結果に終わった清水であった。
■独り言
負けたけど、やっぱり清水がは強いなって印象を受けた。でも、やっぱり守備の幅が狭いので、そこをもうちょっと何とかしないとこういう負けが出てくると思う。また、前線が固定気味かな。相手が対策をしてきたら、運動量が必要になってくるので、その時が心配。控えにスタメンと同等の選手はいそうでいないような。山本に期待しているのだけど。サカつくでお世話になったし。
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清水対マリノス ~おかえり俊輔~
posted by らいかーると |11:17 |
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2010年08月11日
広島のスタメンは、西川、槙野、ストヤノフ、森脇、横竹、青敏、服部、清水、山崎、浩二、寿人。怪我人が多い&累積で中島が欠場の広島。先入観になってしまうが、広島は怪我人が多い印象がある。実際はどうなんだろうね。若手が台頭すれば良しだけども。
ガンバのスタメンは、藤ヶ谷、加持、中澤、高木、安田、明神、遠藤、橋本、宇佐美、イグノ、平井。もちろん、本人たちの努力はいうまでもないが、宇佐美と平井はラッキーなタイミングでトップチームに昇格したのかなと。ブッフォンもそうだったけど、タイミングって本当に大事。でも、レジェンドクラスになる選手って、そういうのに恵まれていることが多い気がする。
■氏いわく
まずは、ペトロビッチ監督の試合後のインタビューから。JSGOALさんから引用しています。
' 「前半、我々が考えていたよりも、チームはいい出来ではなかった。2失点とも、ナイーブな失点だ。今日も多くの選手がいない中の敗戦となったが、その責任は私にある。先発の11人には、私が思ったように試合が進んでいかなかった。違った11人を考えるべきだったと思う。
後半はよかった。どこかで1点とれれば、試合は違った展開になった。我々は引き続き、後半のような試合をしないといけない。後半はより運動量は豊富だったし、よりいいコンビネーションでプレーできた。G大阪は経験のあるチーム。我々のミスを見逃さず、試合をモノにした」
Q:責任は自分にあると監督はおっしゃったが、具体的には何を失敗したと考えるのか?
「結果論にはなるが、私が考えた11人でスタートしたのだが、ああいう形になってしまった。サッカーだし、思惑と違って進むことはよくあることだが、もっと違う形で入っていれば、違った結果になったかもしれない。ただ、過ぎたことを悔いても仕方がない。ミスから学ばないといけないし、私もミスから学ぶことが多い。G大阪は経験もあるし、よく訓練されている。ただ、後半はいい形もできたし、選手たちはよく闘ってくれた」'
このインタビューを読んで思い出したのがオシムの言葉。ただし、発言元は見つからなかったので、ソースは脳内になります。その言葉の内容が、日本のジャーナリストは試合において、監督のミスを見つけるのが上手くない。なので、ミスがバレない。こんな内容だったような気がします。
このインタビューを見てもわかるとおり、前半の広島は決して良くなかったが、後半は良かった。槙野のインタビューにもそのような内容が記載されている。で、その推移について考えるのが、今回のテーマになっているわけです。
序盤はガンバがボールを保持する展開で試合が進んでいった。広島は高い位置でプレスを掛けまくるチームではなく、5-4で自陣に撤退して守備を固めるスタイルを採用している。なので、広島相手にボールを保持することに限っては、そんなに困難な仕事ではない。なので、いわゆる見慣れた光景が広がっているのだけど、徐々にガンバが広島の守備陣を崩しにかかるから、面白い。
。
広島の守備は5-4で形成される。WBがDFラインの位置まで下がり、トップ下の選手がSHの位地に移動する。寿人はときどきMFと相手を挟み込むくらいで、がむしゃらに相手を追い掛け回すことはあまりない。今日もこの形で守備は行われた。この姿勢が痛かったかなと、とても感じるところで。
ガンバのシステムは4-4-2。宇佐美と橋本は中央に進出するのが特徴のようで、4-2-2-2と表記したほうが現実的な印象。そして、SBは高い位置まで飛び出してくるので、攻撃のときは2-4-2-2のようになる。数字遊びはこのあたりで終了。
