2008年05月14日

ボカ対クルゼイロの雑感

 リベルタドーレス杯の決勝トーナメントのファーストレグ。場所はボカのホームスタジアム・ボンボネーラ。今季のリベルタは、多くのブラジルとアルゼンチンのクラブが予選を勝ち上がってきたようで。そんなアルゼンチンのボカ対ブラジルのクルゼイロの試合。

 ボカにはリケルメ、ダトロ、パラシオ、パレルモ、バタグリア、バルガスとか御馴染みのメンバーがずらり。イバーラは怪我をしているようで。注目はリケルメとダブル司令塔のダトロ。カルドソはどうした。レデスマは控えにいる。

 クルゼイロはジュビロ磐田のサポにはおなじみ。監督がアジウソン。マルキーニョス・パラナとファブリシオが普通にスタメン。意外な再会があるから、ブラジルのクラブチームは面白い。

 ■ホームとアウェー

 日本はホームとアウェーでの戦い方ががらりと変らないことで、それなりに有名である。しかし、いつでも同じサッカーが見られるというのは、それはそれで面白い。いつだって全力少年。そっちのほうが、チームの評価がしやすいので、たまにしか見られない自分にとっては大助かりだったりする。

 ここは南米。亘さん曰く、クルゼイロは非常に攻撃的で面白いチームらしい。。しかし、ここはアルゼンチン。もろにアウェーの戦い方で試合に臨んできた。つまり、守ってカウンター。しかし、守備のやり方が恐ろしくひどかった。インテルナシオナルがバルセロナを完膚なきまでに倒したブラジルの知恵はどこに行った。それとも、アジウソンがこんなものなのか。

 そんなわけで、試合はボカのペースで運んでいく。ボカのシステムはリケルメを頂点とする4-4-2であることが多かったが、ボックス気味の4-4-2で試合に臨んでいた。ボランチにバルガスとバタグリア。攻撃的なポジションにリケルメとダトロ。ちなみに、ダトロは守備も頑張っていた。

 ダトロが攻撃的な選手だからボックスにしたのか、ガゴとバネガ以降、1人で中盤の底を任せられる選手がいないのかどっちでしょう。試合を見る限り、バルガスとバタグリアにアンカーを託すのは危険信号だろうなと。ガゴとバネガは試合を作る意識が非常に高くしかも能力が見合っている幸福な形。バルガスとバタグリアは2人ですばらしい守備を披露していたが、1人で攻撃を作るのは難しそうな感じ。

 そんな理由と序盤戦のさぐりあいが相まって、試合開始序盤は妙に縦に早い展開で試合が進んだ。両チームとも、とにかく前線の選手へ。南米のサッカーは緩急がはっきりしているイメージがあったが、常に急ぐ展開で、らしくないなと。

 FWに絶対的な選手がいれば、それで何とかなる少年サッカーだけど、ここは南米の最高峰なのでそれでは無理。パラシオとパレルモもうまいんだけれど、独力で突破するのはリケルメくらいだなと。ただし、パレルモとパラシオは周りを使うのがうまい。

 そんな縦急ぎサッカーの中で、先制点が生まれる。でも始まりはスローインから。イバーラの代わりに出場したゴンサレスが意外性のある飛び出しで裏を取ってクロスを上げると、押し込んだのはリケルメ。よって、ボカがあっさりと先制。

 その後もボカが徹底的にクルゼイロを攻め崩したといいたいんだけど、そこまで優性でなかった。リケルメの神キープにダトロや両SBの飛び出しで攻撃を組み立てるんだけど、いまいち迫力がない。リケルメはスルーパスを通しまくっていたけど、なんか足りない。ボランチの攻撃参加とドリブラーの有無か何なのか。それは今後も追っていこうと。

 決定機を外しまくるパレルモの変わらなさに懐かしさを覚え、南米らしくない組織的な守備を見せるボカに真の強さを感じたり、リケルメのキープにスタンドが沸くのを見て、なんか幸せな気分になったりと、相当楽しめたリベルタドーレス。

