2011年10月11日
とりあえず、スタメン
この試合の状況を整理すると、首位攻防戦。近年はリヨンが弱くなってきている印象だが、今季は今のところ頑張れているようである。パリ・サンジェルマンは大量補強によって、新たなチームに生まれ変わっている。特に、前線はネネ以外は新鮮力なので、嫌になっちゃうところである。それで、結果を残しているのだから、監督も注目すべきなのかもしれない。
ただ、パリ・サンジェルマンに比べると、リヨンのスタメンはお前は誰だ!?という選手が増えてきている。ちなみに、ネネはリーガファンだったら、お馴染みの選手。パリで頑張っていると聞いていたが、このメンバーでもできるとは、ちょっとうれしくなるところで。
キックオフからイニシアチブを握ったのはパリ・サンジェルマンであった。その原因はリヨンの前線の守備にある。
パリ・サンジェルマンは前線のファンタスティック4にいい形でボールを届けたい。そのために、後方から繋いでいくサッカーを見せる。ただし、ゴールキックはドカンと蹴っ飛ばすこともあったので、どうしても地上戦で!という気配はない。
後方からの組み立てで特に工夫はない。前線の高さ不足や流動性アタックからくる中央のからっぽ現象を解決させるために、ボドメルを高い位置に送ることがかなり多かった。それは上記の現象の解決策かもしれないし、相方にスペースを与えるためだったのかもしれない。
リヨンの前線はゴミスとラカゼット。守備の役割がかなり曖昧であった。システムではトップとトップ下。このコンビがどのように守備をしてどの位置からプレスをかけるのかが後方の選手にとって、非常に重要になってくる。結論から言うと、非常に曖昧な守備を見せた。コンビでCBに襲いかかったり、立ち止まってみたり。
恐らく、パリ・サンジェルマンはこのリヨンの前線の守備問題を把握していたのではないだろうか。なので、マテュイディがCBから何度もボールを引き出して攻撃を組み立ていった。まったく聞いたことない選手だったが、ゲームを作れる優秀な選手である。受け手としてもかなり優秀なので、近い将来に代表でスタメンを飾るかもしれない。なお、この選手も大量補強の一員である。
逆に、パリ・サンジェルマンの前線の守備を観てみよう。
4-4-2に変化して、相手の最終ラインにプレスをかける場面が目立った。なお、パストーレは攻撃の場面でもFWのようなポジショニングをしていたので、彼への印象がかなり変わった。隙間で延々と活動する選手だと思ったら、自分から仕掛けるプレーもできるんだなと。今まで創る側の選手だとばかり思っていた。
これで、リヨンの選手たちは落ち着いてボールを保持することができなくなってしまう。レアルに全員でサッカーをすることをCLで何度もレクチャーしていたリヨンだったが、どうやらそれが可能な選手たちはもう揃っていないらしい。なので、ゴミスに仕方なく放り込む場面が非常に多かった。
ただし、その中で異彩を放ったのが、ゴナロン。ずっと前からリヨンにいたシェルストレームよりも、パスでボールを運べる選手であった。また、リヨンはサイドに個人技でどうこうできる選手もいなかったので、無理に崩すような仕掛けをするよりも、セットプレーを狙うような攻撃を見せる。キッカーのシェルストレームはかなり精度のあるボールを蹴られるので、多少は可能性を感じることができた。
まとめると、イニシアチブを握ったのはパリ・サンジェルマン。その原因は前線の守備が機能したかどうかであった。なので、パリ・サンジェルマンのほうが、自分たちがやりたい形で試合を進めることができた。なので、パリ・サンジェルマンのファンタスティック4が輝きを放つ機会が増え、リヨンの前線はたまにしか出番が訪れなくなる。
パリのファンタスティック4は相手から自由になるために、かなり動き回る。サイドアタッカーのネネはサイドにいるかなと予想されたが、ネネもかなり動き回っていた。
上の図が多く見られた形である。もちろん、サイドの選手が入れ替わることもある。中央が空にならないように、ボドメルにバランスを取らせているのが独特な様子。もちろん、片方のサイドに選手が集まってくることもある。そうしたバランスの悪さから発生する数的優位から、即興のコンビネーションや個人技で崩しにかかるのがパリ・サンジェルマンの今の形なのかなと。
ただし、こういう形だと、守備しないよね、パリ・サンジェルマンのファンタスティック4。というわけで、リヨンはこういう形で攻撃したいんだなというのが伝わってくるカウンターからのポゼッション。まあ、守備をさぼることもあるし、そこに誰もいないことがあるのよね。
ただ、ここに侵入できても、ゴミスに放り込むか、サイドを侵入して、コーナーキックを得るくらいのリヨン。なので、あんまり可能性を感じなかった。リヨンの監督からすれば、打つ手がないような試合。なので、ロリスが大活躍の前半戦だった。
後半になると、攻撃ではなく守備はいじることができるとリヨンの監督。なので、マテュイディにマンマークをつけて、相手のポゼッションの精度を狂わせにかかる。ポゼッションの中心人物を消されたパリ・サンジェルマンはボドメルがヘルプに来たりするが、前半に比べると、明らかに攻撃を組み立てられなくなっていった。さらに、怪我でマテュイディが退場。これで、試合はごちゃごちゃしたものになっていく。
試合のイニシアチブをどちらも握れなくなった五分五分の試合は、両チームがそれなりに決定機を得るようになっていく。リヨンもサイドからゴミスが決定機を迎えたり、パリ・サンジェルマンも即興のコンビネーションでロリスに何度も襲いかかった。
で、試合が動いたのはパリ・サンジェルマンのカウンター。裏に抜けだしたのはFWのようなパストーレ。追いついてきた相手に向かってドリブルすることで、相手のスピードを殺し、振り切ってニアにズドンなんだから、なかなか素晴らしい。ニアを抜かれたことで、ロリスは恐らく叩かれんたんだろうなと推測する。
これで、試合はより無秩序になるところが、パリ・サンジェルマンがチームとしての伸びどころ。下手したら、追いつかれていても不思議でなかったが、最後にセットプレーから追加点を入れて、自分たちの強さを証明することに成功したパリ・サンジェルマンの面々。これで、勢いにのっていくのかもしれない。国内では。
■独り言