優秀なのが、FWコンビ。サイドが空になれば、サイドに流れて相手を牽制したり、宇佐美たちがバイタルで活躍できるように、中央で相手CBと裏への駆け引きを繰り返したりと、ボールを持っていないときの働きが優秀だった。得点以外でもチームに貢献できれば、急に干されることはないだろう平井。
ここで、クイズ。ガンバの遠藤や明神は広島の誰が担当すべきか。広島の選手たちは答えの意思統一ができていなかった。つまり、準備不足。トップ下コンビは相手のサイドを見ないといけないし、ボランチは中央に入ってくる宇佐美たちを見ないといけない。寿人を走らせる裏技もあるけれど、それはきつい。なので、実際には青敏が走ったり、サイドの守備を捨てるトップ下コンビだったりで曖昧な感じ。
今までの広島の戦い方から考えると、正解はもっと撤退する。つまり、スルー。5-4でゴール前に壁を作ればよかったのだけど、今日の広島はちょっと高い位置からプレスをかけたがっているように見えた。これは誰かに聞いてもらいたかったな。いつもより、ボールホルダーにプレスをかけたがっていたのはなぜって。ボールを保持したかったのかな。
そんなわけで、広島の守備組織はかなりぐだぐだになってしまった。よって、この試合の注目である清水君は、なれない守備を独りぼっちで行う必要が出てくる。普通はSHとSBがコンビを組んで相手と対峙するのだけど、SHもDHもいつもとは違う位置にいることが多かった。もっというと、そのせいで、WBも中央に絞る必要があった。なので、安田へのプレスが遅れたって原因も考えられる。
つまり、ペトロビッチ監督のミスは、ガンバ対策の準備不足である。攻撃的な清水を配置した→ボールを保持して攻撃を仕掛ける時間を増やすことでリスクマネージメント!!→あれ、ボールを奪えない!!!みたいな流れだったかな。それでも、最初から森脇をサイドで使っていれば、それなりに耐えられたって説が出てくるだろう。ただし、攻撃的に振舞うのがペトロビッチらしさだろうで、まあしょうがないかと。
普通の監督だったら、清水に気を使ってみんな守備をするようにって清水周りの選手に指示を出して、リスク管理しそうな気がする。哲学の違いってやつだろうか。そんなわけで、清水サイドから立て続けに失点を許してしまう広島であった。
■良くなっていく広島について
2得点したことで、ガンバはボールを保持するよりも、しっかりと守備をする気持ちが強くなっていくように見えた。そしてカウンターを食らわせるような。ガンバはFWコンビが守備面でもパスコースを切り続けてくれるので、縦パスを中盤で奪える場面が頻出した。しかし、餅は餅屋。ボール運びなら広島ってことで、広島は徐々に流れを掴んでいく。
逆にガンバは、攻撃の緩急が曖昧でボールを失う場面もちらほら。で、ガンバの中盤はポジションチェンジアタックを行うので、攻守の切り替えが遅いと守備に穴ができる。で、ガンバは攻守の切り替えがそんなに早くないので、その隙にそのスペースを利用してボールを運んでいく広島。また、今日は寿人がポストに入ることで、仕掛けの部分までいたることが多かった。
で、後半4分に桑田、丸谷を投入。交代したのは清水と青敏。青敏は相手から狙われていて、精彩を欠いていた。というか、ガンバの中盤が地上戦上等って感じだったから交代したのだと思う。
守備面では、相手のDHにトップ下コンビをぶつける広島。これで、相手の自由をたつ。サイドはされされそうだが、森脇を配置している&ボール保持率も上がるだろうで、あんまり心配はしていなかったろう。攻撃面では、浩二とストヤノフがロングボールで試合を作っていた。特に大外から進入してくる相手を捕まえきれないガンバって場面は多かったと思う。
整理すると、相手の自由をたつ守備の役割分担と長いボールで広島が優位に立つ&ガンバにショートカウンターをさせない作戦で広島は有利にたった。ガンバは試合をコントロールしたかったのだろうけど、かなり危険な場面もあったのが現状。3点目が取れていれば、こういうネガティブなことも吹き飛ばせるのだろうけど、ガンバからすれば、まだまだ積み重ねるべきものがあるねって実感した試合になった可能性が高い。
ここで西野監督のインタビュー。
Q:広島には監督就任以来、リーグ戦では負けていないが。
「言われて、初めて気がついた。どの試合も簡単には勝てていない。いつも互いのスタイルを出し合っている。ポゼッションされたくない、守備だけに追われたくない。そういう気持ちは、みんなある。ポゼッションサッカーの代名詞を広島に譲りたくないと思っているし。ただいいゲームを、互いに質の高い試合はやれている。面白いとまでは言わないが、拮抗した醍醐味は出し合っているのではないか」