 後半になって、ボカが見事なダイレクトプレーでダトロが追加点を決める。是非、どっかで映像を見てください。最後のリケルメのパスはさすがの一言。しかし、最後の最後でジュビロ磐田のファブリシオにミドルを決められて2-1で試合終了。実はアウェーゴールを決められてきつい状況のボカ。でも、多分、大丈夫でしょう。ちなみに、もう結果はわかっているんですけどね。アウェーのクルゼイロはいいところがまったくなかった。

 ■独り言

 つまり、いいたいことは、、、リケルメは元気だってこと。 

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posted by rijkaard |10:49 | 南米サッカー | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007年10月25日

コリンチャンス対ボタフォゴ

 今週は煮え切らない試合が続いているので、南米に逃げてみた。コパ・スダメリカーナ。リベルタドーレスとはちょっと違う。UEFAカップみたいなものらしい。予選から決勝まで、全てがホーム&アウェー。優勝チームはリベルタドーレスの優勝チームと試合する権利がもらえる。しかし、ボカやサンパウロなど強豪国も出ているので、出場資格が良くわからない。

 この試合はセカンドレグで、コリンチャンスのホーム。ファーストレグはボタフォゴが3-1で勝利している。ボタフォゴのほうが調子もよく内容もいいらしい。解説曰く、ボタフォゴには大分にいたトゥーリオとドドー、柏にいたゼロベルト、つまりJ出身がたくさん。

 ■タレント不足とリスクをとらない姿勢

 一昨年にテベス、マスチェが共にコリンチャンスからウェストハムへとびだった。そのころのコリンチャンスは南米の銀河系のようだったらしい。しかし、現在の状況はひどい。期待の若手はウクライナに引き抜かれ、主力も引き抜かれるわ、怪我で離脱するわ、ついでに監督も首になるわ、しまいには金の面で司法当局の監査が入る噂もあり、誰も監督を引き受けてくれない状況。

 それでもホームで無様な試合をするわけにいかないコリンチャンスは積極的にボタフォゴに迫る。誰が攻撃の中心ということなく、全員攻撃。ボールを持っている選手に対して、フォローの動き、パスコースをつくる動き、前線でスペースを作る動きが活発に行われ、比較的スムーズにボールを運んでいく。

 ボタフォゴはアウェーでしかも2点余裕がある。よって、少し守りの意識を高めて試合に入る。ただし、ヨーロッパのような自陣に引いてスペースをつぶし、前を向かせない守備をやるわけではない。ゾーンで守るよりは人につく意識が強いので、マンツーマンに近い。

 マンツーマンだと1人抜かれたら一気にピンチになるところだが、全体でカバーの意識が強い。恐らく逆サイドか相手DFラインのマークは捨てて、ボールに近いところで選手を余らせているのだろう。また、コリンチャンスがドリブルで仕掛けてこなかったので、マンツーマン特有の危ない場面は出てこなかった。ゾーンでも抜かれたきついけれど。

 それでも運動量が活発なこともあって、コリンチャンスがボタフォゴのゴール前まではボールを運ぶことが出来る。しかし、ボタフォゴの選手は守備を誰一人サボらないので、なかなかフリーなる選手が出来ない。走ってボールをもらっても必ずマークがついてくる。そんなわけでコリンチャンスはクロスに望みを託すが、チャンスは一回だけしか巡ってこなかった。しかもそれもポストに当たる不運。クロスの精度がめちゃくちゃ悪いわけではないが、ピンポイントであうクロスがなく、選手の質に問題がありそうな雰囲気だった。主力の怪我や離脱が点を取る部分で影響してそうである。

 対するボタフォゴはl守備から入ってカウンター、と思いきや遅攻。時に速攻もあるが、基本的にはボールを保持してゆっくり攻める。守りきりたいボタフォゴからすると、時間も潰せて一石二鳥。

 コリンチャンスに比べると、ボタフォゴの選手の質は高い。ボールのないところの動きだけでなく、ボールを持っていても何かしそうな雰囲気が漂っていた。しかし、コリンチャンスもDFラインを高く保ち、中盤と連携してチャレンジとカバーの関係を徹底。攻撃の人数を増やせば、ボタフォゴもチャンスが生まれただろうが、そこまでのリスクをかける必要性がない。よって、ボタフォゴもあまりチャンスをつかめなかった。しかし、スルーを混ぜた攻撃で決定機を作り、直接FKではあわやの場面を作るなどボタフォゴ優勢のまま前半が終わる。

