2008年06月06日
ポルトガルのスタメンは、リカルド、バレンチ、カウバーリョ、アンドラーデ、ミゲル、コスチーニャ、マニシェ、デコ、ロナウド、パウレタ、フィーゴ。もう何試合目のポルトガルだってことで、語れるくらいに詳しくなりそうである。
お待たせのギリシャのスタメンは、ニコポリディス、フィサス、デラス、カプシス、セイタリディス、バシナス、ザコラキス、カラグーニス、ヤナコブーロス、ブリーザス、ハリステアス。WOWOWの表示だと、4-2-1-3。あれ、5バックだったような印象がある。ミスリードか。
■ゾーンマンツーマン
ギリシャのシステムは4-1-4-1。アンカーにはカラグーニス。デコを徹底的にマークしていた。ただし、デコが中盤に降りていったら、ザコラキスとバシナスに任せていた。このマークの受け渡しがまったく狂わないのがギリシャの最大の特徴といえそうである。
4-1-4-1でSHが恐ろしく守備に奔走する姿は、最近で言うとチェルシーに似ている。3トップ気味で相手のSBにプレッシャーをかけて、守備の場面では相手のウイングをSBと連携して挟み込みを行う。相手のSBが攻撃参加したら、徹底してついていく。フィーゴやロナウドにはできない芸当である。そんな動きを求められていないだろうが。
ただし、ギリシャは前線からプレッシャーには行かない。トップのブリーザスはカウバーリョたちに脅威を与えるレベルではなかった。つまり、今季のCLのチェルシーと状況が似ている。ユナイテッドの前に、ドログバが守備をしなかったチェルシーは、持ち味の守備を機能させられなかった。つまり、高い位置での守備を行えずに、前半は押し込まれることとなったとさ。
じゃ、なんで4年前のポルトガルは、4年後のユナイテッドのようにギリシャを押し込めなかったのかとなる。この4年間で一番大きく変ったのは、後ろの選手に攻撃を組み立てられることを求められるようになったことだろう。バルサがマルケス×ミリートを共存させたことが、まさにそれ。
当時のカウバーリョだってそれくらいできただろうが、そこまでの役割は求められていなかったようである。ときどきしか、攻撃参加していなかった。アントラーデは言うまでもなく。また、ポルトガルの中盤で攻撃に貢献できない選手が1名。コスチーニャ。もともと攻撃は求められていないんだけど、こういう場面では彼が何とかしないとデコとマニシェが機能不全におちいる。相手はカラグーニス、ザコラキス、バシナス。全員が超献身的な守備を装備している。このゾーンマンツーマンを破るには、最悪でも同数が必要とされる。
ポルトガルの中で、一番目立っていたのはミゲルであった。前線のフィーゴ、ロナウドの側には必ずギリシャの選手がいて、2人は苦労していた。しかし、さすがのミゲルにはマークがついていなかった。ギリシャのSHがいくら守備に戻るといっても、常にマンツーマン気味に相手のSBを守るわけがない。それに、ギリシャのSHにはポルトガルのWGを挟み込む役割もあるので、SBの攻撃参加はギリシャにすると悪夢であった。数的有利が数的同数になってしまう。ジオとロナウジーニョの関係を言うまでもなく、SBの攻撃参加は重要である。
ただし、ポルトガルのWGは仕掛けたがりのフィーゴとロナウドである。少しはボールをキープすれば良いものの、孤独に相手に立ち向かっていくさまは、、美しかったが、はかなくもあった。
そんなミゲルは中に切れ込んでシュート、パウレタと衝突など多くの見せ場を作って前半に負傷。代わりに出場したのがトラウマ持ちのパウロ・フェレイラだからやってられない。逆サイドのバレンチはあまり攻撃に絡める選手ではないので、SBの攻撃参加オプションがなくなったポルトガル、大ピンチで後半を迎える。
■みんなで考えよう。
ちょっと考えてみよう。ギリシャのいかつい守備を突破するための戦い方はなんだと。最初の思いつくのが、ボールじゃなくて、選手のサイドチェンジ。フィーゴとロナウドの位置を何度も入れ替える。しかし、ギリシャの選手はどこまでもついてくるし、運動量が落ちる気配もない。最近の流行の技を使うと、ロナウド、デコ、マニシェ、フィーゴ、パウレタの位置をめまぐるしく変えるやり方である。でも、4年前にそのアイディアはないぞ。
次に思いつくのが、DFを攻撃参加させるやり方である。オーマン戦の田中マルクスの攻撃参加が良い例である。他に思いつくのは、チェルシーのアレックスとカウバーリョ。ただし、CBの攻撃参加は高い技術と決断力が求められる。目の前に宙ぶらりんのコスチーニャがいたら、攻撃参加はしにくかったろうな。SBは前述の理由で期待できない。クアレスマとシモンをSBで使ったらどうなったろう。
そのまた次に思いつくのが、アイソレーション。具体例は、セビリアの得意技である。古くは湘北対陸南で桜木対福ちゃんが良い例である。セビリアの場合、右サイドに選手を集めて、ダニエウアウベスのサイドチェンジ→ディエゴカペルがスピードでぶっちぎる作戦。ポルトガルだってできるだろうが、そういうアイディアはないようで。ちなみに、この片方のサイドで選手を集めまくる作戦はいくらでも応用が利く。ただし、サイドチェンジできる選手がいないと、絵に描いた餅。
そんな空想もむなしく、ポルトガルは単純なコーナーキックから先制を許してしまう。ただ、ギリシャのセットプレーは本当に凄かった。綿密な打ち合わせの元で行われていたのだろう。日本のジュニア世代も徹底的にコーナーキックで工夫をしてみたらどうだろうか。おいらのチームもやってみます。キーパの飛び出しを邪魔する選手、ニアで相手の注意をひきつける選手、ターゲットのマークを引き剥がす選手、点を取る選手を役割分担。
57分ごろに先制されたポルトガル。もうコスチーニャでは無理だとルイコスタを投入。アンカーにルイコスタだったら、面白かったのに、マニシェがそこに来てしまった。ここからは我慢勝負。
74分にパウレタ→ヌーノゴメス。ずっと思っていたのだが、なぜにFWの枚数を増やさなかったのだろうか。ギリシャはデラスが余る役割を担っている。だったら、デラスに誰かをマンツーマンさせる古典的なやり方をしたら、ギリシャがどうするか興味深かったのに。相手をイレギュラーなやり方で追い込もう大作戦。ま、ロナウドとフィーゴがFWっぽくなっていたので、わからくもないが。
ギリシャは守備的な選手を次々に投入して守りきりを計る。ここで、失敗した経験でもあれば、ギリシャは自滅したかもしない。乱入者によってフィーゴは凄みを取り戻しつつあったし。しかし、この大会でのギリシャは成功体験しかないのではないだろか。フランス、チェコ相手に守りきった成功体験はでかい。しかも、開幕戦でギリシャが勝っているわけだし。ポルトガルの選手は時間がたつにつれて、またかよという精神状態に追い込まれる。しかも、決勝戦でホーム。焦るには最高の場面。会場が他の場所だったら、面白かったろうに。
■独り言
ギリシャの守備意識は本当に凄かった。しかし、4年前と同じ戦い方では間違いなくぼこぼこにされそうである。ただ、ギリシャも進化したろうし、攻撃的な才能あふれる選手も徐々に登場しているようなので、実は楽しみ。しかし、試合を見ていないので何ともいえない。スペイン対ギリシャでギリシャの進化が問われそうな気配である。
ちなみに、ユーロのダークホース予想はギリシャ、ポーランド、ルーマニア、チェコです。チェコはロシツクーがいないので、開き直りが可能となっている。コラーにボールが収まりさえすれば、ダークホースどころの話ではない。ルーマニアはチームの完成度が異常だった。ただ怪我人が多いらしいけれど、監督がすばらしそうなので、死のグループもひょっとするかもよ。
posted by rijkaard |08:49 |
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2008年06月05日
再放送シリーズが続きます。スペイン対ペルー、スペイン対アメリカは時間があったらやろうかと。多分、時間はないです。再放送・ポルトガル対ギリシャのほうが個人的に興味があります。今見たら、ギリシャはどんな印象なのかと。スペインはある程度分かっているので、見る必要がないと判断しています。トーレスとビジャが覚醒しない限り優勝はないだろうと。
ポルトガルのスタメンは、リカルド、バレンチ、カウバーリョ、アンドラーデ、ミゲル、マニシェ、コスチーニャ、デコ、フィーゴ、パウレタ、ロナウド。このポルトガル代表が面白いのはフィーゴの意地と、デコが中心だってことだろう。バルサでは黒子のデコ。中心で見たかったぜ。
オランダのスタメンは、ファンデルサール、ジオ、バウマ、スタム、ライツィハー、コクー、ダービッツ、セードルフ、ロッベン、ニステル、オーフェルマウス。4年前のオランダ。今年のオランダ代表で、当時から生き残っている選手は本当に少ないようである。
ちなみに、オランダのベンチにはこんな選手がいる。ハイティンハ、ファンデルファールト、スナイデル、ファンデルメイデ。当時はえらい注目されていたファンデルメイデはどうなった。
■オランダがはっきり言って弱い。
4年前のオランダのほうが遥かに強かった。ポルトガルの守備が良いというよりも、オランダがあまりにバラバラ過ぎて、悲しくなってしまった。EURO2004ではロッベンが大活躍したイメージがあったんだけど。しかし、この試合では、そのロッベンにろくな形でボールが入らなかった。別にロッベンに依存したサッカーでも、チーム全体でロッベンをサポートする戦い方ができれば、問題はない。むしろ強い。しかし、このオランダ代表はそんなイメージすらなかった。
確かにポルトガルのロッベン対策は効いていた。ミゲルは攻撃参加を自重し、コスチーニャ、マニシェが何度もロッベンを挟み込みに来ていた。その代わりに、逆サイドのオーフェルマウスは一対一でバレンチと勝負する場面が多かった。リスク管理から考えると間違いなく正しい。オーフェルマウスは何度かチャンスメイクできていたが、決定機を作ることはできなかった。
オランダのシステムは4-1-4-1。アンカーにコク。その前にダービッツとセードルフが並んでいる。ニステルのワントップ。レアルに来る前のニステル。ということは、ワントップで機能するわけがない。今のニステルならば、スペインで身につけた柔軟性によって軽やかにプレーできるが、4年前は寂しがりやのニステルである。びっくりするくらいにボールがおさまらないワントップ。
