2007年06月27日
三年の間、レアルはタイトルを取っていない。これは半世紀ぶりのことらしい。つまり50年。これはやばいっていうので、タイトルを取ることができるカペッロを監督にする。内容には目をつぶるから、結果をとにかく出してくれ。サポーターもスタッフも同じ気持ちだったろう。
しかし、実際にリーガが始まると、本当に内容のないサッカーの連続で、サポーターの忍耐もあっさりときれてしまう。カペッロのサッカーに内容がないのは永遠だが、サポーターの忍耐は永遠ではない。しかし、どんでん返しのすえに優勝してしまったので、サポーターもどんでん返しでカペッロを絶賛。ただ、メディアの雰囲気からすると、シェスターになりそうである。
■初期のカペッロサッカー
カペッロはグティを中心にチームを組み立てた。グティをトップ下にした4-5-1。すべての攻撃はグティから始まる。まさにそんなサッカーであった。守備力に難があるグティをピボーテで使うことにカペッロは抵抗を覚えていたのだろう。ピボーテはエメルソン、ディアラが横並びで形成していた。
グティの最大の武器はスルーパスである。それには息の合った選手が当然必要である。しかし、受け手は新戦力のニステルしかいなかった。息も合わないわ、ワントップ慣れしていないニステルからすると最悪の状況である。また、グティはボールを触りたがるので、ピボーテの位置まで下がっていくことが多い。するとニステルは孤立する。一人ぼっちのニステルは徐々にまったく動かなくなっていった。ロナウドよりも動かなくなったと思う。
両SHがニステルを助けることができれば問題はなかった。初期のころはラウール、レジェス、カッサーノが主に担当していた。カッサーノ、ラウールは本職ではない。レジェスは本職だが、新戦力。しかもこのころのSBはまったく攻めあがってこなかったので、一人でどうにかしなければいけなかった。時々、ロベカルが上がってくることがあったが、ほんとうにそれはまれなことであった。この3名は守備におわれたり、守備をサボったり、無謀な仕掛けをしたり、、、、つまり、まったく機能していなかった。ラウールはがんばっていたように思えるが、ラウールはがんばりどころを間違っているように思える。
相手からするとグティを潰せばレアルの攻撃は終わる。そんなわけで、グティは相手から集中攻撃をくらい、何度も倒されていた。こうしてグティがトップ下をやるのは終わる。ただし、ディアラ、エメルソン、ロベカルが攻撃参加したときに、レアルはそれなりの形を作り結果も出していた。しかし、それは非常にまれなことで、基本的に後ろ6枚の攻撃参加は許されていなかったように思える。
■中期のカペッロサッカー
グティをピボーテにしてロナウドとニステルの2トップをカペッロは試みる。引きこもったタイプの相手にこの布陣は機能した。特にニステルが機能するようになったことが救い。近くに相棒がいるだけで、ニステルの運動量は確実に増した。ニステルのそばに人を置こうというのはニステルの説明書に記載するべきである。
また、このころになるとカッサーノが謀反を起こしたため、ロビーニョの出番が増えていった。また、エルゲラがスタメンに定着し、セルヒオラモスが右SBになる。そしてレジェスは両サイドを担当することになる。レジェスはSBの上がりがあれば、良い形を作れていた。しかし、まだこの時期もSBはまれにしか上がってこなかったので、レジェスの取っては切ない時期であった。この11月~12月にラウールはニステルの相棒を務めることが多くなっていく。グティがピボーテで出場したり、サイドで出場するようになったりしたからだ。またロビーニョはSBの上がりがなくても、他の選手に比べるとどうにかしてしまう可能性が一番高い。しかも中に切れ込んでいくので、そこにはニステルがいる。
このようにだんだんとチームを機能させるヒントが試合内容から読み取ることができる。レジェスをSHで使うときは後ろのSBを積極的に戦線に飛び出させる。グティは引きこもった相手には有効だが、前線から激しくプレスをかけてくるチームには無理。ニステルは近くに選手がいればいるほど力を発揮する。彼に相棒はFW系の選手が良い。ピボーテが攻撃参加すれば、結果に結びつくことが多い。セットプレーは強力な武器。
しかし、レクレにホームでぼこぼこにされ、リアソールでデポルに完璧にやられるなど、チーム状況は危機であった。サラゴサ戦ではすばらしい内容を見せた。攻めてくる相手には良いサッカーができるが、守ってくる相手にはなにもできない。ガゴ、イグアインが加入した変わりに、1月のレアルはロナウドとベッカムを干していた。控えにろくな選手がいなく交代で試合の流れを帰ることができなかった。ひどい時期である。
ただし、この時期からピボーテが横関係から縦関係になった。まったく機能していなかったが、重要な変化である。これはガゴが入ったからやったのかもしれない。エメルソン、ディアラは積極的にボールを受ける選手ではない。ガゴは受ける選手である。後ろをガゴに任して、前でボールをもらえばチャンスは広がる。実際にディアラが積極的に前線に絡みだしたのもこの時期である。しかし、エメルソン、ディアラコンビでも時期に縦関係になっていったので、ガゴが関係あるかは断言でない。
2月~3月のレアルはグティをサイドで使い、中盤を厚くする戦術が取られた。最初は効果があったが、やはりグティが機能しないので結局左サイドはロビーニョになることが多かった。またニステルの相棒はイグアインが務めることが多かった。しかし、イグアインは右サイドのラウールとポジションを頻繁に変えることができたので、この3人がスムーズに機能し始める。
■神ががった終盤のレアル
四月ごろに確かレジェスが怪我をしていたので、ロビーニョが左サイドの完全なレギュラーとなる。ガゴに使えるめどがったので、グティのピボーテは後半の切り札となる。前線はニステル、イグアイン⇔ラウールで固定されてきた。そしてスーパーサブのベッカム。4月からベッカム→セルヒオラモスの必勝パターンが目立ち始める。5月にシシーニョが復帰すると、サイドのバランスを考えベッカムがスタメンに復活するようになる。
そして運命のセビリア戦。この試合でグティがそのスーパーサブっぷりを証明し、両SB、ピボーテも飛び出すようにある。守備を忘れたかのように。乱打戦を制したレアルは勢いに乗る。またこの時期からラウールでも戦術的な理由で下げられるようになった。次のエスパニョール戦では両SBが上がりすぎてカウンターで失点をくらうようになる。それを修正するためにシシーニョはスタメンから外された。攻撃に傾きすぎたチームを修正し、レアルは無事に優勝する。
■カペッロは何をしたのか
サッカーの中身はそこまで変わっていない。前半戦に比べるとピボーテやSBがリスクをかけるようになったくらいだ。また適材適所で選手が使われるようにもなった。ニステルの相棒も、グティの位置も、ラウールの位置も終盤では解決されていたようにも思える。
練習内容がゲーム中心で面白くなってきた、、というディアラの発言があった。恐らく前半戦は戦術中心の練習、後半はゲーム中心になったのだろう。また、カペッロは最初はきつい規律のサッカーするが、徐々にそれをゆるめていく、、というレドンドの発言もあった。これはまさにそのとおりだと思う。
ただ、前半戦のサッカーを観ていた人にはわかるだろうが、戦術もへったくれもなかったと思う。選手の位置も固定できていないし、意図も狙いもまったく読めなかった。
レドンドの発言からは守、破、離のことを言ってるのだと思う。しかし、今シーズンのレアルは守ができていないのに、その次に行ったら巧く行ってしまったように見えて仕方ない。結論はよくわからないということです。
■Q&A
Q、どうして前半戦はメタメタだったのでしょうか。
A、上記のとおり、選手の適正を見抜けていなかったのが最大の原因だと思います。また、本職のSHの選手が少なく、その選手達が守備をしたりしなかったりでムラがあったことも大きな原因だと思います。あとはリスクをかけなかったととでしょう。
Q、グティはどこで使うべきなの??
A、守備をしないので、FWしかないです。最近のグティはスルーパスが巧い選手です。一昔前にラウールとFWを組んでいたときはやたら点を決めていました。あのときの感覚を取り戻せば、ニステルとも巧く行くかもしません。
Q、レジェスはいるの?いらないの?
A、サイドバックが普通に上がってきてくれれば機能するともいます。実際に機能している場面が多々ありました。シェスターが監督になれば、間違いなく両SBは飛び出していくでしょう。他のリーガのチームに放出すれば、活躍する可能性が高いので、残したほうがいいと思います。個人的にはトップ下で見みたいです。
Q、カペッロは続投させたほうがいいの??