広島への対抗心が見え隠れしている。ただ、両チームともポゼッションだけのチームでないのは、そろそろみんな知っているので、そんな代名詞はいらないような気もする。なんにせよ、両方やりまっせってのはとてもいいことだと思います。
■独り言
というわけで、後半の広島はちゃんとガンバのことを考えたサッカーをして、優勢になったのだと。前半からそれもできなくなかったのだろうが、この計算ミスをペトロビッチはこの試合で消化しているのだから凄い。でも、こぼしたミルクは帰ってこない。だから、後悔は大きいんだよね。勝てたのにみたいな。
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広島対ガンバ大阪 ~計算ミスと修正~
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2010年08月03日
新潟のスタメンは、黒河、西、千葉、永田、酒井、本間、小林、リシャルデス、チョ・ヨンチョル、ミシェウ、矢野。序盤はメタメタだったらしいが、負けない新潟が出来上がっているらしい。噂では、ミシャウやチョ・ヨンチョルが抜群の働きをしているとか。黒崎監督が最適解を見つけたのかなと。
FC東京のスタメンは、権田、椋原、今野、キム・ヨングン、松下、高橋、森重、羽生、鈴木、赤嶺、大黒。正直いって、新潟をなめているのかというスタメンである。多分、ターンオーバーってやつだろう。細かい怪我も多いようで、無駄にベンチが豪華になっている。石川と平山はなかなか帰ってこない。
■イレギュラーなときに
今日は連戦の3戦目、コンディション的に厳しい中、うちのサッカーができるかどうかだった。パスをつないでイニシアチブを取りたかったが、F東京にボールを回されて後手を踏んでしまった。ただ、パスカットから一発を決めて先制したことが大きかった。
後半は相手が圧力をかけてきて、守備は相手に張り付く状態になったが、最後のところでは体を張ってくれた。厳しい状況の中、サポーターの声援が後押ししてくれた。
黒崎監督の試合後のインタビューです。なお、出典はJ'sGOALニュース。この文面から見ると、パスを繋いでイニシアチブを取ることを自分たちのサッカーと解釈できなくもない。なので、自分たちのサッカーができなかったと考えるのが妥当そうである。ということで、新潟はパスを繋いでイニシアチブを取るサッカーを目指しているとしよう。
赤嶺と大黒による決死の前プレの前に、新潟のCBはあわてる場面が非常に多かった。幸運だったのは、決死の前プレにFC東京の中盤が連動しなかったことにある。4-4-0-2のようなFC東京。前線の選手の暴走か、暑さで高い位置からのプレスが危険と判断したかは闇の中である。ようするに、FC東京の前プレはあんまり有効に機能しなかった。
ミシェウが相手のボランチの周りをうろちょろして、リシャルデスが0の位置でプレーすることが多かった。矢野が相手の最終ラインをマッチアップする&ミシャウが相手の中盤の中央とマッチアップする関係ができていたので、リシャルデスや新潟のボランチは、そこまで相手のプレスに苦しむ場面は少なかった。
新潟のボール運びはサイドにボールが誘導されることが多い。サイドにボールが入ると、個人技で勝負できるチョ・ヨンチョル、リシャルデスが異なる特徴で相手を苦しめ、両SBが積極的な攻撃参加で味方に選択肢を増やしていた。西と酒井の両SBの名前は覚えておいて損はないと思う。特に西は攻守のバランスが非常に取れている。
で、新潟はボールを運べないときのプレス回避策として、ロングボールが準備されている。矢野に向かってがむしゃらにロングボール。また、困ったときのリシャルデス。彼が低い位置でボールに絡むことで、中央で数的優位を形成する場面が何度か見られた。リシャルデスとミシェウの曖昧なポジショニングはなかなか面白かった。
このように書いていると、新潟がボールを持てる時間が多そうに見えるが、実際の様相はちょっと異なる。持たされているか、持てているかは別にして、FC東京はそれなりにボールを持つことができていた。新潟からすると、本当はボールを持ちたかったらしいので、そこのところを少し。
残念な結果だが、選手は下を向く必要はない。このコンディションの中でよく最後まで戦い、力を振り絞った。7月の最終週と8月の1週目はもっとも暑い。それは分かっているはず。それがどれだけ過酷なことか。相手は中2日、中3日、うちは中2日、中2日でこの試合に来た。フェアな条件の中で戦いたかった