ニステルの後ろには、セードルフとダービッツ。ダービッツは再三の飛び出しと左サイドからのドリブルで攻撃に流れを生み出そうと苦心していたが、攻撃の中心になれる選手ではない。セードルフは何がなんだかわからなかった。ミランでは相手の嫌なところでボールを受ける選手として活躍しているが、いかんせんパサーがいない。パサーにもなれるセードルフにかけられた仕事の量は半端じゃなく、中途半端なできとなってしまっていた。
両チームともウイングを採用している。決勝トーナメントということもあり、SBは双方ともあまり攻撃参加をしていなかった。つまり、攻撃は前線の選手に委ねられた形となる。となれば、FCポルトで中盤を形成しているポルトガルが優勢に決まっている。しかも、後ろには繋げるカウバーリョ。試合内容はポルトガルが圧倒的に組織の力で相手をねじ伏せる形となった。
イングランド戦とは異なり、右にフィーゴ、左にロナウドであった。左サイドにいるときよりも、フィーゴはウイングとして機能していた。ただし、パウレタがうまくサイドに流れることができるので、そんなときは中央に絞ってプレーしていた。デコが自分のポジションをマニシェと何度も交換することで、オランダの中盤は徐々にポルトの中盤を捕まえられなくなってくる。オランダはマニシェやデコのように、ボールを引き出しす動きが極端に少なかった。チームとしてどのように攻撃を組み立てるかの絵を描けていないようにさえ思えた。
先制点はポルトガル。攻めに攻めてコーナーキックをロナウドが頭で押し込む。実はポルトガルのゴールキックの的になることが多いロナウド。昔からヘディングが強かったんだねってことを再確認。先制点を許したことで、オランダも攻撃のエンジンがかかり始めるが、個々の選手が独力で状況を打開しようとする最悪なパターンであった。30分過ぎまでオランダはコーナーキックすら得ることができなかった。無念。
■CBにどのような選手を置くか
オーフェルマウス→マカーイ。ニステルを孤独から開放するためか、それとも前半にイエローを受けたオーフェルマウスがハーフタイムも、その怒りを静められなかったからか。単純にロッベンを右サイドでやってみればいいんだけど。ただ、この悪い流れを断ち切るには悪くない交代。
マカーイは右のWGであった。ただし、中央に流れる修正がある。その空いたスペースにセードルフやダービッツが流れてくれば面白いが、ときどきライツィハーであった。
55分にバウマ→ファンデルファールト。どうやら、オランダの監督も同じ認識のようである。このまま負けたら国に帰れないぜ。コクをCBにダービッツをアンカーにして超攻撃的にしてきたオランダ。
58分。コーナキック・マニシェがデルピエーロゾーンからお家芸のミドルで2-0。
これは有名なゴールだった気がする。それにしてもマニシェが凄い。なんでこの後に腐ってしまったのか謎である。
62分。初めてジオがオーバーラップ。対面はフィーゴのジオ。ジオの飛び出しについてくる可能性は少ない。飛び出せば、ロッベンがフリーになれる可能性が高くなる。ようやくかジオ。迷ったミゲルをしり目に、ジオがクロスを上げるとアンドラーデの足に当たってボールはポルトガルゴールに吸い込まれた。マジか。リカルドが必死にアンドラーデを励ましているのが印象的だった。
オランダは勢いに乗る。セットプレーから決定機をつくるなど、ポルトガルの動揺を見逃さない。ここでフェリペも動く。ロナウド→ペティ。ここで時空を超えた再会。昔から代表だったなんて知りませんでしたペティ。守備をしっかりしろとメッセージ。デコがロナウドのいた左サイドへ。
ここで、オランダはコクをCBに入れた効用が出始める。バウマとスタムは攻撃を組み立てるのがうまくはない。スタムは暴走ドリブルで自滅したくらいであった。ゴール前で
ボールに合わせるのはうまいだろうが。アンカーのダービッツは無理をしないでコクに下げる。パウレタ両CBを相手にしなくてはいけないので、コクがうまく自由になっていた。初めてできたボールのおさまりどころ。
その収まりどころを破壊するために、75分にパウレタ→ヌーノゴメス。嫌がったかコクはポジションを少し前に移す。80分にロッベン→ファンホーイドンク。懐かしい名前だ。
パワープレーの様相のオランダ。ポルトガルもフェルナンドコウトを入れて逃げ切りを図る。交代したのはマニシェ。仮に延長戦にもつれ込まれたら、ポルトガルは相当やばかっただろう。ポルトガルは疲れか、オランダがボールを繋ぐシステムを発見してからか、徐々に攻撃の流れを引き寄せていた。ゲームを支配していたとはいえないが、延長戦があったら面白い試合になったかも。ポルトガルが無事に逃げ切って終了。
■独り言
前半のオランダはひどかった。中盤のコク、セードルフ、ダービッツの役割分担が恐ろしく不明。DFからろくなボールが出てこない最近のアトレチコ現象である。コクがCBに入ってからは多少流れが良くなった。決してファンデルファールトが入ったからではない。
ロッベン対ミゲルは非常に見ごたえがあった。ミゲルの完勝。バレンシアでは泣かず飛ばすなので、心機一転移籍して欲しいものである。ポテンシャルは抜群。ダニエルアウベスより計算できるかもよバルサ。最近からだが大きくなっているのは気になるけれども。
今回のオランダの反省がCBにあるとして、4年後のスペインはCBにアルビオルを起用できるかで勝負が決まりそうである。アトレチコと同じ過ちを繰り返さないか心配だ。
ちなみに、2004年のオランダが当時どのような評価がされているか記憶している方。もしもいらっしゃるならば、教えていただけると非常に嬉しいです。
posted by rijkaard |09:38 |
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2008年06月04日
ドイツのスタメンは、レーマン、ヤンセン、メツェルダー、メルテザッカー、ラーム、フリンクス、バラック、シュバインシュタイガー、フリッツ、マリオゴメス、クラニー。ブンデスは完全に見ていないので、フリッツが誰かまったくわからない。ドイツも優勝候補として数えられている雰囲気である。
セルビアのスタメンは、ストイコビッチ、ドラコ、ビディッチ、イバノビッチ、ルカビナ、ローラ、クズマノビッチ、ヤンコビッチ、イリッチ、バホビッチ、バンテリッチ。ちょこちょこ聞いたことがある選手がたくさん。スタンコビッチとジキッチが見たかったぞ。
■ゾーンの弱点
セルビアのシステムは4-1-4-1。ドイツでプレーしているバンテリッチをFWとしている。バンテリッチは守備を任されていないようだ。試合開始当初こそはなるべく高い位置から守備をする意図が感じられたセルビア。サイドの守備はうまくいったものの、中央から突破される場面が目立ち、これは引きこもったほうが得策と判断。チーム全体で一気に撤退が行われた。
この守備の切り替えの早さは異常である。セルビアらしくない。プレミアのチェルシー×マンチェスターユナイテッドCBコンビがリーダーシップを取っているのだろうか。
相手が自陣の深い位置に撤退したことで、ドイツは容易にボールを持てるようになる。フリンクス、バラックが自由になったことで、ヤンセン、ラームも積極的に高い位置取りが可能となった。ドイツが優れているからパスを回せたわけではなくて、セルビアの事情のほうが大きい。
ドイツはロングボールを本当に蹴らなくなった。細かくパスをつなぐのが信条のようで。それでも、時には裏に放り込むのも必須なんだけど、フリッツくらいしか、その意図がなかった。攻撃の中心は左サイドのシュバインシュタイガー×ヤンセン。フリッツに比べると、シュバのほうがボールを持てるから、自然と左サイドにボールが集まるのだろうなと。
FWのマリオゴメスとクラニーはポストプレーもうまいので、ドイツは楔のボールを入れたら攻撃のスピードが上がる非常にお手本な攻撃を行っていた。しかし、楔後のダイレクトパスがうまく繋がらない、セルビアにうまく守られてしまいなかなかチャンスを生み出せない展開に。
楔のボールを受けにいくのがバラックが主だったが、そこにSHやもう1人のFWが常時絡めるようになると、選択肢が増えて面白い攻撃になりそうな予感である。現段階ではそうなりそうな気配はない。
ドイツの良いところは攻守の切り替えの早さ、ダイレクトパスの失敗でカウンターをくらうのがほとんどなかった。すぐに守備に切り替えて、また攻撃を始める場面が何度も見られた。親善試合でこれだけ守れるならば、本番はもっとできるに違いない。チーム全体での守備意識が異様に高いように感じた。そして個々の選手のベクトルの向きも一致している。ドイツが守りに入ったら、ちょっとこじ開けるのは厄介そうである。
そんなドイツの攻撃の前に防戦一方のセルビア。バラックのヘディングをビディッチがゴールラインすれすれでクリアーするなど決定機を防ぐ→でも、相手にボールを奪われるの悪循環。それでもセルビアの集中力は切れる気配がない。らしくないぞ。
先制点はまさかのセルビア。18分。トリックはゾーンディフェンスの弱点をたくみに利用したヤンコビッチとバンテリッチが仕掛け人。2人はわざとポジショニングをかぶせて、相手のマークに迷いをもたらす。具体的に言うと、メルテザッカーの前にバンテリッチがいたが、その間にヤンコビッチが歩いてくることで、メルテザッカーはバンテリッチをフリーにしてしまう。
一瞬の隙が完成。バンテリッチはイリッチとワンツーを行う。フリンクスを振り払ったイリッチがDFラインの前でフリー。DFラインを高めに設定しているドイツ。ヤンコビッチは中央に進出してメツェルダーの裏を取って終了。SBがラインを維持しているか、もっと早い段階でラインを壊してカバーリングをしていれば、防げたかもしれない。それにしても元マジョルカのヤンコビッチが元気そうで良かった。先制点は18分にヤンコビッチ。
その後は攻めまくるドイツ。バラックがサイドチェンジで攻撃のリズムを調節したり、上下動を繰り返して攻撃の流れを改善しようと試みていたのが印象的だった。自由に動き回るのを許されているのがバラックだけなのか、そういう発想ををできるのがバラックだけなのかは不明。全体的に自分のポジショニングを守ること重視していて、意外性のある攻撃はあまり見られなかった。
フリンクスが2列目から飛び出して、あわやPKの場面があった。つまり、そこになんでお前がいんだよ的な、日本で言うなら田中マルクス的な動きをする選手が非常に少ないドイツ。真面目さからか、ブンデスにそういう慣習がないのか。
意外性のない真面目な攻撃ならば、セルビアでも跳ね返し続けることができる。セルビアの守備の良さは危険察知能力の高さ。具体的に言うと、早いファウル。直接狙われてしまう位置の前に危険を積むことによって、攻撃の流れを分断していた。ドイツは空中戦に自信を持っているだろうが、セルビアも同じくらい自信を持っているようで。前半は1-0で終了。