A、問題は来シーズンも結果を出せるかどうかです。レアルの選手の特徴も理解できたと思うので、任せても今シーズンよりはましな内容になると思います。なので、今までは解任派でしたが、この総括を書いているうちに、任せても面白いかなと思うようになりました。
Q、補強はどうする??
A、前線は飽和状態です。ニステルの控えがいないと大騒ぎしそうですが、いらないと思います。今シーズンのニステルはCFというより、質の高いフィニッシャーでした。ポストプレーや高さを活かしたヘディングの記憶が余りありません。ラウール、イグアイン、ロビーニョ、レジェス、グティと何とかなりそうな気がします。そしてソルダードに期待。
中盤を考えるとSHは欲しいです。ベッカムの穴埋めに本職が欲しいです。レジェスをメッシのように使えればいいですが、ちょっと厳しそうです。プエルタの手を出す暇があれば、右SHを探したほうがいいと思います。ジュリを奪って欲しいです。ピボーテはデラレッドに期待しましょう。
DFはメッツェルダーが入ったので問題ないと思います。
■独り言
終盤の交代策の当たりっぷりは見事。実は前半戦からハーフタイムに2人交代とかしていたのだが、あのころはまったく機能しなかった。波に乗ったら怖いチームだという認識を強めた一年だった。
posted by josepgualdiola |22:17 |
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2007年06月18日
優勝決定戦。これで欧州のサッカーもほぼ終わりになる。つまりクライマックス。なんだかんだここまで来てしまったレアル。サラゴサ戦ですでに優勝を決めたような喜びっぷりはかなり印象的だった。コパアメリカに向けての合宿よりもレアルを選んだロビーニョ。マリから気合で帰ってきたディアラ。エルゲラが累積でいないくらいで、メンバーはそろっている。ベッカムとニステルの怪我の具合が少し心配。
レアルのスタメンはカシージャス、ロベカル、セルヒオラモス、カンナバーロ、サルガド、ディアラ、エメルソン、ロビーニョ、ベッカム、ラウール、ニステル。注目はサルガド。優勝のかかった場面で頼りになるかベテラン。
マジョルカ。特にこの試合で勝って得るものは、、、恐らくない。ただ目標がないからって、だらだらの試合をするチームではない。まして相手は優勝のかかったレアル。自分達の手によって、それをどうとにでもできるのだから、むしろモチベーションは高そうな気配。相変わらず渋いスタメンだが、、、イバガサがいない。イバガサがいなければ、マジョルカはただの走る集団となってしまう可能性がある。非常に危険。ただし、それはそれで非常に厄介である。
■序盤からマジョルカのハイプレッシャー
ボールホルダーに寄せにいく。その寄せの方法も多々ある。マジョルカの寄せはボールを持っている選手に余裕を与えない。ボールを奪いに行く迫力が強いので、レアルの選手はボールを早めに離さないと危ない。ボールを離さなければ、ボールを奪われるか、適当なロングキックで逃げるしかない。テクニックがあってプレスを交わせるなら話は別だ。しかし、レアルDFにそんな選手はいない。
このマジョルカのプレスによって、レアルはボールをマジョルカに渡してしまった。混乱状態。マジョルカはボールを奪うと、すぐに前線にボールを供給し、フリーランニングで相手を崩しにかかる。試合開始すぐにアランゴ、ビクトルが決定機をつかみ、最高の立ち上がりを見せる。
マジョルカの積極的な寄せに比べて、レアルの寄せは甘い。ボールを見ているだけ。パスコースをきっているつもりかもしれないが、後ろとの連動性がないので意味がない。つまり、ゆるいプレスが相手に余裕を与えてしまった。そのため、イバガサがいないにもかかわらず、何度もスルーパスを通されてしまっていたわけだ。
そんないやな流れはニステルの強引なドリブル→ヌネスが負傷。激突による治療で試合がほんの少し中断した。この中断でレアルの選手は気持ちを入れ替えることに成功する。特にカンナバーロ。鋭い出足でパスカット、そして相手の動きを巧く封じ込める活躍を見せ始める。他の選手もそれに引っ張られるような形となり、球際でレアル守備陣が強さを見せる。ニステルの隠れた好プレー。
守備が巧く行けば、攻撃も機能する。レアルはマジョルカ陣内でボールを展開し始め、エメルソン、両SBの位置が徐々に上がっていく。ベッカムが紙一重のクロスを上げれば、ロベカルがニステルをサポートするすばらしい飛び出しをみせ、もう少しでラウールに合うクロスを上げる。しかし、このクロスボールはそのままファーに流れマジョルカに拾われる。マジョルカはロベカルの上がったスペースを巧く使いなんと先制点。ロベカルの裏という古典的な弱点をつかれて失点してしまった。
この失点シーンは突っ込みどころ満載で、サルガドのポジショニングや中央での寄せの弱さ、カンナバーロのライン取りなど、まだまだ修正点はたくさんああるレアルであった。
■マジョルカはひいた
試合を優勢に進めるためには相手からボールを奪う→攻撃開始。この流れが望ましい。攻守の切り替えが早いチームはそんなに多くない。ボールを奪った位置というのはとても大切である。
序盤のマジョルカはレアルDFがゲームを組み立てようとするパス回しを許さず、ボールを奪い攻撃を仕掛けた。ボールを取り返す位置が非常に高いと。チャンスも作りやすい。また、攻撃をしているときから守備のことを考えているレアルの中盤の選手はあまりいないので、マジョルカにとって好都合。
しかし、マジョルカは徐々に押し込まれるようになった。そのきっかけは前述したニステルの強引なドリブルである。このシーン以降レアルDFは一対一で負けなくなった。このDFの活躍がボールを奪う→攻撃という流れをレアルに導く。
レアルがボールを奪い→攻撃の形になってから、レアルはチャンスこそ作れないものの、優勢に試合を進める。マジョルカが先制してからは、この流れはさらに加速する。勇気を持って前に出なければ、マジョルカらしさはでない。
およそ前半の30分にニステルが怪我のため、イグアインと交代。ニステルは走れない状態になっていた。機動力のあるイグアインはひいた相手には有効である。しかし、イグアインは特に目立つことなく前半は終わる。レアルはあと少しでシュートまでいける段階にある。ロビーニョはキレキレ、DFライン+ディアラもキレキレ。ベッカムは時折光る。エメルソンはなにをしていたのだろう。
■エメルソン→グティ
最近のカペッロは交代が早い。しかもその交代選手が必ず活躍する。神采配。最近の成功体験がレアルの選手に精神的余裕を与えるかもしれない。交代で入ったグティはディアラの横でボールを散らし、珍しく守備もした。
エメルソンに比べると、グティは積極的にボールに絡んだ。ワンクッション増えるので、マジョルカからすると、相手が1人増えたように感じるだろう。タメが作れるので、そのぶんロベカルが余裕を持って前線に上がることができる。そのロベカルが強引なドリブルでファウルをもらう。絶好の位置でベッカムが狙うが、ボールの質がいつものそれに比べると悪い。
チャンスの後にはピンチ。中盤でディアラがアランゴに交わされ、サルガドが裏をつかれる。バレーラがカシージャスと一対一になるが、枠を外す。レアルは土壇場で生き残る。
後半20分にベッカム→レジェス。そして期待を裏切り続けたレジェスの逆襲が始まる。ロビーニョが右サイドで粘る。中へクロス→イグアインが巧くボールをうけ、それをまた中へ。ラウールにつられたためレジェスがフリーでシュート。同点ゴール。しかも右足。
ロビーニョが強烈なミドル。コーナーキックを得る。イグアイン→ディアラで逆転。カシージャスが泣いていた。最後はまたもレジェス。ロビーニョ、イグアインが粘ってそのこぼれだまを見事な左足。これでレアルが優勝した。
マジョルカの誤算はマキシロペス。バルサに帰れない出来であった。マキシロペスという名の蓋。
■独り言
勢いなのか流れなのか定かでないが、なぜにあそこまで交代要員が活躍するのだろうか。意味不明。特にレジェスはこれでレアル残留も夢ではないと思う。レアルチーム自体の総括は別の機会に。それにしてもよくこじ開けた。マジョルカはひいたら負けなのにひいちゃったのが敗因。そしてマキシロペスが敗因。
それにしてもロビーニョはやばかった。この試合のMVPはロビーニョ。敢闘賞はカンナバーロ。影のヒーローはディアラ。
