2008年05月22日

マンチェスターユナイテッド対チェルシー ~決戦~

 ユナイテッドのスタメンは、ファンデルサール、エブラ、ビディッチ、リオ、ブラウン、キャリック、スコールズ、ロナウド、ハーグリーブス、テベス、ルーニー。2トップでいつものユナイテッドが来たーーーーーーーーーと思いきや、ハーグリーブスがいる。守備重視かこの野郎。

 チェルシーのスタメンは、チェフ、アシェリーコール、テリー、カウバーリョ、エッシェン、マケレレ、ランパード、バラック、マルダ、ドログバ、ジョーコール。こちらはエッシェンをSBにする切り札で試合に臨む。後はカルーの登場くらいか。守備を安定させるためのマルダ、、、と信じたい。

 ■ドログバがダメグバ

 決勝戦は凡戦で終わることが多いそうな。その心は両チームとも勝ちたい気持ちよりも、負けたくない気持ちが勝り、それがリスクを徹底的に排除した形で具現化するからだってさ。ユナイテッドは久しぶりの4-4-2。ハーグリーブスは普通にSHを担当していた。SBをやったり、中央をやったりで大忙しな男である。

 ユナイテッドは右サイドにボールを集めることが多かった。最近のロナウドの調子を考えると、間違いない判断。コンディションが悪いのか、相手を独力で抜き去る、という面だけで考えると、最近のロナウドは抜けなくなってきている。しかも、対面はエッシェン。ただし、ハーグリーブス対アシェリーコールもきつい。だから、ハーグリーブスはドリブルで仕掛けずに、パスで仕掛けていた。

 ハーグリーブスが右サイドでボールを持つ。ブラウンはいつものように上がってこない。恐らく、決勝戦特有の現象。だから、余計にパスで仕掛ける。逆サイドのロナウドは中に絞って得点を狙う。仮にロナウドが左サイドから仕掛けても、ハーグリーブスはロナウドほど相手に脅威を与えられるか。そんなわけで、右サイド攻撃は非常に理にかなっていた。というか、ロナウドしか、チェルシー相手に競り勝てる選手がいないみないな。

 また、左サイドから攻撃すると仮定してみよう。ロナウドがドリブルで仕掛ける。カウンターの危険。攻撃大好きなエブラもがんがん飛び出してくる。ボールを奪われたら、ビディッチあたりがさらされることになるし、最近の調子は悪いが、ジョーコールがいる。決勝戦だし、いざとなったら左サイドから攻めればいいよね。という結論をファーガソンは出したのだろう。

 前回の対戦ではチェルシーがボール支配でユナイテッドを凌駕した。理由はなんだ。確かユナイテッドは4-4-1-1で完全に後ろに引きこもっていた。だから、簡単にチェルシーはボールを支配できた。チェルシーがうまかったのではなくて、ユナイテッドにその理由はあった。カウバーリョたちとバラックたちをフリーにすれば、さすがにチェルシーもポゼッションを披露する。
 
 今回の対戦では、ユナイテッドはDFラインを普通の位置に戻して対抗。テベス×ルーニーが前線から闘うので、チェルシーはちょっと困った。そして右サイドにはハーグリーブス・守備の人がいるので、よりやってられない状態に。そんな状態と、決勝戦が初めての選手が多いからか、可能性のない馬鹿蹴りが序盤戦は目立ったチェルシー。育成年代では恐ろしく怒られるプレーである。恐らく、攻撃を何とかして終わらせたかったのだろう。そんな両者が噛み合えば、ユナイテッドがボールを支配するのは当たり前である。

 ユナイテッドのキーマンはスコールズとキャリック。この2人に前を向かせてはいけない。対面にはランパードとバラック。普通に考えれば、チェルシーの守備網をパスで突破するのは困難である。ジョーコールも、守備職人マルダもランパードたちとラインを形成し、隙間を作らないように苦心していた。

 しかし、たった一人サボっている選手がいた。ドログバ。スコールズらにボールが入る→バラックらが前を向かせないプレッシャーをかける→ドログバが挟み込むサンドイッチ作戦でユナイテッドを倒すんじゃないのかグラント。

 ドログバがまったく動かないので、スコールズたちはパス交換を繰り返して簡単に前を向いていた。さりげない好プレーはテベス。何度もランパードとマケレレの隙間に移動して、相手を混乱させていた。ルーニーのワントップだと、こういうプレーは少ない。ただ、チェルシーの中盤のラインも微妙に高い。何メートルか後ろだったらテベスもきつくなるはず。

 ちなみにドログバはユナイテッドのDFにも懸命にプレスをかけなかった。よって、ユナイテッドはショートパスもロングパスも状況に応じて選択することができた。さあ、我慢勝負の始まり。

 で、ユナイテッドの攻撃をチェルシーが跳ね返したり、攻撃に繋いだりの展開。チェルシーはドログバに放り込むも、まったくボールがおさまらない。そしてドログバからのパスが見事に明後日の方向へ。これは交代だな。チェルシーは15分過ぎからポゼッションの覚悟をし始める。ちなみに、14分ごろにロナウドがあっさりとエッシェンを抜き去った。今日のロナウドは良いかもしれない。

 20分ごろ、スコールズが怪我をする。24分に試合が動く。スローインから、ブラウンとスコールズがワンツーで相手のプレスを交わすと、左足でブラウンがクロス。これが見事にピンポイントでロナウドへ。ヘディングうまいなロナウド。ファーガソンの狙い通りにユナイテッドが先制。スコールズは血を流しながらのプレーのようだった。

 ■久しぶりの前線からの守備

 ランパードら対スコールズらの対決は相変わらず、ユナイテッドに軍配が上がっている。サボっているドログバは痛がっている。先制したから守ろうぜという姿勢はまったく見られることなく、ブラウンが攻撃参加してロナウドにクロスをあてる場面があった。ユナイテッドが優勢である。31分に相手のCBまでランパードがプレスをかける場面があった。切ない場面である。

 じゃ、ゆったり繋ぐかってチェルシーはボールを回し始める34分。ボールを繋ぎながら運ぶことで、ドログバがゴール前に行くことができるし、フリーになる動きもできる。そしてドログバの頭→バラックでチャンスを作るチェルシー。しかし、そのチャンスで得たコーナーキックから、ユナイテッドお得意のカウンターで決定機を作られてしまうものの、チェフのスーパーセーブで事なきを得る。

 それにしてもユナイテッドは全員が守備を行っている。珍しくユナイテッドの守備に感心。特にテベスとルーニーは凄いなと。しかし、チェルシーもジョーコールとマルダが自由に動き回ってボールを受ける意志をプレーであらわし始める。ポゼッションが成功する第一歩。

 42分。中央でマケレレがフリーに。とうとう疲れたかユナイテッドの前線。マケレレ→マルダ→ランパードと繋いで、その代償はリオがイエロー。前線がサボると、後ろに負担がかかる好例でした。そのFKをバラックが外す。ドログバと喧嘩していなくて安心した。

 その直後。自陣のスローイン→ドログバがポストプレーでマルダに繋ぐ→マルダがドリブルでボールを運んでリオにクリアされるものの、そこにはチェルシーの選手がたくさん。ユナイテッドは間延び状態。やっぱり疲れたか。エッシェンがミドルを放ってそのこぼれだまをランパードが押し込んで同点ゴール。

 引きこもることが多かった最近のユナイテッド。前線から守備をするのは久しぶりなイメージなので、スタミナ配分を間違ったか。パクチソンはどうした。そういえば、ベンチにもいない。そんなことに気づいたら前半が終了。直前にカウバーリョにイエロー。

 ユナイテッドは試合のペースを引き戻せるか。選択はプレス開始位置をどうするか。後ろにするか、前のままで行くか。ドログバを完全にビディッチが抑えているので、引きこもっても大丈夫そうだけど、パワープレーがさすがに怖いか。それでも、スタミナ切れも恐ろしい。

 チェルシーはドログバをきれるか。ピッチ内に残しておくとしても、攻撃の中心からは外したほうがいい。ロングボールやるなら、SBの裏にでも蹴れば良いのに。カルーを出して走らせればブラウンに勝てるかもね。それにしても、ここでマルダが先発になるとは夢にも思わなかった。しかし、エッシェンがSBである意味がまったくない。これだったら、エッシェンをCFにして相手を追いかけまわしてもらった方が良いかもしれない。

 ■チェルシーが攻撃を仕掛けるんだ

 交代はなし。47分。急にドログバがスコールズにプレスをかける。ファウルになってしまったが、それである。頑張れドログバ。ただし、この場面くらいであった。見せ場が少ないドログバ。

 後半戦。戦い方を代えてきたのはチェルシー。エッシェンの位置がダニエウアウベスみたいになっていく。そしてドログバへの放り込みをやめた。攻撃の起点はウイング。そしてエッシェン。守り方は中盤とDFラインの距離感を改善。まさかのDFライン高め。さてユナイテッドはどうする。

 ユナイテッドは前半の自分達のペースだった攻撃を目指す。ドログバが守備をしないので、実現可能のように見えたが、前線にボールがまったくおさまらない。理由は雑なハイボールとテベスが中盤で絡めなくなったこと、つまり、運動量が落ちてしまった悲しい現実。

 後半のチェルシーは簡単にボールを運ぶことができた。前半のユナイテッドは全員守備で高い位置から守備を行えていたが、55分過ぎからボールにプレスがかからなくなる。やばいぞユナイテッド。となると、ユナイテッドの守備はボロボロになる。後は決定力。

 よって、後半はチェルシーのポゼッションで試合が展開されていく。整理すると、ユナイテッドの前線からの守備が機能しなくなった→それでも後ろに引いて守る意思統一は見られない。

 ユナイテッドの前線にボールがおさまらなくなった→テベスの中盤へのヘルプが減った→雑なロングボールが増えた→パスカットされまくり→疲れからか、攻守の切り替えを行えずに攻められ放題。ユナイテッドはロングボールの処理を相手が失敗しない限り、つらそうな展開ちなみに、テベスは別にさぼっていたわけではない。

 チェルシーはドログバを使わずに丁寧に攻撃を組み立てる→エッシェンが神出鬼没っぷりで、フリーでボールを受けられる良い循環。ただし、シュートが枠に飛ばないし、そもそもシュートまでいけない。それでもゴール前までは来ているのであと少し。

 70分にリオが足をつる。77分にドログバミドルはポスト。徐々にゴールが近づいてきたか。ユナイテッドもカウンターで追加点を狙うが、マケレレに邪魔をされる。ロナウドはジョーコールに止められる場面が目立ち、個人技満載で得点の気配がまったくなかった。アンデルソン出て来い。