リヨンは監督があがいていそうだけど、なかなか欧州で勝つには難しそうである。グルキュフやクリス、エデルソン、リサンドロ・ロペスがいないからしょうがないよねとも言えなくもないが。監督のあがきとこの試合にいなかった選手たちに期待ってのが悲しい結論でしょう。
パリ・サンジェルマンはなかなか面白いチームになりそう。前線にボールを届けられる選手もいるし、パストーレがチームメイトから信頼されているのも、感じることができた。そういう序列がしっかりしているのって、重要だと思う。まだまだ完成はしていないだろうけど、来季のCLでは、旋風を期待されるのではないだろうかと。
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パリ・サンジェルマン対リヨンから見る、両チームの将来。
posted by らいかーると |20:30 |
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2011年05月10日
欧州のサッカーも終わりが近づいてきた。ここで盛り上がるのは、優勝争い、欧州への大会参加権、そして、残留争いである。なので、それに絡んだ試合を選ぶのが吉である。今日の試合はリヨン対マルセイユ。リヨンはCLの出場権をかけて、マルセイユは優勝をかけて負けられない試合、そんな位置づけの試合である。上位で両方共負けるわけにはいかない試合なので、熱戦が期待される。
'■リヨンの番
'
前半はリヨンがボールを保持して攻撃を仕掛ける場面が目立った。ホームなので、リヨンが積極的に、アウェーなので、マルセイユは守備から試合に入ったことが、このような試合の立ち上がりになった可能性が高い。
解説者曰く、リヨンは、前半は強いけど、後半は弱いらしい。恐らく、攻めまくってスタミナがきれるからか、攻めて先制して後半は守りきりをはかるが、守りきりをはかる技術がないとか。
リヨンのシステムは4-1-4-1。CLの門番として君臨するためにも、CLに出場できない順位に落ちることはちょっとした事件である。なので、この試合にかける想いも強いようで、前半から走りまくっていた。実は累積や怪我人でベストメンバーが組めないようだったが、それを感じさせないプレーで層の厚さを感じさせた。
マルセイユのシステムは4-4-2。攻撃の時は、4-3-3。ルチョの位置でシステムの解釈が異なる。平たく言うと、守備の時は、アーセナルにように4-4-2に変化し、攻撃の時は、セスクのようにルチョは中盤のヘルプを多めに行うので、4-2-3-1のようになる。別に4-3-3でもいい。
というわけで、序盤戦はリヨンのビルドアップ対マルセイユの4-4-2の攻撃的な守備という構図で試合が進んでいく。結論から言うと、リヨンがボールを運べる場面が多かった。攻撃の時は、広く。守備の時は、狭く。そんなことを思い出させる試合だった。
一番大切な理由はコンパクトである。DFからFWまでの距離を30~35メートルにすることがプロの世界では求められているらしい。それぐらい距離が近ければ、いわゆる相手の隙間でボールを受けられても、すぐに潰しにいけるからという理由である。なので、マルセイユはコンパクトに前プレを行う必要がある。
逆に、攻撃の時はコンパクトにする必要はない。コンパクトのほうがボールを奪われたときにボールを奪い返しやすいが、その代わりに相手のプレスが早くなる。なので、相手のコンパクトブロックを広げるために、DFラインを下げるという技がある。今回のリヨンは臨んでかたまたまかそういう状況になることが多かった。また、マルセイユは前から追いかける気が満々で、そういう状況でも迷うことはなかった。
よって、マルセイユは深追いするFWたちにMFたちは上手く連動することができなかった。なので、リヨンは相手のコンパクトプレスを回避することに成功する。マルセイユは高い位置からのプレスでリヨンの攻撃をズタズタにしようとしたのだけど、深追いしすぎて、機能しなかった印象。
ボールを運んだあとのリヨンは全員攻撃がなかなか決まっていた。攻撃は左サイドのリサンドロ・ロペスを中心に行われた。SBを高い位置に出して、攻撃に横幅を作る。リサンドロ・ロペスはかなり低い位置まで動くことでスペースメイクとゲームメイクを同時に行なっていた。ポジションは違うが、ポルトのモウチーニョの働きに似ている。本来の位置から遠く動くことで相手から自由になる。
で、逆サイドのデルガドがなかなか面白かった。リサンドロ・ロペスが縦のポジションチェンジを繰り返すならば、デルガドは横のポジションチェンジ、というよりは中央にがんがん侵入してきて、味方のボール運びに選択肢を与えること&相手から自由になってボールを受けて、チャンスメイクすること。ドリブルが得意なデルガドによって、リヨンの攻撃に迫力が出たのは言うまでもない。
こうして、決定機を作っていくリヨン。しかし、ボールを奪われることもある。マルセイユはロングボールを中心に攻撃を組み立てていった、というよりは中盤を省略していた。リヨンの攻守の切り替えを回避するためや自分たちの理由によって、この作戦を選んだのだろう。
マルセイユはCFがいないらしい。レミも本来はサイドの選手のようで。なので、中央で起用されるレミだったが、裏狙いのプレーが非常に多く、効果的だった。いわゆる中央でボールを受けて起点になるよりも、自分の長所を知っているようで、好感が持てる。そんな放りこみによるカウンターから個人技で仕掛けていくマルセイユの攻撃もそこそこの迫力だった。
最初に試合が動いたのはマルセイユのクロス。見事にゴールを決めることはできたんだけど、無情の取り消し。ゴールにいたるまでの過程で、ハンドの判定をされてしまった。ちなみに、スローで見る限り、まったくハンドではなかった。ついていないマルセイユ。
次はリヨンの番。SBを高い位置にあげることで、自由になる中盤の選手やリサンドロ・ロペスの飛び出しからチャンスを量産。そして、リサンドロ・ロペスが裏へ抜けだすと、相手を誘ってPKを奪う。これを豪快に決めて、リヨンが先制に成功する。PKは妥当な判定だったが、俺らは取り消されているぞってことで、怒りそうなデシャン監督であった。
■マルセイユの番