他の印象にのこったのは、ドイツのDFラインの高さ。コンパクトサッカーを目指しているのだろう。でも、それにしても高すぎる。バラックがフリンクスの横にいれば、それでもまあ何とかなるだろうけど、自由人のバラックは守備のときに自分のポジションに戻るまでに時間がかかる傾向がある。となると、フリンクスの横がどうしても空いてしまう。そこで相手にボールを受けられると一気にピンチ。
つぶし役はゾーンを飛び越えるCBの役目。そこで潰せないとゲームオーバーである。裏を取られたミスを取り返すかのように、メツェルダーが気迫で相手を潰しているのが印象的だった。
■またまたゾーンの弱点
ドイツはガチンコのようである。メルテザッカー→フリードリヒ。ラーム→不調の噂のあるポドルスキー。メツェルダーを残すあたりがさすがである。フリッツがSBに入って、シュバが右のSHにくるのだろう。やる気満々である。セルビアはラゾビッチが登場。
最初にチャンスをつくったのはセルビア。ヤンセンサイドを攻略し、クロスをバーに当てる決定機となった。ドイツのDFは個々の能力が実はそんなに高くないのかもしれない。ドリブルで突っかけまくる選手には弱そうな印象。
しかし、基本的には前半と変らずドイツがボールを持つ展開。右にポジションを移したシュバは左サイドほどの存在感を示せず。シュナイダーの離脱はカンナバーロの離脱並みに痛いかもしれない。
左サイドに入ったポドルスキーは、予想通りに中へ中へ侵入してきた。そこにはクラニーとマリオゴメスがいて仕事を奪っていた。選手間の距離が近いのを利用したコンビプレーも見られたが、マリオゴメスにボールが入らなくなったのはポドルスキーの影響がありそうである。
ポドルスキーが中に侵入するので、ヤンセンは上がりたい放題。しかし、ポドルスキーがSBを使うのがあまりうまくない切ない事情。他の選手からは良いボールが来るが、ポドルスキーからは。。。
70分にフリンクス→ロイフェル。クラニー→、まだ代表なのかノイビル。クラニーは周りに気を使ったのか、前を向いて勝負をする場面が心なしか少なかった。てかノイビルはまだいたのか。
試合は淡々と進む。同点ゴールが生まれたのは自由人ポドルスキーとバラックのコンビからであった。皮肉にもポジションがかぶった2人に相手のマークは1人。パス交換でバラックが相手のギャップでボールを受けて、ヤンセン→まさかのノイビルで同点ゴール。75分にシュバ→オトンコール。右サイドは悩みの種のようで。
同点ゴールはバラックのFK。その前のノイビルのサイドに流れてのポストプレ→ヤンセンの飛び出しの流れがすばらしかった。そういえば、マリオゴメスやクラニーはあまりサイドに流れない。ノイビルが違いを見せつけた瞬間である。
試合はそのまま終了。得点を生んだのはバラックとポドルスキーのポジションに取らわれない動きとノイビルのサイドに流れる動きであった。つまり、ポジションを破壊して得点が生まれたが、チームとしてそれを目指しているわけではないのが何ともいえないところ。
■独り言
さすが優勝候補。なんだかんだいって、結果を残すのはさすがである。チームとしての完成度も高く、チーム全体での守備のレベルも高い。特に攻守の切り替えはトップクラスかもしれない。
問題は右サイドの攻撃が微妙であること。バラックを押さえられると、実は厳しい現状。ヤンセンの攻め上がりをケアされると意外性がさらに減る。また、DFラインが非常に高いので、相手があほみたいに裏に放り込んで、ヨーイドンを続けられたらどうなるのだろうか。レーマンに飛び出しのセンスがある印象はまるでない。
カウンターを基本としているチーム、ドリブラーがたくさんいるチームに要注意。意外性の賭けに出る前に、マリオゴメスやクローゼが決めてくれれば、楽に行けるんだろうな。キーマンはバラック、ヤンセン、レーマン、マリオゴメス。さて、どこまでいけるか。
posted by rijkaard |09:45 |
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2008年06月03日
いつのまにか優勝候補のポルトガル。フィーゴ、ルイコスタ、パウロ・ソウザの時代から、何が変ったのだろうか。モウリーニョ??ブラジル人の加入??答えは闇の中。ただし、ルイコスタ世代が最後に輝いたのは立派だった。それにしても、なぜにグルジアとやるのだろうか。日本がマルタとやるようなものか。実はポルトガルを恐ろしく久しぶりに見る。グルジアは誰も知らないので省略します。
ポルトガルのスタメンは、リカルド、フェレイラ、カルバーリョ、ペペ、ボシングワ。DFラインにチェルシーの選手が3人もいる。フェレイラが左。
中盤はベティ、モウチーニョ、デコ。マニシェとコスチーニャの時代はいつのまに終わったのだろうか。モウチーニョは噂の選手として、ベティって誰??
前線はクリロナ、ヌーノゴメス、シモン。キャプテンは、、、なんとヌーノゴメス。EUROでブレイクしてその後ぱっとしたのかしていないのかさえ謎なヌーノゴメスが未だにスタメンとは。実は親善試合で負けまくっているらしい。
■4年前と比べて
本選に出るための予選。ポルトガルは2位通過である。ちなみに、1位はポーランド。ポルトガルの成績は7勝6分1敗。引き分け多いぞ!!!という話。勝ちきれないチームなのだろうか。
システムは4-1-2-3。バルサシステムである。ただし、デコシャビの位置に当たるデコ×モウチーニョのどちらかが頻繁にボールを運びために、ポジションを下げることがある。嘘。デコがその仕事のすべてを担っているといっても過言はないだろう。4年前はマニシェがうまくボールを前線に届けていた。その役割をこなすデコ。では、4年前のデコの役割をモウチーニョが担っているかというと、そんなことはない。その役割はデコのまんまである。
4年前のウイングはフィーゴとロナウド。フィーゴが左サイドから中に切れ込んできて、ロナウドは縦への突破を狙っていた。今回のスタメンはロナウドとシモン。ロナウドは左右関係なく動き回る。時間がたつにつれて、左サイドにそのポジションを固定。シモンは動き回るロナウドに合わせて、ポジションを代えていた。ただ、シモンは左サイドのほうが得意そうである。ロナウドはどっちでもいけそうだけど。
さらに、右サイドは後ろからチェルシーに移籍が決定しているボジングワが、がんがん上がってくる。ボシングワの上がるスペースを空けるために、さらに周りに気を使わないといけない右WGのポジション。何となくバランサーでFWの動きもできる選手がやったほうが破壊力が増しそうである。左SBのフェレイラはそこまで攻撃参加してこないので、WGはサイドに張り付くことができる。
シモンは窮屈そうにプレーしていた。周りの選手のためにスペースを開ける動きを厭わず、意外な献身性を披露していたが、それが持ち味の選手ではない。2点目に絡んだ、中央に移動しての飛び出しは見事だったけれど、それが強豪相手に発揮できる保証はない。右をロナウドに、左をシモンにしたほうが、明らかに良さげだけど、ロナウドが成長しすぎて、チームのパワーバランスが歪んでるんだろうなって。
そして、先制点を決めたモウチーニョ。マニシェに比べると、全然試合に張り込めていない。シャビデコの位置だから、というポジションに拘ったプレーが目立った。つまり、俺は高い位置でプレーするんだ見たいな。その結果、試合に入れないまま終了。デコが長短のパス、ドリブルを織り交ぜて試合を組み立てているのに対して、モウチーニョの存在感は希薄だった。4年前のフィーゴのようだった。就職活動で気合が入っているのかもしれない。
それでも、攻守の切り替えの早さで貢献したり、守備で相手を追い掛け回せば救いがあるものの、そんなこともなく。親善試合なので、モチベーションに左右される後ろへの守備について、文句を言いたくないが、ちょっとひどかった。そんなモウチーニョ。点を決めただけであった。
そんな事情なので、守備の粗はかなりたくさんあったが、スルーしようと思う。ちょっとカウンターにもろいかなと感じるが、ペペとカウバーリョならば耐えてくれそうな気もする。危険なのはボシングワの裏を意識的に相手に狙われたときだろう。わざと、ボシングワの前を空けて攻撃参加させる作戦を取れば、案外簡単に負けちゃいそうなポルトガル。ニハトに狙われたら危ない危ない。
整理しよう。ポルトガルの弱点はデコの相棒と右WG。ボシングワの上がった→右WGが悩む問題を、いかに解決させるか。例えば、ボジングワの攻撃参加を警戒して、相手がFWをボシングワのマークをさせたとしよう。そうなれば、ボシングワは攻撃参加しなくなるが、右WGがサイドに貼り付けるので、実はそっちのほうが恐ろしいかもしれないポルトガル。つまり、ボジングワの裏をいかにして狙うか。ポルトガルの攻撃を左サイドからさせるか、右サイドからさせるのかが勝敗の鍵を握りそうである。
前線からの攻撃的なな守備を行っても、相手がペペとカウバーリョとリカルドでは分が悪い。基本的にはハーフラインの自陣よりから守る形となる。故意に左か右サイドを空けて耐え忍ぶのが、基本的な形となるだろう。4年前と同じように、中央に飛び出してくる選手は少ないので、意外に守りきれるかも。だから予選で引き分けが多いのだろうかと予想。
■独り言
デコの相棒が難しい。ユベントスで腐っているだろうチアゴは、代表に呼ばれているのだろうか。それくらいしか思いつかない。それかペティの横に誰かを並べて、デコの負担を軽減させてあげたほうがよさそうな気がする。ペティは非常に良かった。もう31歳らしい。最後に頑張ってほしいぞ。
ちなみに、後半は省略。グルジアは77番のケニアが非常に印象的だった。ポルトガルの本選の相手はチェコ、スイス、トルコ。一番怖いのはトルコ。唯一カウンターを仕掛けてきそうな気配である。スイスの攻撃的な守備はポルトガルならば、かわせるだろう。チェコが謎。コラーしだいなんだろうな。つまり、トルコ戦が最大の山場となりそうである。
posted by rijkaard |10:15 |
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2008年06月02日
ポルトガルのスタメンは、リカルド、ヌーノバレンチ、カウバーリョ、アンドラーデ、ミゲル、マニシェ、コスチーニャ、デコ、ロナウド、ヌーノゴメス、フィーゴ。ぎりぎりフィーゴが生き残っている。4年前なのに、こっちはずいぶんとメンバーが変ってきている。急にポルトガルは優勝候補になったんだけれど、何でだろうね。