 残り5分になると、ルーニーが中盤に降りて守備をするようになる。4-5-1みたいな。ルーニーも守備の必要性をいたく感じていたのかもしれない。88分にスコールズ→ギグス。ハーグリーブスを中央にして攻撃はどうなる。ユナイテッドは守りきりに成功、チェルシーは決めきれずに延長戦を迎える。

 ■独り言

 で、ここで録画失敗が発覚。結果を調べたらPKだったようで。チェルシーが決め切れなかったんだろう。ユナイテッドは、、、、粗が最後の最後でばれてきた模様。来季は最強でいけるか、研究されて萎むかは、かなり見ものである。それにしても、チェルシーは変った。来季はどうすんでしょうか。ひとまず、ドログバは放出したほうがいい。

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posted by rijkaard |08:46 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(22) | トラックバック(1)
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2008年05月02日

チェルシー対リバプール ~自由な采配はどっちだ~

 チェルシーのスタメンは、チェフ、アシェリーコール、テリー、カウバーリョ、エッシェン、マケレレ、バラック、ランパード、カルー、ジョーコール、ドログバ。バラック×ランパードの共存、ビックゲームでのマケレレ、切り札のエッシェンSBを最初から使ってきたグラント。注目は誰だ。カルー。

 リバプールのスタメンは、レイナ、リーセ、キャラガー、シュクルテル、アルベロア、マスチェラーノ、シャビアロンソ、ベナユン、カイト、ジェラード、トーレス。ベニテスをもってしても、行き着くシステムはこのジェラードシステム。ジェラードにすべてを託すなんてベニテスらしくないぞ。

 ■マケレレとジェラードの差

 グラント監督になってからチェルシーはゆっくりと変化してきている。SBは攻撃参加するようになったし、モウリーニョ時代ののようなカウンターよりは、横への意識が強いポゼッションをするようになったし、少人数でダイレクトプレーでゴールに迫るよりも、多くの選手を経由して攻撃を組み立てるようになった。

 ユナイテッド戦で、前半限定でも試合を支配したように、この試合でもボール支配はチェルシーに軍配が上がる。18分にはランパード→ドログバで抜け出した。それはまるでバルサのような攻撃であった。やっと出てきたかテンカーテ。決定機の数も明らかにチェルシーのほうが多く、どうしたリバプールというよりも、どうしたチェルシー。

 リバプールのシステムは4-2-3-1ではなく、4-4-1-1。守備の場面では、トーレスが、最前線、ジェラードはその後ろ、マスチェラーノらの並びにカイトらがいるので、4-4-1-1と表現。話はそれて、チェルシーのWGもリバプールのSHも最終ラインまで戻って守備をしていた。このポジションで守備をしない時代はもう完全に終わりを告げたようで。

 で、リバプールは攻撃的な守備の最高峰と勝手に認定しているのだがけど、それも終わりを告げたようで。最近のリバプールはいつ見ても攻撃的な守備を行わない。いつでも、どこでもボールホルダーには気迫のこもったプレッシャーを与えて相手の攻撃を完全に破壊する守備はどこへ消えた。

 話はさかのぼって、CL決勝のミラン戦。昨年のお話。あの試合も4-4-1-1気味でリバプールは試合を進めた、、、はず。確か、ワントップには働き者のカイト君。後ろにはリバプールの王様ジェラード。カイト君は新人のトーレス君よりも守備で奔走していたが、王様が途中でサボってゲームオーバーであった。

 で、新人のトーレスは別に守備をしない選手ではない。アトレチコでもするときはしっかりしていた。恐らく、監督に頼まれれば、ちゃんと守備をする好青年に違いない。しかし、SBがオーバーラップ→毎回無視される→上がらなくなる現象と同じように、前線で相手にプレッシャーをかける→後ろがついてこない→ガチな意味で無駄な走りとなる→プレッシャーをやめる現象がトーレスを襲ったかはわからない。

 くだらない前ふりの結論は、つまり、ジェラードが守備を明らかにしなくなっているといいいたいわけである。昔のリバプールは、カイト×ベラミーが前から攻撃的な守備を行う→彼らを無駄にさせるわけにはいかないので、中盤もラインを上げて連動した守備を見せる→DFラインも連動してラインを上げる→コンパクトサッカーの完成。

 今は、トーレスもジェラードもたまにしか守備をしない→計算できない守備で前線がチャレンジとして機能しないので、中盤が最初にボールに対して寄せる人になる→当然、相手のDFライン深くまでマスチェラーノたちが深追いできない→必然的にDFラインとブロックを形成しなくてはいけない→結果としてDFラインが下がる。以前よりは、各所にスペースができる。ランパードやバラックがいやらしいポジションでボールを受ける場面が目立った理由ははこんなところだろう。

 そんなこんなでリバプールは最大の長所でもある攻撃的な守備が消えてしまいそうな予感である。チェルシー戦ではボールホルダーに対して、プレッシャーがかからない場面がかなり多かった。逆にチェルシーはほとんどの場面でボールホルダーにプレッシャを与えていた。

 チェルシーのシステムは4-1-4-1。カルーとジョーコールの守備意識が格段に増したことで、分厚い守備ブロックを形成することが可能となったチェルシー。ドログバを最善に残して、中盤の選手は積極的にボールホルダーにプレスをかける。その思いっきりのよさの正体はマケレレの存在感。DFとMFの間にマケレレがいることで、自分のプレスが無駄にならない可能性が高いチェルシー。だって、プレスが失敗しても、マケレレがカバーしてくれれば致命傷にはならない。しかも、選手間の距離が近いので、相手を囲い込むこともできる。

 4-1-4で守るチェルシーと4-4で守るリバプールでは攻撃の時間帯が変ってくるのも必然。チェルシーがシュート数で圧倒したのはこんなところだったりして。リバプールはクラウチがいないので、ロングボールは封印。そのおかげで支配率は上がったかもしれないが、攻撃から可能性はまったく感じなかった。チェルシーのSBとリバプールのSBを比べれば、一目瞭然ではあるんだけれど。

 得点は33分。オフサイド気味に抜け出したカルーの突破から、ドログバがこぼれだまを押し込んでチェルシーが先制。恐ろしいスピードのシュートであった。なんだかんだチェルシーはドログバが試合を決めることが多いけれど、ドログバに放り込むだけのチームではなくなってきているのが厄介。前半は1-0で終了。ちなみに、リバプールはシュクルテルが負傷し、ヒーピアが代わりに出場している。

 ■きっかけは

 フラテリスの曲が終わると後半が始まりそうな気配。雨が強さを増しているぞと。大雨でも技術的なミスがまったく生まれないのが凄い。

 後半の序盤はチェルシーも人数をかけて攻めていたが、徐々に守備意識を高めていく。具体的に言うと、SBは攻撃参加しなくなっていったし、マケレレの位置も下がっていった。ボールはリバプールへ。

 ボールを持たされたリバプール。しかし、チェルシーの守備の前に結局はクラウチのいない前線へロングボールを蹴るお粗末な攻撃。その攻撃にきっかけを与えたのは右サイドのアルベロア×カイト。

 攻撃面で期待をもてないアルベロアだが、おとりになることはできる。アルベロアは積極的に高い位置で対面のアシェリーコールをひきつけてカイトをフリーにしていた。自由になったカイトは持ち前の頭の良さを発揮して、何度も中盤からボールを引き出す動きでチームに流れを引き寄せる。

 時々、ジェラードとかぶっていたが、この動きにジェラードもヒントを得たようだった。ジェラードは中盤に降りてゲームメイクをこなすようになり、ゆっくりとリバプールの前線が流動的に動き始める。楔のボールをもらう動きを前線の選手が意識するようになり、楔のボールを通す意識がDFラインに広がった瞬間。

 また、カイトが頻繁にボールに絡み始める。すると、カイトはボールを失うこともある。真面目なカイトはすぐにボールを取り戻しに行く。その動きに周りも反応。トーレスも守備に走る場面が増えてきた良い予感。エトーが走り出す→守備の合図。声に近いものがあった。そして同点ゴールが生まれる。

 65分。前線の流動性とアルベロアの高い位置取り、ジェラードのフリーランニング、ベナユンのドリブル&スルーパス、トーレスの見たことのない決定力でリバプールが先制。きっかけはカイトだが、おいしいところを持っていったのはベナユンであった。

 ちなみに、ドログバはそこまで守備に熱心でないので、キャラガーたちは自由にボールを展開することができた。ただし、キック精度はレイナのほうが高い。それでも、この状況ではクラウチの登場が待たれる。

 70分にカルー→マルダ。マルダは応援している選手であるが、この場面で出てくる選手ではない。決してない。このあたりがグラント采配の面白いところである。攻撃的にいけのメッセージだろうが、マルダかよ。マルダはボールに絡みまくるものの、どうしても得点の気配が漂ってこない。ただし、エッシェンらが攻撃参加するなど、ピッチにはメッセージが無事に伝わった模様。

 77分にベナユン→ペナント。クラウチはなしか。で、ユナイテッド戦もそうだったけれど、チェルシーは前半に先制、後半に攻撃を自重→追いつかれる→攻撃に出るものの前半の流れは取り返せない病にかかりそうな予感。慣れてくれば、そういった芸当もできるようになると思うが、守備の勢いが戻りつつあるリバプール相手では苦しい。

 両チームともクロスを上げるものの、決定機はほとんど作れないまま後半が終了。試合は延長戦へ。ジョーコール→アネルカ。終盤に来て、ジョーコールはコンディションが下がっている模様。今季のMVPといってもいいだけのできだっただけに、ちょっと切ないここ最近。

 ■延長戦

 リバプールペースは変わらないものの、いまいち最後のフィニッシュまで届かないリバプール。トーレスが仕掛ける場面があれば面白いのだけど、仕掛ける場面がまったかくない。ペナントも抜きに行く場面がなく、SBは相変わらずだった。

 そうはいっても、チェルシーも同じで、前半の流れは取り返せない。しかし、ドログバの一発のプレーで流れが代わる。中盤からのボールを受けたドログバは、ヒーピアとキャラガーを外してフィニッシュまでもって行く。リバプールにはこういう選手がいないし、こういう場面をつくろうともしない。

 そのCKからこぼれだまをエッシェンミドルはゴール取り消し。レイナの前にあれだけ選手がいれば、オフサイド取られても仕方ない。取られないこともあるけど。しかし、この直後にバラックがヒーピアのトラップミスを見逃さずに早いチェックでボールを奪いいく。そしてPKを奪う。これをランパードが決めて、チェルシーが2-1で勝ち越し。

 リバプールはトーレスに代えてバベル。カイトをトップにして、ポストプレー狙いか。しかし、カイトまでボールが届かないんだな。大人しくクラウチが見たかった。ここで、アネルカとマルダが輝きを放つ。右サイドでコンビプレーを披露。アネルカが抜け出してクロス→ドログバが決めて3-1。チェルシーが一気に優勢に立つ。延長前半終了。