後半は試合の流れが入れ替わる結果となった。マルセイユがボールを保持して仕掛けまくり、リヨンは4-1-4-1で後方にブロックを構える形。その理由は、先制したリヨンが引いてカウンターを狙ったとか、あのペースならバテたなんて理由が考えられる。マルセイユも優勝をかけて負けられないので、ロングボールよりもホームでやっているだろうサッカーでゴールを狙う。
マルセイユのシステムは4-2-3-1。中盤の底にいるシセやシェイルも積極的に前線に飛び出していて、前半に比べると前がかりなチームになっていた。SBも高い位置に進出して、SHと連携してサイドからの崩しと中央に進出したバルブエナとルチョを中心とした中央突破で一気にリヨンのゴールに迫った。
リヨンは後方で守っているのだけど、マルセイユの選手を捕まえきれない場面が多く、サイドから崩される場面が多かった。リヨンはカウンターを繰り出す場面もなく、一気にマルセイユのペースで試合が進んでいった。今がチャンスだってことで、マルセイユはジャニック等を投入。CFの登場かと思ったが、ジャニックは左にいた。リヨンもリサンドロ・ロペスを前線に出す交代でカウンターを狙いやすくした。
で、試合が動いたのはまさかのリヨン。コーナーキックからのカウンターが炸裂。ボールを受けたデルガドはエリアに侵入すると、見事なドリブルで相手を翻弄し、追加点を決めることに成功する。移籍金なしで動ける選手なので、恐らく移籍するのだろう。ただし、怪我をすることが多いらしい。
せっかくの試合の主導権を握っていたのになって、マルセイユ。しかし、リヨンがゴール前で痛恨のミス。コーナーにするのが嫌だったのだろう。なんとかボールをピッチに残したのが運の尽き。相手にボールは渡り、クロスをルチョが押しこんですぐに一点返すことに成功するマルセイユだった。
こうして精神的なダメージを回復したマルセイユはがんがんに攻めまくる。そして、コーナーキックからレミが押しこんで同点に追いつくことに成功する。後半の内容から考えれば、マルセイユが同点に追いつくことは実に論理的だった。その論理を破壊していたのは言うまでもなく、ロリスである。最近はノイアーが有名だが、ロリスは移籍しないのだろうか。
80分に同点になったことで、振出しに戻った試合。しかし、またすぐに試合が動くジェットコースターのような展開。リヨンはセットプレーの空中戦からクリスが抜けだしてFWのようなゴールを決める。キャプテンのゴールで一気に盛り上がるスタジアム。
残り時間は攻めまくりたいマルセイユの攻撃機会を時間稼ぎやボール保持で機会損失に繋げていくリヨン。マルセイユは優勝したいだろうけど、俺らにはCLがあるのだってことで、負けられないリヨンが何とか結果を得ることに成功する試合となった。
■独り言
前半と後半で両チームの良さが見られたので、非常に見ごたえのある試合だった。そして、さりげなくリヨンが来季は面白くなりそうな試合。ただ、引き抜きの話が多々あるので、どうなるかは不明。でもここにグルキュフがいれば、結構強さそうな予感。マルセイユも引き抜きの話があるが、攻守にファイトできるチームで大崩はしなそうである。両チームとも、来季もCLでがんばってほしいところ。特にデシャンには期待している。
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充実の打ち合い ~リヨン対マルセイユ~
posted by らいかーると |10:52 |
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2011年04月26日
ロリアン対リール。この試合を観戦しようと思った理由は、リールが首位でどのようなサッカーをしているか興味があったこと。そして、ロリアンには移籍マーケットを騒がしている、ガメイロとアマルフィターノがいること。これらの選手をチェックできて、久々にリーグアンを見るのもいいかなといったところである。ちなみに、ロリアンの監督はグルキュフのパパであった。しかも、長年やっているらしい。
■グルキュフパパのお仕事
試合内容は至って単純なものだった。なので、簡単にストーリーをまずはまとめてみる。序盤は試合がなかなか落ち着かなかった。いわゆる最初の10分はリールのハイプレッシャーの前に、ロリアンはタジタジな状態だった。ロリアンは空中戦よりも地上戦を好んでいるようで、いきなりの正面衝突で試合が幕を開ける。
なので、ハイプレッシャーからチャンスを掴んでいくリール。アザールとジェルビーニョの個人技を中心に、先制点を狙うリール。しかし、人工芝のグランドに慣れていないのか、ジェルビーニョは相手にひかかってしまう場面が目立った。それでも、ゴール前でのチャンスやセットプレーは多かったので、リールの序盤戦の狙いは結果こそはでなかったけれど、成功を引き当てたと言ってもよいだろう。
よって、ロリアンは我慢の展開が続く。しかし、ハイプレッシャーは永遠に続かないもので、リールは20分過ぎから、プレスの位置を相手陣地からハーフラインくらいに変更する。さすが首位のチーム。割り切りかたも意思統一されているじゃないかと、感心させられた。しかし、この変更が悪夢の始まりだったと言っても良い。
前述したように、ロリアンは地上戦を好んでいる。相手がボールホルダーにきつくプレスを仕掛けてこなくなったので、ロリアンの最終ラインはボールを落ち着ける環境を手に入れることができた。リールは自陣で待ち構えているのだけど、ロリアンは普通に楔のボールを入れまくって攻撃を組み立てていった。ロリアンはボールを触りたがる選手が大勢いるようで、ボールのないところの動きもかなり多彩だった。
ロリアンのシステムは4-4-2。SHはサイドからドリブルで仕掛けることがメイン。SBは後方からのサポートで攻撃に厚みを加える。ガメイロは相手の最終ラインと駆け引きを続け、アマルフィターノは頻繁に上下動を繰り返して、ボールを引き出したり、スペースを作ったりしていた。で、このチームの肝はロマオとエムビュエンバの中盤コンビである。
2人とも、フィジカルが強く守備意識も高い。そして、キープ力もある。さらに、ポジションを縦並びにすることで、相手のバイタルエリアに片方を侵入させる連携も見せた。ロリアンのバイタル攻略はなかなか面白くて、アマルフィターノが下がってくるか、ロマオとエムビュエンバが飛び出すか。ここまでは普通である。そしてSBが侵入である。恐らくボールを繋ぐことに自信があるのだろう。SBは言葉通りの積極的な飛び出しで攻撃を牽引していた。
