2010年03月18日
チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
チェルシーのスタメンは、ターンブル、イバノビッチ、アレックス、テリー、ジルコフ、ミケル、バラック、ランパード、アネルカ、マルダ、ドログバ。前節を1-2で負けてしまったチェルシー。でもアウェーゴールを決めたしってプラスに前節を考えることができる。ってか、ターンブルって誰。チェルシーはインテル対策をするのかどうか。 インテルのスタメンは、セザール、マイコン、ルシオ、サムエル、サネッティ、カンビアッソ、モッタ、スナイデル、パンデフ、ミリート、エトー。4-3-1-2を捨てたCL仕様のインテルである。チェルシーのサイド攻撃をケアする意味合いが強いのだろう。サラゴサにいたミリートがこういう舞台に上り詰めたってのはなかなか感慨深いものがある。モウリーニョを呼んだ理由、CL制覇に向けてインテルはどこまでいけるかな。 ■戦術の幅 インテルのシステムは4-2-3-1。ミリートを前線に残して、エトーを右、パンデフを左に配置している。いつもの4-3-1-2に比べると、単純に攻撃の選手が多い。そして、守備の選手が少ないので、そのまま行うと自殺行為になる。なので、11人で守備をするよとCL補正をかけて試合の臨むインテル。いつもは4-3で守るのだけど、今日は4-5だよって感じ。つまり、日常は走らない選手を走らせることで、いつもよりも人数が多く見えるインテルであった。 チェルシー対策としてSBの攻撃参加にパンデフたちをケアさせる。これは王道として、もっと大切な事がある。アンチェロッティ×チェルシーはなんだかんだボールを保持することをチームの基盤としている。いざとなれば、ドログバへの放り込みも厭わないが、基本的にはボールを持って自分たちの時間を増やそうって考えがある。その中で発展してきたのがアネルカである。相手をなかなか崩せない状況で、自由に動き回るアネルカ!という状況を作り出すには、ボールを落ち着ける必要がある。 で、このボールを保持したいチェルシーのもくろみを完膚なきまでに破壊したのがインテルであった。簡単にいうと、休ませないくらいに相手にプレスを浴びせる。ミリートがCBに襲いかかり、スナイデルやエトーがランパードたちに襲いかかり、ゴール前に近づいてきたらカンビアッソたちが襲いかかる。この襲かかり方が非常にうまかった。エトーの鬼プレスが中盤で発揮されると、こんなにえぐいのかと。 どのエリアにも選手を配置することで、チェルシーのボール回しに休む時間を与えないインテル。でも、必ずどこかサボる場所があるはずだと管理人はじっとテレビを眺める。サボりそうなスナイデルは懸命にこなしていたし、カンビアッソと何よりもエトーのフォローを得たことによって、スナイデルのサボリは非常に巧妙に隠されていた。ってか、さぼっていなかったけれど。 相手がサボらなければ、相手がこない場所を探すのが吉である。となると、自陣のゴール付近に相手を近づけるリスクが必要となる。チェルシーの最終ラインを眺めると、アレックスとジルコフはイレギュラーな出場である。さらに、キーパーはターンブル。余計な負担はかけたくないのが、選手&監督ともに感じるところだろう。 となれば、バックパスは少なめになると予測できなくもない。それに、キーパーを利用したビルドアップを試みれば、スナイデルを含めたカルテットが鬼プレスを発動させていただろう。なので、インテルは相手に長い距離をいつのまにか走らされている深追いを気にすることなく、激しいプレスをチェルシーに浴びせることができる。だから、チェルシーに思いっきり当たれる。そんな迷いの無いインテルのプレスの前に、チェルシーはタジタジになっていく。 でもさ、ランパードあたりがポジションを下げまくれば、ボールを落ち着いたのではないかと。でも、チェルシーは負けている状況なので、ゴールから遠ざかる判断は難しいところである。というメンタル的な要素まで考えて、モウリーニョがこの作戦を実行したかどうかは、誰かが彼に聞くしかない。 それでも、チェルシーには困ったときのドログバがいる。チェルシーのドログバ対策は徹底的なマークである。DFラインを高くしてドログバをゴールから遠ざけるのでなく、ルシオとサムエルが常にマークを受渡しながら注意していた。ファウルをじさないサムエルたちの前にドログバはなかか思うように力を発揮できていなかった。なので、地上戦でも空中戦でもうまく機能しないチェルシーであった。 