 ちなみに、コリンチャンスにはバンペッタがいる。大型ボランチ。得意の体格を活かしたドリブルは1度だけ見られた。またキーパーのフェリペはシュートを止める能力が高い。欧州進出もあるかも。ボタフォゴはゲームを作れるルシオフラビオ、FKも蹴られるCBのルシオアウメイダが巧い。

 ■チーム力の差

 後半になるとコリンチャンスは攻め疲れたか、ボタフォゴがボールを支配する時間が増えていく。個人技で勝るボタフォゴがボールを支配、コリンチャンスは耐え切れるのか、耐え切れるわけがない。ゼロベルトが左サイドで仕掛け、相手を交わし、チャンスメイク。これをルシオフラビオがゴール前でなぜかフリー。シュートを1度ポストに当てるものの、また自分の所にボールが跳ね返ってきて先制。あまりにもフリーだったので、コリンチャンスのDFは足を止めてしまっていた。誰かがつめていれば何かが起こったのかもしれない。

 これで試合が完全に終わったかと思いきや、コリンチャンスがすぐに1点返す。右サイドからのクロスを元大分のトゥーリオがエリア内でトラップミス、そのボールを元大宮のフィナージがすぐに反応。トーキックですばやくボタフォゴゴールに蹴りこんだ。トーキックで押し込む辺りにセンスを感じる。

 この得点後、コリンチャンスが優勢に試合を進める。ボタフォゴはDFを次から次へと投入し、守備の意識をさらに高める。選手のポジショニングが後ろになってしまい、コリンチャンスがボールを支配するようになる。しかし、ゴール前での工夫が見られないのは前半と変わらない。逆に前がかりになったとところをボタフォゴの後半から入った走れる選手によって、突破されるなど厳しい展開。終了間際にカウンターから、元大分のドドーが決めて2-1。

 そして2-1のまま試合が終わる。トータルスコアは5-2でボタフォゴの勝ち。

 ■独り言

 解説者曰く、ボタフォゴはもっと面白いサッカーするらしい。確かにそのような気配は感じられた。後半のゼロベルトやジュリオエンリケのドリブル突破は単発ながらも可能性を感じられるプレーだった。特にジュリオエンリケはちっこくてすばしっこくてテクニックのあるタイプである。まさにブラジル。一つ一つのプレーがいちいち巧い。たとえるなら、ビジャレアルのマルコスセナが一杯である。

 次にボタフォゴはリバープレートと対戦予定。ブラジル対アルゼンチンの勝負なので結構楽しみである。ちなみに、ボカ対サンパウロなんてカードもある。世界クラブ選手権の予習もかねてボカはチェックしたい。

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posted by josepgualdiola |11:42 | 南米サッカー | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年06月21日

グレミオ対ボカ ~日本に来るのはどっちだ~

 ファーストレグのレポはこちら
 
 グレミオのスタメンはサハ、パトリシオ、テコ、ウィリアン、ルッシオ、ガビラン、ルーカス、ジエゴソウザ、チェコ、トゥッタ、カルロス。予想通り、リバプールへの移籍が決定しているルーカスがスタメン。CHが飽和状態のリバプール、なぜこの選手を獲得したのか謎。3点もビハインドがあるので、3トップで攻めてくる、、なんて噂もあったそうな。ベンチにアモローゾがいる。システムはオーソドックスな4-4-2。ただ中盤の形は流動的でSHともOHとも言える。

 ボカのスタメンはカランタ、イバーラ、ディアス、モレル、クレメンテ、レデスマ、バネガ、カルドソ、リケルメ、パラシオ、パレルモ。つまり、前回と一緒。こちらは菱形の4-4-2。意外性の男、レデスマがどれだけ仕事ができるか。この試合は、下手したらリケルメ、、ボカでのラストダンスになるかもしれない。

 ■点を取らなくていいボカと、点を取らなくてはいけないグレミオ

 ファーストレグで、ボカはかなり抑えられてしまった。グレミオが守備から試合に入ったから、抑えられてしまったのだろう。中盤とDFに挟み込まれたボカの選手達はかなりつらそうだった。