そして、注目のガメイロ。裏への飛び出しが◎。そして、スペースを作る動きも頻繁に行って周りのために走れる選手である。シュートテクニックも高いようで、いろいろな状況に対応できそうである。たぶん、中盤の組み立てサポートもできるのだろうけど、アマルフィターノに任せて前線に集中できるのは何でもやろうとしないいい選手の証。強引に例えれば、ビジャに似ているかもね。
話を試合に戻す。リールの守備変更によって、徐々に流れを掴んでいくロリアン。何度も決定機を迎えるほど試合を支配するようになるが、立ちはだかったのがランドロー。懐かしい名前である。シュートをことごとく止めまくっていた。ロリスといい、フランスは地味にいいGKが多い気がする。ガメイロやアマルフィターノのシュートもぎりぎりで防いでいくランドロー。すると、リールがカウンターでゴールを決めてしまうのだから、やるせない展開である。まるで横綱相撲のようなリール。でも、崩されまくっているので、ぜんぜん横綱じゃない。
後半にリールは試合の流れを取り戻そうと、4-3-3→4-4-2に変更する。高い位置の選手がフィルターとして機能していない→ならば、サイドを固めてカウンターを狙おう作戦に切り替えた模様。これも開き直りである。リールは開き直るのがうまいから首位にいるのかもしれない。自分たちのサッカーを捨てるのってときには重要だよね。
しかし、ロリアンが流れをつかんだのはボールへのプレスが緩くなったからである。なので、サイドを固めてもあんまり意味はなかった。前線の守備意識を向上させることで、リールは流れを引き寄せられただろうが、現実はかくも辛いもので。というわけで、跳ね返しを狙ったが、前半のリピートとなってしまった。
というわけで、またもランドローの出番が訪れる。そして、とうとう超えられてしまうランドロー。サイドからのクロスをヘディングワンツーでつなぐガメイロとアマルフィターノ。最後はガメイロのボレーが炸裂して、ロリアンが同点に追いつくことに成功する。これが69分。なので、優勝争いがあるリールはこのまま勝ち点を落とすわけにはいかないので、前線に選手を投入してくる。そして、ロリアンは守備の選手を入れ替えながら、攻撃を続ける。
そして、試合はそのまま終了。試合は途中からどっちが首位のチームかわからない内容だった。リールはほとんど自分たちに流れを引き寄せられないまま、試合を終えることとなった。もしかしたら、優勝へのプレッシャーってやつに苦しめられているのかもしれない。たぶん、そうなんだろう。
■独り言
グルキュフパパはいい仕事をしていると思う。ロリアンのサッカーはかなり面白かった。アマルフィターノがセビリアに行くかもしれないらしい。恐らくカヌーテの後釜で使われるのだろう。空中戦は強くないが、相手から離れてボールを受けたり、追い越していく味方にダイレクトでボールを繋ぐのがうまい選手である。それで、セカンドストライカーのような仕事もこなせるので、ちょっと面白そうである。
ガメイロはフォルランたちが抜けるなら、アトレチコが面白いかもしれない。個人的にはバレンシアにきて、ビジャを思い出させるようなパフォーマンスをして、俺はガメイロだっていってほしい。たぶん、10得点はかたいのではないかと。
アザールはドリブルのテクニックがなかなか優秀。しかし、フランスで神だったマルダがプレミアであんなんになってしまったので、もうちょっと修行が必要そうである。宮市よりもドリブルの幅はあるが、両者ともまだまだ修行が必要なのかなという感じ。ビッククラブに移籍したら、ペドロ・レオンのようになりそうである。ふたりとも。
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ロリアン対リールの雑感
posted by らいかーると |21:09 |
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2007年07月24日
第9節より、1位のリヨン対4位のサンテティエンヌの対決。ダービーらしい。9節の前に代表戦があったようなので、リヨンはコンディションが苦しいかもしれない。
リヨンのスタメンはベルクトル、レベイェール、クリス、スキラッチ。アビダル、トゥララン、ジュニーニョ、チアゴ、ゴブ、ベンゼマ、ウィルトール。クペもマルダもフレッジもいない。マルダはベンチ。
サンテティエンヌは誰一人知らない。イランがすごいらしい。4-4-2。ちなみに、センターハーフの2人が累積でいないようだ。監督はなんとハシェック。広島→千葉と渡り歩いた質の高い選手であった。懐かしいな。
■理想的なポゼッションサッカー
リールとの対決ではロングボールが多かったリヨン。ディアラの抜けたばかりで、トゥラランもまだ本調子から遠かった模様。ダービーで本領を発揮するとはさすがである。
サンテティエンヌから見てみると、このチームは前線から激しくボールを奪ってショートカウンターを狙っているチームだと感じた。中盤のラインの位置取りが高かったからだ。FWはスピードのある選手でロングカウンターもショートカウンターもいけるタイプである。守備もする。前線から守備に行くには最高である。
しかし、リヨンのほうが上手であった。ジュニーニョ、チアゴが中盤に降りて来ると同時に、両SBが高い位置を取る。こうして数的不利を脱し、リヨンは面白いようにボールを繋いでいく。
バルサ対策にはアンカーの位置まで降りていくデコシャビには勇気を持ってついていかないといけない、という決まりがある。サンテティエンヌにはその勇気がなかった。中盤の選手は自分のゾーンを越えてまで相手についていくことはなかった。その結果として、リヨンは簡単にフリーになることができた。
このようにサンテティエンヌの前線からの守備はあっさり機能しなくなる。前線からの守備が機能しないならば、高い位置にいても意味がない。よって、引きこもって対応するべきである。しかし、サンテティエンヌの中盤はそれでも高い位置を保ち続けた。DFラインが下がったのにもかかわらず。