で、インテルはカウンターを浴びせていく。エトーたちが中央に絞れば、マイコンが攻撃に横幅を与えているのが印象的だった。3トップの与える攻撃の勢いや、マイコンの攻撃参加によって、チェルシーはインテルは攻撃も忘れていないことを思い知らされているわけで。さらに厄介なのが、戦術の幅。チェルシーは高い位置からの守備を忘れてしまっているので、ときどきインテルがボールを保持するような攻撃を仕掛けることもあった。結局のところ、インテルが自分たちのやりたいことをすべてやっているような前半戦が過ぎていくわけで。 チェルシー側からすると、もう少しインテルの対策を考えても良さそうなのだけど、かなり普段どおりであった。数多くある試合の一つみたいな感じで。そのままで勝てると計算していたなら、計算機が故障しているのではないかと。ベストメンバーならまだその考えは理解できるけどもさ。 前半のチェルシーは終了間際にチャンスを何度か掴むことに成功する。ドログバへの放り込みが実ったり、アネルカの神出鬼没が垣間見えたりって場面である。でも、なかなか効率的に攻撃がはまらないし、最後の耐え忍ぶところはさすがイタリアって感じの体を投げ出した守りであった。守っている選手はイタリア人ではないのだけども。そんなわけで、前半は0-0。後半のアンチェロッティの策に期待。 ■動けないのか動かないのか。 アネルカ⇔ドログバ。つまり、お互いの位置が変更になった。おそらくドログバのマッチアップの相手を変更したってことだろう。つまり、ドログバ優先。中央でどんと構えるアネルカは神出鬼没っぷりを潜めることとなる。なので、ドログバがいきないと非常に苦しい展開なのだけど、まったく活きなかった。今日はダメグバのようである。Not his day。 で、ハーフタイムに相手の状況を把握したインテル。もう少しボールを運べるのではないかとか、チェルシーはやっぱりボールを奪うのがうまくないよねとか、ドログバは何とかできそうだなとか。怖いのは単独で仕掛けてくるマルダだねって感じ。だとすれば、マルダにやられるのはしょうがないとして、もう少し試合をコントロールしにいこうと。 で、後半の立ち上がりはチェルシーも猛攻を見せるのだけど、気がつけばインテルがボールを保持していた。両者の差はボールをどこで奪えるかの差。インテルはゴール前でもゴールから遠い位置でもボールを奪えるようになっていた。普段はできない印象だけど・チェルシーは普段どおりに前でボールを奪えないのがちょっときつかった。後半は走らないと負けちゃうよとか脅すこともできたと思うのだけど。 インテルの攻撃はスナイデルのパスでの仕掛けから決定機が生まれていった。しかし、チェルシーもキーパーの出番を作らないようにギリギリのカバーリングで防いでいく。ときどきみせるジルコフのカバーリングが妙に印象に残っている。で、チェルシーはジョー・コール、カルーを投入し、スクランブルアタックを見せる。でも、自分たちのやり方を変えないので、あんまり意味はなかった。というか、ほとんど意味はなかった。 そして78分。スナイデルのパスに抜け出したエトーが決めて、インテルが待望のゴールを決める。直前に4-3-1-2に変更したのが吉となったかなと。で、チェルシーはアレックスを前にしてパワープレー。なので、カンビアッソたちがモウリーニョとどんなふうに守るのと相談しているのが印象的で。 しかし、最後にも顔を出したのがボールを奪えない組織。スタンフォードブリッジに響いたのが、インテルがボールを回すオーレの大合唱。相手にパワープレーを許さないインテルが最後は余裕で試合を終わらせましたとさ。終了後のインテルのはしゃぎっぷりがすごかった。この試合にかける思いが爆発したのだろう。関門を突破したインテルは一気にダークホースになりそうだね。 ■独り言 チェルシー対策を行ったインテルの勝ちってところ。チェルシーが勝負に徹すれば、また違った展開になったのかなと。アンチェロッティとモウリーニョの性格の差がでたのかもね。ポジティブに考えれば、チェルシーはリーグに集中できる。でも、これでリーグも取れなかったら、とんでもない事態になりそうだね。有り得そうで怖い。代表にも悪影響がでなければいいけど。 モウリーニョはまた名を上げたなと。それだけ。
posted by らいかーると |01:11 |
チャンピオンズリーグ/0910 |
コメント(12) |