 チェルシーは無理をせずに時間を潰しにかかる。リバプールは破れかぶれの時間が続いた。しかし、残り5分でバベルの超ミドルが炸裂。恐ろしく変化したのだろう。ここで、チェルシーは守備がためにシェフチェンコを投入。縁起をかついだか。試合はこのまま終了。なんとチェルシーは、はじめてのCL決勝らしいぞ。チェルシーおめでとう。

 ■独り言

 SBの差と、個人で試合を決める選手の差と、システムの差がもろにでたかなと。CLで優勝したら、ドログバとかどうするんだ。置き土産か、それとも残るのか。リバプールは金銭的に補強が難しそうだし、ベニテスの未来はどうなる。

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posted by josepgualdiola |22:10 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2008年05月02日

マンチェスターユナイテッド対バルセロナ ~意外性のあの人~

 ユナイテッドのスタメンは、ファンデルサール、ハーグリーブス、リオ、ブラウン、エブラ、ナニ、スコールズ、キャリック、パクチソン、テベス、ロナウド。チェルシー戦で負傷したルーニーとビディッチはベンチ外へ。ユナイテッドらしさか、それとも慎重さが出るか。

 バルセロナのスタメンは、バルデス、ザンブロッタ、プジョル、ミリート、アビダル、ヤヤ、シャビ、デコ、メッシ、イニエスタ、エトー。なんでマルケスとシウビーニョがスタメンでないのだ。アウェーゴール取ったら勝ち抜け決定だべさ。でも、スタメンの並びはそこまで悪くはない。マルケスはベンチ外。。。。。

 ■やっぱりイニエスタなんだと

 ユナイテッドは左サイドにスコールズ、パクチソンを配置。スコールズって何となく右にいるイメージがあったのだが。恐らくメッシ対策だろう。いきなりエブラのバックパスミスからメッシがチャンスを作るが、スコールズが絵に描いたようなカバーリングでピンチを救った開始1分。なめられてるぞイニエスタ。

 8分。ユナイテッドはエブラが妙に積極的に攻撃参加。左サイドからチャンスを作る。右サイドのハーグリーブス×ナニでは連携に不安があるのは間違いない。アビダルは決して対人に弱くないし。で、いつものように、パクチソンが中に絞ったら外へ、パスクチソンが外に開いたら、中へ攻めあがるエブラ。まさに、これこそユナイテッドの攻撃の形。エブラの上がったスペースにはキャリックとスコールズがカバーに入っていた。いつもだったら、キャリックだけなんだろうけど。メッシ対策か。ただし、スコールズはいつものポジションに戻っていた。恐らく、攻撃のときは右、守備のときは左なのかも。

 10分過ぎからバルサが試合を落ち着けることに成功する。珍しく前線から鬼プレスを見せるユナイテッドに少しはびびったバルセロナ。いつものようにDFラインを下げてボール運びを敢行。ユナイテッドはテベスとトップ下、ロナウドを最前線のシステムだった。こんなときはテベスをヤヤにつけて、ロナウドをミリートにつければ、バルサは死に体になるのだけれど、それをやらないユナイテッド。なんでだろう。

 ただし、ユナイテッドの中盤のラインが非常に高い位置に組まれているので、バルサは前線にボールを当てる形が非常に多くなっていく。デコとシャビだけでは足りない。こんなときの自由人ことイニエスタ。しかし、今日のイニエスタは左サイドに張り付いていることが今のところ多い。今日はエゴイストバージョンか。

 13分。そんなロングボールがエトーにおさまらなかった場面。そこから得点が生まれる。今日のユナイテッドはゴールキックを繋ごうとする意志が見られた。結局ファンデルサールに戻してドカンなんて切ない場面もあったけれど。

 しかし、DFラインと前線の距離が開いているバルサ相手だったら、何とかつなげないこともない。特に、今日はエトーが守備をサボっているので。で、パスをつないでロナウドに繋ぐ。ザンブロッタがホテルシローボールを奪うがスコールズへパス。これをスコールズミドルでユナイテッドが先制。今季はそろそろ世代交代の気配もあったスコールズが結果を出したのはなんか嬉しい。

 引き続き、ユナイテッドの前線からの鬼プレスに苦しみ続けるバルセロナ。こんなに守備をするロナウドは初めてだな。イニエスタはまだ降りてこないし、DFラインがあまりに低すぎるので、デコとシャビまでの距離が遠い。それでも降りていけって話だけど、単独で降りて入ったらプレスの餌食になる可能性が高い。チームが同じ意識を持って行動しないと流れは変らない気配。ベンチからの指示か、プジョルの判断か、ゲームキャプテンの判断か。

 25分。ようやくイニエスタが中盤に降りていった。しかし、ボールはイニエスタの頭上を越えていった。それでも良い傾向である。27分にイニエスタが中盤でボールを受けると、得意のドリブルでボールを運ぶプレを披露。エトーが左サイドから抜け出す場面を作ることができた。

 33分。アビダルとの関係でイニエスタが左サイドを突破。初めてのアビダルの攻撃参加。最後はデコミドルで終わったが、バルサの攻撃の突破口はイニエスタになりそうな予感。メッシはあまりに警戒されていて、ちょっと何もできそうもない。ザンブロッタとの関係は最悪だし、ボールを持ってもパスの選択肢が少ない。いつも、ワンツーを狙っているメッシ。

 しかし、ここからはバルサタイム。イニエスタのプレーに触発されたか、デコが牙をむく。中盤で試合を作って、最後はフィニッシュ。また、38分過ぎからユナイテッドの前線のプレスがゆるくなると、バルサはダイレクトプレーでゴールに迫る。デコの少ないタッチ数での崩しに、メッシもタッチ数を減らして攻撃を組み立てに行く。イニエスタをきっかけにデコが復活。しかし、前半のうちに追いつくことはできなかった。

 前半のユナイテッドの印象は、悪いものではなかった。チェルシー戦ほどDFラインを下げることなく、慣れない攻撃的な守備を披露。同じ守るでも、印象が違う。そして、相手に合わせるのがうまくなったなと。

 バルサはアビダル→シウビーニョで相当良くなる。そして、元気のないエトーに代えて、ボージャンでなくグジョンセンを入れて守備をさせたら完璧だろうな。頑張れライーカールト。間違っても、ボージャンではないぞ。中央でボールを受けるのがうまいボージャンよりも、守備を頑張るファイターのほうがユナイテッドは嫌なはずだ。グジョンセンのほうが抜け出すのはうまいし。

 ■相手に合わせて布陣を変えよう

 50分まではバルサが試合を優勢に進める。前半は試合を捨てていたシャビも攻撃に参戦し、前半よりもボールの繋がりがスムーズになるバルサ。シュートまであと少し。特にデコの気迫がリーガとは大違いで笑った。それにしても、ザンブロッタとデコの呼吸があわない。

 50分以降はユナイテッドが一気にとどめをさしにかかる。まさか攻撃に出るとは。エブラを攻撃参加させて、またも左サイドから攻撃。いつもだったら両サイドなので、多少は守備のことも考えていたのだろう。それでも、最近のユナイテッドからすると驚きである。守備に奔走するテベスやロナウド、パクチソンが点を取りに行くが、バルサも最後の最後で踏ん張り続ける展開に。

 それでも、バルサはイニエスタとデコを中心に反撃に出る。リーガでいつも見ているバルサとはチーム全体の気迫が明らかに違う。いつも、これぐらい戦ってくれたらならなと。でも、ちょこっとだけやればできるんだと認識した。

 先に動いたのはバルサ。ここで飛び出たライーカルト采配。60分にイニエスタ→アンリ。ここでシャビを下げられないのが、バルサの悪いところだろう。というか、シウビーニョはまだか。ユナイテッドはハーグリーブスが守備に専念しているので、アビダル側はがんがん攻撃参加できるのに。それにしても、ユナイテッドの前線の足がしばしば止まる場面がちらほら。

 アンリが入ったものの、まったくその意味も意図も特になく。むしろ、イニエスタがいなくなったことで、シャビに自覚が芽生えたくらいであった。試合はどっちつかずの展開へ。ロナウドがザンブロッタとやりあっている。そしてメッシが中央へ。ユナイテッドは、パクチソンを中央において、ロナウドをサイドにおいて守備を行う気配になってきた。

 70分にエトー→ボージャン。シウビーニョはまだか。75分にスコールズ→フレッチャー、ナニ→ギグス。間違いなく守備固めだろう。バルサは4-4-2の菱形ちっくになっているので、ユナイテッドは中央を固める作戦へ。これで、中央は大渋滞。ユナイテッドの作戦勝ち。メッシはドリブルで状況を打破しようと必死だったが、どうもうまくいっていなかった。で、試合はそのまま終了。バルサは最後に放り込みをしていた。競り勝てるかっていう。

 ■バルサについて

 あくまでプレミアでの話しだけど、ユナイテッドは攻撃に枚数をかける傾向がある。だから、対戦するチームはカウンターが狙い目。ロナウジーニョ時代のバルサはカウンターも得意だったけれど、今日のバルサはカウンターがあまりなかった。ユナイテッドに守備の準備をする時間を与えてしまったのはかなり切ない。

 で、ロナウジーニョ×ジオのような連携が見られなくなったのは、個人技に依存しすぎたからだろう。意図的に依存したのか、依存するしかなかったのかは謎。ずいぶん前のクラシコでジオが点を決めた場面のような攻撃の流れは最近見られないなって。

 ロナウジーニョの放出は決定的で、今後はメッシを中心にするなんて噂もあるが、現時点でのメッシにそれを託すには荷が重い。デコも移籍してしまったら、本当に悲劇的状態になるだろうバルサ。怪我後のエトーはずっとあんな感じだし、イニエスタくらいしかいないじゃないか。デコとイニエスタをチームの中心としてライカールトにチームを再構築できるとも思えないし。チームを組織として機能させることができれば、ザンブロッタも復活すると思うのだけれどどうなることやら。

 ■MVP

 間違いなくブラウン。当ブログで散々酷評されてきた右SBのブラウンだが、CBでは完璧のできだった。特にポジショニングが良く、軽いプレーが少なく、攻撃面でも足をひっぱっていなかった。特にメッシに対するカバーリングが最高で、スコールズたちがメッシにチャレンジできたのはブラウンのおかげかも。

 今日のような試合運びだったらチェルシーが相手でも面白い試合になりそうな予感。ただし、まだ、真の姿ではないけれどもね。慎重さをどれだけ発揮するかが非常に注目。

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posted by josepgualdiola |08:30 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2008年03月11日