またまた監督の言葉を引用です。フェアな条件なら負けなかったのかとかはおいておきます。この文面から読み取りたいことは、暑いのに過密日程ってなんじゃいってことでしょう。こういうスタメンを組んできた城福さんの気持ちを、少しは理解できた気がします。
そんなわけで、スタメンをまた眺めてみる。最初の印象はこのメンバーだったら、いつものサッカーは機能しないだろうなってこと。唯一のサイドからの仕掛け人であるリカルジーニョがいないので、サイドにボールを運んでも何も起きなそうな気配である。
しかし、FC東京は違った。いつものサッカーここにありである。石川が好調時のバイタル攻略から、ボールポゼッションでサイドから攻略サッカーになぜか変化している今季。その流れはこのメンバーでも継続のようであった。しかし、試合を作れる梶山がいない。サイドにボールを運んでも仕掛けられる選手がいない。
なので、後方からオーバーラップを繰り返して数的優位を作ったり、森重が何とか仕掛けのパスで状況を変えようと試みていた。しかし、餅は餅屋。非常に効率の悪い攻撃を余儀なくされたFC東京であった。大黒と赤嶺に放り込んでも、効率が改善されそうな気配はないし。
新潟の守備はなかなか面白かった。他のチームよりもボールを奪う気持ちが強い。普通は守備ブロックを形成して、相手が自分たちのゾーンに入ってきたら強襲をかけることが多い。それでも、ボールを奪えそうだなってときは自分のゾーンを捨ててボールを奪いに行くのだけど。その判断基準が新潟は面白かった。
新潟はボールを奪えなそうでも、普通にプレスをかけることが多く見られた。相手が隙をそんなに見せていないのに、プレスをかけてみようかみたいな。で、そのときのチームの意思統一が凄い。後ろの選手たちがちゃんと連動するので、相手を追い込めればボールを奪えるのである。しかし、相手の隙がないときでも特攻してしまうときがあるので、逆に相手の攻撃のスイッチをいれるきっかけになることもあった。
それでも、先制点が相手のバックパスを奪って、矢野が押し込む形なので、この試合の攻撃的な守備の収支は悪くなさそうだけども。このプレスをかけるときとかけないときの判断は、もうちょっとバランスを考えたほうがいいかもしれない。
後半にFC東京は今野を中盤→さらに、梶山を投入して、一気に試合の流れを引き寄せにかかる。これで、新潟は自陣に押し込まれることが多くなる。さらに、リカルジーニョと大竹が登場。予定調和の交代劇にちょっと笑った。しかし、チョ・ヨンチョルやリシャルデスが守備をサボらないので、人数が足りないような状況で相手の攻撃にさらされなかった新潟。
そして、カウンターが炸裂。クリアーボールを強引にマイボールにした矢野が凄まじかった。相手を吹き飛ばしながらこぼれだまを味方に繋ぐと、リシャルデスが冷静なパスで相手に止めをさした。本間の攻撃参加も見事だった。
最後に梶山と今野が意地を見せるが、ちゃんと守備を固める新潟の前に、力尽きた印象のFC東京。ボランチの今野はゴール前に飛び出しまくるので、この位置で見たいなと思ってしまった。
■独り言
FC東京はボランチの位置に誰かいませんか状態。でも、今野、梶山、怪我しているけど米本がいるので、補強はちょっともったいないような気配。でも、繋げるCBは少ないよなってことで、しばらくはポジションを固定できない日々が続きそうな予感。いろいろいじっているけど、リカルジーニョがスタメンにいないと、結果はごまかせなそうな感じ。
新潟は守備がちょいと乱暴だったけど、連動性があったので○。ボールを持てないとき、ボールを繋げないときの準備もされているようなので、この好調はまぐれとかいった類のものではないと。もうちょっと見てみたいチームである。
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新潟対FC東京の雑感
posted by らいかーると |20:30 |
J2010 |
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2010年07月26日
セレッソのスタメンは、キムジンヒョン、丸橋、上本、茂庭、高橋、羽田、アマラウ、乾、家長、清武、アドリアーノ。香川が抜けた穴は清武が埋める。めちゃくちゃ歓迎すべき事態だけれども、清武は試合を作るタイプの選手だと認識している。香川ほど得点を決めることはあるまい。でも、素晴らしい選手。そして、家長と乾と羽田に期待。ところで、あなたは何人目のアドリアーノなの??