posted by josepgualdiola |11:20 |
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2007年06月11日
リーガ再開とともにブログも復活です。この間、サッカーをまったく見ることができませんでした。そのせいで、日本代表関連に何が起きたかも知りませんし、もちろんEURO予選もどうなったかはしらず。仕方ないです。
サラゴサのスタメンはセサルサンチェス、チェスエレーロ、ミリート弟、セルヒオ、サパテル。ファンフランは鎖骨の骨折、ディオゴは累積+大人の事情で両SBが不在。しかもサパテルが右SB。。
中盤はアイマール、ピケ、セラデス、ダレッサンドロ。ユナイテッドはピケを試合に出すつもりがないなら、リーガのどっかに貸してあげてください。FWはミリート兄とエベルトン。セルヒオガルシアは怪我のためベンチ外。控えがぜんぜんいない。
レアルのスタメンはカシージャス、ロベカル、カンナバーロ、エルゲラ、セルヒオラモス。久々にセルヒオラモスが右SB。中盤はエメルソン×ディアラにロビーニョ、ベッカム。ベッカムは怪我だけど強行出場。エメルソンはようやくスタメンに復帰。FWはニステル、ラウール。どうやらミゲルトーレスは直前に怪我をしたらしい。
天候は雨。この試合で優勝が決まる可能性もある。
■試合の入り方
試合が始まって5分もすれば、試合に対する考えがわかることが多い。相手をどんな風に崩すのか、止めるのか。いつもと違うサッカーをするのか、同じサッカーをするのか。開始早々からガンガンいくのか、様子を見るのか。
本日のレアルは明らかに動きが堅かった。球際が弱い、そもそも寄せに行かない。単純なパスミス→フィニッシュまで持っていかれる。全体的な運動量も少なく、悪いときのレアルのようであった。持ち味の勢いはどこに消えた。
サラゴサは守備的なセルヒオガルシアがいない。よって、前線から相手を追い回してボールを奪うのは難しい。後ろで待ち構えてボールを奪い→手数の少ない攻撃を目指す。
普段のサラゴサは遅攻でポゼッションである。両SBが高い位置にポジションを取り、フィールドを広く使い、数的優位を作る。しかし、両SBがいない。この条件でいつものサッカーをするのは困難である。サラゴサにとって、この条件は開き直るには十分なものであった。前に前に来るサラゴサの攻撃陣は怖さがある。レアルはアイマールらから中盤でボールを奪えない→DFラインはひく。ボールを取り返す→前線まで距離が長い。無謀なロングパス。サラゴサ余裕でパスカット。よくあるパターンである。
つまり、サラゴサは完璧な試合の入り方をした。自分達のできうる最高なサッカーをしているのに対して、レアルは微妙であった。
■レアルはどのようにして状況を打開するか
レアルの武器・ベッカム→セルヒオラモス。レアルは執拗にセルヒオラモスにボールをあわせるが、ことごとく跳ね返された。今日は無理そうである。レアルはサラゴサのボールを高い位置で奪えたとき、ロングパスが通ったときは人数をかけて攻撃を仕掛けることができている。しかし、DFラインからボールを前線に運ぶことは相変わらずできていない。ボールを前線に運ぶことさえできれば、レアルは迫力のある攻撃を見せることができる。
カペッロ初期のレアルは、ディアラエメルソンから後ろの選手がゴール前に顔をだすことはほとんどなかった。恐らく禁止されていたのだろう。レッズがオフトに追い越し禁止令をだされたように。しかし、レアルはここにきて調子を取り戻してきている。組織的なサッカーができているか、何が改善されたかかなり微妙だが、追い越しを頻繁に行うようになったのは事実だ。ニステルが爆発した理由は攻撃の枚数が増え、相手に狙い撃ちされなくなったことが大きいかもしれない。
そんなレアルはボールを高い位置で奪う狙いはなく、ロングパスの成功確立をあげるような狙いもないのでチャンスの数は必然的に少ない。つまりサラゴサペースで試合が進む。徐々にレアルはファウルでとめる場面が目立ち始め、耐え切れずにPKを与えてしまう。ミリート兄が決めてサラゴサが前半32分に先制点。レアルからすると、最悪な展開である。
前半残り15分、レアルは特に何かをすることなく試合を終える。先制点後、サラゴサは多少リスクを考えたのか無理をしないようになった。具体的に言うと、攻撃のスピードが遅くなった。
レアルで可能性を感じるのはベッカムのクロス、ロビーニョ対サパテルくらいであった。ベッカムは周りのサポートが得られずに、独力で何とかするしかなった。不利な体制でクロスを上げる場面が目立ち、それでも精度は良かった。後半はもう少しフォローができると状況は変わっていくだろう。ロビーニョはサパテル相手に優位に立っていてわけでないが、ここで勝たなきゃ未来がない。
■サラゴサ得意の打ち合いだけれども
ラウール、エメルソン→イグアイン、グティを投入。点を取りに行く交代なのだろう。この交代よりもレアルは後半になると試合に望む姿勢を代えてきた。ボールに対する執着心が前半に比べると格段に増し、サラゴサからボールを奪うことに成功した。またイグアインはラウールに比べてポジションチェンジが巧い。このポジションチェンジによって、レアルはほんの少しの余裕を手に入れる。
レアルは徐々にゴール前に迫っていく。サラゴサは前線の4枚に攻撃をたくし後の選手は守備固め。レアルにとっては簡単にボールをゴールまで運べるようになるのでかなり好都合となる。ノーガードの打ち合いはビルドアップの能力は無効化する。両チームとも間延びしてしまいスペースができてしまうからだ。サラゴサは間延びしなくてもチャンスを作ることはできる。レアルは間延びしたほうがチャンスを作ることができる。サラゴサは間延びする前と間延びしない状態でチャンスの数はそんなに変わらない。レアルは確実に増える。
つまり、サラゴサは前半と同じサッカーをすればいいのに、打ち合いを望んだ。その結果、後半12分にセルヒオラモスにフリーでクロスを入れられニステルに頭で決められてしまう。しかも直前にエベルトン→モビージャ。守備固めをした瞬間に攻める必要に迫られた。恐らくビクトールフェルナンデスもやばいなと思ったのだろう。しかし、交代が遅かいというより、出ている選手で解決できる問題だろうと。
■同点後
サラゴサはボールを取り戻し、流れを引き戻そうとする。エベルトンはいなくなったがその分アイマールとダレッサンドロは守備から開放されるはずだ。そんなアイマールが久々に光るプレーを見せる。
ハーフラインでボールを受けるとロビーニョを交わす、横でグティはロビーニョが交わされているのを眺めているだけ、あわててディアラが寄せに来るが簡単にかわしミリート兄に絶妙のスルーパス。ミリート兄はシュートフェイントでカシージャスのタイミングを外しゴール。ミリート兄も巧かったが、アイマールのドリブルがやばい。スペースにドリブルするのは本当に巧い。後半19分のことだった。
レアルはロビーニョ→レジェス。しかし流れは変わらず。モビージャの投入によってサラゴサの中盤プレスは復活。またもボールを前に運べなくなってしまった。そしてアイマール、ダレッサンドロのアルゼンチンコンビは楽しそうにボールをキープ、遊び始める。
レアルはロベカル、セルヒオラモス、ディアラが猛攻を仕掛け、何とかゴール前にボールを運ぶが、サラゴサDFは高さがある。そう簡単には競り勝てない。ニステル、イグアインのボールのないところの動きが良く、DFラインの前でボールを受けられてしまうことが多くなっていった。サラゴサはラフィタを投入し、穴をなくそうと動く。最終的にはミリート兄を下げ、オスカルを投入。
しかし、レアルが同点に追いつく。グティのスルーパスをロベカルがクロス。イグアインがフリーでシュート、セサルがとめるがこぼれだまがニステルの元にこぼれ、押し込まれる。これで2-2。試合はこのまま終了。
■独り言
レアルの2点目。ゴール前に何人ものレアルの選手が入ってきていた。それでイグアインがフリーになったといえるだろう。攻撃に人数をかけるという決まりごとが土壇場でレアルを救った。
しかし試合の流れをまとめると、サラゴサの速攻→レアル押し込まれる→サラゴサ先制点後に、攻撃を抑える→レアル復活→同点に追いつく→サラゴサが中盤からプレスに来る→レアル攻撃が分断される。
このように相手に左右されすぎである。マジョルカのできにもよるがそろそろ魔法が解けそうな気がする。