DFラインと中盤の距離が遠いと困難な状況に陥る。カバー&チャレンジの関係が作れないからだ。ようするに、マケレレがギッグスに寄せる。ギッグスはマケレレを交わすが、ボールが足から少し離れる→そこをテリーが掻っ攫う、という関係である。
後ろにカバーの選手がいれば、前の選手はチェレンジする勇気が出るし、抜かれてもそこまで問題にはならない。そればかりか、取ってしまえば最高である。サンテティエンヌに話を戻そう。DFラインが下がってしまったので、DEラインがカバーに来ることは難しい。
中盤でカバーとチャレンジを作ることは可能。だが、思いっきりボールに選手を集めなければならないので、サイドチェンジされると終わる。前線の選手がチャレンジすれば何とかなりそうだが、ボールを奪える気配がないと、たいていの前線の選手はサボりだす。もともと守備が好きなキャラはあまりFWにはいない。前線から積極的にプレスに来るチームの対策として、前線の選手にあきらめさせるという手もある。
そんなわけで、サンテティエンヌはリヨンにぼこぼこにされる。リヨンの3トップの動きは連動性にあふれていた。まさにお手本。4バックで3トップに対応することは不可能ではない。しかし、3トップが中盤とポジションチェンジするようになると、無理。
例えば、ローマ。トッティが中盤に下がる→どこまでも下がる→CBは相棒を1人に出来ないので、どこまでもついていくことはできない。トッティの空けたスペースにマンシーニ達が入ってきたら危険。ボランチの選手がCBの位置をカバーするくらいならマークを受け渡したほうがまし→と、かなり面倒くさくなる。このマークの受け渡しやスペースを埋めることを90分繰り返すことは非常に困難。リヨンもローマのように動き回り、マークをかく乱していた。この試合の場合、中盤とDFラインの間にスペースがあるので、そこでリヨンの3トップはボールを受ける→ジュニーニョ、チアゴが絶妙のタイミングで飛び出してくる。まさにお手本だった。
それでも点が入らなかったのはサンテティエンヌのDFラインの体の投げだしっぷりと、ベンゼマ、ゴブがいまいちだったことだろう。怪我明けのゴブはいまいちキレがなかった。ダービーで気合の入ったサンテティエンヌのDF陣は半端じゃなかった。前半は0-0。
■サンテティエンヌが開き直った
自分達のサッカーが通用しない→そのまま撃沈ではさびしすぎる。サンテティエンヌは中盤をDFラインの近くまで下げ、リヨンの攻撃に対抗。DFラインと中盤で挟み込み作戦である。
これでリヨンの攻撃は少し停滞する。10回攻撃したら8回成功していた攻撃が5回ぐらいに減った感じである。なによりもきつかったのは奪われ方だった。囲まれて潰されるので、ボールに近くにはサンテティエンヌの選手がたくさんいる。よって、前半よりも潰しにくいしカウンターをくらってしまう場面が増えた。
前半のリヨンは両SB、ジュニーニョらが高い位置にてボールを奪われてもすぐに攻撃の起点を潰しに行っていた。潰せなくても併走することで、トゥラランがボールを奪うのを助けていた。この守備意識をバルサも見習おう。トゥラランは9節ぐらいから調子を上げていったのだろう。まるでピルロとマケレレを混ぜたような選手だと思う。守るチームにはきついが、攻めて攻めて攻めまくるチームにはお勧めのアンカーである。
前半の一方的な展開から、後半はサンテテエンヌの攻撃に少しだけ可能性を感じるようになってきた。状況を打破するために、リヨンはゴブ→マルダを投入。マルダが入ったことで、リヨンの攻撃にドリブル突破という選択肢が増える。これでリヨンの攻撃が活性化し、先制点を得る。ヂエゴの見事な飛び出し&シュートだった。
しかし、直後にカウンターでサンテティエンヌが同点に追いつく。シュートが相手に当たってゴールに吸い込まれた。フランスリーグはミドルを打つ意識が高いかもしれない。
その後、ジュニーニョがPKを外すが、最後にはミスを取り消す決勝点を決めて試合終了。最後に点を決めたのは、お前なんでそこにいるんだ、というジュニーニョのポジショニングと、マルダの単純なドリブル突破が原因となって生まれた。2-1で終了。
■独り言
ダービーらしいアツイ試合を見ることが出来た。ただし、4位と首位のチーム間でこれだけ差があるとは正直思わなかった。ここまで差があると、チャンピオンズリーグで勝負するための経験が、他のリーグに比べて得られないのではないかと心配。
あと3トップは流動的に動かないとダメですね。最後にアビダルはめちゃくちゃ攻撃的だった。
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リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~
posted by josepgualdiola |10:04 |
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2007年07月23日
第7節より、リヨン対リール。共にチャンピオンズリーグに出場しているチームの対決。近年の対戦成績を見る限り、リヨンはリールを苦手にしているらしい。7節の時点でリヨンはマルセイユと勝ち点が並んでいる。得失点差の関係で首位のようだ。
リヨンのスタメンはクペ、レベイエール、スキラッチ、クリス、アブダル、トゥララン、ジュニーニョ、シェルストレム、コブ、マルダ、フレッジ。有名人が多い。チアゴを温存。
リールのスタメンはマリキ、シャルメ、ブレスタン、シュミッツ、ビタキッチ、デュモン、ボドメル、マクーン、リヒトシュタイナー、オデムウインギ、ケイタ。ユナイテッド戦で活躍したオデムウインギ、ボドメルに期待。そして不出場だったケイタ。
両チームとも4-3-3だった。フランスでは4-3-3が大流行しているのだろうか。4-5-1とも表現できるけれど。
■リールの守備は堅い
ユナイテッド戦のファーストレグでも披露した守備は、もちろん国内でも健在。リヨンってこんなにロングボールを連発するチームだったけ。それだけリールの守備はすばらしかった。
全員が自陣に戻り、リヨンがパスでボールを運ぶことを徹底して許さない。中盤の選手が、前を向いてボールを受けることはほとんどなく、リールの厳しい寄せの前に、リヨンはバックパスを繰り返すだけであった。リールの選手は誰もサボらず、常に自分のゾーンと敵の位置を意識しているように見えた。良く訓練されている。