山形のスタメンは、清水、石川、石井、前田、宮本、佐藤、増田、秋葉、宮沢、北村、田代。田代と増田が試合に出場しているのは嬉しい。ベンチに下村、古橋、長谷川と選手層も厚くなっている印象。地味にJに定着して欲しいと願っている管理人。ただし、ダービーの後の試合は気が抜けるかもね。ってか、日本人だけなのか。
■バイタルを作って使うために
セレッソのシステムは、4-2-3-1。FWの下の3枚がSH、トップ下というような組み合わせでなく、スリーシャドウって位置づけが、セレッソの特徴である。ポジションを固定化しないことで、相手のマークを混乱させること&局地で数的優位を作ることが目的だろう。清武、乾、家長の距離感はかなり近いものであることが多かった。ワールドカップでも見られた戦術だが、攻撃の時にポジション的縛りをなくすことは流行するかもしれない。
基本的に、家長たちが相手のMFとDFの間でボールを受けて、個人で仕掛けたり、周りの選手とのコンビで崩したりするのが、セレッソの狙い。クリスマスツリーでカカとセードルフを相手のMFとDFの間に送り込んで、多人数、またはピルロがバイタルにボールを届けていた、かつてのミランをちょっと思い出した。カカたちの役割をセレッソトリオが担うわけで。
不安になるのがボールを運ぶ選手と中央渋滞しないのかって点にある。この部分の工夫がセレッソは非常に優秀であった。セレッソの後ろの選手を眺めると、味方に時間とスペースを与えられそうな選手はいない。実際には、羽田が出来ていたけど、めちゃくちゃ作れるってほどではない。なので、セレッソはトリオにボール運びも絡ませていた。
トリオが低い位置で楔のボールを受けることによって、山形の守備ブロックは変化を求められる。そして、そのボールの移動によって、後方の選手に時間とスペースを与えたり、ボールを受けたトリオがバイタルにボールを入れたりと、まさに多種多様であった。前半はこの動きがちょっと少なかったけど、普通に相手を崩していたので、そんなに問題視することでもあるまい。トリオにボール運びもさせることで、バイタルの中央渋滞を解消するとは、なかなか理にかなっている。
そして、次にシステムの変化。広島が4バックに変化するのに対して、セレッソはDFラインの構成が変化する。上本や羽田が左に移動して3バック気味になることが多かった。この変化によって、山形のマークの配置を混乱させること&丸橋を高い位置に置くことで、左サイドの攻撃を強くする狙いがある。山形のSBとSHはトリオや丸橋を捕まえる必要があったので左に移動してきた上本たちはフリーでボールを扱うことができた。
このようなシステム変更によって、ボールを落ち着かせるセレッソ。恐らく前プレをかけられまくったら混乱に陥るのかもしれない。なので、システムを変更させることで、相手の前プレを狂わせて後方でボールを落ち着ける作戦を準備しているのだろう。ボールが落ちつくので、丸橋がサイドで起点になることができる。丸橋はトリオと気が合うようで、崩しの部分で地味に働いていた。また、アドリアーノが右サイドに開くことで、中央のスペースを開ける意図も感じられた。
個々の能力が凄いって盛んに叫ばれそうなセレッソだけど、個々の選手が実力を発揮しやすい環境を緻密に作っている印象。後方でボールを落ち着かせるシステム変化、トリオを自由にするために丸橋を高い位置におくる、中央渋滞を解消するために、トリオにボール運びもさせる、トリオが二列目から飛び出しやすいように、アドリアーノを中央から移動させるとかとか。
山形のシステムは4-1-4-1。こんな暑いのだから前プレなんてやってられるかと、田代を前線に残して守備を固める形で試合に臨んできた。なので、セレッソにボールを持たせる展開で試合が進んでいく。山形の立場からすれば、ボールを持たせる→ボールを奪うのメカニズムが気になるところで。