 しかし、ホームでセカンドレグを迎えるグレミオ。3点差もある。攻めるしかない。両SBも積極的にサイドのスペースに飛び出し、攻撃に絡んでいく。ファーストレグに比べると、攻撃にかける人数も多い。前線の4枚だけから前線+SB+ボランチ。特にカルロスの左サイドを中心にグレミオは攻める。

 ボカは3点差があるので守備から試合に入る。様子見。様子を見たところ、グレミオは人数をかけて攻めて来るようだ。だったらこちらも人数をかけて守ろう。DF+レデスマ、バネガ、カルドソ。攻撃はリケルメ、パレルモ、パラシオに任せる。

 グレミオが攻撃に人数をかけている、つまり、守備の人数は少ない。数的優位であるならば、守備の選手はリスクを恐れずにボールホルダーに突っ込んでいける。ファーストレグのグレミオの守備は基本的にこの形であった。しかし、セカンドレグは攻撃に枚数をかけているので、つまり、人数が少ないのでリケルメたちに飛び込むリスクが高い。消極的な守備をすれば容易にリケルメたちは突破してしまう。

 何が起きたかというと、グレミオはゴール前を固めるボカを崩せない。そしてカウンターをくらう。しかもボカは点を取る必要がない。よってリケルメたちは前に急ぐことなくボールをキープ、ファウルをもらって試合の流れをたびたび切る。そして時々フィニッシュまで持っていく。守備陣からしたら最高のプレーである。

 グレミオの中盤の選手は点を足らなければいけないので、なるべく前に残っていたいという気持ちがばればれであった。つまり、守備の戻りが遅い。グレミオは自分達の型を壊した結果、ボカの巧さが目立つ前半戦となった。

 ■秩序を破壊できるか

 チェコ→アモローゾ。日本でもおなじみの選手だ。グレミオは3トップ気味でボカを崩しにかかる。しかし、何も変わらなかった。グレミオは攻撃の方にこだわりすぎのように見えた。ボールを奪って速攻の場合、敵の守備の形は統率されていないことが多い。そんな状態ならグレミオでも綺麗に崩すことができる。しかし、人数をかけて組織化された守備を崩すには圧倒的な個人能力かそれを上回る高い戦術眼が必要とされる。

 グレミオにその力はなかった。3トップにすることで攻撃の枚数が減ったくらいである。3トップのウイングを任されたアモローゾ、カルロスにボカDFをドリブルで崩す力もなければ、SBと連携する力も残念ながらなかった。

 可能性を感じたのはトゥタ。長身のFWである。彼に当てれば何かが起きる可能性があったと思う。徹底的なセカンドボール狙いでもいい。グレミオのDFはある程度自由にボールを持てていたのでロングボール大作戦で問題なかったはず。ブラジルの誇りがそれを許さなかったのか。グレミオは丁寧にボールを繋ぎ、サイドチェンジ。そこからクロスという攻撃の形に固執していた。

 そんなわけでちっとも意外性のないグレミオの攻撃はまるで驚異的でなかった。長身を活かしたセットプレーでビックチャンスをつかむことも合ったが、意図的にセットプレーを取りに行くプレーも見られず、、、、。。。。

 そんなグレミオはリケルメにミドルシュートを決められて、さらにパラシオ×リケルメに崩されて最後はリケルメ。なんと2-0。リケルメはいまや絶好調。その後PKをパレルモがいつものように外して試合終了。

 ■独り言

 世界クラブ選手権に出場するのはボカに決定。しかし、クレメンテ→エスパニョールがすでに決定。パラシオ→バルサ??、リケルメ→???とかなりやばい。どうなるのでしょうか。

 グレミオにはちょっとがっかり。ファーストレグ良かったのに。

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posted by josepgualdiola |09:40 | 南米サッカー | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年06月20日

ボカ対グレミオ ~リベルタドーレス杯決勝・ファーストレグ~

 明日にセカンドレグがあるので、この段階で録画しておいた試合を観戦。南米のホームとアウェーの関係性は欧州に比べても違いがすごい。ホームだったら絶対に負けない気がする。負けないだけでなく、3点くらい入れてしまうから不思議だ。今回はボカのホーム。