サラゴサは新しい可能性を感じさせる試合だった。ダレッサンドロ、アイマールは基本的にサイドにポジションをおくことが多かった。2トップが基本なので前線に行くと人が多すぎてつまることもあった。後半の1トップになってからは2人の良さが出ていたと思う。ミランを見習って4-3-2-1にチャレンジしたらかなりやばいのではないかと。
posted by josepgualdiola |22:09 |
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2007年05月28日
レアルは先週とまったく同じ布陣。それにしても、ミゲルトーレスは両SBをこなす便利屋となっている。これでCBも高いレベルでこなせれば、一気にレアルの主力になるかもしれない。それにしてもセルヒオラモスのCBは怖い。
デポルも基本的には先週と同じ。コロッチーニは右SBをそつなくこなしている。異なるのは左SHにリキ。デポルの両SHはそれなりに強力だ。セビリアをかなり苦しめるなど、調子はそれなりにいい。
■デポルの前に
シシーニョを使わない理由はまずは守備から!!ということだろう。ミゲルにシシーニョなみの攻撃を期待することは酷である。その守備は機能したといっても良い。機能しなかったのはDFラインからの組み立てであった。
4-5-1で積極的な守備を行うデポル。運動量も徐々に本来の姿に戻りつつある。レアルは多少工夫をしなければ、そのデポルの守備相手には苦しい。中盤の4人の距離を近づけたり、マークを外すフリーランニングをしたり、できることはたくさんある。ガゴ1人に任してはだめだ。それにしてもガゴは良く動く。
レアルはガゴに任せたため、組み立てが巧くいかない場面が目立った。ロングボールや攻撃の選手が1人で仕掛けていくことが多くなっていく前線の選手に思いやりのあるパスやフォローができなかったのはビルドアップが巧くいかなかったからだ。象徴的なシーンはベッカムがSBの助けなく何度もクロスを上げていたシーン。少しでもベッカムに余裕を与えることができれば、状況はもっとよくなったと思う。
ちなみにロビーニョは対面のコロッチーニに苦戦していた。いつもは下がってくるラウールも、この試合では下がってこなかった。なぜかニステルとラウールの縦の位置が逆になっていたから。
そんななんともいえない内容で試合が進んでいった。しかし、レアルにはセットプレーという武器がある。コーナーキックからこぼれだまにいち早く反応したラモスが先制点を決める。
その後デポルは選手間で同じ絵が描けなくなっていった。攻撃の選手は前からプレスに行きたい、後ろの選手は引きこもって待ち構えたい。プレスのカバーの関係が混沌としてしまい、ガゴを中心としたレアルに押し込まれる展開となる。この混沌によって、デポルはゴール前でベッカムに直接フリーキックを2度与えてしまう。
しかし、前半終了間際になるにつれて、全員が攻撃に行くんだ!という気持ちになれたのだろう。デポルが猛攻を仕掛ける。中心はクリスティアンとエトジャノフ。特にクリスティアンは左サイドを何度も崩していた。しかしレアルが巧く凌いで前半は1-0で終わる。
■中盤が伸びきってしまったよ
後半になってもデポルはその手を緩めない。しかし。レアルもロビーニョを中心としたカウンターで追加点を狙う。ベッカムがフリーキックをポストに当てれば、デポルも波状攻撃でカシージャスを苦しめる。
なぜこのような状況になってしまったかというと、レアルの守備がまったく機能しなくなってしまった。レアルはカウンターを狙うので必然的にロングボールが増える。ロングボールの後はラインを上げなくてはいけないが、なぜか上げなかった。
デポルの選手は走って戻る。レアルはラインを上げない。すると、デポルがレアルのカウンターを防いだときに、中盤にはデポルの選手しかいないことになる。ガゴらはDFラインの前に位置しているので。こうしてデポルは厚みのある攻撃、レアルは個人技を生かした少数の特攻の形となる。
ちなみにレアルはデポルの攻撃に耐え切れず同点ゴールを決められてしまう。波状攻撃→コーナーキック→こぼれだまを左サイドのデゲズマンが見事なクロス→カプテビラ。欲を言えば、ディアラ。ニアでクロスをクリアして欲しかった。
■それでも何とかしてしまうのだ
同点後すぐにレアルが2点目を奪う。ボールを奪う→ディアラがロビーニョへスルーパス→ロビーニョがドリブルでボールを前線に運び中央のベッカムへ。ベッカムのシュートは相手に当たってコーナーキック。
このコーナーキックをベッカムが中に入れる。こぼれだまをガゴが何とかベッカムに繋ぎ→クロスをラウール。ベッカムがフリーでクロスを上げたらやはりこうなる。ラウールの動きも見事だったが、ガゴの粘りも評価してあげたい。後半14分の出来事だった。
この追加点は恐らくデポルのメンタルに大打撃を与えた。それまでに見せていた勢いが完全になくなってしまう。そしてこの追加点はレアルにも落ち着きを与える。急ぎすぎの攻撃はなりをひそめ、ゆっくり攻撃するようになり徐々にペースがレアルへ。
そしてゴール前でラウールが粘り、こぼれだまをニステルが押し込み3-1。これでデポルは終わった。運動量が一気に下がり、切ない試合となってしまった。
■独り言
この試合のレアルはちょっと微妙だった個々の選手のできはいいものの、組織的な動きが非常に微妙。デポルに押し込まれた場面などはその典型だった。ガゴ、ディアラの動きは良く、この2人を軸にして、来シーズンは戦って欲しい。デラレッドも忘れてはいけない。
今のレアルにはベッカムの右足が一番の武器となっている。ここを防ぐことができれば、結構やばいかもしれない。
posted by josepgualdiola |08:24 |
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2007年05月21日
レクレの監督は前節に退場してしまったため、今節はベンチ入りできない。これがどのていど影響するのだろうか。ウチェはまたしてもベンチスタート。
レアルはエメルソンが怪我→ガゴがスタメン。そして右SBはトーレス。ラモスはCBであった。ラモスの右SBは流れを変えるためにとっておくのだろう。エスパニョール戦のリピートは、やはりなしのようだ。
■先制点までは
レクレにはロングボール攻勢が効く。しかし、前線からの早いチェックでレアルは前線にロングボールを蹴ることができない状態が続いた。レクレは全開で前線から追い回し、レアルの攻撃を分断する。
レアルもボールを奪われたら、前線から相手を追い掛け回し、ボールを高い位置で奪おうと奮闘した。しかし、レクレのパス回しの前にボールを奪うことがあまりできなかった。
攻守の切り替え、味方へのフォローなどの速さでレクレがレアルを上まった。よって、レクレペースで試合が展開していく。しかし、先制点を奪ったのはレアルであった。
前線でガゴがボールを奪い返すと、ロビーニョが右サイドのベッカムへ。ベッカムにボールが入るとトーレスがベッカムを追い越しギャップを作る。トーレスに当てて、落としてもらったボールをベッカムがダイレクトでクロス。それをロビーニョがフリーで頭で押し込む。
トーレスがベッカムにボールを落とした瞬間、レクレはDFラインが少し上がった。オフサイドトラップ。しかし、そのオフサイドトラップに連動性がなく、結果としてロビーニョをフリーにしてしまった。それが失点の原因。
■前半終了まで
先制点を許したレクレは攻め急いだ。レクレの持ち味は選手間の距離が近く、複数の選手がパス交換に絡んでいく形である。決して縦に急ぐ形ではない。一対一で勝てる選手が前線にいるならば、攻め急いでも形になるだろう。そんな怖さを持つ選手はカソルラ、シナバボンゴユ。この2人に対して、レアルの守り方は明確なものであった。ボールが入った瞬間にきつく当たる。シナボンゴユにはラモス、カンナバーロ、カソルラにはトーレス。アグレッシブな守備によって、イエローカードももらったが、レクレの攻撃をレアルは巧く抑えていた。気になったのはゴール前でのファウルが少し多かったことくらいである。
レクレは攻め急いだ。しかし、一対一では勝てない。すると何が起きるか。後ろからのフォローは間に合わないので、攻撃がレアル陣内深く進入する前に終わってしまうことが多くなる。つまり、フィニッシュまでいけない。また攻撃の枚数が少ないので、ボールを奪われたとの守備、攻撃を遅らせる等の役割を行う選手がいるべきポジションにいることができなかった。悪いところ尽くしである