イングランドのスタメンは、ジェームズ、アシェリーコール、キャンベル、テリー、ネビル兄、スコールズ、ジェラード、ランパード、ベッカム、ルーニー、オーウェン。クロアチアとロシアにやられたイングランド。原因は監督の不在だろうなって。ジェラードとランパードの共存はどうなのか、再検討です。
■イングランドの事情。
開始2分。ジェームスのロングキックをコスチーニャが処理ミス。後ろにそらせてしまうのをオーウェンが狙っていた。とんでもない嗅覚。うまく体を回転させながらシュートを決める。そういえば、ルーニー18歳が絶好調だったんだっけ。
イングランドのシステムはフラットな4-4-2。スコールズが左サイドにいる。たびたび中央に進出することがあるが、攻撃の場面自体が少なかったので、目立ってはいなかった。もっとボールを支配することができれば、スコールズ、ランパード、ジェラードでボールを繋いで空いたスペースにアシェリーコールが飛び出してくる場面が見られたのかもしれない。
守備の場面も4-4-2。ときどきルーニーが中盤まで下がってきてハードワークを行うため、4-2-3-1になる場面もちらほら。しかし、チームとしてはルーニーとオーウェンには守備よりもカウンターに備えろという狙いが明白であった。思いついたようにルーニーが守備を行えば、ランパードとジェラードともに相手を挟み込めたりしたが、守備をしなければ、コスチーニャがフリーになる場面が何度も見られた。つまり、システムの欠陥である。
解説者曰く、今年のイングランドはハイボールでなくて、細かいパスで攻撃を組み立てるそうだ。しかし、ポルトガルのリバプール並みにプレスによって、テリーとキャンベルは精度の落ちた無茶蹴りを敢行。こぼれ球はほとんどポルトガルに拾われていた。攻撃を組み立てる場面などほとんど見られることはなく、チャンスはジェームスの超ロングキックが中心となっている悲しい現実だった。でも、それで先制点を取るのだから凄い。
そして、ルーニーが本当に絶好調。しかし、そのルーニーも試合中に相手に足を踏まれて靴が脱げる。そのときに怪我をしたようで、27分に交代。代わりはヴァッセル。ヴァッセルは守備を思いつきもしないので、イングランドは2ラインで後ろに引きこもりを余儀なくされちゃった。
イングランドの攻撃はジェームスのロングキック、右サイドのベッカム×ネビルのゴールデンコンビ、ルーニーの個人技くらいであった。守備は全員体をはっていたが、賢い守り方ではなかった。中盤と前線の距離が間延びしすぎである。カウンター狙いならば仕方ないけどさ。
■ポルトガルの事情
開催国、ポルトガル。パウロソウザ、フェルナンドコウトらの黄金世代の最後の舞台と言われているEURO2004。でも試合に出ているのはフィーゴだけだ。そのフィーゴの気迫ったら凄かった。ボールをドリブルで運んで、仕掛けて、クロスを上げて、シュートを打って、ボールを奪われたら相手を追い掛け回してと教科書に載せたいくらいだった。フィーゴでさえもあんなに走るんだってさ。
ポルトガルのシステムは4-2-3-1。中盤はFCポルト。どうやらこれがポルトガルの強さの秘密のようである。攻撃は丹念に細かいパスと、ドリブルを組み合わせている。イニエスタのように、デコとフィーゴはドリブルでボールを運ぶ能力を持っている。また、イングランドは高い位置から守備を行ってこなかったので、コスチーニャらが余裕でボールをもてたのはポルトガルにとって好材料であった。ルーニーが健在な25分くらいまでは苦しかったけれど。
テリーとキャンベルがそろうイングランドに、ロングボールで太刀打ちできるわけはないので、サイドから、がんがん攻めまくるポルトガル。攻撃の中心はフィーゴとデコ。特にフィーゴは異次元だった。他の選手が相手のフィジカルに潰される中、1人すいすいとドリブルを行っていた。なんなんでしょうか。
ロナウドは、ライバルであるアシェリーコールにてこずっていた。この2人のマッチアップは本当に面白い。20分以降から、ポルトガルは攻撃の枚数を増やしてくる。より、ロナウドとフィーゴに自由を与えるために、SBが攻撃参加。特にロナウドをアシェリーコールと当てないためにミゲルがどんどん上がってきていた。しかし、当時のロナウドに中央で仕事ができるスキルはまだない。
そんなわけで、ポルトガルは最後の最後の壁を崩せないまま、前半が終わる。イングランドの引きこもり傾向は、時間がたつにつれ強くなっていった。パワープレーが苦手なポルトガルの命運やいかに。
ここで、マニシェとコスチーニャに注目。ポルトガルの太陽がフィーゴとデコならば、月はコスチーニャとマニシェ。コスチーニャは中盤の底でバランスを取る。特に相手のロングキックのこぼれ球には恐ろしく注意を払っていたし、前線の鬼プレスによって発生するイーブンボールに対しての集中力はすさまじかった。
そしてマニシェ。恐らく、コスチーニャはそこまでボールを繋ぐのがうまくない。よって側でサポートするマニシェ。そして攻撃の場面では全員のサポートを行う。繰り返される上下動。デコが存分に持ち味を発揮できるのはこうした阿吽の呼吸が元になっているんだろうなって。
■変化できないイングランド
後半のイングランドは、前半よりも戦い方を明確にしてくる。FWも守備に参加。攻撃は手数をかけずに前線へ。ルーニーほど効果的な守備をしているわけではないが、それなりに守備をするFW。まずは、守備から、運が良かったらカウンターで点を取ろう作戦。ただ、この作戦だったら、、ジェラードとランパードを無理に使う必要性がない。個人的にランパードのセンターハーフは好かないぞ。ポジションが後ろすぎて、攻撃の持ち味が発揮されることが少ない。
後半も基本的にはポルトガルが優性。しかし、ロナウドはアシェリーコールにてこずっている。イングランドの守備の優秀なところは我慢強さ。足技のうまいポルトガルに対して、意地でも飛び込まない姿勢で対処している。
前半に比べると、サイド攻撃が減っているポルトガル。原因はフィーゴ。左サイドから中央に絞って仕掛けまくり。中盤の深い位置からでも仕掛けるところまで自己完結する能力は異常。ベッカムは恐ろしく苦労していた。もしかしたら、ベッカムへの復讐か。
しかし、独りよがりな感は否めず、デコまで目立たなくなってきた後半のポルトガル。62分にコスチーニャ→シモン。フェリペがさきに動いた。左サイドのフィーゴに好きにやれとメッセージである。サイド攻撃はシモンがやるからお前さんは好きにやれと。中盤の底はマニシェが担当。イングランドの前線の守備がゆるいので、マニシェ1人で大丈夫と判断したのだろう。
ここでエリクソンがヴァッセルを下げて、トップ下にジェラードかランパードを入れてマニシェとガチンコ勝負をさせたら面白いのに。でも、ヴァッセルは途中出場で、オーウェンはカウンター要員で残しておきたい事情が、判断の邪魔になるだろうな。
左サイドはシモンとヌーノバレンチが、右サイドはロナウドとミゲルが担当。ピッチを広く使った攻撃で相手の距離感を広くしようと画策。そこへデコとフィーゴを飛び出させるのが狙いなんだろうけど、2人ともサイドにボールを展開する舵取りになってしまう。
75分にフィーゴ→ポスチガ。相手の距離感をあけたとしても、真ん中に選手がヌーノゴメスだけでは意味がないとFWを投入。フィーゴを残すか、デコを残すかでデコを選択。ここで今日のフィーゴを下げたのは勇気があるフェリペ。エリクソンは動かないぜ。
ここでフェリペが恐ろしい采配を振るう。78分にミゲル→ルイコスタ。なんとデコが右SBに。確かに右サイドが機能していないけれど、デコをここまで上げるとは。ただし、オーウェンがデコの裏を狙い続ければ、攻撃参加できないはずだ。
デコは右サイドで起点となりそうな雰囲気をかもし出し始める。アーリークロスを連発したりとミゲルよりも器用なのは当たり前だ。ここでエリクソンが動く。ジェラード→ハーグリーブス。駄目だ終わった。
そして同点ゴールが生まれる。シモンのクロスをテリーがかぶってポスチガヘディングで終了。同点に追いついたポルトガル。さりげなくロナウドも中央に詰めてきていた。23本目のシュートらしい。デコの右サイドはどうかというと、アーリークロスを連発するだけであった。ボールもおさまりどころが両サイドにできたのは喜ばしいことだけど、褒めるレベルではない。フィーゴのSBよりはましだろうけど。少し見たいんだが。
イングランドの攻撃をする力は残っていない。ゴールキックの的になり続けたベッカムのFKくらいかと思っていたら、88分にハーグリーブスがマニシェと交錯してFKを奪う。このFKをイングランドはゴールに結び付けるが、キーパーチャージで取り消し。ポルトガルの選手には頭を抱えていた選手もいたので、微妙な判定だったのだろう。そのまま終了。イングランドは厳しさ満点の延長戦である。
■延長戦
イングランドは本当に戦い方が変らない。明確にデコの裏を狙うとか、ボールを前で奪うなどの戦い方を目指せないまま、不器用に守り続ける。左サイドのハーグリーブスが気迫あふれるプレーで攻守に貢献しているくらいであった。
ポルトガルは中盤の低い位置からサイドチェンジを交えて攻勢に出る。デコが右サイドから左サイドへパスを連続する場面が目立った。後半はアーリークロスが多かったものの、延長になったら繋ぐ場面が増えた。それもこれも、右サイドのロナウドがアシェリーコールに勝てなかったのが原因だろう。
シモンが積極的に仕掛けるものの、壁となって立ちはだかるキャンベルとテリー。守備は強い。問題は攻撃。ポルトガルはデコとヌーノバレンチを高い位置で使っているので、2対2に持ち込めそうな予感なんだけど、その雰囲気がない。ボールを良い形で全繊維届けられないイングランド。
延長後半になっても基本的なことは変らない。カウンターからルイコスタが奇跡的なシュートを決めたり、イングランドが最後の力を振り絞って攻撃に出てセットプレーからランパードがボールをゴールに押し込んだりと魂のぶつかり合い。
で、PK。リカルドが素手でボールを止め、自分で決めて終了。なぜ素手だったのだろうか。
■独り言
個々の総合的な能力はイングランドのほうが強かった印象を受けた。特にフィジカル面で大きな差があったと思う。戦術面で両者の間には超えられそうもない壁があったけれど、PKまで持ち込めた要因はまさにそれかと。
逆にイングランドは戦術面が整備さえすれば、恐ろしいチームに生まれ変わりそうな予感。生まれ変わらなかったから、今年出場できないんだろうけど。ポルトガルが選手交代と同時にシステムを変更してきたのに対して、イングランドは終始一貫していた。悪い意味で。