 ボカのスタメン。カランタ、イバーラ、ディアス、モレル、クレメンテ、レデスマ、バネガ、カルドソ、リケルメ、パラシオ、パレルモ。レデスマの位置にバダグリアが入れば、穴はなくなる。

 グレミオのスタメン。サハ、パトリシオ、テコ、ウィリアン、ルッシオ、ガビラン、ゴイアーノ、ジエゴソウザ、チェコ、トゥッタ、カルロス。注目選手はジエゴソウザ。欧州から注目されているルーカスはまたもベンチ。

 ■長所を生かすか消すのか。

 ブラジルのチームは個人技ごり押しのドリブラーだらけという偏見がある。しかし、昨年に来日したインテルナシオナルからもよくわかるように、ブラジルにもいろいろなチームがある。北部はファンタジー、南部はがちがち。このような枠組みがあるそうな。

 グレミオは南部のチーム。基本的に相手の長所を消し、ボールを奪ったら速攻が持ち味のチームだ。しかし、攻撃はやはり巧い。連動性もあるし、個人技もある。ボカの持ち味を巧く消し、攻撃は少ない人数でフィニッシュまで持っていく。そのサッカーは見事なものだった。ただその少ない人数といっても全員がボールに絡み、3人目4人目を活かすものだった。これはけっこうやばい。

 リケルメにボールが入らないようにプレスをかけ、パラシオらの前線の選手にボールが入ったらがちっとあたりに行く。文章にしたら簡単そうに見えるが、それを完璧に機能させるのは難しい。

 ボカは最初こそグレミオ陣内に攻め入ったものの、時間がたつにつれて徐々に押し込まれていく。ペースはグレミオ。そんなグレミオペースを破壊したのはレデスマだった。

 ボールをパスで前線に運べない。前線の選手に入れてもタメさえ作らせてもらえない、。頼みの綱のリケルメは行方不明。ボカは困る。アンカーのバネガがパス&ゴーで前線に変化を加えようと試みるが、簡単に止められてしまった。そこでレデスマが強引なドリブルで状況を打開しようと試みる。1人目を何とか抜き去ると、横にいたリケルメをシカトしてそのままドリブル。リケルメにパスすると思ったグレミオの中盤の選手を簡単に抜き、その後にゴール前で倒されてファウルゲット。

 このフリーキックをリケルメが直接狙うふりをしてセンタリング。グレミオの選手は直接打ってくるだろうと考えたのだろう。マークがずれずれであった。パスがダメならドリブルで。レデスマさまさまであった。ボカがきつい試合展開の中先制。

 ■先制したけれど

 得点をしたことで、試合の流れがガラっと変わることは多い。恐らく得点をすることによって、自分達がどうしたらいいか、同じ絵を共有できるようになるからと思う。ボカも同じように少しだけ良いイメージで試合を展開しそうになった。

 しかし、長所を潰すことが長所のグレミオ。それにもあっさり対応して徐々に自分達のペースに持っていく。グレミオのプレスの位置が徐々に高くなっていき、ボカはロングボールに頼らざるを得なくなる。パラシオはポストプレーも巧い、へディングも強い。しかし、グレミオCBのほうが強い。グレミオの選手はガタイの良い選手が多く、セットプレーは大きな武器となる。

 ボカの残された手はリケルメが中盤のそこまで下がって、試合を作るか、ロングボールで裏を取る。グレミオは自分達のサッカーを貫く。このような展開で試合が進んでいった。つまり、グレミオが断然優勢。しかしアルゼンチンは守らせたら結構堅いはず。

 ■組織力のあるチーム

 ボカは決して組織力の高いチームではない。グレミオの比べると、ボールホルダーが孤立してしまう場面が多い。グレミオの場合、FWのカルロスが孤立することがあるが、この選手はそのような状況をものともせず仕掛けていく。パラシオはタメを作ることができる選手だが、仕掛けるプレーはカルロスのほうが上手。