よって、前線と中盤に距離ができてしまい、ビルドアップの巧くないレアルにボールをつながれる場面が目立ち始める。ほぼレクレの自滅である。ベッカム、ロビーニョを中心に、レアルはレクレゴールに迫るが決定機を外して前半は1-0のまま終わる。レクレがウチェを投入し、自分達の形を取り戻せば試合は面白くなるだろう。
■ロシェ→ウチェ
来期ウチェはどこかに移籍予定らしい。そのためか最近はスタメンはずれ→途中出場というパターンが多い。シナマボンゴユがディアラのバックパスを奪い、いきなりレアルにプレッシャーをかける。後半のレクレは違うぞ!ということを感じさせるには十分すぎる攻撃であった。
しかし、その後の試合のペースを握ったのはレアルであった。ラウールが前半よりも守備的なポジションを取ることによって、攻守の切り替えが非常によくなった。特にボールを失った場面での切り替えが良く、レクレは攻撃がスピードに乗る前に止められる展開になってしまう。非常にきつい。また、ベッカムが巧く中に絞った絶妙なポジショニングを取って攻守に貢献していた。
そんなベッカムからニステル→ラウール→ロビーニョとつなぎ、ロビーニョがPKを奪う。それをニステルが冷静に決めて2点差。レクレはシナマビンゴユ→ハビゲレーロを投入。いつものパターンである。まだ後半9分なので、時間はたくさんある。続けてファンマ→アイトール。交代枠を使いきってしまった。このレクレの交代はすべて選手を入れ替えただけなので、交代で入った選手がよっぽど前にいた選手よりも差を見せ付けなければ、試合の流れは変わらない。
結果として、交代で入ってきた選手が何か特別なことをする雰囲気はなかった。レクレのプレスは徐々に弱くなっていき、レアルは前半に比べると簡単にパスを回せるようになっていく。しかし、2点差がついたからか、両SB、両SHの飛び出しは時間がたつにつれて見られなくなっていった。攻撃に速さはなくなったが、ゆっくりとポゼッションで巧く時間をつぶしているようだった。レクレはほぼ終わっていた。これが後半26分過ぎである。
■PKで1点返してから
レクレの攻撃はカウンターのみになっていった。しかし、レアルのアグレッシブな守備の前に攻撃をつぶされるか、遅らせられるかされていた。PKを奪ったシーンは完全に遅らせられてしまった場面であった。そこをウチェが個人技で突破を図り、PKを奪う。これをヘススバスケスが豪快に決めて1点差。
ここでレアルはロビーニョを下げてグティを投入。いまいち何が狙いなのかわからない。点を取りに行くつもりならサイドの選手を前に上がらせればいい。それともレクレの右サイドを警戒したのだろうか。
交代の影響はないまま、試合は進んでいく。レクレは追加点を狙って運動量が復活することもなく、たんたんと時間はすすんでいった。
しかし、後半の41分にレクレがコーナーキックから同点ゴールを奪う。これで同点。いつもはこんなに決定力が高くないのだが、この試合はどうやら違ったようだ。
ラウール→イグアインでレアルは攻撃に出る。そしてセットプレーのカウンターをイグアインがボールを運び、ベッカムが粘り、ガゴがスルーパスで最後はロベカルが3点目。これで試合終了。レアルがまたしても劇的な試合展開で勝利を収めた。
■独り言
レクレの調子がかなり悪かった。自滅ともいえるが、あそこまで流れを取り戻せないとは意外だった。
レアルは巧く守っていたと思う。カンナバーロが滑り、ラモスがお見合いするなど自滅的なミス以外は特に問題なし。セットプレーから2点決められたことをしっかり修正すれば安定感は増すだろう。
攻撃の面でもベッカムを活かすことをチーム全体でやっているように見えた。攻撃が片側のサイドによることもなく、レクレのプレスがなくなってからは両サイドを幅広く使えていた。内容もそこまで悪くない、それどころか余計勢いに乗るような勝ち方であった。
posted by josepgualdiola |08:27 |
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2007年05月14日
最近調子のいいレアル。前節は結果のみを得たが、ここまでくると内容はどうでもいいかもしれない。そんなレアルはロビーニョとベッカムが出場停止。スタメンはカシージャス、ロベカル、ラモス、カンナバーロ、シシーニョ、グティ、エメルソン、ディアラ、イグアイン、ラウール、ニステル。
不安は左サイドにある。グティとロベカルってどうなのだろうか。どうやらカペッロはラモスをセンターバック、シシーニョを右SBに固定するようである。レアルのベンチは面白い。DFだらけで、攻撃の選手はレジェスしかいない。
エスパニョールはさりげなくUEFAカップの決勝戦を控えている。確か5/16。つまり、この試合はメンバーを落としてきた。ルフェテ、パンディアーに、カメニくらいしか知っている選手がスタメンにいない。
■狐につままれたような失点
ディアラ、エメルソンがかなり攻撃に参加するようになった。これでチームに完全になじんだといっていいだろう。運動量も豊富、前線からの守備の面でもかなり貢献度は高い。また両SBがロベカル、シシーニョ。特にシシーニョはSHの選手を追い越すだけでなく、中央へドリブルで切れ込んでいくこともできる。つまり、相手を崩すオプションが増えた。また、ハードワークできる選手が多い。なによりも優勝できるかもしれないというモチベーションもあるのだろう。レアルが両サイドからエスパニョールゴール目指して攻めまくる展開となった。
エスパニョールはそんなレアルの攻撃の前にびびり、ラインを下げて対応してしまい、押し込まれる時間帯が続いた。しかし、徐々に持ち前のプレスが機能し始め、レアルは効果的にボールを前に運べなくなってしまう。
ディアラ、エメルソンのDFラインからのボールのもらいだけはいつまでたっても変わらない。そのため、ラモスが前線にロングボールを入れる場面がちらほらあった。
そんななか、グティが中盤に下がってボールを受けにくるいつものパターンになる。しかし、グティがボールを受ける→取られる→速攻でなんとエスパニョールが先制する。あの場面だとパンディアーニのマークはシシーニョ。しかし、シシーニョは中盤でボールを奪われても全力で戻らなかった。なんてやつだ。
■エスパニョールの守備が機能してから
得点後、エスパニョールはレアルのビルドアップを阻むような守り方でレアルの攻撃に対応した。レアルはボールを持たされるような展開になっていく。ディアラ、エメルソンが何とか前線にパスをつなごうとするがパスミス。奪われて速攻という絵に描いたような形が目立つようになった。
レアルはエスパニョールのプレスを交わすために、右に左にボールを動かし、シシーニョを起点として徐々にエスパニョール陣内に進入していく。特にイグアインが何度もいいクロスを上げていた。いつもまにかSHの選手っぽくなっていてかなり驚いた。攻撃はある程度機能していたが、守備は微妙であった。基本的に両SBが上がる。ピボーテも片方は上がる。両SHの選手は攻撃の場面では守りのことを考えたポジションを取らない。かなり前かがりである。ボールを失ったときに、ボールに近い選手が寄せに行くことで、カウンターを防ぐ場面もあった。しかし、とうぜんカウンターをくらう場面もあった。
エスパニョールの2点目は、ディアラと前線の選手の意思不通からボールを奪われ、すばやくサイドに展開されて生まれた。ロベカルはなぜか高い位置にポジションを取っていて、そのボールに間に合わない。今度はシシーニョも懸命に中央に下がったが、マークを少し離してしまい、またもパンディアーニに決められてしまう。
エスパニョールの狙いは明白で、ボールをうばったらロベカルの裏。それだけであった。センターバックがサイドにつりだされることによってできる中央のスペースをカバーする力はシシーニョにあまりない。狙いが綺麗に決まりすぎたエスパニョールだった。
しかし、レアルも黙ってはいない。パスの名手・グティが相手の寄せをものともせずに、ラウールに楔のボールを入れると、ラウールが粘って中にクロス→そこに後ろからフリーで飛び出してきたロベカルが頭で流し→ニステルがゴール。これで2-1。最近のニステルは神がかっている。グティのパスセンスとラウールの粘りが影で輝いていた。