いまさらのミラン対アーセナル

 ミランのスタメンは、カラチ、マルディーニ、カラーゼ、ネスタ、オッド、ピルロ、アンブロジーニ、ガットゥーゾ、カカ、パト、インザーギ。ツリー型から4-3-1-2へ変更。セードルフが怪我をしたらしい。FWが2枚いたほうが、ピルロはやりやすいとかないだろうか。

 アーセナルのスタメンは、アルムニア、クリシ。センデロス、ギャラス、サニャ、ディアビ、ファブレガス、フラミニ、エブエ、フレブ、アデバヨール。なんとディアビがスタメンに。間違いなくラサナ・ディアラのほうが使えるはずである。そんなこといっても無駄であるが。しかし、エブエの右SHがさまになってきている。

 ■ピルロシステム

 いまさらなんで、さくっと書きます。前半20分まではミランペース。特にピルロから、前線へのチャレンジパスがいやらしい形で繰り返された。インザーギやパトが裏を狙ったり、ボールを受けたりと2トップであるからこそ見られる場面であった。やっぱり2トップのほうがピルロはパスコースが多くて、やりやすいのかもしれない。

 で、2トップのほかにもカカがいる。アーセナルのDFラインが裏を警戒しすぎてDFラインを下げる→中盤とDFラインの間にスペースができる→カカがそのスペースを使いまくる。この流れはフラミニがうまく警戒していて、効果的ではなかった。ただ、カカがいきるよりも、中盤とDFラインの連動が機能しなくなれば、ミランからすると狙い通りで。

 カカ→パトへのパスだったり、インザーギの惜しいシュートだったりでミランは決定機を作るものの、徐々に流れがアーセナルへ。ミランにとって苦しかったのは、高い位置でボールを奪えないことであった。ミランが攻撃を仕掛ける→奪われる→即座にボールを奪い返すか、ファウルで攻撃を止める流れを大切にしたかったミランだが、ボールを奪われる→アーセナルがミランゴール付近までボールを運ぶ→何とか奪い返す。アーセナルはもともと運動量豊富なチームなので問題ないが、ミランは苦しい展開に。

 特に両SBの飛び出しがほとんど見られなかった。ピルロがボールを持つ。パトたちが中央でボールを待つ。相手の守備陣は自然と中央よりになる。その守備をワイドにするために、そしてピルロの選択肢を増やすために。ミランの両SBの攻撃の役割はサイドをドリブルで突破とか、深くえぐってマイナスのクロスなどのリスクの高いプレーは少ない。やろうと思えば、できないこともないが。つまり、そんなにリスクの高いプレーでもないのに、あまり攻撃参加しなかった理由は、、はやくもばてたからか、アーセナルの攻撃を怖がったからか、それともリスクがないのにカウンターを恐れたからか。

 で、さらにいうと、セードルフがいない。セードルフがいないから2トップが実現できているわけだけど。アンブロジーニとガットゥーゾに攻撃の変化が求められる。特にガットゥーゾは時々良いポジションでボールを受けることもある。意外な才能。カカに気を取られていたら、ガットゥーゾがそんなところに。ただし、この試合ではそんな動きは一切なかったわけだが。

 2トップにしたことで、ピルロシステムは久々に復活の兆候を見せた。後は両SBの効果的な飛び出しと、ガットゥーゾとアンブロジーニが攻撃を助けられれば、ミラン復活も夢ではないような。つまり、ピルロの横に、守れて攻撃センスのある選手を取ってくれば何とかなりそう。理想はイニエスタで、現実的なのはアクイラーニだったり。

 ■ミランの守備を見てみると

 ガットゥーゾとアンブロジーニの驚異的な守備力+DFラインでひたすら踏ん張るミランの守備。この試合では、特に前線の3人はカウンター要員のため、守備をしたりしなかったり。クリスマスツリーだと、セードルフが守備に参加したりしなかったり。つまり、4-3で守ることに慣れているミラン。アルゼンチン代表に似ているね。

 で、アーセナルは両SBを積極的に上げて、ワイドな攻撃を仕掛けてくる。アデバヨールがサイドに流れれば、ファブレガスが必ず飛び出してくる。フレブは自由に振舞う。ディアビはキープ力をいかして、後ろからの飛び出しを促す。攻撃にかける枚数は非常に多い。4-3で守っていると、局面で数的不利になること間違いなし。

 で、数的不利になっても、イタリアの精神で耐えに耐えまくってカウンターに望みを託すわけだが、後ろからの飛び出しはもちろん期待できない。そこまで走らせたら中盤の選手は疲労でぶったおれる。よって、カカらにすべては託された。しかし、カカはマスチェラーノの魂が乗り移ったかのようなフラミニに止められてしまった。万事休す。

 アーセナルにボールを支配されたのは仕方ない。だって、前線の3人が守備をしたりしなかったりなので、セスクやフラミニの位置は比較的自由だった。なので、仕方ない。ただ、これで耐え切れると判断したアンチェロッティもばくち打ち。いくら守りの文化があるからといって、あそこまでボール支配されたらきつい。

 さらにミランに追い討ちをかけたのは、DFラインの組み立て能力の欠如。変なパスミスがかなり多かった。何が原因かは不明。単純に個人能力が原因である可能性が高い。セードルフの不在がこんなところに影響したかは不明。せっかく守備が終わった→ボールをすぐに奪われるの状態では精神的にきつい。しかも、ミランは得点を取れそうな気配がない。80分ごろからチーム全体で点を取りにいったら、逆にファブレガスに決められる切ない展開で試合終了。交代枠に誰も流れを代えられる選手がいないのも問題だが、ジョーカーを育てようとしたかは知らない。どうなんでしょうか。

 ■ミラン改造計画

 そろそろサイクルの終焉だろう、なんて声もあるミラン。確かに、そろそろ世代交代は進めたほうが良いし、スタメン固定でリーグ、CLのダブルを達成するのは困難そうである。ただ、ミランの場合、チーム内で階級制度が出来上がっていそうな気もするので、困難そうである。

 今の形を継続するならば、DFラインにパス能力の高い選手、SBにオッドよりもクロスの精度の高い選手と、ポゼッションサッカーに慣れたSB、攻守に貢献できる中盤。後はFW。あくまでピルロシステムを継続するならだけど。後はピルロがいなくなった時にどうするかを考えておけば、なんとかなるかもしれない。ミランがどこへ進んでいくかは結構楽しみであった。選手の配置の仕方は、現代サッカーの穴をうまくついている形だと、勝手に思っていたので。

 例えば、流行のハイプレッシャーを交わすための3センターハーフだったり、中盤とDFラインの間にセードルフとカカを配置して相手の3ラインを混乱させようとする試みだったり。さて、どこへ行くのか。

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posted by josepgualdiola |10:27 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(8) | トラックバック(1)
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2008年03月06日

マンチェスターユナイテッド対リヨン ~自滅っぽい~

 ユナイテッドのスタメンは、ファンデルサール、エブラ、ビディッチ、リオ、ブラウン、アンデルソン、キャリック、フレッチャー、ナニ、ロナウド、ルーニー。またも4-3-3。主力メンバーをわざとベンチにおくことは、珍しいことではないけれど、この試合でやるかファーガソン。テベス投入のタイミングが重要になりそうである。さりげなくスコールズとギグスが外れている。ギグスは怪我をしたらしい。

 リヨンのスタメンは、クペ、グロッソ、クリス、スキラッチ、クレルク、トゥララン、シェルストレム、ジュニーニョ、ゴブ、ベンアルファ、ベンゼマ。なんだかんだベンアルファがスタメンである。ベンゼマに比べると、少し注目度の低いベンアルファ。頑張れ。

 ■引きこもりすぎのリヨン

 リヨンといえば、綺麗なポゼッションをするチームという印象だった。ポゼッションに迷ったら、リヨンのサッカーを見れば良い。それくらいに、レベルの高いものだったと思う。特にリーグアンでは、ずば抜けた能力を誇っていたので、好き勝手なサッカーを見られる機会が多かった。

 その中心はジュニーニョとチアゴ。しかし、チアゴがユベントスに移籍してしまった。昨年もチアゴのいない試合は何度かあった。代わりはシェルストレムが務めていたけれど、お世辞にもチアゴの代わりができるとは言えなかった。

 チアゴの代役。その選手が結局見つかってないのかもしれない。神だったマルダもチェルシーに移籍したことで、チーム力は多分落ちたはず。ベンゼマとベンアルファが存在感を増しているらしいが、チアゴのかわりとは何の関係もない。

 この試合ではポゼッションの面影もなく、攻撃の中心はベンゼマの孤立ドリブルとベンアルファの個人技くらいであった。オールドトラフォードだし、仕方なくね、、という話ではない。オールドトラフォードだからこそ、攻撃的に戦わないといけないし、守りを基本とするならば、徹底的に前からプレスに行くべきである。ユナイテッド相手に引きこもるのは得策とはいえない。

 しかも、ファーストレグは1-1の引き分け。つまり、0-0では負けてしまうわけだ。勝ち上がるには意地でも1点が必要とされる。引きこもって得点が取れるのだろうか。ジュニーニョの奇跡か?誰がフリーキックを取るのだろうか。まったく想像できない悲しい試合運びだった。

 リヨンのプレスの開始位置はハーフラインより後ろであった。ベンアルファとゴブはSBですか、、というくらいにポジショニングが低かった。4-3-3ではなく、4-5-1だねって感じで。ユナイテッドのDFラインと、中盤は相手のプレッシャーから解放されて、好き放題に試合を組み立てる。それをリヨンがゴール前で徹底的に跳ね返す、そんな試合展開であった。ユナイテッドのDFなんてプレスかけたら一気に混乱状態なのに、、、もったいない。

 ゴブとベンアルファの位置が低い、、ということで、エブラとブラウンは上がりたい放題であった。いつものように、ナニやロナウドは中に絞ることが多いので、サイドのスペースに頻繁に飛び出すSB。特にエブラの攻撃参加は効果的に機能していた。せめて、ゴブがエブラを飛び出せないようなポジショニングを取っていればなと。

 ユナイテッドの3センター。評判はよくない。昨年のCLで、ミランに負けたときもこんな布陣だった。この布陣の最大の特徴は、中盤で数的優位に立ちやすいので、相手のプレスを交わすことができる、というものである。しかし、ユナイテッドの特殊攻撃の場合、両SHが中央に絞ることが多いので、中央で大渋滞が起こる可能性があったり。

 FWとCHの間のスペースをSHとFWが入れ替わって使いまくることにユナイテッドの良さはある。なので、そこに選手を配置してしまうと、ちょっと謎な状態となる。だからといって、3センターが中盤の底でじっとしていれば、攻撃の枚数がいつもよりも足りなくなるので、ボール支配率は高いけれど決定機が少ない嫌な流れとなる。

 この試合のユナイテッドはまさにそんな状態となった。しかも、ワントップになるとルーニーは中央に張ることが多くなり、前線の流動性がいつもよりも少なくなってしまうのであった。