こうも守られては放り込むしかない。しかし、リールのDFは空中戦に強く、なかなか崩せない展開が続いた。能力の高いフレッジ、ゴブ、マルダの足元にボールが入れば、攻撃の形は作れていたが、なかなかそこまでボール届かなかった。リヨンもリヨンで、ワンツーを多用する、SBとウイングがポジションチェンジする、味方のために走る、などして、ボールを前線に運ぶ努力をすればいいものの、実際にはマルダが中盤に降りてくるくらいだった。ディアラが抜けたばかりなので、守備に不安があったのかもしれない。攻撃に思い切りがなく、リールは巧く凌いでいた。
しかし、空中戦のこぼれだまをマルダが見事な胸トラップ&ボレーでリヨンが先制する。マルダのシュートはDFに当たってコースが変わりゴールに吸い込まれた。シュートを打つことって大切。前半6分。
リールの攻撃は基本的にボールを奪って→開始という流れだった。主にリヨンのロングボールを競り合う→こぼれだまを狙う。またはボールが前線の選手に納まる→攻撃を遅らせ複数で対応し奪う→攻撃開始。
リヨンの守備の形が整っていない状態、しかもロングボール後なので、スペースがある。ジュニーニョやシェルソトレムがセカンドボールを強く意識していたらリールの攻撃は潰されていた可能性が高い。しかし、2人のポジションニングはポゼッションでボールを運ぶことを意識したものだった。ドンマイである。
リールの攻撃は基本的にアーリークロス、クロス、裏へのロングボールである。まれに中央をこじ開けようとするが、ほとんどない。両SBは機を見て上がってくる。どうしてもサイドからのクロスが多いので、むやみに上がっても本当の意味で無駄走りになることが多い。リールのSBはその無駄を巧くなくしていたと思う。
クロスボールを上げても人数が少なく、リヨンに簡単に防がれていた。もう少しやりようがあると思うが守備を基本としたチームなので仕方ないのかもしれない。時々、カメルーン代表のマクンが耐え切れず上がってくるのが面白かった。
そんなリールも、似たような状況で同点ゴールを得る。左SBのビタキッチが機を見て前線に飛び出し、フリーでクロス。それを逆サイドのケイタが思い切ってシュート。シュートはクロス気味になり、それがクリスに当たってゴール。このシュートはクリスのオウンゴールとしてカウントされたようだ。前半24分。
同点後も試合の展開は変わらなかった。リヨンは前線の選手の個人技を活かしてクロスまでは持っていくが、シュートまではいけない。リールはクロスをすぐ上げるのをやめ、パスをつないだり、ケイタが仕掛けたりして徐々によくなっていったが、その分リヨンのカウンターにさらされることになる。一対一の場面ではどうしてもファウルが増え、キッカーはジュニーニョだから怖い。
終了間際にセットプレーからフレッジが豪快なボレーを放つが、マリキがファインセーブ。前半は個々で終わる。両チームともビックチャンスを流れの中かから作れないまま終わってしまった。
■勢いにのったけれど
後半開始早々に、アビダルの攻撃参加によってリヨンが決定機を作る。前半は静かにしていたアビダルだが、どうにかしないと、という気持ちがあったのだろう。しかし、攻撃参加は1度だけ、ペースはリールに流れる。
4-3-3のシステムは相手SBが攻撃的にくると対応に困ってしまうことがある。ウイングの選手が守備をしない限り、どうしても無理が生じてしまうからだ。後半のリールはSBが無駄かどうかなんて知るか、という走りをみせリヨンゴールに迫っていった。この勢いにおされたか、リヨンは相変わらずロングボールとマルダのドリブルに頼りきり。リールは数多くあげたクロスの中で、決定機を作った。だが、シュートはクペの真正面。ついていない。
これはリヨンやばいじゃん。そう素直に感じていた。しかし、追加点を奪ったのはリヨンである。それまで沈黙していたフレッジが見事なトラップ&ヒールパスで2列目から飛び出したジュニーニョへスルーパス。見事な連動性。ポストの選手にボールが入る前に走り出すと、たいてい相手は突いてこれない。フレッジが輝いた瞬間だった。ジュニーニョはキーパーとの一対一を冷静に決めて2-1。
これでリールはクロス作戦をやめ、ゴール前まで人数をかけて運ぼうとする。しかし、技術的にも組織的にも能力が足らない。むしろ今までくらわなかったカウンターをくらうようになる。リヨンの攻撃は迫力が増していき、アビダルを起点としたカウンターで3点目を得る。リスクをかけたらやられてしまう。非常に切ない。攻撃に人数をかける→後ろに人がいない→奪われたら終了。
そして4点目。ジュニーニョのスルーパスをフレッジが落ち着いて決める。リールがボールを奪って速攻しようとしたら奪われて逆襲をくらった場面だった。点差がついてからのリヨンの守備意識は相当高く、リールはなにもさせてもらえなかった。パスもダメ、ドリブルもダメ。試合はこのまま終わる。
■独り言
最終的にはリヨン強しで終わった。リールは組織的でモラルも高く、献身的なチームだったけど、オデムウインギやケイタが個で仕事を出来なかった。リヨンはフレッジとマルダが何度も個の力で相手を崩していた。この差はでかい。特にマルダ。チェルシーに行っても活躍しそうである。そうなると、ロッペンはやはり移籍か。
しばらくはリヨンの試合を見ることになりそうである。
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リヨン対リール ~苦手のリールだけど~
posted by josepgualdiola |16:06 |
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2007年07月23日
プロフィールに書いたとおり、しばらくはリーグアンを定期的にお伝えします。再放送のあおりで、見られなかった試合をたくさん見られることになりました。来季のリーグアンの放送があるかどうかは、未定。第一弾はナショナルダービー。パルクデフランス、つまり、パリのホームで試合が行われる。第5節より。
パリのスタメンはランドロー、メンディ、ジェベス、アルマン、トラオレ、シセ、ロゼフナル、ドラソー、フロー、パウレタ、カルー。キャプテンはパウレタ。最近の調子は悪い。昇格チームに負けたり、引き分けたり。