しかし、このボールを奪う部分が非常にわかりにくかったこの試合での山形であった。もうちょっと割りきって引きこもったほうがよかったけれど、そうすると得点が取れないと考えたのかもしれない。
セレッソトリオを潰すために、山形が中盤のラインを下げれば、羽田らへんにスペースができる。羽田がボールを持てば、ボールを受けるためにセレッソの選手が動き始める。で、山形が羽田たちを潰しに行けば、バイタルが空いてしまうの悪循環であった。アマラウが試合に出場している意味がわからないレベルだったので、山形は付け入る隙があったと思うのだけども。
ボールを持たされたセレッソは、トリオを中心に山形のゴールに迫っていく。チーム全体として相手のバイタルを生む→使うが非常に機能していて迫力のある攻撃が繰り出された。ゴールは生まれなかったけれど、セレッソからすれば手応えは掴めているだろうで、この攻撃を続けていれば、得点は生まれるだろうなって雰囲気だったに違いない。
セレッソはボールを奪われた後の切り替えにムラがあった。なので、山形はボールを繋いでセレッソのゴールに迫ることができた。ムラの代償がカウンター。セレッソは確かにリスクの代わりのリターンも受けていたのだけど、強豪相手だとこのあたりの計算が微妙に狂う可能性もある。石川の決定機は本当にもったいなかった。
セレッソはカウンターとトリオを中心とする攻撃で山形のゴールを攻め立てるのだけど、前半は得点なし。山形は攻撃を仕掛ける余裕を効果的に消化することができなかった。ボール繋ぎも途中から田代への放り込みのようになっているのが意味不明だった。しかも、田代が競り勝てているわけでもなかったし。
後半の山形はシステムを変更。ダブルボランチでバイタルエリアのケアに乗り出す。しかし、悪いのはシステムではなく、全体のコンパクトさと位置取り。なので、ダブルボランチに変更しても、何の意味もなかった。セレッソは前半のように攻撃を仕掛け続けて、アドリアーノが先制点を奪う。家長のためがすばらしかった。
追加点は乾。DFラインとトリオがボールを動かしてスペースを作ると、フリーになった清武がボールを受けて攻撃が加速。乾が見事なミドルを決めて、待望のゴールが生まれる。とどめは清武。この場面もトリオと丸橋が左サイドに密集していた。家長のパスに飛び出した清武は見事なシュートで山形にとどめをさすことに成功した。
75分にはアドリアーノが退場するおまけもついたが、残り時間を体をはって守りきったセレッソだった。相手をゼロに抑えたこと&攻撃もうまく機能したことで、攻守に自信のついた試合になった可能性が高い。山形にいる元セレッソ軍団は、今回のセレッソと対峙することで、変化と強さを感じた選手が多いのではないかと。
■独り言
攻守のバランスが攻撃に傾きすぎていたころの広島に、セレッソはちょっとだけ似ている。シャドウの使い方や後方のシステム変更とか発想が似ている印象。丸橋を高い位置においたように、SHを置かない場合は、SBを高い位置に置くしかないんだなと。広島もWBを高い位置に置いているし。この点はちょっと勉強になった。
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セレッソ対山形 ~新トリオの躍動~
posted by らいかーると |14:41 |
J2010 |
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2010年07月24日
浦和のスタメンは、山岸、平川、スピラノビッチ、坪井、サヌ、阿部、細貝、直輝、柏木、達也、エジミウソン。累積のため山田暢が出場停止。なので、スピラノビッチがスタメンにいる。欧州で合宿をしたようで、その成果を発揮したいところ。怪我人も戻ってきているし。梅崎の復活はもう少しかかるかな。