ただ、昔に比べると色々なシステムが見られるようになったプレミア。今後は期待できるんですかねカペッロさん。ただ、自分のお気に入りのポーツマスとトッテナムにはイングランド人が少なくて困った。CBはたくさんいるんだけど。
posted by rijkaard |13:27 |
EURO2008の予選 |
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2008年05月30日
オランダのスタメンは、ファンデルサール、ジオ、マタイセン、ハイティンガ、オーイエル、エンヘラール、デゼウ、ロッベン、ファンデルファールト、スナイデル、ニステル。レアルトリオがそろってスタメン。ドレンテはまだか。オランダなのに4-2-3-1のファンバステンであった。今のところ、今季のオランダは優勝候補にふさわしい戦いをしてはいない。
デンマークのスタメンは、クリスティアンセン、ヤコブセン、クロルドルップ、アンドレアセン、ウィリアム、ポウルセン、ペレス、ヨルゲンセン、カーレンペア、ロンメダール、ベントナー。いまいちベストメンバーなのかわからない。
■やるじゃないかオランダ
予選と本選は別物なのだろうか。それとも欧州のチームは短期間でチームを完成させるのが得意なのだろうか。予選の時に比べると、オランダのするサッカーには明確な意図を感じることができた。
基本はボールポゼッション。両SBを高い位置に上げて、スナイデルとロッベンを中に絞らせる形。どこかで見たことある形である。ただし、4-2-3-1なので、スナイデルたちが中に絞ると、ファンデルファールトとの距離が近くなる弱点がちらほら。
組み立ての中心はCBとDH。ハイティンガとマタイセンは守備に難があるものの、楔のパスを通すのは好んで行うようである。DHはデゼウとエンヘラール。特にエンヘラールは攻撃が大好きなようである。ただし、この2人が攻撃参加すると、前線はさらに大渋滞になるので、ボールを運ぶことに尽力。
序盤は4-1-4-1で丁寧に守るデンマークの前に、前線にボールを届けられないオランダ。デンマークの厳しいチェックの前に前を向けないオランダのDHコンビ。デンマークのプレスは非常に質が高かった。特に前を向かせないタイミングでのプレスが秀逸で、オランダはバックパスだらけになってしまう。
また、デンマークのDFラインが非常に高かったので、中盤の密度が非常に濃かった。強引にボールを入れても、ボールをキープできるかは謎である。実際にファンデルファールトたちは何度か潰されていた。デンマークのボールの奪いどころはオランダの長所。長所を潰せば意気消沈。
機転をきかせたジオが、一気にロングパスでニステルが裏に飛び出す惜しい場面があった。しかし、ロングパスはほとんど少なく、相手のDFラインを下げさせるための裏狙いロングパスはもう少し多くてもよかったのではないかと。
意地でもボールを繋ごうとするオランダ。前に運べないけれど、危険な位置でボールを奪われそうな予感はない。それだけ、エンヘラールたちは安全にプレーしていた。そして動いたのはスナイデル。スナイデルが積極的に中盤に降りることで、オーイエルがさらに攻撃的なポジションを取ることが可能となる。スナイデルが降りてボールを前線に運べるようになり、オーイエルが高い位置でボールを受けることで、デンマークの選手は中央からサイドへ移動しなければいけない。よって、徐々に選手間の距離が離れることになる。
ボールをサイドに運べ始めたことで、中央が空くし、ファンデルファールトもスナイデルほどではないが、ボール運びに協力し始める。すると、ロッベンが中央でボールを受けて仕掛けたり、サイドで仕掛けたりと徐々にオランダの時間になっていく。
WOWOW曰く、ロッベンの怪我体質は背中がかたいかららしい。レアルのメディコが言っていたそうな。その背中は無事に治ったようでロッベンはここから怪我をしなくなるのだろうか。怪我をしないロッベン。鬼に金棒である。
前線までボールを運べました。両SBも攻撃参加しています。攻撃をフィニッシュで終わらせることができれば問題ないけどボールを奪われたらカウンターの危機。オランダは常に守備を意識することで、その問題を解決しようと試みた。早い攻守の切り替えは見られたが、ファーストディフェンダーがあっさりかわされて、さらに守備の選手があまり強くない状況で、あっさりと自分達のゴールまでボールを運ばれてしまっていた。これは問題だね。でも、早い攻守の切り替えは見られたので、あと少し。
先制はオランダ。ファンデルファールト→ニステル→スナイデル→ロッベン→ニステルでゴール。すべてワンタッチのすばらしいゴールだった。是非映像をご確認ください。レアルトリオはオランダに良い影響を与えたのかどうなのか。
この得点場面に象徴されるように、オランダのパス回しはかなり質の良いものであった。また、コーナーキックからのカウンターの切れ味も鋭く、ファンデルファールトのシュートの質さえ上がれば。3-0も夢ではなかったはず。すべてはスナイデルの頭脳から始まったオランダの攻撃。前半は1-0で終了。ボールが回ってからは、各所から楔のボールが乱発され、デンマークの守備は機能しなくなっていた。それでも頑張っていたけど。
■誰をどこで使うか
オーイエル→デヨング。カーレンペア→トマソンで後半が開始。オランダはロッベンとスナイデルの位置を入れ替えてスタート。これでバランスを崩したオランダ。オーイエルの高い位置取りがデンマークの守備を横に広げたわけだが、後半から出場のデヨングはオーイエルのように振舞うか、最初は様子を見るかで多分迷う。そんなときに、目の前のスペースをロッベンが埋めたら、誰でも攻撃参加しないだろう。
右にいったスナイデルにはボールが届かず。ただし、SBの位置取りは前半に比べると下がったように感じた。SBが飛び出さなければ、前線の選手がサイドにいなければいけない。すると、中央の枚数が減る。つまり、DHのパスの選択肢は減る。ここで、すばらしい展開力がオランダにあれば言うことなしだが、そこまうまくないオランダのDHコンビ。
攻撃が機能しない、もともと守備はうまくないのコンボで、デンマークが試合の流れを徐々に引き寄せていく。それにしてもファンデルファールトが試合に馴染めていない。そんなデンマークは猛攻を見せる。オランダは、前線や中盤の選手が後ろに戻らない
←カウンター狙いかも、なので、ちょっと間延びした状態になっていく。そこをベントナーのキープ力とポウルセンの意外な飛び出しにやられて同点になる。55分のことだった。
ここからオランダは崩壊気味。デンマークの好き勝手にやられてしまう。特にセットプレーの守備で相手をフリーにしてしまう悪癖は前半から治りそうもなかった。64分にファンデルファールト→カイト。頑張りやの登場である。ニステル→ヘッセリンク。エンヘラール→デクレル。
この交代で、前線を左からロッベン、ヘッセリンク、カイト。その下にスナイデルにして前線が復活。ようやく本職のポジションの位置したスナイデル、左サイドのほうがやっぱり強いロッベン、中央にどっしりにヘッセリンク、神出鬼没のカイトで右サイドも活性化してオランダの時間が戻ってくる。
81分にスナイデル→アフェライ。PSVの星。ロッベン→バベル。しかし、ときすでに遅し。テスト感満載のまま試合は終了を迎える。
■独り言
オランダは決定機を量産したものの、外しまくったのが本当。ファンデルファールト、ロッベン、スナイデルは点をとってもかしくなかった。それだけ、デンマークを崩していたことは評価できる。しかし、デンマークにコーナーキックを当たえまくるなど、攻め駒得る場面がかなり目立った。この守備だと本選は結構厳しいかもしれない。ダークホースになりえても、優勝候補に上げるのは相当厳しい。
キーマンはロッベンとスナイデルとニステル。つまり、レアルトリオ。そして、ファンデルファールトかファンペルシーが存在感を発揮できれば、フランスとイタリアを攻撃で粉砕できるかもしれないが、その可能性は少ない。覚醒待ち。
posted by rijkaard |09:43 |
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2008年05月29日
WOWOWの謎の再放送。放映権を持っているならば、リーガが休みのときに、過去のEUROを流してくれれば良いのになと。それにしても、みんな若いぞ。
イタリアのスタメンは、トルド、マルディーニ、カンナバーロ、ネスタ、ユリアーノ、ディビアッジョ、アルベルティーニ、ザンブロッタ、フィオーレ、デルピエーロ、インザーギ。懐かしい名前がたくさん。でも、現在も代表の主力を担っている選手がちらほらってカンナバーロくらいか。監督はゾフ。
オランダのスタメンは、ファンデルサール、スタム、フランクデブール、コク、ゼンデン、ジオ、ボスフェルト、ダービッツ、ベルカンプ、クライファート、オーフェルマルス。この頃のメンツに比べると、今はどうなんだ。監督はライカールト。
■ザンブロッタがいなくなるまで
イタリアはメンバーを見れば分かるように、クラシカルな4-4-2である。オランダは4-3-3。DFは左から、ジオ、フランクデブール、スタム、ボスフェルト。ジオは攻撃的に、ボスフェルトは守備的でCBのような動きをしていた。中盤はダービッツ、コク、ベルカンプ。最強である。前線は左にゼンデン、右にオーフェルマウス、トップにクライファート。
2000年は未だ攻撃的な守備が市民権を得ていないようで、デルピッポがあまり守備をしていないことに時代を感じた。オランダは中盤でボールが詰まると、後ろにボールを戻して状況を改善していた。それにしてもフランク・デブールのキック精度はやばい。
オランダの攻撃の中心はクライファートとベルカンプ。この2人にボールを預けると攻撃が加速する。クライファートはカンナバーロを背負いながらのプレーが多かった。ベルカンプは相手のDFとMFの間、つまり、相手のいない絶妙な場所でボールを受ける場面が多かった。10分くらいにユリアーノを交わしてポスト直撃を放ったベルカンプ。めちゃくちゃうまいぞ。
ただし、弱点もちらほら。ダービッツとコクがなかなか前を向けない。対面のアルベルティーニとディビアッジョが交互にプレスに来るのも原因のひとつだが、単純にうまくない。特にダービッツはセーフティーなプレーがあまりに多く、攻撃を停滞させていた。ポゼッションが高い割りに、シュートまで持っていないのはこんなところだろう。
さらにウイング。ロッベンやファンペルシー程の破壊力がないオーフェルマウスとゼンデン。特に右サイドのオーフェルマウスとボスフェルトコンビは散々だった。オーフェルマウスはマルディーニに苦しめられ、ボスフェルトはウイングを助けるどころか、慣れないポジションで戸惑いを連発。フランクデブールからのサイドチェンジをチャンスに結び付けそうな気配はまるでなかった。