マルセイユのスタメンはキャラッソ、ベイ、ズコバル、シベリ、タイウォ、エンバミ、サナ、リベリ、マウリダ、ニアング、ナスリ。エンバミはパリから移籍したばかりらしい。やはりナスリ、リベリに注目なのだろうか。5節の時点で首位。つまり、絶好調。
■良い立ち上がりのマルセイユ
モウリーリョが始めたからか、ライーカールトが始めたからか、4-3-3が妙に流行している。フランスでも常勝軍団リヨンが4-3-3を採用している。その影響ではないだろうが、パリもマルセイユもシステムは4-3-3。パリはチェルシーやバルサと同じ、中盤が逆三角形。マルセイユはリベリを頂点とした正三角形。この微妙なシステムの違いが、試合にどのように影響するのだろうか。
序盤はお互いが激しい寄せの応酬で潰しあいが行われる。潰しあいに関しては、マルセイユのほうが優勢に見えた。両サイドのナスリ、マウリダが中盤まで下がり、相手のSBをしっかりケア。寄せの部分でも相手に圧力を与えていて文句なし。
それに比べると、パリの守備は圧力に欠けたと思う。なぜ圧力に欠けたのか、カバーリングがいなかったからではない。恐らく、マルセイユの個人能力を恐れたからではないか。リベリは言うまでもなく、マルセイユの選手は個々の能力が高い。パリの選手が厳しくプレスにいっても、あっさりと交わされてしまう可能性がある。よって、パリは厳しく寄せたくても寄せられない状態が続く。こんなときは挟みこみ大作戦が有効だけど、パリの前線の選手はこの大作戦に参加しなかった。
そんなわけで、マルセイユが有利に試合を進めていく。ただし、攻撃の枚数が足らない。ダブルボランチがあまり攻撃参加しなかったからだ。それでも、前線の選手だけで、フィニッシュまで持っていってしまうのはさすがだ。しかし、決定機はなかなか作れなかった。それでも先制点が生まれる。
前半8分にPKを得て、セネガル代表のニアングが1本目は冷静に決める→やり直し。2本目も冷静に決めた。ボールとは関係のないセットプレーのいざこざがPKと判定されていた。ちょっと厳しい。しかも、ここはパリのホーム。不調のパリからすると、やりきれない思いだろう。
■先制点が攻撃意欲をそぐ
アウェーで先制点を得たマルセイユ。アウェーだから無理することはない。しっかり守るか、という意思でチームが統一されたように見えた。攻撃に勢いがなくなり、守備を基本とした戦い方にシフトしていく。
しっかり守ってカウンター。それを成し遂げるだけの力を持った選手もいる。しかし、この戦い方は機能しなかった。自陣に引いてプレス→ボールを奪ってショートカウンターがしたかったのだろうが、先制点後プレスの質が悪くなった。よって、パリにパスをつながれるようになる。パスをつなぎだしたパリは徐々に勢いを加速させ、マルセイユは押し込まれる展開となる。
逆三角形のパリはパスコースが前線に多い。波に乗れば、面白いようにパスがつながる。速いパス回しでパリは自分達のらしさをみせ、決定機を何度も作っていく。特にドラソーのチャレンジパスは良かった。
パリが流れの中で点を取れれば最高だった。ボールと関係のないところのコーナキックの競り合いをPKと判定。またか。恐らく審判がバランスを考えたのだろう。1本目はパウレタが外すがやり直し。2本目はパウレタが冷静に決める。そんな後半22分の出来事。
■個人能力対組織力
攻めなければならない状況になったマルセイユ。前半の序盤と同じように、攻撃に力をいれていく。ただし、ニアング、リベリ、ナスリの3人だけで攻めている印象を受けた。この3人がボールを持つと何か起こしそうな印象を受けた。他の選手は攻めあがることなく、サナが時折ミドルを打ったくらいであった。SBも最後に上がってくるまで、自陣に引きっぱなし。これでは決定機を作るのは難しい。それでも、この3人は見ていて面白い。ナスリは昔のアイマールのようだし、ニアングはポストプレーが結構巧い、そして強引さも持っている。リベリは言うまでもなく。
マルセイユの攻撃が個人に依ったものだったので、取り返しさえすれば速攻でチャンス。フィニッシュはパウレタに頼るかもしれないが、それまでのボール回しは全員で行う。まれに、ドラソーからの裏への一発のパスもあり、攻撃のバランスは悪くない。後ろから選手が上がってくるので、攻撃に厚みもあるし、ボールを奪われてもそこを潰しに行くことも出来る。どちらかというと、パリのほうが攻撃に可能性を持ったものだった。しかし、ここまで鉄壁の守備を見せているマルセイユは堅い。最後の一対一で負けない。パリは底を崩せず、前半は0-0で折り返す。
■攻撃に時間をかけよう
後半になるとマルセイユに変化が起きる。スペースがあればさっさと仕掛けていたマルセイユだったがワンクッションおくことで味方の上がりを待つようになっていた。画面に映るマルセイユの選手の数が、前半よりも2~3増えた。攻撃に人数がかけられることによって、相手のマークは分散するし、パスコースは増えるし、ボールを奪われても、すぐにプレスにいけるかもれない。カウンターの危険もあるが、フィニッシュまで行けばそもそも問題ないし、マルセイユのDFは強い。
パリはマルセイユの緩急のある攻撃によって、全体的にラインが下がってしまった。こうなると攻撃するには長い距離を走らなければならないので、かなりきつい。それでも左SBのアルマンが飛び出してチャンスを作るなど、虎視眈々とカウンターのチャンスを狙う。
後半55分にマウリダ→パティス。前線の中で、できがいまいちだったマウリダが交代。
追加点は、またもPKがらみ。リベリの突破からクロス→ニアングがフリーでボールを受けると両足スライディングを受け、PKを得る。これをナスリがキーパーに止めなれながらも、こぼれだまを押し込み2-1。
ここからマルセイユは前半と同じ過ちをしなかった。中央を分厚くし、パリの攻撃をサイドへサイドへ。高い位置で奪ったらカウンター。
パリはなにもできなくなり、またもリベリに崩され3点目を与えると終了。
■独り言
リベリは格が違った。緩急のあるドリブルはかなり浮いている。マルセイユではトップ下で自由を謳歌している。使い方さえ間違わなければ、バイエルンでも活躍できると思う。代役はナスリになるのかな。
パリは悪いサッカーをしてはいなかった。けれども、最後まで壁を崩せなかった。個で崩せなければ、もう少し人数をかけないといけない。