しかし、エスパニョールも黙っていない。レアルは追加点を狙うためにまえがかりになっている。するとDFラインと中盤の間が空くことがある。しかも両SBが上がっているので、CBの2人にとっては非常に難しい試合となったのだろう。
単純なスローインからジョナタスにそのスペースをつかれ、モハにパス。シシーニョをあっさり交わしカンナバーロと一対一。そこでモハがうまくギャップを作り、ラモスをひきつけてパンディアーニにパス→シュートゴールであった。ハットトリック。このシーンは確かにオフサイドくさかった。レアルの選手はオフサイドをしきりにアピール。しかし、ロベカルが全力で戻ればパンディアーニはフリーにはならなかったと思う。シシーニョ軽すぎ。
レアルはコーナーキックやニステルの惜しいシュートがあったが前半は3-1で終わる。レアルの選手の守備の寄せが甘い、というより、いつもどおりグティが守備をしない、ロベカル・シシーニョが軽いだけだと思う。ただエスパニョールの寄せはかなりアグレッシブであった。確かにそれに比べると甘い。
■シシーニョ→エルゲラ、グティ→レジェス
前半守備の場面で足をひっぱていた2人を下げて、レジェス、エルゲラを投入。ラモスが右SBなら、あそこまでモハに崩されないだろう。
後半開始とともにレアルが厳しい寄せでボールを奪うと、レジェスが決定機をつかむが外す。ファーストトラップの質が悪かった。
次はレジェスが中盤で相手を引き寄せロベカルにパス。レジェスのおかげでロベカルはドリブルで前進、そして中央へクロス→ニステルがヒールでファーに流すとラウールが点を決める。ラウールはいい試合で点をとる気がする。イグアインがしっかりと中に入ってきているのも大切な動きだ。仮にイグアインがゴール前に飛び出してこなければ、ラウールはつぶされていたと思う。イグアインとレジェスが輝いていた。
3点目はエメルソンの執拗なプレスから生まれた。エメルソンがなぜか相手左SBにプレスに行く。そこはレジェスの担当だ。SBはビルドアップをあきらめカメニにボールを返す→クリア→それがエメルソンにつながり相手の裏へやまなりのパス。イグアインが相手と交錯しながらボールへ向かうと、カメニが飛び出してきてはじいた。そのこぼれだまをなぜか右サイドにいたレジェスが決めて同点。イメージとしては、アトランタオリンピックのブラジル代表ジダ×アウダイール。
後半のレアルの変更点はプレスを強くいくこと、ラウールを右サイドにして相手の守備を抑えることであった。ラウールの方がイグアインよりは守備が巧い。また全体の守備意識が高くなったことによって、エスパニョールのカウンターじゃ見ることができなくなった。ロベカルも無謀な飛び出しが一切なくなった。
エスパニョールは戦い方を変えていないし、ばてたわけでもない。レアルのほうがよく走るようになった。こんな単純な理由でエスパニョールは機能不全に陥ってしまった。
同点に追いつかれたエスパニョールは、パンディアーニを下げルイスガルシアを投入。狙いがわからん。別に前線から追い掛け回してもいなかった。
レアルはイグアイン、ラウール、ニステル、レジェスがポジションを流動的にかえ、フィニッシュまでいくのだが点が入らない。徐々にプレスの勢いも弱くなり、エスパニョールがボールを保有する時間も増えてくる。だが、エスパニョールもばててきて後半の35分以降は無秩序状態。こうなれば決定力のあるチームが勝つ。ルイスガルシアがカシージャスとの一対一を外し、イグアインは相手を背負いながらもゴール。レジェスのスルーパスも見事だった。1-3からよく逆転したと思う。そして、カペッロの交代策は見事だった。
■独り言
ここに来てレアルの勢いはやばくなっていきている。日替わりでスターが誕生、苦しい試合もなんとかものにする。この試合の結果、首位に立った。ひょっとするとひょっとするかもしれない。荒れた試合だったけれど、かなり面白い試合だったと思う。エスパニョールはいいチームだった。
posted by josepgualdiola |13:02 |
レアルマドリッド/06~07 |
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2007年05月07日
前回の対戦記事はこちら
レアルはビルバオ戦と同じ布陣。予想通り、ベッカムのイエローカードは取り消された。いつもどおりのレアルに比べると、セビリアは不思議な布陣。UEFAカップの疲れもあるので、苦しい試合になるだろう。中盤の並びがプエルタ、レナト、ポウルセン、マレスカの4人。右サイドは誰がやるんだという疑問。アドリアーノとヘススナバスは怪我のためベンチ外。ケルジャコフ、カヌーテがスタメンで出場。
■疲労の残るセビリア
序盤はセビリアのペースであった。レアルが様子を伺っていたことも原因だが、セビリアがいつものように攻めまくった。レアルは冷静に対応していたが、ちょっと押し込まれすぎていて危なっかしかった。
しかし、時間がたつにつれて、セビリアの動きが悪くなると、レアルが徐々にペースを取り戻す展開となる。セビリアの攻撃はプエルタ、ダニエルアウベスのサイド攻撃頼みになって行き、個人技に頼るものになってしまっていった。その攻撃に組織を感じることはできず、点が入る気がしなかった。
レアルは両サイドバックの飛び出し、エメルソン、ディアラが攻撃的に振舞うようになり、攻撃に厚みが出てきた。その結果、フィニッシュで終わることが多くなった。また、攻守の切り替えが前にもまして早くなった。ボールを失ってもすぐに寄せに行くことでボールを取り返す場面も増えた。
今までのレアルの攻撃は独りよがりなものが多かった。しかし、ベッカが右サイドに定着したこと、ロビーニョが周りのフォローを素直に使うようになったことで、攻撃が組織的なものに変わっていった。最近好調な原因はこんなところにあるだろう。全員攻撃、全員守備が板についてきた。
しかし、先制したのはセビリア。セットプレーからカヌーテが競り勝ち、そのボールをマレスカがジダンばりのボレーシュートで先制。スーパーシュートであった。前半は1-0で終わる。
カヌーテが徐々に消えたこと、ニステルも消えていたことが気になった。後半は、この両者がどれくらい貢献できるかで試合の流れは変わってくるだろう。ただカヌーテは怪我を抱えての出場なのでルイスファビアーノか、チェバントンが出てくるに違いない。
■ラウール→グティ
セビリアは1点リードしているので、リスクをあまり犯さなくなった。つまり、引き気味に試合を進める。レアルは状況を打開するために、ラウール→グティ。ミゲルトーレス→エルゲラを投入。
ラウールはターゲットとなり、つぶれ役、守備で奮闘していた。攻撃の面でもいい動き出しをしていたが、そこにパスを出せる選手がいなかった。ミゲルトーレスはかなり良かった。ただ両サイドをシシーニョ、ラモスにして攻撃的に行くために下げられたのだろう。無念。
グティは中央を好きな風に動き回っていた。セビリアのプレスが来ないところでパスを散らし、エメルソン、ディアラよりも後ろでゲームを作る場面が目立った。ラウールの抜けたポジションにはいろいろな選手が飛び出すことで解決していた。
そしてそんなグティが見事な体の使い方で相手を交わし中盤を独走。セビリアはDFライン、中盤ともひきすぎていて寄せにいけなかった。そんなグティからロングスルーパスがニステルに渡り同点ゴール。見事なグティでした。
セビリアはレナト→ヒンケルでレアルのシシーニョ×ロビーニョ対策。何とかカウンターでチャンスをつかむものの、ダニエルアウベスが外す。そして後半26分にケルジャコフ→チェバントン。カヌーテは交代せず。
セビリアは完全にFWと中盤の間にスペースができていて、もうどうしようもなかった。この時期に来ると疲労やら何やらで手の打ちようがないのだろうか。レアルにやられるのは時間の問題であった。そして案の定グティ→ロビーニョへのスルーパスでレアルが逆転。ただ得点後、ロビーニョが退場。喜びすぎで一発退場ってみたことない。黄色を二枚連続でもらったらしい。セビリアにとってはチャンス。
しかし、直後のセットプレーのポジション争いからアイトールオシオが退場。すぐに10対10になってしまった。そしてレアルがカウンターからニステルが追加点でほぼ試合終了。最後にチェバントンがフリーキックを直接決めて3-2で試合終了。
■独り言
大荒れの試合であった。セビリアのコンディション不足が悔やまれる試合となった。それに比べると、レアルはカップ戦すべて負けてしまったことで元気いっぱいである。ただ前回と同じで、なにか拍子抜けする試合だった。