左サイドのジオとゼンデンは右に比べればましであった。ただし、右サイドは突破するよりも、クロスを上げることにプライオリティを置いているようだった。確かに中央にはクライファートとベルカンプが飛び込んでくるので、へたな鉄砲、数うちゃ当たる理論を採用すれば正解だが、イタリアがそう簡単にクロスから失点するか、しかも中央がベルカンプとクライファートだけで。コクやダービッツが飛び込んでくれば、面白くなるけど、その気配はなし。
つまり、オランダはクライファートとベルカンプにボールが入ったときしか得点の匂いがしない状態であった。序盤こそベルカンプが何度もボールを受けてチャンスを量産していたが、イタリアがベルカンプに対応。サイドから攻められるのは良いから、中央の密度をより高めることで、ベルカンプにボールが入らなくなる15分以降。ただし、ディビアッジョとアルベルティーニでオランダ中盤3人衆を相手するのは数的不利なので、デルピエーロたちがちょこちょこ守備を助け始めたのも原因の1つ。あまりにボールがこなかったので、暇になったのかもしれない。
イタリアが徐々に守備を機能させ、試合に対して影響力を強めてきた頃にザンブロッタが2枚目のイエローで退場。1枚目のイエローが非常にかわいそうだった。なんにせよレッドに値するかどうかは微妙な判定。今日のゼンデンをファウル覚悟で止める必要があったかとか経験が足らなかったのだろうな22歳のザンブロッタ。奥寺さんの言うように、しょうがないといえばしょうがない。34分の出来事だった。
■10人で守りきろう。
イタリアは4-4-1にシステムを変更。頂点にインザーギ、ザンブロッタの位置にデルピエーロを配置。そして11人のときよりも、中盤のラインを恐ろしく下げた。DFラインはペナルティエリアの少し前、その5メートルくらい前に中盤のライン。さあ攻めて来いオランダ、という感じである。
この守り方だとオランダのSBががら空きになる。そんなボスフェルトがこの試合で初めてのオーフェルマウスとのコンビを披露。そのクロスをクライファートがエリア内でキープして、ネスタが引っ張ってPK。辛い判定である。ネスタ激怒。しかし、フランクデブールが外すから面白い。
デルピエーロの献身的なプレスに連動したイタリアのプレスは、やっぱり簡単にかわされる。このプレーによって、高い位置でプレスに行ってもボールを奪えないことが判明したイタリアは引きこもりを迷わずに選択。オランダの自由に振舞えるスペースはDFラインとダービッツ×コクライン。実はオランダにとっては辛い状態に。ベルカンプのプレーエリアが極端に狭くなってしまう。つまり、イタリアが空けたスペース、DFライン、中盤の底はオランダの長所でなく短所だったこと。短所が頑張れるかどうかで勝敗が決まりそうである。
ザンブロッタが退場してからの、前半のオランダのチャンスはロングボールをクライファートが神トラップでシュートまで持っていった場面くらいであった。
■工夫のないオランダ
後半のイタリアは、あわよくばカウンターで1点という意識がありありと感じられた。高い位置でのスローインやセットプレーを利用してシュートで終わるか、ドリブルで仕掛けてFKを狙う狡猾なイタリア。
そんなイタリアの前に、試合の流れをつかめないままのオランダ。ベルカンプにはボールが入らないし、サイドには積極性が生まれない嫌な展開。数的有利をまったく活かせていなかったオランダ。選手交代もなく、時間だけが過ぎていく。
そんな中で違いを生み出したのがボスフェルトとダービッツ。前半はさっぱりだったボスフェルト。相手が少ないんだから攻撃的に行くしかないだろうと、高い位置を取り始まる。すると、オランダが徐々に流れを掴み始まる。それに呼応するようにダービッツがベルカンプの位置に並ぶようになれば、フリーな選手が生まれるのは必然。
2列目から飛び出したダービッツをユリアーノが倒して2度目のPK。これをクライファートがポストに当ててペレに笑われていた。ただし、オランダのお偉いさんはまだ余裕の表情であった。PKを外したけれど、まあなんとかなるだろうみたいな。
もしかしたらザンブロッタが退場してからすぐにポジションを代えたのかもしれない。カンナバーロがゼンデンと妙にマッチアップするなと思っていたら、ユリアーノとポジションを代えたようで。左はマルディーニが抑えて、右はカンナバーロが抑える。オランダのサイドは前半と同じようにイタリアを崩しきれないまま、時間だけが過ぎていった。
先に動いたのはイタリア。インザーギ→デルベッキオ。インザーギにはボールがおさまらないというかそんなプレーを臨むならば、デルベッキオということで投入。しかし、あまり変らなかったのは秘密だ。
次に一斉に動く。アルベルティ-ニ→ペソット。アルベルティーニはちょっと疲れたかもしれない。それか怪我か。中央をディビアッジョ×ペソットコンビで固めるイタリア。オランダはゼンデン→ファンホッセン。がむしゃらに仕掛けるゼンデンをベテランのファンホセンに代えて勝負。ファンホッセンはカンナバーロに勝てるのだろうか。
後半のイタリアはボールホルダーが前を向く前にプレス。もしも前を向かれてしまったら後退、という意思統一がされていた。がむしゃらには守らないイタリアだが、スタミナを消費するのは当たり前のことで、残り15分くらいになると、全体のラインが下がり始める。それと同時にダービッツがこぼれ球を拾い捲る展開でオランダは勝負の時間帯に突入。
そんな時間帯にイタリアはフィオーレ→トッティ。トッティはそのままSHに入った。SHがデルピエーロとトッティ。なんだか凄いぞゾフ。ボスフェルトも攻めていいのか、守るべきか悩む交代策である。ライカールトも動く。ベルカンプ→セードルフ。出たライカールト采配。消されていたとはいえ、ベルカンプが一番得点の匂いを感じさせる選手だったのは、後半も変らなかった。それを下げるとはさすがである。
単純に選手を入れ替えてもあまり意味がない。それにしてもゾフの采配は興味深い。トッティはサイドで起点となって前線にボールを供給しつつ、デルピエーロと同じように守備に奔走していた。
延長戦のオランダのポイントはDFの攻撃参加だろう。コクがいるので、思い切って攻撃参加しても面白いが、スタムとフランクデブールにそれができるだろうか。ここでいう攻撃参加はドリブルだったり、4列目からの飛び出しだったりする。コクを後ろに下げてコクにそのような動きを期待するほうがよさそうである。
後半はイタリアのほうがチャンスが多かった。デルベッキオのシュートがまったく入りそうな気配がなかったので、そんな印象はもたれなそうだけど。
■FWが足りない
コク→ビンター。コク下げちゃうのかよ。延長のオランダはオーフェルマウスとファンホセンの位置を入れ替えて勝負。どうしてもサイドを復活させたい模様。そしてセードルフを中央に固定しないで、両サイドに動き回らせる作戦。
サイドの勝負はイタリアに軍配が上がったが、セードルフの柔軟なポジショニングでボール運びは改善されてきたオランダ。しかし、今度はクライファートが孤立気味に。ワントップで2人を相手するのは疲れるとはドログバ。まさにそんな感じであった。コク→セードルフだったら面白かった予感。
イタリアは防戦一方になりながらも、最後のクライファートやサイドの攻防を制したことで、トルドまでボールが届くことは少なかった。逆にローマホットラインでデルベッキオが決定機を掴むなど、虎視眈々と得点を狙う。
延長後半になると、クライファートがオーフェルマウスとのワンツーでネスタを振り切って決定機を掴む。しかし、枠外へ。イタリアはボールを奪うと、少しでも時間を潰そうと画策。1秒でも時間が欲しいのだろう。前線ではファウルを誘って時間稼ぎ。
そんなイタリアの前に、いらだつオランダは最後のパスがかなり雑になっていく。ゴール前は相変わらずクライファートだけ。この時代のウイングは本当にサイドにしかいないんだなと。で、試合は0-0のまま終了。
確かにイタリアの守備は凄かった。11人のときはベルカンプをフリーにする場面が多かったが、10人になってからは誰もサボらないし、集中力が本当に途切れない。印象に残ったのはカンナバーロ。オーフェルマウスとの勝負でボールをサイドに出したのだが、悔しがっていた。
イタリアに幸運だったのはザンブロッタが早い時間に退場したことで、審判のイエローの基準が変ったこと。ディビアッジョは退場していてもおかしくないプレーぷりだったが、さすがに2人目にレッドを出すことには抵抗があったようで。また、オランダの弱いところとイタリアの強いところをうまくかみ合わせていた。ゾフがお見事。結局、サイドはほとんど突破されることがなかった。
オランダは工夫が少なかった。ボスフェルトのアウベスのような攻撃参加は凄まじいものがあった。ただし、結果には結びつかなかったけれど。ジオももっとオーフェルマウスを追い越すような動きが見たかった。けれど、オランダはウイングを追い越してはいけないルールでもあるのだろうか。
■独り言
イタリアの粘り勝ちだけど、オランダのふがいなさが実は目立った試合だった。最後にPKを止められたのが、ボスフェルトだったのが非常に悲しい。さて、8年たって今年はどっちが勝つんだろうね。
posted by rijkaard |08:33 |
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2008年03月28日
スペインのスタメンは、カシージャス、カプテビラ、マルチェナ、プジョル、セルヒオラモス、セナ、シャビ、ファブレガス、シルバ、イニエスタ、トーレス。とうとうセナがスタメンに。ビックニュースである。スペイン代表のサッカーは昔のバレンシア型になったり、バルサ型になったり、ビジャレアル型になったりと大忙しである。デラレッド出て来い。
イタリアのスタメンは、ブッフォン、グロッソ、マテラッツィ、カンナバーロ、パヌッチ、ピルロ、デロッシ、ディナターレ、ペロッタ、カモラネージ、トニ。イタリアもミラン型だったり、ローマ型だったりで大忙し。トッティがいたら完璧にローマのような。アクイラーニ出て来い。
■スペインの紹介
スペインのシステムは4-1-4-1。アンカーに誰を持って来るんだとバルサと同じ問題で論争が起きていたが、セナで結論が出そうである。繋げて守れるセナ。アルベルダがあんな状況なので、怪我さえなければスタメン間違いなしだろう。