 前半に比べると、ボカはどうにかボールが回るようになってきた。その理由は左SBのクレメンテがダニエルアウベス並みのポジション取りをすることによって、中盤の人数比が崩れたのである。グレミオはこのクレメンテの動きに戸惑い、ボカは左サイドからクレメンテ、カルドソ、リケルメ、パラシオが崩す。

 グレミオの攻撃の起点も左サイドなので、クレメンテが上がることのデメリットは今のところ目だったものではなかった。グレミオがボールを取り返すのは自陣深くの位置になり、そこから攻撃を展開しようにも、ロングボールの精度が悪く、後ろからのフォローが遅い、よってボカの選手は思い切ってボールを奪いにいける。グレミオにとって嫌な展開となる。

 ■ゴイアーノの退場

 リケルメを徹底的にピッチから消したグレミオのボランチ。なんと後半12分に2枚目のイエローで退場。ベテランにしては軽率なファウルであった。頭で処理できるボールに足を出したらアウト。今度はブラジル人が守る形となる。これも堅そうである。

 1人減ればどこかが必ず空く。グレミオは全員が守備に回る形を取る。つまりボカのDFはかなり空く。リケルメを中心としたポゼッションで相手を疲れさすのがここからのボカの狙い。気をつけなければいけないのはカウンター。時折カウンターをくらうが、問題にはならなそうだった。

 ボカは徐々にグレミオペナルティエリアまでボールを運び、たびたびセットプレーのチャンスを得た。その中のひとつをリケルメが壁の間を抜く鬼のシュートをみせ追加点。代表に復帰してしまいそうな最近のリケルメ絶好調。グレミオはファウルでしかボールを奪えなくなり体力の消耗が激しい。

 最後にはレデスマが頭で決めて3-0。これで明日のセカンドレグへ望む。リケルメが崩し、とどめはレデスマ。この崩しは最強であった。ゴール前でシュートフェイント×ダブルタッチで2人交わしてしまった。

 ■独り言

 ゴイアーノが累積によって、セカンドレグに出られない。よって噂のルーカスが見られるかもしれない。11人同士の対決ではまったくひけを取らなかったので、可能性はありそうである。

 ボカは一点でも取れば何とかなりそうだ。

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posted by josepgualdiola |22:56 | 南米サッカー | コメント(1) | トラックバック(0)
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2007年05月26日

サンパウロ対グレミオ

 サンパウロ。ブラジルらしいチームということで伝わっている。所属有名選手はキーパーのセニ。レッズが狙っていたアレックスシウバ。代表にも選ばれた右SBのエウシーニョ。ここ最近は何度もファイナリストになっているらしい。プチ黄金期なのだろうか。

 グレミオ。インテルナシオナルと同じ南部のチーム。南部のチームは汚くても勝つサッカーをしてくる。つまり、一般的なブラジルのイメージとは少し違う。今夏、欧州に移籍のうわさのあるルーカスが所属している。残念ながら、この試合は怪我のため欠場。ミランにいたアモローゾがいる。

 ■ポゼッション!?対カウンター

 サンパウロがボールを持ち、グレミオがそれを奪い速攻。このような形で試合は進んでいく。ただし、グレミオ優勢で試合は展開していった。サンパウロのサッカーはお世辞にもポゼッションサッカーといえるものではなかった。

 攻撃が機能しなかった理由はダブルボランチにある。ブラジルのサッカーも欧州に比べると前線からプレスに来ない。つまり、ハーフラインの位置であったら、プレッシャーのない状態でボールを持つことができる。それでもサンパウロのボランチの選手はすばやくボールを手放していた。相手を引き付けてパス!という思いやりが残念がらまったく感じなかった。

 また、ボールをもらった攻撃の選手も前を向くことができるので、仕掛けてしまう。攻撃が大好きなのだろう。ドリブルで何度も仕掛けていたが、後ろで待ち構えるグレミオに数的優位を作られ簡単に止められいた。SHの選手がボールを持ったときの周りのフォローがなく、サンパウロの攻撃は独りよがりなものであった。ちょっと前のレアルと同じ症状である。