 耐えに耐えるリヨン。ボールを保持しても、なかなか結果の出ないユナイテッド。しかし、前半の終了間際にユナイテッドが先制点を決める。ブラウンのオーバラップをきっかけとして、最後にはロナウドが決める。これでリヨンは絶体絶命。後半も引きこもったら悲しいぞ。

 ■、、、、、、、

 後半21分にゴブ→ケイタが登場。ファーストレグで。ゴブはもっと存在感を発揮していたような。後半になっても、リヨンの戦い方はかわらなかった。変えられなかったのか、変えなかったのか。

 ケイタが登場してからは、クレルクとグロッソが勇気を持った飛び出しをするようになって、リヨンが徐々に流れを掴んでいく。攻撃の中心はベンゼマ。どんなボールでも落ち着けてしまうベンゼマ。この異常なキープ力は、ブルガリアのあの人に通じるものがある。ベンゼマ→ケイタでポスト直撃がリヨンの最大のチャンスであった。

 両SBが飛び出したことで、ユナイテッドも守備に枚数をかけないといけなくなる。前半からこうすればよかったのにと後の祭り。そんな嫌な流れを断ち切るために、24分にアンデルソン→テベス。ここで4-4-2のユナイテッド。ただ、これは微妙な采配だったが。3センターだと、サイドの守備がいつもよりも堅かったりして。

 リヨンは攻撃に出たので、もちろんカウンターもくらう。テベス×ルーニーはたった2人でリヨンを切り裂く恐ろしいコンビ。リヨンもフレッジを投入するが、テベスほどのインパクトは残せなかった。こちらも残念。

 試合は1-0で終わる。磐石のリヨンはここから難しくなりそうである。CLで上を目指すにはどうしたらいいのだろうか。それにしても、最近のジュニーニョはFKが入らない。

 ■独り言

 ユナイテッドが抜群に良かったわけではない。ただ、今年のユナイテッドは必殺・相手に合わせて戦い方を変える技を持っている。昨年のミラン戦でこりたかと思ったが、昨年よりはうまくなってきている。今年は勝負の年だね。

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posted by josepgualdiola |21:38 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(5) | トラックバック(1)
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2008年03月06日

レアルマドリッド対ローマ ~得意な形と苦手な形~

 レアルのスタメンは、カシージャス、エインセ、ペペ、カンナバーロ、サルガド、ガゴ、ディアラ、バチスタ、グティ、ロビーニョ、ラウール。セルヒオラモスは累積のため出場停止。ニステルとロッベンは怪我のため出られない。ベンチが微妙だ。注目はグティとガゴになるんだろう。そしてニステルのタメの代役は誰だ。

 右SBにはミゲルトーレスよりもサルガドの経験を重視したか。スタメンを見る限り、4-4-2の菱形っぽい。シュスターの得意技だけれども、ぶっつけ本番である。

 ローマのスタメンは、ドニ、トネット、ファン、メクセス、シシーニョ、アクイラーニ、デロッシ、マンシーニ、ペロッタ、タッディ、トッティ。なんとシシーニョがスタメンで出場。ザ・復讐。ピサロとジュリがベンチにいる。そういえば、トネットとシシーニョの攻撃的SBがスタメンだ。ナイス判断だスパレッティ。

 ■グティエレス

 最近のレアルの弱点はボールを持ちすぎだー、だからカウンタをくらうわ、カウンターをしかけられないわの状態で、結果が出ない日々が続いている。リーガでは中盤をディアラ、バチスタ、ガゴで構成することで、ボール支配率を放棄。そして、なぜか勝ってしまうレアル現象を取り戻したのだが、この試合ではグティエレスが復帰。

 グティの悪いところは守備をしないところだが、昨シーズンよりはましになってきている。しかし、徐々に昨シーズン並みの守備に戻ってきているのはなぜだ、グティ。それでもグティが使われる理由は、必殺スルーパスを繰り出す可能性が高くなってきるからだろう。一時期は本当に手のつけられないスルーパスっぷりで、ジダンに比べられるほどだった。

 しかし、最近のグティは必殺技を出すことが少なくなってきている。原因はなんぞや。ポジショニングが低くなってきてい←マークが厳しいからボールを受けに来ている+低い位置には相棒のガゴがいるのでボールを容易に触ることができる。これが一番の原因っぽい。グティがポジショニングを下げたことで、レアルはボール支配率を上げたが、その代わりに怖さがなくなったのは切ない。

 ファーストレグと違って、この試合のローマの戦い方は好印象。4-1-4-1気味で高い位置から守備を見せる。プレス開始位置はハーフラインくらいで、引きこもることなくレアルに対抗。レアルにボールを持たせ、高い位置でボールを奪えたらラッキーだよねという守備である。ラッキーだよねと表現したのは、決して深追いすることなく、バランスを崩してボールを奪いに行って交わされる場面があまりなかったからだ。

 レアルの攻撃を遅らせることによって、攻撃の機械損失を狙う。これがローマの狙いだろう。で、ボールを奪ったら速攻。その攻撃の仕方もトッティに依存したものではなく、攻撃的な両SBも効果的に攻撃に絡んでいた。そんなこんなで、前半のシュート数じゃローマのほうが多かった。つまり、ボールを保持していたのはレアルだけど、試合を支配していたのはローマ。そんな前半戦。

 ただし、ローマ。シュートまで持っていかれる場面は少なかったけれど、ちょっとガゴを自由にしすぎであった。攻守にチャレンジャーのガゴ。これでもミスが減ってきているガゴ。縦への意識が強い選手なので、ほっておくと危険な存在である。そして意外性のバチスタ。1人やる気満々。フィジカルでイタリアの選手に対抗できる攻撃の選手はバチスタぐらいか。

 ■レアルのシステムについて

 4-4-2の菱形だ、、それとも4-3-3か4-2-3-1かといっても試合中にポジションはめまぐるしくかわるので、そこまで意味はないが、役割分担について整理するのは大切だと思っている。ここでは菱形と仮定してみる。シュスターの菱形はヘタフェ時代に見ることができた。守備のときは、4-3-3でトップ下の選手が前線に飛び出して、4バックと対決する形だったはず。このような形にすれば、菱形にありがちなサイドの守備が遅れることはなくなる。

 しかし、トップした誰。バチスタ?グティ?右サイドの守備をバチスタが頻繁に行っていたので、多分グティ。でも、グティのポジションは低いし、前線に飛び出して守備をすることもない。レアルの強かったときは、前線からの守備が機能していた。3トップで4バックと対決。しかし、今日はラウールとロビーニョしかいない。いつもよりも走る距離が長いね。

 で、さらにバチスタは積極的に前線に飛び出して攻撃参加するので、カウンターの場面で守備に穴ができる。そこを埋めるためのディアラ、、のときもあれば、ロビーニョが左サイドを埋める場面もあった。今日はその仕事はやらなくていいはずなのに。

 つまり、守備の形がバラバラであったレアル。ボール支配しているからとかではなくて、この守備の問題を解決しないことにはたぶんローマにやられる可能性が高い。つまり、グティを下げる勇気があるかシュスター。後半の頭からグティを下げたら凄い。下げなかったら普通。でも、ベンチに良い選手がいない。イグアイン投入で、バチスタ×ディアラの共存もばくちである。デラレッドかフラドがいればなあーーー。

 ■負けるなら美しく

 後半になると、レアルは両SBの位置を上げて、中央にスペースを作ろうと試みる。この試みが成功。ローマのプレスの位置を後ろにすることができて、しかも中央にスペースができた。中央からディアラのミドルが放たれたりと。

 この場面で、ポゼッションに必要なSBのポジショニングを実現させるとは末恐ろしいレアルというべきか、シュスターというべきか。残念だったことは、SBにその特性がなかったこと。突破力が必要ということではなくて、相手をひきつけてパスだったり、ギャップをつく能力が必要とされる。エインセはアークロスに逃げていたし、サルガドは言うまでもなく。

 後半15分。ディアラ→ドレンテ。システムを分かりやすくするのか。ドレンテの突破力に頼るのは難しいような。周りのフォローがあれば、何とかなるだろうが、個で突破する力はない。誰がフォローするんだと。それにしてもディアラはミスが減ってきた。昔はもっと駄目だったような。

 後半19分。サルガドが怪我をしたので、ミゲルトーレスが登場。遅れてマンシーニ→ブチニッチ。試合前からの狙いであったレアルの右サイドを狙えを再確認か。それとも、ミゲルトーレスを狙い撃ちか。この狙いが見事に的中。ミゲルトーレスはブチニッチを止められなかった。ミゲルトーレスが攻撃でもっと貢献できれば、ブチニッチも守備に追われていたかもしれない。ブチニッチは攻撃に専念していた。

 後半25分。ブチニッチがサイドをえぐる。ペペがファウルで止める。退場。レアルは1人足らなくなってしまった。ここからローマの攻撃の迫力が増す。当たり前の話か。

 そしてタッディが先制点を決めるのだけれど、すかさずラウールが同点ゴールを決める不思議な展開に。レアルは最後にソルダードを投入。しかし、ナンもできずに試合終了。最後の最後にブチニッチに決められて2-1で試合が終わった。

 ■独り言

 ペペがいなくなってからのグティは懸命に守備をしていた。いつもあれくらいやってくれれば、周りの選手がボールを奪ってくれるはずである。多分。レアルはシステムのバランスを改善していかないと、CLでは厳しそうである。それにしても、サビオラはどこに行った。

 いつのまにかローマは戦術的幅も広がったようで、スパレッティも苦労しているのだろう。それにしても、両チームあわせてファウルが58。ファウルを取りすぎな審判だった。

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posted by josepgualdiola |09:18 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(13) | トラックバック(2)
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2008年02月23日

アーセナル対ミランの雑感

 ユナイテッドにぼこぼこにされたアーセナル。試合を見ていないので、なんともいえないが。恐らく、退場したエブエのせいだろう。プレミアとチャンピオンズに的を絞ることができるのは、かえって好都合かも。今年のアーセナルはそれは素晴らしいんだけど、昨年のユナイテッドを止めたミランの守備も素晴らしいわけで。最強の矛対最強の盾の対決。

 アーセナルのスタメンは、レーマン、クリシ、ギャラス、コロ、サニャ、フレブ、フラミニ、ファブレガス、エブエ、エドゥアルド、アデバヨール。注目は覚醒してすぐにアフリカに飛び立ったエブエとレーマン。ロシツキーは怪我か累積か。不安要素はベンチ。攻撃的な選手がベントナーとウォルコットしかいない。