posted by josepgualdiola |10:26 |
レアルマドリッド/06~07 |
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2007年05月02日
前回のマッチレポはこちら
レアルはここに来て調子がよくなってきている。その原因がいまいちわからない。怪我人が戻ってきたこと、適材適所で選手が使われるようになったこと。所詮仮説である。なんとかしてそれを探りたい。スタメンにはシシーニョが復活。右サイドでベッカムとコンビを組む。中央にはセルヒオラモス。エルゲラは控え。ピボーテはエメルソン、ディアラ。
ビルバオはいかんせん調子が悪い。○●●△●●○○●●こんな感じである。主力のジェステも不調のため欠場。はっきり言って、勝てる気配がまったくない。ちなみに前回のセビリア戦では5バックをひいたが、まったく機能しなかったらしい。迷走の証拠。
■前半で2-0だけれども
ビルバオは4-3-3で試合に臨んだ。基本的にこの形を維持し、選手は自由に入れ替わるという戦い方を取った。攻撃の形はロングボールを中央で構えるアドゥリスに当てる。そのボールをサイドの選手が受け、ドリブルで仕掛けるか、後ろから上がってくる選手を使う。
レアルの前線の選手はビルバオのDFにプレスをしないので、ビルバオは余裕を持って前線にロングボールを蹴ることができた。また後ろから上がってくる選手に、レアルの中盤の選手はついてこないので、簡単に数的優位を作ることができた。試合の流れは完全にビルバオであった。
レアルはチーム全体の動きが悪く、ボールは回らないし、プレスもかからないひどい状態であった。調子がいい片鱗さえ見ることは出来なかった。ボールをもらう意識がない、ベッカム・ロビーニョとも中に絞りすぎと、不満を言えばきりがない。
それでもベッカム→ラモスのホットラインで先制すると、シシーニョがスローイン→エメルソンとワンツー→シシーニョがクロス→ラウールがニアに走りこむ→空いたファーのスペースでニステルがフリーで2点目。チャンス2回で2得点。ビルバオはチャンス5回以上あったのに0点。カシージャスが活躍したわけではない。シュートが枠に飛ばない、飛んでもボテボテ。決定力不足とはまさにこのことなのだろう。
■後半になっても
ベッカムとシシーニョの位置が状況に応じて変わるなど面白い形を見せた。しかし、後ろから飛び出してくるかたシシーニョは怖いのであって、最初から前線にいたらあまり怖くない。囲んでしまえば終わりである。しかし、この試合始めてのコーナーキックからニステルが3点目を決める。
そしてビルバオはジェステ、ウルサイスを投入しスクランブルアタックを見せる。しかし、前半に比べると、全体的に運動量が落ちた。しかし、点差からかレアルも微妙なサッカーをし、ビルバオが攻める展開で試合は続いていった。
その後は特に何も起きなかった。3点差にもかかわらず、果敢に攻め続けたビルバオがセットプレーから1点返し、レアルもカウンターでグティが点を決め試合終了。4-1。レアルは意図的になにもしなかったが、ビルバオは死力を尽くしたが、結果としてなにもできなかった試合になった。
■独り言
ニステルの決定力はさすが。ただ前線までボールが来なかったので、なんともいえない。バレンシア戦と比べると、ラウールは窮屈そうで、何度も中盤に下がる場面があった。この2人のコンビもまだ評価するのは早い。得点シーンくらいしか絡みはなかった。
ベッカムは自分の武器を見せた。しかしそれだけであった。つまり、リスクが高い。サイドを広く使えるわけでもないし、キープ力があるわけでもない。キープ力のある選手と一緒に使えば、リスクは減る。しかし、そんな選手はレアルにいない。
シシーニョは復帰戦にしてはましだと思う。アシストもしたし。ただクロスの精度はまだまだ。守備面でも軽い場面が目立ち、ロングボール作戦にはかなり苦労していた。ベッカムとのコンビもなんともいえなかった。追い越す場面もあまりなかった。
エメルソンは徐々になじんできたと思う。当たりが強く、ビルバオのようなチームとやるときは必須な選手だ。しかし、自分のマークを見送る場面やスタミナ切れが相変わらずで、どうなんだろうか。
久々に悪い試合内容だったと思う。次節はセビリア。セビリアはUEFAカップがあるので、かなり有利に試合を進められるだろう。レアルは右サイドハーフを補強しないときつい。ジュリなんかどうだろう。
posted by josepgualdiola |09:10 |
レアルマドリッド/06~07 |
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2007年04月22日
久々のレアルは布陣を少し変えていた。ラウールをセカンドトップ、イグアインを右サイド、ロビーニョを左サイドで固定。これが巧くいっているらしい。イグアインの右サイドは非常に怪しいと思う。エルゲラが累積、エメルソンが風邪のため欠場。ホアキン、シルバを警戒してか、サイドバックはサルガド、トーレスで望む。
バレンシアはセカンドレグのチェルシー戦とほぼ一緒。この布陣だと、攻撃の組み立てはシルバ、ホアキンの個人能力に依存症である。つまり、カウンターとセットプレーくらいしか武器がない。せめてレゲイロがいれば。。。
■消極的な守備を見せるバレンシア
チェルシー戦のセカンドレグから、バレンシアの守備が少しおかしい。ボールホルダーを見てしまう場面が非常に増えた。パスコースをきって、そのパスカットを狙うためにあえてパスを出させているんだ、だから飛び込まない、、なんてことはない。後ろにカバーの選手がいないから飛び込めないんだ、、なんてこともない。
そのため、前半の立ち上がりはレアルが試合を支配する。人数をかけた攻撃で波状攻撃を見せた。レアルの攻撃意欲の高さとバレンシアの守備のまずさによって、この波状攻撃が引き起こされた。レアルの人数をかけた攻撃によって、バレンシアのアルベルダ、アルビオルコンビは最終ラインに吸収され、前線と間延びしてしまった。バレンシアDFがクリア→レアルに拾われるというきつい展開となった。
また、バレンシアの中盤のプレスも微妙であった。いつもの中央にふたをする守り方が機能しない場面が目立ち、ガゴから普通に試合が展開されていた。原因はホアキンとシルバのポジショニングにある。ただこの2人にそこまで守備を求めるのも違う気がする。試合展開によって、攻撃的な選手の併用は使い分けないと自爆になるかもしれない。この試合では中盤がすかすかであった。
そして久々の連動性ある攻撃から、ニステルが見事なボレーを決め先制。このままレアルが試合を支配するかと思いきや、攻撃に人数をかけなくなっていく。
■消極的な攻撃を見せるレアル
先制点までは、なかなかの攻撃であった。しかし、先制点後、その勢いは潜めてしまった。ポゼッションも互角の流れになっていき、バレンシアも徐々に調子を取り戻していく。
レアルの攻撃が単発になっていったので、守備のあらも目立たなくなっていった。ホアキン、シルバもそれまでに比べると比較的高い位置でボールをもらえるようになり自分達の技を披露していく。モリエンテス、アルベルダが抜け出しあわやという場面を作り出していた。しかし、前半は1-0のまま終わる。
あのまま攻撃を続けていれば、レアルはバレンシアを前半だけでノックアウトできたかもしれない。それくらい攻撃が機能していて、攻撃は最大の防御という言葉をあらわしているようであった。それなのに引きこもったのは癖か、指示か、なんなのか。
■ベッカム→ラモス
後半になってもレアルのペースは変わらなかった。カペッロがハーフタイムに何を指示したのか、とても気になる。ビジャにあわやというシーンを作られ、得点は時間の問題と思っていたら、ホアキン→モリエンテスで同点ゴール。ホアキンは1人で右サイドを突破。モリエンテスはボールのないところの動きが良くチェルシー戦同様すばらしい飛び出しを見せた。
その後、レアルが前に出るようになる。前半ほどの内容ではないが、レアルが徐々にバレンシアを押し込む展開となっていく。逆にバレンシアはチャンスを作れなくなっていく。しかも怪我のため、ホアキンが途中交代。攻め手がなくなっていった。