 無理ならボランチーを経由して逆サイドに展開すればいいのに仕掛けてしまう。SBの上がりを待てばいいのに仕掛けてしまう。仕掛ける選手は貴重であるが、いつ仕掛けるかという判断ができない仕掛ける選手はこの上なく厄介である。結局サンパウロはグレミオの壁の前にほぼ無力であった。

 ただし、若干1名機能している選手がいた。アロイージオ。サンパウロのCFである。プレースタイルがわかりやすい。足が遅く、足技もない。ただし、体が強く周りの選手を活かすプレーが信条。日本にもいそうな選手だ。このアロージオがゴール前で体をはり、ファウルをもらう。それをセニが直接狙う。これもサンパウロの形のようだ。

 グレミオの速攻は微妙であった。左SB・ルシオの果敢な飛び出し、ヂエゴ・ソウザの個人技でしかチャンスを作れなかった。それでも守備が機能していて、サンパウロの攻守の切り替えのギャップを巧くつけていたので何度かチャンスをつかむことができた。それでも前半は0-0。

 ■ダゴベルト

 後半からサンパウロはダゴベルトを投入。ロビーニョ世代の選手で注目されている選手らしい。後半になると徐々にグレミオの球際が弱くなっていく。グレミオの選手は肉弾戦を厭わない。守り方も少々危なっかしいが、ガツンとあたりボールを奪う方法である。時々、綺麗に交わされてしまうこともあるが、そのアグレッシブな守備にサンパウロは苦戦していた。

 しかし、その球際が弱くなればサンパウロも何とかなる。また、仕掛ける選手がすぐに仕掛けなくなったことによって、周りのフォローが間に合うようになっていった。

 時間がたつにつれて、グレミオゴールに迫っていくとコーナーキックから先制点をサンパウロが得る。こぼれだまを途中出場のダゴベルトがトリッキーなパスですばらしいアシストを見せた。

 サンパウロが先制したことによって、立場が逆になる。グレミオがボールを持ち、サンパウロがカウンター。グレミオはボールを奪う→サンパウロの攻守の切り替えが遅い→攻撃が巧く行くかたちだったので、一気に展開が苦しくなる。サンパウロはダコベルトが独特のドリブルでカウンターの中心となり、グレミオを苦しめる。なかなか良い選手である。

 その後はサンパウロが守りに入りそのまま試合を完結させる。グレミオは守られると何もできなかった。

 ■独り言

 アルゼンチンやブラジルのサッカーは欧州とそれとまったく違う。もう少し試合数を見れば巧くまとめられそうだ。サンパウロにはウーゴがいた。元ヴェルディの選手である。普通に活躍していて驚いた。Jで通用しない選手がブラジルの名門チームでレギュラーを張ることは結構ある。その理由も含めていろいろ探って行きたい。

 グレミオのヂエゴソウザ、サンパウロはダコベルト。この2人は将来有名になるかもしれない。ルーカスが観てみたかった。

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posted by josepgualdiola |23:05 | 南米サッカー | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年05月23日

カラーカス対サントス

 欧州のチャンピオンズリーグが終わるころ、リベルタドーレス杯は決勝トーナメントの真っ最中。決勝トーナメントからはここでもなるべく伝えて行きたい。ただし、予想通り知っている選手がほとんどいない。これがファーストレグである。

 カラーカスはベネズエラのチームである。情報はそれだけだ。今回の試合はカラーカスのスタジアムで行われる。ちなみに標高はそれなり、客席は半分くらい。予選ではリーベルを粉砕したようだが、最近のリーバルに勝っても自慢にはならない。

 サントスは多少有名な選手がいる。元ブラジル代表のゼロベルト。バイエルンにいた彼だ。また控えにロドリゴタバタがいる。プレーを見るのは初めてだ。監督はルシェンブルゴ。元レアル。

 ■強いぞサントス

 サントスのシステムは4-4-2。中盤の形はボックス。3人が攻撃的に振る舞い、アンカーがバランスを取る戦い方をする。攻撃は誰を中心に、というものではなく、組織的なポゼッション。ここの能力が抜群に高く、足を引っ張る選手もいない。左SBのクレーベルからクロスを上げる形が多い。そのクレーベルはドリブルで突破する形は少なく、第三の動きで裏へ抜け出すことが得意。