 ミランのスタメンは、カラチ、マルディーニ、カラーゼ、ネスタ、オッド、ピルロ、アンブロッシーニ、ガットゥーゾ、セードルフ、カカ、パト。なんとパトのワントップ。自分にとっては未知数のクリスマスツリーである。GK大募集だろうか。注目はアンブロッシーニ。ガットゥーゾよりも目立つか注目。

 ■ミランの4-3の守り方と攻撃

 ミランのシステムは4-2-3-1。セードルフは頻繁に中盤のラインに戻る、カカは危機を感じたときに中盤のラインに加わる。よって、この2人は基本的に守備に計算しないで守備組織が組み込まれている。コパのアルゼンチンもミラン型であった。ディエゴミリート、メッシ、リケルメは前線に残るので、4-3で守る必要があったからだ。

 この4-3で守ることに、ミランはもちろん慣れている。DFラインの位置と中盤の距離が抜群に保たれている。低すぎず、高すぎず。前線がもっと守備をしてくれれば、もっと高い位置にDFラインを設定して、アーセナルのパス回しを分断させる戦い方もあった思うが、4-3でそれをやるとセルティック対バルサになってしまう。

 よって、DFラインは上がりすぎず、下がりすぎずが必要とされるし、相手にボールをもたれる展開になる。しかし、中盤に守備的な選手を配置すれば、そんな展開でも守れるものである。ミランにはアンブロッシーニとガットゥーゾがいるし、アルゼンチンにはマスチェラーノとカンビアッソがいた。DFラインは言うまでもなく。カウンターを食らわなければ、相手を無失点に抑えることも可能だろうと。

 そのカウンターをくらわないためには、攻守の切り替えの早さがポイントとなる。ボールを奪われた瞬間に、プレスをかけられるかどうか。この攻撃→守備への切り替えの早さにおいては、ミランがアーセナルを超えていたかもしれない。アーセナルが最も得意とする人数をかけたカウンターをくらう回数は少なかった。それでも、その数少ない機会を決定機に結びつけてしまうアーセナルは、本当に恐ろしい。

 ミランはアーセナルに徹底的にボールを支配される。前半は少し高い位置から守備をしていたが、後半はかなり引きこもり気味だった。それでも、最低限は維持しなければならないDFラインの位置は保たれていて、さすがミランだなと。ミランの攻撃を見ていて、違和感を感じた。アーセナルのプレスの前に苦しんだのは言うまでもないが、それよりも攻撃に枚数をかけていなかった。

 ミランの攻撃の特徴として、SBの攻撃参加はピッチを広く使う上で必要不可欠なものになっている。いくら攻撃に枚数をかけないといっても、オッドと後半から出場したヤンクロフスキーは時々攻撃参加していた。攻撃参加しなかったのはガットゥーゾとアンブロシーニ。いつもだったらもう少し攻撃のアクセントになっていたような。

 そんなわけで、主にカウンターが攻撃の主になったミラン。ピルロの出番はあんまりなくなる。後半にクロスを上げた場面くらいだろうか。カカはフラミニに、パトは才能を感じさせるものの、病み上がりでセンデロス×ギャラスが相手ではきつい。周りのフォローが厚ければ、また違った展開になったかもしれない。

 忘れていけないことが1つある。ミランの攻撃の狙いとして、アーセナルの高いDFラインの裏を狙うものがあった。しかし、2列目からの飛び出しもパトもあまり効果的に飛び出しができなかった。この状況を打開するために、インザーギの出番があるかと思ったら、出番はなく。セカンドレグでの秘密兵器となるか。

 最後にセットプレーの数が少なかった。しかし、アーセナルはセットプレーの守備にもろさが感じられたので、その機会が増えれば得点の気配が高まるかも。人数をかけて攻撃をすれば、セットプレーのチャンスも増えるだろう。セカンドレグのポイントは、どこまで攻撃が仕掛けられるか、インザーギ、セットプレー、カラチ。そしてサンシーロのピッチコンディションとエミレーツよりもピッチが狭い事実。
 
 ■アーセナルの事情

 アーセナルは4-4-2で試合に挑んだが、途中から4-5-1に変更していた。もしかしたら最初から4-5-1だったかもしれない。エドゥアルドの左はあんまり印象がない。叩かれるほど酷くはないし、チームの流れをぶち壊しているわけでもない。問題なのは比較対象がロシツキーということだろう。ロシツキーに比べれば、力不足は否めない。

 大舞台ということで緊張もあったかもしれない。この試合では良い印象を与えられなかった。もちろん、叩かれるほど悪くはなかったし、カウンターでシュートまでもっていった場面は、エドゥアルドのセンスが感じられた。

 右サイドのエブエは、ドリブルで突っかけたり、ダイブしたり、強引にシュートをしたりと色々な面で目立っていた。右SHで出場し始めたころに比べると、格段に良くなっている。覚醒した試合に比べると、ちょっと落ちるが、ここから調子を上げてくる可能性が高い。

 右サイドで気になったのはサニャの攻撃参加の少なさ。ミランが相手なので当たり前だといわれればそれまでだし、エブエがちっともサニャを使わない事情も考えられる。それでも、今までのサニャは献身的に走っていたが。もしかしたらカカが張り付いていたかも。それはないか。

 アーセナルは基本的にボールを支配することができた。それはミランの守備体系に原因があるし、もちろんアーセナルのボール保持の力が強かった原因もある。ボールを支配することはいいことだが、アーセナルの本質はボールを奪う→攻撃を仕掛ける→後ろから何人もの人が追い越してくる。この攻撃の形が一番得点の可能性が高い。その形は何度か見ることができたが、それを意図的に出せるようになったら最強になるだろうな。

 セスクのボールの受けるポジショニングはミラン戦でも通用していたし、フラミニの守備もミランに通用していた。ついでにフラミニのサイドを突破したドリブルは全世界が驚愕したに違いない。相手が疲れてきた時のウォルコットも通用したし、アデバヨールには恐ろしいほどにボールがおさまっていた。いつのまにこんなにうまくなったのだろうか。

 ロシツキーが帰ってくれば攻撃のギアが一段上がる。帰ってくるのかロシツキー。セカンドレグのポイントはカウンターの回数、エブエ、ロシツキー、セスクのミドルシュート、セットプレーの守備。

 ■独り言

 両チーム共に、相手チーム攻略へのヒントを得た試合だったと思う。それをセカンドレグにどう活かすかが勝負の分かれ目になるか、それともエミレーツよりも狭いサンシーロスタジアムで、ミランが地の利を活かすか。

 前半に良く見られたアデバヨールへのロングパス。それがことごとくアデバヨールがマイボールにしていたのが一番印象的だった。サイドにも流れる回数が減ってきているし。それにしても、マルディーニが凄かった。 

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2008年02月22日

セルティック対バルセロナ ~自滅~

 久々のセルティック。ホームでは無類の強さを発揮するセルティック。一度はいってみたいスタジアムである。スコットランドリーグでは最強のセルティック。レンジャーズくらいしかライバルがいないそうなので、自分たちよりも強い相手と試合するのが機会がないらしい。どんなバルサ対策を見せるだろうか。

 セルティックのスタメンは、ボルツ、カディス、コールドウェル、マクマナス、ネイラー、俊輔、ハートリー、ロブソン、マクギーディー、ヘッセリンク、マグドナルド。

 バルサのスタメンは、バルデス、プジョル、マルケス、ミリート、アビダル、ヤヤ、イニエスタ、デコ、メッシ、アンリ、ロナウジーニョ。マルケス×ミリートをスタメンとはやるじゃないか。不安なのはイニエスタとデコの左サイド大好きコンビ。ただし、ロナウジーニョが中央へ、メッシも中央へ行く癖があるので、今日は大丈夫かもしれない。。。。。ってか、ロナウジーニョがスタメンか。。。。。

 ■戻っていくバルサ

 昨年の弱点・その1。両SBの裏、特にザンブロッタの裏。ジオの裏にはプジョルがいたので、何とか形になっていたが、プジョルの相方が見つからない状態であった。さらされた状態で、相手を止められる選手は少ない。その状態を解決するために、ミリートを獲得。プジョルを右CBにコンバートして、ザンブロッタの裏を埋める作戦にでた、、、、と勝手に予想していた。

 しかし、今季の開幕したころの試合では、両SBが攻めあがる場面が少なかった。特に新加入のアビダルは攻撃参加する場面が本当に少なかった。DFがさらされる状況を嫌がって攻撃参加を自重。これでも、確かにSBの裏という弱点は解消される。その代わりに、攻撃がいくばくか個人技依存の傾向が強まっていった。

 個人技依存。その選手が怪我したり、不調になったらどうする。徐々にうまく攻撃が機能しなくなっていったバルサを救ったのがシウビーニョの攻撃意欲。シウビーニョが攻撃を活性化させたことで、バルサはやっぱり両SBは攻撃参加するのがバルサだ、、と思い出した。その代わりに、最近の試合では両SBの裏を狙われる場面が増えてきている。

 昨年の弱点・その2。前線からの守備。開幕当初こそ、攻守の切り替えや前線からの鬼プレスが復活。WGとSBの間のスペースを埋めるために、守備の場面では4-1-4-1を導入することもあった。一度は解決。しかし、いつのまにか瓦解。攻撃がうまくいかない→攻守の切り替えも難しいわけで、まずは攻撃を機能させることにチームの意識が向いているのかもしれない。よって、メッシやロナウジーニョのポジションの選手は、後ろに対する守備の意識が弱まってきている。要するに、相手のSBの飛び出しについていかないことが多い。

 昨年の弱点・その3。ボールを前に運べない。エジミウソンのボールをもらいたくない病→イニエスタのアンカー起用など様々な作戦が用いられたアンカー問題。アンカーにはヤヤが定着。エジミウソンよりはボールを繋げるし、イニエスタよりも守れるので、ぎりぎり合格。

 問題の解決はマルケスとミリートの同時起用であった。プジョル×ミリートの組み合わせだと、ミリートが相手に狙われて、プジョルがボールを持たされる形になり悪循環。マルケス×ミリートの場合は、両方とも長距離砲を持っているので、なんとも絞りづらい。また、攻撃を組み立てるときのDFラインの位置を低めに設定することで、相手に深追いさせる作戦を実行。深追いしてくれれば、中盤にスペースができる。DFとFWの距離が開いても長距離砲があるので問題がない。

 バルサの現状を整理すると、攻撃の問題は徐々に解決されているものの、守備の問題が再び表れた。守備の問題は両SBの裏と、WGとSBの間のスペース=WGが下がってこないので、サイドでの数的不利。

 前半にバルサは2失点してしまう。2点ともマクギーディの崩しから生まれたものであった。対応したのはプジョル。1点目は何とか対応したものの、後ろからフリーで上がってきたネイラーにピンポイントクロスを上げさせてしまった場面。2点目はプジョルとイニエスタでマクギーディーに対応するものの、クロスを挙げられてしまう。それをロブソンがスーパーなヘディングで決める。