バレンシアはボールの回復点がずいぶんと後ろになっていった。アルベルダ、アルビオルのポジションがどうしても後ろ気味になってしまい、それにともなってFWの位置も後ろになってしまった。つまり、攻撃の一つ一つが長い距離を走らなければならないので、消耗が半端じゃない。すべての原因は前線の選手の守備のやり方にまずさがあると思う。サイドの選手はサイドバックにつくのか、サイドハーフにつくのかを臨機応変に対応しなくてはいけない。そのマークの対応のまずさが、ズルズル後ろに下がってしまった原因だろう。誰かが指示して音頭を取らないと試合中の修正は難しい。
ガゴ→グティ、イグアイン→ベッカムの加入によって、レアルはさらに攻勢に出る。特にグティは前線へ頻繁に飛び出すことによって、ガゴとの違いをみせた。ベッカムはサイドで起点となり、さらに守備でシルバを追っかけるなどイグアインとの違いを見せた。
そして得意のセットプレー・ベッカム→ラモスのホットラインで勝ち越し点を取る。カニサレスは阻止する機会がなかった。
この失点後、バレンシアはらしくないサイドバックの飛び出しが頻出する。特にデルオルノはがんがんあがっていった。ただ、相変わらず走る距離は長かった。しかし、そのサイドバックの飛び出しもフリーになるような飛び出しではなく、相手を引き連れたものなので、そこまで相手によって脅威ではなかった。そして試合はこのまま終わる。2-1
■独り言
怪我人続出のため、バレンシアは控えにろくな選手がいなかった。結局、それが響いたといえる。こればかりはどうしようもない。柄にもなくサイドバックも飛び出しを見せたし、これ以上何をやるのかといったところだ。課題は前線の選手が連動性のある守備を見せていなかったこと。疲れかサボりか。
レアルはだいぶよくなっていた。イグアインはサイドの選手ではなかったが、相手によってはサイドでも通用すると思う。サイドの選手にありがちな中央に飛び出さない、という癖が彼にはない。当たり前の話だが、ゴール前に何度も飛び出していて非常に面白かった。ただし、イグアインが出ている間はあまりデルオルノが前に行かなかったので、守備面は未知数。
ラウールは中央のほうがいきいきしていた。ディアラ、ガゴが後ろにいるのでボランチのような動きが一切なかった。久々のFWらしいラウールであった。ロビーニョもレギュラーポジションを得て積極的に仕掛けていた。ここに来て怪我人も0。ようやく本領発揮かもしれない。
最後にカメラワークがひどかった
posted by josepgualdiola |20:12 |
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2007年03月11日
前半の終了間際に、オレゲールが2枚めのイエローで退場となる。ハーフライン付近で危険なスライディングをしたのは理解しかねる。それだけ気がたっていたのかもしれない。3-4-3の犠牲者オレゲールは前半でピッチを去った。
これでバルセロナは後半どのようなシステムで挑むのか非常に興味深かった。前半の30分以降は前線からのプレスが効いていて、3-4-3が機能していたので、後半もこのシステムを巧く継続させると、自分は考えていた。ホームで同点、という状況でまさか守りに入ることはないだろうなと。
しかし、後半の頭からエトーを下げて、シウビーニョを投入。。なんと4バックに戻してきた。右バックはイニエスタ。4-3-2である。なぜ中央の人数をへらしたかは疑問が残った。どうせ守るなら前3枚残して引きこもる方が得策だと思う。こうして不思議な采配で後半が始まる。
■機能不全に陥ったバルサ
1人少なくなったこと、システムを4バックに代えたとことによって、バルサの前線からの守備は姿を消す。前線のメッシ、ロナウジーニョの相性は悪く、1+1=2になっていなかった。これだったらエトーを残した方がましだと誰もが思ったのではないか。
レアルがDFラインでゆったりボールをまわし、攻撃のチャンスをうかがう形となった。バルサの守備も攻撃も機能しなかったので、レアルはニステル、グティを中心に何度もチャンスを作った。しかし、バルデスの好セーブ、ニステルのシュート精度の低さ、イグアインのトラップミスなどで得点を奪えない展開が続く。
そんなバルサの中でイニエスタが前線に上がって攻撃にアクセントを生んでいた。特に1人で相手ゴール前まで侵入していって、フィニッシュまで行くプレーは言葉を失った。ただマイナス面もある。イニエスタの上がった裏をつかれ、4バックにした意味はなんだったんだ、、、というどうしようもない試合展開となった。
■71分デコ→ベレッチ、61分ラウール→ロビーニョ
この両者の交代は非常に面白かった。まずラウールを下げロビーニョ。最近のラウールはコンディションが悪いのか、いつもの献身性はなくなっている。また、レアルの攻撃は個で仕掛ける選手がいなかったので、ロビーニョ投入は理にかなっているようにみえる。しかし、ただこの日のバルサの弱点は右サイド、つまり、レアルからしたら左サイドである。このポジションにはグティがいる予定だったが、後半のグティは比較的自由に動いていて、誰もいないこともあった。つまり、ロビーニョを左サイドで使えば、試合が終わった可能性があった。しかし、なぜか右サイドで使った。中央で使えば、勝手に左サイドに流れたと思う。イグアインと代えて欲しかった。
そして、バルサはなぜかデコを下げ、ベレッチを投入。恐らく右サイドの裏を取られたくないため、イニエスタを前にあげるための交代だが、非効率な交代だと感じた。4バックに戻すためにサイドバックを2人投入。。ただ、この日のデコは弔詞が悪かった。プレッシングは良かったが、あまりにボールに絡んでいなかった。
そして、73分にセットプレイからラモスが頭で決めて、またもレアルが勝ち越しゴール。ラモスはプジョルに競り勝っていた。この場面はグティのボールも非常に良かった。
バルサは攻めるしかないが、チームが機能していないので、どうしようもなかった。81分にようやくグジョンセンを投入。ほぼ同時にグティもデラレッドと交代。これで守るレアル、攻めるバルサという展開になる。カンプノウでとどめを刺すチャンスを自ら手放す采配。さすがカペッロ。
グティを失ったレアルは攻撃の起点を失った、それでも1人多いのボールを前に運ぶことは出来ていたが、いまいち攻撃に迫力がなくなり、不用意にボールを失う場面が目立ち始める。さらに攻守の切り替えが遅く、前線の選手は勝利を確信したのか、ボールを追わなくなっていった。
すると、前半の失点シーンのような場面が出始め、ロスタイムにメッシに中央突破を許し、同点になる。メッシハットトリック。グジョンセンとシャビが前線にて敵のマークをうまく分散させていた。影のアシストである。エルゲラは一発でメッシに交わされていた。そろそろ限界かもしれない。こうして、いろいろ起きたクラシコは3-3というスコアで終わる。
■独り言
3-4-3は恐ろしくリスクがあるが、良いDF、デロッシクラスのアンカーがいればなんとか機能すると思う。今の状態では無理。ただ、リスクがあるので観ているぶんには面白い。ただ、デコがまったくカメラに写らなかったのが気になった。最近のデコはいまいち力が落ちている気がする。イニエスタが凄すぎるだけかもしれないが。エトーの動きはかなり良かった。これからどんどん良くなってくるだろう。ただライーカルトが何を考えているのかさらにわからなくなった。素直にロナウジーニョ、エトー、メッシを前に並べて4-3-3を作れば勝てたのではないかと思う。オレゲールにもあそこまで負担はかからなかっただろう。最後に大活躍のメッシはチームとして機能していなかった。それだけが残念。味方の動きを巧く活かしていたが、たまには自分がそういう動きをしてください。まだ無理かな。
レアルは相手の穴をつくサッカーが出来ていたし、ダイレクトで相手のプレスを交わすなど意外性のある姿をみせた。しかし、コンディションが落ちているのか守備と攻撃が分断される場面が目立った。後半に相手が1人少なくなると、サルガドがオーバーラップを頻繁に仕掛けているのが印象的であった。ちなみにサルガドはロナウジーニョにやられまくっていた。
ラモスのセンターバックが久々に良かった。またロビーニョがロナウジーニョからボールをキープする場面は個人的に感動した。いつもこれくらいの気持ちで試合に臨んでください。
posted by josepgualdiola |18:02 |
レアルマドリッド/06~07 |
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