攻撃の形はビジャレアルに似ている。王道のポゼッション。細かく繋ぐときと、ボールを飛ばして相手の裏を狙うプレーのバランスが良い。イタリア戦でも何度かトーレスが相手の裏を狙って飛び出していた。ほとんどがギリギリオフサイドであったが。中盤の誰からでもロングスルーパスが飛んでくるので、DFラインを高くして守るのは難しい。
序盤のイタリアはDFラインを高めにして、中盤のスペースを潰しにかかったが、時間がたつにつれてDFラインを低くしてゴール前に壁を作るようになった。何度も裏を狙われたり、中盤でボールを奪えなければ、当然引きこもることが多い。相手が引きこもれば、今まで以上にボールが回るようになるスペイン。
相手が引きこもったらどうする。こんなときに、残念ながらスペインにはパワープレーという選択肢がない。よっぽど、ピンポイントのクロスを上げないと、得点には繋がらない可能性が高い。
よって、ゴール前でも徹底的に繋ぐスペイン。シルバ、シャビ、イニエスタがトーレスを孤立させないように、FWの近くを走り回っていた。システムとしては、4-1-2-3に変化することもあり。ファブレガスがアーセナルほど前線に飛び出さないのが気になった。特にシルバがトーレスと縦関係になって、相手のギャプをつこうとする動きは、相手にとって最悪だろう。DFラインと中盤の間のスペースに気を取られれば、前への圧力が弱まってしまうし。
中盤の4人はあまりサイドには流れない。特にイニエスタは自由人のように振る舞い、シルバも中央にいる意識が高いように見えた。これもそれも、SBの飛び出しを促しているのだろう。カプテビラは組み立てに絡み、セルヒオラモスは仕掛けの場面で強さを発揮していた。
カプテビラは前の選手を追い越す形でなく、パスコースを増やし、相手をひきつけることでチームに貢献していた。さすがである。逆サイドのセルヒオラモスは効率という面から考えると微妙。独力で突破できるかというと、そんなに可能性が高くない。相手に引っかかることが多いので、何とか複数で右サイドを攻略できれば面白くなりそうな。ヘススナバス×ダニエウアウベスのように。
基本的な流れはスペインがボールを支配して、イタリアゴールに迫る。さすがはイタリア、カテナチオ。決定機は2列目から飛び出したシルバの落とし→走りこんだトーレスとファブレガスのミドルくらいであった。
イタリアの立場からすると、スペインは強引に仕掛けてくる選手がセルヒオラモスしかいなかったので、怖さがなかったかもしれない。スペインの立場からすると、ボールを奪われたことも考えなければならないし、前半のうちからリスクのある攻撃をするわけないじゃんという思考だったかも知れない。スペインの姿勢については、後半の交代策でその答えが分かるだろう。
ちなみにイタリアの攻撃はトニ狙いとピルロ経由という非常に原始的な戦い方であった。ローマの形なのに、やってることはなんだと。ペロッタをだす意味がまるで見出せなかった。前半の交代は17分にプジョル→アルビオル。プジョルは少し痛めたみたいであった。
■誰がキーマン
後半の交代はトーレス→ビジャ。どうやらスペインはやる気満々のようである。後半の攻撃に期待が持てそうだ。イタリアの交代は、ピルロ→ガットゥーゾ、トニ→ボリエッロ、マテラッツィ→バルザーギ。前半に攻撃の中心であったトニとピルロを同時に下げたイタリア。イタリアは勝敗に拘るよりも実験に拘るようである。
で、親善試合のイタリアってどうよ、って話なんだけど、最終ラインとかここでさぼったらだめだよね、という場面ではしっかり本気を見せてくれるんだけど、前から頑張ったりはしない印象を受けた。スペインのポゼッションを止めようとするならば、中盤でファウル連発で流れをきるという方法がある。お勧めはできないけれど、本番ではこういうチームが出てきそうな予感。そんなときに若い選手が暴走しなければいいね。
後半も展開は変らず。イタリアは中盤のパス回しが危なっかしくなるが、その分やることがはっきりしたようでもあった。グロッソを使って、ボリエッロのキープ力を活かして、カモラネージが絡んでくる。カモラネージのバー直撃にしろ、ボリエッロのキープから最後はカモラネージと決定機を作っていく。
57分。スペインはセナ→シャビアロンソ、シルバ→リエラを投入。シャビアロンソは久々の代表復帰のような。しかし、この交代で前線は硬直化してしまうような。実際に左サイドは固まってしまった。今までカプテビラがやっていた役割をリエラがやるようになり、カプテビラはリエラを追い越す場面が多くなる。そのぶん守備が。。。。
60分にペロッタ→アクイラーニ。存在感のなかったペロッタ→アクイラーニ。もう少し早く見たかった。この時間からイタリアがボールを持つようになる。アクイラーニのおかげとかではなく、スペインのボールが回らなくなる。強引な仕掛けをやる前にばてたか、交代で流れを壊したか。ボールを失ったスペインはさらにボールを奪い返せない。ボールを失った→すばやい切り替えでボールを奪取の流れはできていた。
しかし、イタリアのDFラインがボールを持って~という形ではプレスの開始位置がばらばらでまったく機能していなかった。DFは後ろで守りたい、前線は前で奪いたい→中盤が間延びのコンボである。中盤にスペースができた結果、ピルロがいなくなったのにボールが意外に繋がるイタリアであった。カシージャスの出番が増えてきた。
68分にファブレガス→ルイスガルシア。アラゴネスの迷走は続く。ルイスガルシアとビジャの2トップにする意味はなんなのか意味不明。スペインはイニエスタが得意にドリブルでイタリアの守備を切り裂き始める。同時にパヌッチ→ザンブロッタ。パヌッチもいつまで代表にいるのだろうか。
75分にイタリアにビックチャンス。カモラネージがデロッシとワンツーで抜け出し、カシージャスと一対一。そこはカシージャスが神がかった動きで防いでいた。嫌な流れのスペイン。それにしてもブッフォンとカシージャスのGK対決は見ごたえがあった。
77分にビジャゴール。まるでジダン。得点の気配などほとんどなかったのに、ビジャが個人技で決めてしまった。またそんなスーパーなシュートをもう少しで止めそうだったブッフォンが恐ろしかった。
失点したことや、スペインのボール回しに脅威を感じなくなったのだろう。イタリアはDFラインを上げて対応。スペインは余計に苦しくなるが、DFラインの裏にスペースができるとビジャが飛び出すことができる。最後の最後にビジャがシャビアロンソのパスから抜け出して決定機を作るが、またもブッフォン。試合は1-0のまま終了。
■独り言
スペインはマルコスセナをアンカーにすれば面白そうである。アラゴネスの決断はどうなるか。そして、ワントップは悩みの種になりそうな予感。点では活躍しているのだけれど、線で活躍できる選手大募集。ボージャンか、タムードか、ラウールか。シルバ、ファブレガス、シャビ、イニエスタに怪我人が出たらやばそうである。守備の問題を解決しないと、本選では厳しそうだね。
イタリアはボリエッロが面白い。セリエを見ていないので、まったく情報がないが注目である。他にはグロッソがリヨンを変らないプレーをしていた。超攻撃的。そしてカモラネージが元気そうだった。なんとなく攻撃の形が見えてこない。攻撃に変化をつけられる選手募集。というか、ローマのサッカーをやらないならば、4-2-3-1にしないほうがいいような。トッティが戻ってくるならば話は別だけど。
posted by josepgualdiola |12:23 |
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2008年03月27日
スイスのスタメンは、ベナッリョ、シュビヒャー、センデロス、エッギマン、ベーラミ、バルネッタ、ギョクハン・インラー、フェルナンデス、リヒトシュタイナー、デルディヨク、フライ。スイスの試合は日本戦以来である。確かマニャンが活躍していたような。あのときのようなプレスをドイツ相手にもやったら凄い。さりげなくシティのフェルナンデスがいる。
ドイツのスタメンは、レーマン、ヤンセン、メルテザッカー、ヴェスターマン、ラーム、ヒッツルスペルガー、シュバインシュタイガー、バラック、フリッツ、ゴメス、クローゼ。注目はゴメス。システムはよくわからない。バラックが攻撃的に振舞うのだろう。そんなわけで、バラックに注目。前回のオーストリア戦では勝ったものの、気の抜けた試合だった。
■ドイツの説明
なかなか興味深いチームとなっているドイツ。まずはシステムを観てみると、4-4-2。中盤の形は状況によって異なる。攻撃のときはバラックを頂点とした菱形。守備のときも菱形が多いのだけれど、状況に応じてフラットになることがある。
相手のDFラインにボールがあるとき、ドイツのFWは熱心に守備をしない気まぐれ型。ただし、ボールが自分達の位置を越えると守備をし始める特殊型である。サンドイッチ作戦でなく、後ろにボールを戻させないようなポジショニングを積極的に取っていた。例えば、スイスの中盤にボールが入ると、ドイツのFWはバックパスの選択肢を削る。確かにこの守備の形だと、コストパフォーマンスはいいかもしれない。攻撃のときにもうへろへろなんてほど運動量も必要としないし。
SHコンビは相手のSBのマークを担当。前を向かせない熱心な守備を行っていた。ドイツはこのSHが肝となりそうである。例えば、スイスの終盤にボールが入ると、しっかり中に絞ってバラックたちとプレスをかけていた。もちろん、サイドにボールが出れば、数的不利にならないように走っていた。運動量、判断力と主に高い水準が求められそうなSHである。
SHが中に絞るので、ドイツの中盤の選手の距離は縮まる。つまり、連携してプレスをかけやすい。抜かれてもフォローがいるので、思い切っていける。さらにバラックの位置が高めなので、自然と衝突が起きる。また、バラックたちが何らかの原因でプレスをかけられないときは、ヒッツルスペルガーが猛烈なプレスを見せる。この試合最大の発見、ヒッツルスペルガー。アンカーとして非常に能力の高い選手である。ボールもらいたい病だし、体も十分にはれる。
そんなわけで、ドイツの守備組織はかなり鍛えられている。でも、弱点はある。スイスのSBが積極的に攻撃参加したときの、ドイツの中盤はずるずる下がっていた。SHが中にしぼることで、中央の密度は高くなる。絞らせなければ、結構薄い。そして、SHをサイドの守備に奔走させれば、中央が空く。ちなみに、そして以下は嘘である。例えば、ベーラミが上がる、シュバインシュタイガーはついてくる、逆サイドのフリッツは中に絞る。よって、問題なしみたいな。