 1点目はなぜにネイラーがフリーなのかということ。2点目はイニエスタのヘルプが遅れたこと。ただし、4-3でサイドへのヘルプは遅れがちになることが多いので、数的有利をうまく生かせないことが多い。単純にマクギーディーを褒めるべきでもある。そして、バルサのサイドの守備は、これからも注意してみていったほうがいいかも。SBの裏をつかれる場面もあったし。

 ■セルティックの守り方

 完全にFWがピッチ上で迷子になっていた。低いバルサのDFラインにどこまでプレスに行って良いのかわからずに、中途半端なポジションを取っていた。バルサと対戦するときは最低でもヤヤ、イニエスタ、デコに簡単に前を向かせてはいけない。そのためには、中盤のCHがデコ、イニエスタをみて、FWの片割れがヤヤを注意深くマークする必要がある。両SHはロナウジーニョとメッシをすぐに挟み込み大作戦。

 で、セルティックはFWが迷ったせいで、各所で数的不利が生まれた。ヤヤのマークをセルティックのCHがやっている場面もあって、混乱のほどが伺える。修正するのは簡単で、マクドナルドがヤヤをマンツーマンでマーク、ヘッセリンクがミリートへのパスコースを切りながら、マルケスに寄せる。ヘッセリンクが走りたくないならば、2人でセンターサークル付近のスペースを潰す。これで状況は多少改善されるはず。後半はどうする。いつみてもボルツはうまい。

 前半はバルサが好き勝手に暴れていた。あれだけチームが機能すれば、前線からの守備もうまくいくんだなと実感。セルティックのボール回しの能力が低い→寄せればボールを取れるなんて状況もバルサにとっては願ったり叶ったり。

 それにしてもアビダルが超攻撃的でびびった。俊輔を守備に奔走させるためか、それともレギュラーなことなのか。今後もアビダルには注目。前半は2-1でセルティックがリード。バルサの攻撃の流れを分断できれば、勝てるかもしれない。

 ■リハビリの時間

 後半開始30秒。ツートップがヤヤを指差して、お互いに注意を促していた。セルティックは見事に守備の問題を修正、、、と思いきや、後半3分にはもう守備をやめていた。そういうタイプのFWか。

 こりゃ駄目だ、、と見守っていたら、俊輔のバックパス→味方がロナウジーニョにパス→ロナウジーニョは左サイドに流れたアンリにパス。そこは左サイドのアンリゾーン。カーブをかけたボールは綺麗にゴールに吸い込まれた。俊輔のバックパスが2002の対トルコ戦の中田浩二のバックパスにすこしかぶった。

 後半10分にセルティックはヘッセリンク→サマラス。ツインタワーでパワープレー狙いではなく、同タイプの選手を入れ替えたようである。どんな意図だ。多分、守備だろう。サマラスは意欲的に守備を行っていたが、明らかに追いすぎであった。周りが連動していないので、頑張っているのに効果的でないやるせないパターン。

 後半15分にカディス→ウィルソン。カディスお疲れ。若手のカディスと俊輔で左サイドを組むのは大変だったろう。後半19分にはやくも最後のカードを切る。ハートリー→ドナーティ。同じポジションを代えるのでなくて、システムを変えれば良いのに。同じタイミングで、バルサはデコ→シャビ。イニエスタが左へ。後半28分にロナウジーニョ→エトー投入。リハビリか。

 守りきれるか、セルティック。やっぱり守りきれなかった。シャビ×エトーにサイドを突破され、ボールを取り返すものの、クリアが味方に当たってメッシへ。ついていない。3-2になってしまう。

 あとはバルサが時間を潰して終了。セルティックも失点場面を見ると、たんなるミスからの失点でもったいない試合だった。ミスがなくても失点したかもしれないけれど、ミスがないほうがいい。

 ■独り言

 バルサにとっては、ロナウジーニョやエトー、そしてチーム全体のリハビリになった。週末は最下位のレバンテ戦だったはず。エトーをスタメンで使うか、シャビ、デコ、イニエスタはローテーションで起用していくのか。色々な悩みがある。

 セルティックはカンプノウで勝たないといけないのが苦しい。レンジャーズ戦法を使うわけにもいかないので。マクギーディーをFWで使うのはどうだろう。ってか、水野は試合に出られるのだろうか。マクギーディーが移籍することを前提で活躍したのだろうか。

 この試合で学んだことを、セカンドレグで活かせるかどうかで、セルティックの真の強さがわかればいいなと。ヘタフェは国王杯でそれを成し遂げたわけだし。

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posted by josepgualdiola |09:58 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(12) | トラックバック(1)
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2008年02月21日

リヨン対マンチェスターユナイテッド ~有利なのはどっちよ~

 かなり久々のリヨン。いつのまにかベンゼマとベンアルファがフィーバーしているようで。リールから強奪したボドメルとケイタは元気にやっているのだろうか。トリノの地でくすぶっているチアゴの穴は埋まったのだろうか。心配が一杯なリヨン。そして、監督のアラン・ペランって何者だ。

 リヨンのスタメンは、クーペ、グロッソ、ブームソング、スキラッチ、レベイエール、トゥララン、シェルストレム、ジュニーニョ、ゴブ、ベンゼマ、クレルク。昨年のシェルストレムはそこまでかみ合っていなかったが、今年やいかに。そしてクレルクが攻撃的な位置でスタメン。ユナイテッドを尊重したのだろうか。

 ユナイテッドのスタメンは、ファンデルサール、エブラ、ビディッチ、リオ、ブラウン、ハーグリーブス、アンデルソン、スコールズ、ギグス、ロナウド、ルーニー。なんとテベスが控え。そんなことよりも、なんだこのスタメンは。4-3-3か。テベスをスタメンで出すと、攻撃的な手札がなくなるんだろう。サハ、、、、、、。

 ■真の姿はどこに

 今季のリヨンはあんまり芳しくないようで。リーグ戦ではいつもの無敵感がないらしいし、CLの予選リーグでも苦労したらしいし。昨季までのリヨンはポゼッションのお手本のようなチームだった。ユナイテッド相手にボールを支配しろとは言わないが、気配ぐらいは感じさせて欲しかった個人的な願い。

 今日のリヨンは攻撃が早い。別にユナイテッドの守備はうまくないのに、攻撃を早く終わらせようとしているような。中途半端な場所でボールを奪われて速攻を怖がっているような感触。リヨンだったらボール取られないってば。それとも、組織がまだまだなのか。ここで追いついてボールを回せれば問題ないんだろうけど。それができない理由は攻撃に枚数をかけすぎなのだろう。

 リヨンの攻撃はとにかくベンゼマ。高いボールだろうと、低いボールだろうと、とにかくボールがおさまる。そんなボールがおさまったベンゼマに周りが高速でフォロー。そこからショートパスをつないで崩すか、ゴブやベンゼマのドリブルにすべてを託す。右サイドは左サイドに比べると、攻撃性能がどうしても落ちる。そんなわけで、攻撃は左サイドから繰り出されることが多かった。対面もブラウンだし、理にかなっている。それにしてもゴブはキレキレだった。

 リヨンの攻撃の特徴として、ぼーるを持っている選手をとにかく追い越す、というものがあるようだった。ロナウジーニョ×ジオの関係が随所で見られた。スペースがないなら作る、とにかく数的有利を作る。そんな意図がプレーに表れていた。献身的な追越によって、リヨンは精神的にも物理的にも優位にたっていた。特にグロッソの攻撃参加の量は凄かった。しかもユナイテッドのサイドはギグスとロナウド。SBの攻撃参加についてくることはまれである。ここでも理にかなっているリヨン。でもカウンターが怖い変な状態。

 そんな理にかないまくっているリヨンが、前半は優位に進めた、、というよりは、ユナイテッドの自滅。慣れない3センターが機能するかっていう。ハーグリーブスはあまり攻撃参加しない。あまりに攻撃がうまく機能しなかったので、前半の終了間際には前に出てきたけれど。

 そんなハーグリーブスはエジミウソンのようにボールをDFラインから引き出す動きをしない。その役目はアンデルソンやスコールズが担っている。しかし、ハーグリーブスの前にいるアンデルソン×スコールズはDFラインから遠い位置にいた。シャビ×デコのように中盤に降りてくる回数が絶対的に少ない。妙にポジションを守るまじめなアンデルソン×スコールズ。

 そんなわけで、ボールを持たされたリオとビディッチ。ハーグリーブスの横にはベンゼマ。スコールズたちは助けに来ない。DFラインでボールを回したくても、SBは前線に飛び出しているいつものユナイテッドの形。リオの選択肢は2つ。ドリブル突破かロングボール。もちろん、後者を選択する。ルーニーへ放り込んだり、裏へ走るロナウドに合わせたり。精度が高いわけのないので、あったりあわなかったり。リオはオウンゴールになりそうなクリアミスもあり、最近は不安定なプレーが続く。

 しかし、ルーニーが競り勝てるわけもなく、ロナウドの飛び出しも、低めに設定されたリヨンのDFラインの前に不発に終わる。こぼれだまもうまく拾えない悪循環。しかも、攻守の切り替えが抜群に遅いのでリヨンに攻撃を許す始末。スコールズらも守りにくそうだった。プレスをかけて良いのか、それとも自陣に退却すべきなのか。

 それでもスローインからギグスがスコールズに通したスルーパスや、ルーニーが競り勝って、リターンボールで裏を取った場面でユナイテッドは核の違いを見せる。これがあるからユナイテッドは強い。スローインといえば、ブラウンがギグスに背中に当てたスローインは何だったのか。

 で、さらに言うと、スコールズとアンデルソンがいつもよりも高い位置にいるので、いつもよりもFWとの距離が近い。しかし、CHとFWの間のスペースはユナイテッドの場合、SHが使うことが多い。この試合で言うならば、ギグスとロナウド。でも、その場所を自分達で埋めて、さらにリヨンも埋めようとしていたのでなんともいえない状態が続いた。そしてギグスはもう最初から右サイドのほうが良いと思う。相手に捕まらない状態でボール受けるのもうまいし。

 前半は0-0で終わる。リヨンが狙い通りのサッカーしているのに対して、いつもと違うユナイテッド。それでもシュート数や決定機の数はそこまで変わらないはず。さすがユナイテッド。4-4-2にいつ戻すかがポイントとなりそうだ。前半は4-4-2で苦戦、後半は4-3-3で逆転を繰り返したいつかのチェルシーのようである。

 ■4-3-3→4-4-2

 後半はユナイテッドが攻勢に出る。スコールズがハーグリーブスの横に、アンデルソンをルーニーの下に置くことで、バランスが改善された模様。リヨンは自陣に引いてスペースを潰す考えのようで、スコールズを潰そうとはしなかった。そんなわけで、前半よりも効果的にボールが繋がるユナイテッド。守備意識も前半とは比べならないものに変わっていて、リヨンは得意の追越しができなくなっていた。