広島のスタメンは、西川、槙野、ストヤノフ、森脇、中島、青山、ミキッチ、服部、浩司、山崎、寿人。前節で会心の試合で勝利することができた広島。相手に柏木がいるので、この試合では、その勢いに拍車がかかりそうな予感。なお、広島は攻撃的なサッカー→いわゆる普通のサッカーをするようになっている。身につけた戦術の幅から、適切な戦術を選択するようなイメージ。
■観客数が減っている
浦和のシステムは4-2-3-1。前節に行われた広島対マリノス戦のリプレーを見ているような試合となった。意地でもショートパスでボールを運んでいく浦和に対して、5-4-1で自陣にブロックを形成する広島。浦和が何の根拠をもって、このようなサッカーを選択したかは謎である。ちゃぶるサッカーよりは、僕たちのほうが優秀ですって自覚があったのだろうか。普通はマリノスの二の舞にならないように、気をつけようねってなると思うのだが。
しかも、浦和のサッカーは悪いときのスペイン代表を見ているようだった。というわけで、悪いときのスペイン代表を思い出してみよう。中盤の選手が中央に殺到する→中央が大渋滞になる。サイドに選手がいなくなる→SBがサイドの攻撃を担うけれど孤独なアタックとなる。相手にボールを奪われるのはきついので、適当なクロスで攻撃が終了となる。今日の浦和もまさにそんな感じであった。
サイドを有効に使えないので、広島は5バックを中央に絞らせ気味で守備をすることができた。さらに5バックの特徴として、自分のゾーンを離れる相手の攻撃的な選手を躊躇なく捕まえることができるというものがある。4バックだと、CBが相手の選手にどこまでも付いていったら、スペースに穴ができるけれど、5バックだとごまかせてしまえることは、かつてのデポルが証明してくれている。そんなわけで、バイタルに選手を集める浦和の攻撃との相性がばっちりの広島であった。たぶん、全部計算されているに違いない。
そんなわけで、浦和の攻撃がうまく機能する要素はほとんどなかった。たまに達也がバイタルで受けて、無理矢理に仕掛けるくらいであった。ボールを持たされた後方の選手が前線に控える才能のある選手たちに、時間とスペースを与えることは相変わらずできていなかった。ただでさえ不利な状況なのに、きつい状態でボールが渡ってくるのだから、同情の余地はあるんだけどね。っていうか、そもそもボールも渡してすらないじゃんって気もするけど。直輝や柏木はもうちょっとボールに触れたかな。
フィンケのサッカーがボールを大切にするってのは間違いないと思う。ただ、ボールを大切にするサッカーをするには、後方の選手が前線の選手にスペースとほんの少しの時間をプレゼント出来る必要がある。オンザボールでできなければ、オフザボールでもかまわない。広島の守備を考えると5-4-1の4-1の間のスペースはうまく利用できそうな気配がある。寿人が後方から虎視眈々とボール奪取を狙っているけれど、CBとDHでそれぐらいはしのいで欲しいなって。
そのスペースを使えれば、中島たちをおびきだしてバイタルを有効に使うこともできる。サヌが見せたようにボールをもって攻撃参加すれば、相手の距離感を広げることもできる。浦和に必要なことはサイドを突破するためのメカニズムや後方の選手が前線の選手にいかに時間やスペースをプレゼントできるかにある。でも、それらが叶いそうな気配はまるでない。山田暢をCBで使わないといけない状況がそれを表しているかなと。
前線は繋げるけど、後方の選手は繋げない矛盾を抱えたチームで有名だったのが、ちょいと前のアトレチコ。ロングボールで省略したいのだけど、前線がフォルランとアグエロだったので、ハイボールの勝率が悪かったのは懐かしい記憶である。それでも、あの二人は何とかしてくれる。でも、浦和にそんな選手はいないし、セットプレーで誤魔化せそうな選手もいないので、まじで厳しい状況だなと。多分、フィンケは蹴らせないだろうし。