ポイントはいかにしてSHの判断ミスを誘うかということになってきそうである。中→外→中の攻撃が機能すれば、ドイツはちょっとやりにくそうである。つまり、中盤にボール繋がせたら最強選手を複数配置できれば、面白いかもしれない。そして、この試合ではセットプレー、クロスボールに対して簡単に競り負ける場面や、マークがずれる場面が目立った。空中戦に弱いドイツは想像できないけれど、弱かった。
攻撃面を見てみる。ドイツのFWコンビは忍者のようであった。ゴメスは裏に飛び出すのがうまい。クローゼはさりげなくフリーでボールを受ける動きがうまい。要するに、2人ともボールのないところの動きが抜群である。
そんな2人を警戒しながらラインコントロールするのは困難。さらにその二人をおとりにして、バラックが飛び出すこともある。時々みせるドイツのロングボールは要注意。
基本的にはヒッツルスペルガーを経由して攻撃が始まる。SHはここでも中央に絞ったり、サイドに張り付いたりと臨機応変な動きが見られた。SHが中に絞れば、もちろんSBが飛び出してくる。ただし、攻撃は縦への意識が強く、ボールを保持してどうこう、というタイプではなかった。基本的にはFW+バラックに対してシュバインシュタイガーたちがいかに絡むかということ。要するに、まだ、自分もよくわかってないです。
先制点は22分にドイツ。中に絞ったシュバインシュタイガーにスイスはついていけずにスルーパス→ゴメスが中央に折り返してクローゼが押し込んで先制。ポジションを限定しないで動き回ると、楽にフリーになれるのは代表でも変らないようで。前半は1-0のまま終わる。
後半になると、負けるなら美しく精神でスイスが攻勢に出る。DFラインも高めで勝負勝負。何度もドイツに裏を取られるが、気にせずに攻め立てる。しかし、60分に中盤でフリッツにボールを奪われると独走を許す。フィニッシュはゴメス。ビッククラブに狙われるわけだ。
67分にも裏を取ってゴメスが独走。いやらしいくらいに冷静に決めるゴメス。ついでに終了間際に今度はポドルスキーが抜け出してゴール。ドイツはしっかりとスイスの攻撃を抑えていた。
■独り言
何もしないよりはましだったスイス。でも、このままだとやばいぞスイス。スイスのできの悪さにも助けられたドイツ。強豪国と試合してくれないかな。
posted by josepgualdiola |22:00 |
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2008年02月08日
気合の入った組み合わせ。恐らく守備的なフランスに対して、徹底的なポゼッションで挑むだろうスペイン。スペインはワールドカップでのリベンジか。フランスはあまり気にしてなさそうだけれど。
スペインのスタメンは、カシージャス、カプデビラ、マルチェナ、アルビオル、セルヒオラモス、アルベルダ、シャビ、セスク、リエラ、イニエスタ、トーレス。トーレスかよ。そしてシルバの代わりはリエラか。さりげなくアルベルダが出場。動くアルベルダは久々に見る。CBに若干の不安が。
フランスのスタメンは、クペ、アビダル、ギャラス、テュラム、サニョル、マルダ、ディアラ、ヴィエラ、トゥララン、アンリ、アネルカ。まさかラサーナディアラがスタメンとは。それにしても、おなじみの名前が多数。注目はマルダ。。
■スペインの攻撃対フランスの守備
中盤にシルバ、セスク、シャビ、イニエスタを並べるはずが、シルバが怪我のためお休み。代役はリエラ。フレッシュなアルベルダをアンカーで起用。攻撃のときは4-2-3-1。アルベルダの横をシャビがうろうろするのが特徴。他の選手はそこまでボールをもらいに下がってこない。それはシャビがボールを運べているからでもあり、フランスがシャビへの対応をあまりしてこないからだ。
これがバルセロナだと、シャビがボールをもらいに下がってくる→相手が後ろからついてくる→シャビは前を向けないからバックパス→中盤へ戻っていく→デコがボールをもらいに下がってくる→これがエンドレスリピートである。シャビが妙にいきいきプレーしているように見えるのは、相手ががつがつこないからだろう。
攻撃の形はポゼッション。フランスは中盤を自陣に引かせる。しかし、DFラインは高く。つまり、自陣のスペースを消して対応。アンリはほとんど守備に参加せず。39番のアネルカはしたりしなかったり。アネルカは39番に思い入れでもあるのだろうか。
よって、ハーフライン付近では簡単にボールをまわせるスペイン。しかし、フランスの集中力が切れることはなく、仕掛けても崩せないスペイン。ボールをまわしても相手がまったく隙を見せないので、困った状態になる。こんなときはポジションチェンジでシステムをいびつな形に変え、数的優位を作ろう。よって、イニエスタが動き始める。バルサと同じ現象がスペイン代表でも起きた。
イニエスタのポジションは右SH。ボールがこない→中央にボールを受けに行く。チームがボールを運べない→僕がボールを運ぶといわんばかりにシャビの近くに寄って行く。イニエスタの長所はチームが必要としているプレーを何の躊躇もなく実行できる決断力とその決断力の確かさを支える判断力。普通だったら、俺右サイドだし、スペース空けたら右サイド空になるし、、みたいな思考回路に陥ること間違いなし。
イニエスタが動き始めて、スペインが優勢になったものの、フランスはそれでも崩れない。DFライン位置取りと中盤の守備をまったくサボらないモラルの高さが印象的。スペインの両SBが攻撃参加できなかったのはサイドのスペースを消されていたからだろう。ちょっとあれでは上がりにくい。
ボールを回してばかりだと、相手の集中力は極限にまで高まっていく。攻撃のペースを変えることは重要。ビジャレアルだったら、ロッシやニハトに裏を狙わせて、中盤から一気にロングボールが出ることが多数。相手の裏を突くことと、ボールを回すことを連続させることで、ビジャレアルは試合を支配していく。
しかし、スペインはまったく裏を狙わず。誰かスペースに飛び出ろよと。トーレスは何をしているんだと。前半20分にイニエスタの単独突破→トーレスへスルーパス→クペの好セーブ、という場面があった。トーレスが仕事したのはこれくらいだったと思う。
この裏に飛び出さない現象の原因はイニエスタが中央にしぼったので右サイドが空になったこと。ただ、イニエスタが右サイドにいても裏に飛び出したかは謎。セルヒオラモスが勇気を持って飛び出す場面はなかった。そして左サイドのリエラはボール回しに加わることが多くなった。ただし、相手のギャップで上手くボールを受けていたと思う。
最後にセスク。この試合でシャビに仕事を奪われ、イニエスタに仕事を奪われたので、迷いながらのプレー。こういうときこそ進化が問われる。何となく中盤にいたが、トーレスの横に行っても良かったような。おとりの動き、2列目からの飛び出し、中央で起点になるとかできる人かと。
前半23分にトーレス→グイサ。グイサはボールを受けるために動き回ったり、裏を狙ったりと精力的に走り回っていた。トーレスよりも向いているかもしれない。
■フランスの攻撃対スペインの守備
フランスのシステムは4-4-2。中盤は左からマルダ、ラサナディアラ、ビエラ、トゥララン。トゥラランの右サイドは何でだったのだろう。守備を重視したのか。てっきりディアラが右サイドだと思ったが。
前線はアンリとアネルカ。アンリは中央にどっしりと構え、まったく動かない。それに対して、アネルカは自由に動き回る。ボールのあるところにアネルカ有りみたいな。ただし、アネルカが中盤でボールを持ったときにアネルカの代わりに前線に飛び出す選手は皆無だった。アネルカが2人いれば。。
フランスはDFラインでボールを持つ場面が多かった。クペが無闇にボールを蹴らなかったこと、スペインの前線がプレスをかけてこなかったこと、フランスのDFラインがスペインがプレスをかけてこないように深い位置でボールを回していたことが主な原因である。
スペインは4-1-4-1で守る。アンカーはアルベルダ。久々の試合のはず。ボールが落ち着かない場面が少しあったが、守備の場面ではさすがアルベルダという場面があった。スペインの中盤の4はハーフライン付近からプレスをかける決まりごとがあるようで、特に中央は分厚く守っていた。
そんなスペインの守備の前にフランスはボールを展開できない、つまり、DFラインでボールを持つ場面がさらに多くなる。ラサナディアラにボールが入れば可能性が広がるが、中央の守備は堅い。フリーだし、ロングボールを蹴る試みもしてみたが、精度が異様に悪い。
しかし、時間が経つにつれて、フランスはペースを握っていく。キーマンはフリーのDFラインとマルダ、トゥララン、アネルカ。DFラインがフリーだ、ということはパスのタイミングは合いやすい。マークされている状況でないので、なんてたって視野が広い。相手のプレッシャーがある中で視野の広いDFはそういないが、フリーだったらみんな広い。
よって、DFはいつでもパスを出せる状況にある。そして4-1-4-1の弱点でもあるアルベルダの横のスペースをマルダたちが使い始める。これが面白いように機能した。もしかしたら、アンリがスペインのDFラインを下げるような動きをしていたのかもしれない。スペインの中盤は後ろに相手がいるかについて、感じている選手はいなかった。4-2-2-2と表現したほうが、フランスの場合は適切かもしれない。
よって、超危険なエリアをフランスに献上。これでフランスが勢いづく。ちなみに、このフランスの勢いを止めたのはグイサ。前線からパスコースを消しながら相手を追い掛け回したので、フランスのDFの視野は狭くなってしまった。そしてグイサのプレスに連動して、スペインの中盤も前から追うレスに行って苦し紛れのロングパスを誘発させていた。前半は0-0。
■ビジャレアル型
フランスは特に変化がなく。テュラム→エスキュデの変更のみであった。スペインはシステムごと変更。4-1-4-1→4-4-2へ。セルヒオラモス→アンヘル、リエラ→ビジャ、マルチェナ→パブロ。両SBがビジャレアルになった。
前半に比べると、セスクが自由になる。右サイドから中央のエリアに居場所を見つけたのか、誰にも邪魔されることなく前半よりもボールを触る。イニエスタは左サイドから中央に絞る。その空いたサイドをカプテビラが攻め込んでくる。FWもビジャ、グイサになったことで、フランスの守備は中央よりになり、スペインのSBの飛び出しが効果的に決まっていた。
注目のビジャ。グイサが前線で頑張る役割なので、自由に動き回ることができた。こっちのほうがトーレスもビジャも活きると思うのだが。それにしてもグイサはよく守備をするし、攻撃にも良く絡む。