 ハーグリーブスの攻撃参加、両SBの位置を低めに、スコールズの位置を修正することでボールを落ち着かせる狙いは成功。これで攻撃にでる準備は整ったユナイテッド。苦しくなっていくリヨン。

 そんな苦しい展開の中で、52分にベンゼマがスーパーゴールを決める。放り込みのこぼれだまを拾ったベンゼマ。ジュニーニョに繋ぐ。ジュニーニョはアンデルソンとハーグリーブスに囲まれながらもボールをキープ。そしてトゥラランが後ろからフリーで上がってくる。前半と同じように誰もついてこない。そんなトゥラランがベンゼマにボールを繋いで左足を振りぬいた。凄いなベンゼマ。

 失点後、攻撃にでるユナイテッド、ベンゼマのカウンターで追加点を狙うリヨン。しかし、点は入らず。よって、とうとう交代に出る。64分にスコールズ→テベス、ギグス→ナニ。アンデルソンにゲームメイクを任せ、ナニにサイドを狙わせるのだろう。でた4-4-2。テベス×ルーニーはさっそくコンビプレーをみせ、ナニも左サイドからクロスを入れるいい展開に。

 73分にジュニーニョ→ボドメル。守備固めと累積対策。リヨンはここからの交代策でしくじるときつい。ユナイテッドの攻撃が機能するようになったのはギグスとアンデルソンのかぶりを解消できたことが大きい。1人増えたようなものである。

 77分にクレルク→ベンアルファ。積極的な采配。ただゴブと交代でも良かったような。ベンアルファはドリブルで持ち味を発揮したものの、シュートは枠の外へ。時間を稼ぐ指示は受けていないようだ。そして、ユナイテッドもハーグリーブス→キャリックでさらに攻撃意識を高める。

 82分にベンゼマ→フレッジを投入。リオとビデッチを追いかけるのか。しかし、フレッジがリオらを追いかける前に、ユナイテッドの攻撃が終わらない。ロナウドのFK→コーナーキック→キャリック砲→こぼれだまをナニがクロス→テベスがこぼれだまを押し込んで、なんと同点。

 同点後のユナイテッドはもう追加点を狙わずに試合を終わらせることをたくらむ。そして、そのたくらみを成功させて試合終了。

 ■独り言

 4-4-2の本気モードのユナイテッドを相手にする場合、もう少し前からプレスをかけたほうがいいかもしれないリヨン。ひとまず4-4-2のユナイテッドと90分試合をするのは厳しそうな印象。4-1-4-1で守るのは悪くないけど、あともうすこしだけ、プレスを開始する位置を高めよう。

 ユナイテッドはわざと4-4-2を使っていないのだとしたら、ファーガソンの智略全開。アウェーゴールうんぬんではなく、ユナイテッドのほうがセカンドレグは有利だろうなと。ユナイテッドが負けるとしたら、原因はブラウンとリオになりそうな予感。そんなわけで、ベンアルファにチャンスを与えたら面白いかも。

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posted by josepgualdiola |22:00 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年02月20日

ローマ対レアルマドリッド ~トッティとディアラ~

 ローマのスタメンは、ドニ、カセッティ、ファン、メクセス、パヌッチ、ピサロ、デロッシ、マンシーニ、ペロッタ、ジュリ、トッティ。久しぶりに音速のジュリを見る。パヌッチとカセッティが不安。

 レアルのスタメンは、カシージャス、トーレス、エインセ、カンナバーロ、セルヒオラモス、ディアラ、ガゴ、ロッベン、グティ、ニステル、ラウール。久しぶりのディアラ、ガゴの同時起用。キーマンはロッベンとグティの位置取りだろう。そしてエインセ。バチスタがいない!!!!

 ■臆病なローマ

 ディアラの位置がバチスタの位置だった。ガゴが中盤の底に入り、その前にグティとディアラ。こういう使い方もありか。レアルの守備時のシステムは4-1-4-1だったり、4-3だったり。ラウールが右サイドの守備を助けることもあれば、助けないこともある。相手にボールを奪われたときのポジショニングによって変わるのだろう。よく言えば、臨機応変、悪く言えば、場当たり的な守り方であった。

 つまり、状況によっては、サイドが空く。ロッベンも前線に残ってカウンターに備えることが多いので、やっぱりサイドが空く。そのためのディアラかもしれないが、左サイドは良いとして、右サイドはどうする。まとめると、ローマのSBが攻撃参加する→ラウールとロッベンはついていったり、いかなかったりで、サイドの守備は計算できない状態であった。

 しかし、パヌッチはロッベンに突破を許したからか、攻撃参加が少ない。カセッティのほうが攻撃参加するものの、回数が少ないし、クロスの精度が悪い。ロッベンが右に移動してからはカセッティも突破されていた。ロッベンは徐々に調子が良くなってきるようで。SBの攻撃参加が少なく、相手の弱点をつけないローマの攻撃はいまいち迫力がなかった。

 試合展開はレアルがボールを持って、ローマが引いて守る形。アウェーゴールを許したくないのか、レアル対策なのか不明。それとも、単純に押し込まれただけか。ローマの守備はボールホルダーを見ているだけの非常に悪い守備であった。グティにもガゴにも執拗なプレスをかけることが少なかった。いつもはミスパスを連発するディアラが楽しそうにパスを成功させているくらい、ローマの守備はゆるかった。

 先制点はレアル。ロッベンとトーレスのワンツーから、ロッベンが縦へ突破。マイナスのクロスに飛び込んだグティのシュートの軌道をラウールが変えてゴール。ロッベンの視野の広さが際立っていた。

 先制点後も流れは変わらず。レアルの場合はディアラが積極的にボールに寄せに行くことで守備のリズムができていた。グティもあまり深追いしないように気をつけているようで、後ろのスペースを埋める意識がいつもよりも高かった。守備をするグティ。
 
 しかし、同点ゴールがローマに生まれる。始まりはディアラがゴールキックを競り負けたこと。バチスタだったらと悔やみたくなる場面。ボールがトッティに入る。カンナバーロはトッティについていかなかった。かなり迷っているみたいだったが。トッティについていかない→トッティが簡単に前を向ける危険な状態へ。マークを受け渡せればいいんだろうけれど、それができないならば、ついていったほうがいいのか悪いのか。結局トッティを起点として、最後はピサロが決めて同点。悪いなりにローマが追いつく。

 その後はレアルがゆっくりとローマを攻め立てるものの、ローマが堅い守備をみせ、前半は1-1で終わる。

 ローマで気になったのは、最初にボールに寄せる人、リスクを取れるか両SB、トネットとシシーニョ出て来い、トッティにボールが入らない、ジュリが活き活きしていない、もう少し落ち着いてピサロを中心にボールをまわそう。そしてドニ。

 レアルで気になったのは、両サイドの数的不利、セルヒオラモスの攻撃参加の少なさ、ボールを繋げていることへの過信、ゴール前に飛び込む人数の少なさ、空中戦。

 ■トッティ

 後半になると、少しだけローマの寄せが早くなる。でも、ほんの少しだけ。試合の流れはそこまで変わらない。ただローマの集中力が上がってきる模様。さすがイタリアのチーム。ラウールにしろ、ニステルにしろ、うまく捕まえるようになってきている。問題なのはロッベンくらいか。

 丹念に守るローマに対して、守りの意識が妙に高いグティが必殺技を発動しない。スルーパスを出すには、それなりに高い位置にいないと厳しいのだが、位置が少し低い。どうかしたのか。

 ローマはカウンターに活路を見出そうとするがセルヒオラモス対マンシーニは五分五分。ジュリ対トーレスに持ち込んだほうが面白そうだが、全然ボールがジュリに来ない。レアルの守備が良いというよりは、ローマは高い位置でボールを奪われたくないような攻撃の仕方を遂行。

 そんななかで、またもトッティが輝きを見せる。ロングボールを神トラップでエインセを置き去りに。トッティ、マンシーニ対カンンバーロ、セルヒオラモス。完全に置き去りにされ、マンシーニの斜めの走りについていけずに、トッティのスルーパス→マンシーニでゴール。残り時間は30分。ここでスパレッティはピサロ→アクイラーニを投入。

 ここからのローマは攻撃意識がなくなる。1度だけカウンターで4対2のビックチャンスがあったものの、決めきれず。そして神トラップをしたトッティもエインセの厳しいチェックの前に沈黙。

 レアルが攻勢に出る。中心はガゴ。ローマが引いているのでスペースがない。ロッベンは試合から消えていった。ガゴが何度も仕掛ける。負けている状態で何とかしたかったのだろう。ガゴはそういうプレーが多い。しかし、仕掛け急ぎすぎというか、勝負しすぎというか。アイディアも悪くないし、前線ともそれなりにかみ合っているので、決して悪いプレーではないのだが、、もう少しグティを使っても良いかと。なかなか点を取れない。

 ここで、ディアラ、ロッベン→バチスタ、ドレンテを投入。ドレンテはこういう場面で使われるようになったか。ちょっと感慨深い。ドレンテはさっそく右サイドから仕掛けクロス→ニステルのボレー→ポストの決定機を演出。やる気満々。

 しかし、点は入らず。もう少しクロスだったり、強引なドリブルを狙っても良かったかもしれない。レアルは細かいパスで相手の守備網を突破しようとしすぎていたかもしれない。もう少しグティを前面に押し出すようなチーム全体の意識を持てたら良かったかも。

 ■独り言

 ローマがここまで引いて守るとは思わなかった。前半に比べれば、後半の守備のほうが良かったけれど、、、次も守りきれるかというとかなり怪しい。ローマはもう少しガゴを狙い撃ちすれば楽になると思うのだが。相変わらず、トッティは良かった。ピサロはもう少しボールをまわせるかと思っていたが、調子でも悪いのだろうか。シュート17本は打たれすぎかと。

 今までのディアラに比べると、今日のディアラは別人のようだった。これでディアラ、バチスタ、ガゴで守りきるプランも完成。でも、ローマの守備がゆるかったからだろう。ただ、それを差し引いてもディアラは良かった。ミドルが入っていたら大騒ぎだろう。ガゴも好き勝手にやっていた。そしてロッベンがキレキレ。場合によってはロビーニョとロッベンで攻めきる形もありかと。無駄に層が厚いレアル。エインセも病み上がりにしては良かった。ロングフィードもできていたし。

 セカンドレグはレアルが有利そうである。トッティが再び輝きを放てばローマもあるかも。

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posted by josepgualdiola |08:36 | チャンピオンズリーグ/0708 | コメント(21) | トラックバック(1)
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