ちなみに、フィンケさんもちゃんとできていないことは把握しているようで。なので、後半からは達也に左サイドを任せる。そして、途中からはポンテに右サイドを任せて、サイド攻撃をはかる。これで、両サイドに起点ができたので、浦和がちょっと広島のゴールに迫れるようになる。でも、いわゆる自分たちで崩しましたってよりは、こぼれ球や相手のミスから決定的な場面がちょこちょこ生まれたくらいで、広島の守備陣を混乱させた場面、西川くんを焦らす場面はほとんどなかった。
また、後半から浦和の選手たちは足が止まり始め、攻守の切り替えが遅くなってしまった。広島が前プレにこないのだから、前半にモウリーニョが主張する休憩のポゼッションができたらよかったかもしれない。それでこそ、試合の主導権を握るって感じがする。でも、そんなことをしている余裕があるチーム事情ではないだろうな。さらされた坪井とスピラノビッチは懸命に耐え忍んでいたので好印象。特にスピラノビッチは高さもあるので、面白い存在になりそう。ばてて交代させられていたけれど。
今日の広島は守備がメインであった。マリノス戦はホームだってことで、ボールを持って攻撃できるときは積極的にボールを繋いで前に出て行く場面が見られた。しかし、今日はアウェーだよってことで、寿人に放り込む展開がメインで試合が進んでいく。優先すべきは失点をしないこと&自分たちの守備網に穴をあけないこと。もちろん、チャンスがあれば後方からも攻撃参加するのだけど、前半はあんまりなかった。
広島のシステムで面白いのがツーシャドウの位置。寿人の後ろにいることで、浦和がどのように対応するか観察。基本的にSBを中央に絞らせることで、対応していた。なので、広島のWBが前線に飛び出してきたら、浦和のSHがWBを担当することになる。浦和のSHは柏木や達也である。広島のWBは高い位置取りをするので、彼らは後方に押し込まれる展開となる。ちなみに、達也と柏木は守備をスルーすることも多かったので、浦和は何度も危機的な状況に陥っていた。
広島のシステムをどのように解釈するかが重要になってくるのだろう。広島のWBにはSBを当てる。寿人にはCBで対応。ツーシャドウはDHで対応して、青山にはトップ下の選手を当てる。で、オーバーラップしてきた槙野にはSHを当てるで対応できそうなんだけども。それでも、広島はポジションチェンジで撹乱を狙ってくるだろうけどさ。寿人がサイドに流れたり、ツーシャドウが青山を助けたりとか。
このあたりはマリノスと同じで浦和が広島対策をしていなかった可能性が高い。なので、浦和のSBが中央に絞るとフリーになるミキッチって場面がかなり多かった。後半の広島は後方からの攻撃参加を増やして、浦和のゴールを攻守のバランスをいじり始める。それで、浦和がちょっと広島のゴールに迫れた要因にもなるのだろうけど。結果を出したのは広島。槙野と寿人のワンツーに引き裂かれた浦和であった。
というわけで、結局は前節のリプレーのような試合であった。広島が相手への対策を考えて、自分らしさを発揮しているのに対して、浦和は自分らしさを封じ込められて、右往左往である。この内容では、観客数に影響が出ているのもしょうがないのかなとスタジアムで感じた試合であった。
■独り言
そんなわけで、浦和がまじでやばい。ガンバ戦の前半はよかったらしいが、ちゃんと守れる広島にこんな感じだから、相手を選ぶサッカーになってしまっているレベルなのが実情かもしれない。スピラノビッチがなかなかできる選手だったってのが、ポジティブだったことかな。原口やエスクデロ、髙崎と化けそうな選手はいるので、直輝や柏木の仕事をうまく整理できれば、楽しそうなのだけど。
ちなみに題名は、ブルータスよお前もか、です。
mixiチェック
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/josepgualdiola/article/885
浦和対広島 ~Et tū, Brute?~
posted by らいかーると |23:25 |
J2010 |
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