 右サイドからの攻撃は目立たない。ただフィニッシャーのゼロベルトが右サイドで左からのクロスを待ち構えている。細かいパスで中央突破を狙うか、左サイドから崩すか、これが攻撃の基本的な形である。ロングボールはまったくない。

 守備の形はゾーンディフェンス。ゼロベルトが中盤に下がり、4-5-1を形成。中盤のスペースをつぶし、ボールホルダーに次から次へと寄せていき、数的優位を作ってボールを奪う。穴は絶対に作らず、前線でフリーになれる選手は少ない。リバプールほどアグレッシブな守備ではないが、非常に組織化された守備である。

 カラーカスはオフザボールの動きが悪く、ボールホルダーがあわてる場面が非常に多かった。ドリブルで状況を打開しようと試みたが、ドリブルは通じなかったので、前半の30分過ぎからは無謀なロングシュートが増える。ただし、その無謀な距離からのロングシュートはかなり得点の可能性を感じさせるものであった。

 前半の流れは左サイドからサントスが崩しまくり、それがカラーカスのミスを誘う。そのミスをゼロベルトが確実に点に結びつけサントスが先制。先制後、サントスはクレーベルがあまり上がらなくなり、リスクをおかさなくなる。アウェーゴールを取ったのだから、当たり前の対応である。

 その攻撃意欲の下がったサントスを見逃さないのがカラーカス。先制点までは圧倒的にポゼッションされていたが、徐々にロングシュート、ロングパスで状況を打開しようと試みる。何度か惜しい場面もあったが、かなりつらい状況であった。

 ■右SBのジオニージオが退場

 後半の開始早々、サントスが余裕の攻撃を見せる。いつでも攻められるんだって余裕なのか。力の差はやはり絶望的なものに見えた。しかし、カラーカスはロングパスやCBのオーバーラップなど、なりふりかまわない姿勢を見せ始める。攻撃に出るのが早い。

 その攻勢の中で、ジオニージオが2枚めのイエローで退場となる。対面のカラーカスの左SBペレスに押し込まれ気味であったジオニージオはいいところなくピッチを去ることになったしまった。そして、その直接フリーキックをベラスケスに決められてしまう。サントスは壁を崩すようなジャンプをしてしまい、その間を通されるという失態。

 ここからカラーカスは勢いに乗る。玉際が強くなり、ボールへの寄せも異常に早くなる。少々プレーに荒っぽさも含まれるようになり両チームとも熱くなっていけばカラーカスにとっていい方向に試合が流れただろう。

 サントスはまったく熱くならなかった。冷静にプレスを交わし、パスコースがなければファウルで試合を止める。試合巧者とは、まさにこのことだろう。サントスは1人減ったこともあり、パスコースがどうしても少なくなる。そんなときは無理をしない。さすがである。

 そして、相手ゴール前でセットプレーのチャンスを得ると、そこからクレーベルがミラクルなシュートを放ち、スコアを2-1にする。レコバ並みの左足であった。

 そこからサントスはFWを一枚残し、残り全員で守る作戦に出る。カラーカスのグラウンドを横に広く使ったロングボールに苦戦していたが、後半30分まで何とか凌ぐ。ここでサントスはロドリゴ・タバタを投入。サントスはカラーカスのDFラインにはプレスにいけない状態だったので、ロングボール入れられ放題であった。

 カルビンテーラ、コロンビア人。上背はないがなぜかロングボールに競り勝ちまくり、バックヘッドで何度も惜しい場面を作る。そしてサントスは引きこもる。本日のサントスは守りきれる雰囲気がない。よって同点ゴールを叩き込まれる。

 その後はカラーカスの猛攻、サントスの個人技のぶつかり合いとなり、殴り合いの展開となる。試合は2-2のまま終わる。

 ■独り言

 カラーカスの気合とサントスのテクニック、両方堪能できる試合となった。リベルタドーレス杯も見てみようと思う。ただベネエズラのサポーターは面白かった。試合開始前はガラガラだったが、徐々に人が増えていき、最後には満員に近かった。時間は守ろう。

 

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posted by josepgualdiola |09:20 | 南米サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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