両チームに共通したことは両SBの上がりのなさである。攻撃は前の選手に負け競る場面が多かった。国民性か、たまたまか。
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パリSG対マルセイユ ~ナショナルダービー~
posted by josepgualdiola |10:02 |
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2007年01月25日
運がよくリヨンの試合を見ることが出来た。毎年チャンピオンズリーグで結果を残し、フランス国内では常勝軍団になりつつあるリヨン。一試合だけでそのチームについて語ることは、かなり危険なことだが、この先見る機会もなさそうなので、書こうと思う。
ちなみにボルドーにはミクーがいる。そして昨年二位という成績を残している。これぐらいしか知らない。
リヨンは最近調子を落としているらしい。選手も監督も、チャンピオンズリーグしか眼中にないようなので、フィジカルをそんなにあげていないのかもしれない。しかし、2試合勝ちがない、ということは、リヨンにとってとても珍しいことらしい。先発はベルクトル、レベイェール、クリス、ミュラー、アビダル、ティアゴ、トゥララン、ジュニーニョ、ゴブ、フレッジ、マルダ。怪我人はウィルトールと正GKのクーペ。こんな感じです。
■リヨンの攻撃の形
フォーメーションはバルサ、チェルシーと同じ4-3-3。どちらかというと、バルサよりのサッカーをしている。主な攻撃の形はサイド攻撃。マルダ、ゴブの2人がドリブルで積極的に仕掛けてくる。そしてサイドバックのアビダル、レベイェールも機を見て積極的に攻めあがってくる。このサイドバックはウイングを追い越したり、後ろのフォローについたりとかなり攻撃的に振舞う。
中央に構えるフレッジはサイドに流れてチャンスメイクしたり、真ん中から中央突破を試みたり、ポストプレイをしたりと何でも屋。特にジュニーニョ、チアゴがフレッジにクサビのボールを入れる場面が多かった。まずはフレッジになんて決まりごとがあるのかもしれない。
基本的にはポゼッションサッカーだと思うが、カウンターもやれないことないと思う。なかなか点が奪えないときはジュニーニョのフリーキックがある。マルダ、ゴブ、フレッジの3人の個人能力は非常に高く、高い位置でファウルを得られる。リヨンにとって、セットプレイは大きな武器である。
つまり、基本はサイドから崩し、中へクロス。そのままフレッジか、こぼれだまをジュニーニョ、チアゴが押し込む。それに中央突破、個人での打開、サイドバックを使う攻撃でバランスを巧く取る。状況が膠着したらセットプレイ。非常にバランスのいいチームだと思う。
■リヨンの攻撃の不思議な点
最初にポジションチェンジが異常に少ない。やってマルダ→ゴブが入れ替わるくらいだ。全員運動量もあるのに、なぜかそれをやらない。ポジションチェンジすることによって、ゾーンだろうが、マンツーマンだろうが簡単に崩すことは出来る。状況によってはジュニーニョ、チアゴが外に開き、マルダ、ゴブが中に入ってくる場面があれば非常に強くなると思う。
また、リスクをかける攻撃がない。確かにサイドバックが積極的にオーバーラップする時点である程度リスクは犯している。問題なのはチアゴ、ジュニーニョがフレッジを追い越さないことだ。フレッジにクサビのボールを当てて、そのままワンツーでボールをもらう場面はなかった。中央突破はフレッジにマルダ、ゴブが絡んでくる形である。
同じシステムのバルサはポジションチェンジとデコ、シャビの飛び出し、チェルシーはダイレクトパスとパス&ゴーを多用してくる。もっとチアゴ、ジュニーニョが積極的に開いてゴール前に顔を出さないと、上にはいけないよ。多分。ジュニーニョ、チアゴはもう少し攻撃に絡まないと。
■リヨンの守備の問題
FWとMFはまったく問題ない。ボールを失ったときの攻守の切り替えは早いし、スペースを埋める動きも、人につく動きもほぼ問題ない。これだけ完成された守備はそう見ることが出来ない。この場面のジュニーニョ、チアゴの働きは完璧である。
しかし、DFがもろい。どうやらポカ癖がある。肝心な場面で自分のマークを外したり、クリアミスしたりしてしまう。この試合でも相当怪しい守備だった。勘だけど、スキラッチがでてもそこまで問題は改善されないと思う。ミュラー、クリス、スキラッチの3人がレギュラー格のセンターバックだと思うが、リーグアンで通用しても、チャンピオンズリーグでは通用しないと思う。恐らく、今までリヨンはゲームを支配していたものの、相手の一発に沈むという試合内容でチャンピオンズリーグから消えていたのではないだろうか。これも勘です。
この問題は組織がどうこういう問題ではなく、人の問題であるので、改善は人を代えることだ。ストライカーが補強ポイントだってよく言われているけど、それは違うと思うぞ。
■試合の総括
リヨンはいきなり先制される。GKと一対一になりPKを与えてしまう。足から相手に突っ込むのは良くない。GKのミス。失点後、ゴブ、マルダを中心に攻めまくり、セットプレイからジュニーニョがゴールを狙うが不発。
不運な形で中盤の選手がボールを失い、カウンターから2点目を許す。DFがボールウォッチャーになってしまい、マークを外してしまうというポカ。その前からポカをしまくっていたので必然といってもいい。
その後、がんがん攻めまくるがセットプレイからフレッジが頭で1点返しただけで試合は終わる。なんと負けてしまった。
■独り言
バロシュがそつなくワントップをこなしていてびっくり。トゥラランもいい選手だと思います。
でもローマには勝てないと思うよ、DF陣に差がありすぎるから。
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http://www.plus-blog.sportsnavi.com/josepgualdiola/article/106
リヨン対ボルドー ~リヨンの分析~
posted by josepgualdiola |16:07 |
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