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チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : ELG00003902
うーむ、スナイデル結構守備サボってるように見えましたが…まぁあのポジションの選手ならばあんなものなんでしょうかね。個人的にはシュートブロックしまくった両CBはもとよりモッタの守備が効いていたように見えました。転がりっぷりも含めてね。
チェルシー(というかアンチェロッティ?)はなんというか、「逆転してやる!」みたいな気概を感じることができませんでした。バラック下げたあたりから特に。ドログバは…まぁ、いいや。
posted by sz | 2010-03-18 01:49
Re:チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : kaku-ni
チェルシーサポですが,残念です。非常に。
2回くらいPKになってもおかしくないプレーがあったんですけどねー…
やはりエッシェンとアシュリーがいないのは辛い。
ターンブルも頑張ってましたが,ツェフと比べるとやはり不安があります。まぁ仕方ないですね。
インテル対策というか,ドログバへのマンマークを何とかするべきだったと思います。1stレグから予測できたはずなので。
それか,ドログバを囮に徹しさせて周りを活かすか。
マルダを右にしても面白かったかもしれません。
まぁ,こうなっては国内(プレミア・FAカップ)制覇が至上命題ですね。
チームの若返りの必要性をひしひしと感じる今,タイトルという区切りを以て,
いずれCL制覇のときを迎えられるようなチームを作り上げてもらいたいものです。
…関係ないけど,そこに本田がいれば最高w
以上,長文すみませんでした。
posted by kaku-ni | 2010-03-18 02:29
チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : IXI00002894
さすがはモウリーニョですね。
相手を徹底的に研究して、ストロングポイント(特にドロクバ)を消して、機能不全に陥れる術はお見事ですね。
インテルはまるで5、6年前のチェルシーのようでした。
選手構成はほとんど元レアル+元バルサ+その他ですが。
レアル&バルサに戦力外扱いされた選手達の意地が見れて感動的でしたね。再生工場みたいで。それにしてもチェルシーが負ける試合っていつもエッシェンがいない。
posted by モウリーニョ信者 | 2010-03-18 15:10
チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : OOH00002977
エッシェンやらチェフやらがいなかったことは間違いなく響いていたと思いますが、チェルシーが「自分たちのサッカー」しか意識しなかったのに対して、インテルは相手を尊重してサッカーをしていたことが結果に表れたってことなんでしょうね。
それにしても、チェルシーはなんだか寂しかったです。少し前までは、「自分たちのサッカー」を貫く究極がバルセロナなら、「相手を知り、それに合わせる」最強がチェルシーだと思っていましたから、負けるにしても今回のようではなく、最後の最後までしぶとさを見せるしたたかさ、怖さがあったんですけど・・・・。
インテルは本当によかったですね。つい最近、カンプノウに乗り込んでいってめちゃめちゃにやられたチームとは思えないほど統率されていました。一躍優勝候補に名乗り出た感じですね。
posted by 端 | 2010-03-19 00:11
チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : NID00000730
後付けと思われるかもしれないですけどチェルシーはシーズン途中迄していたダイヤモンドのFW2トップのほうがパスも良いテンポで繋がっていたし攻撃面では良かったと思うんですよ。
もちろん守備のことを考えてのチェンジなんですけど。
チェルシーとその433を知り尽くしてるかのようなモウリーニョだと分が悪いと言いますか
エトーはスナイデルの分までってくらいに凄い守備してましたしスナイデルはエグイパスを何本もしてたし。
例のごとくオランダ代表とカメルーン代表とニュースで扱ってましたけど、そんなの抜きにして素直に面白い試合でした。
posted by 京 | 2010-03-19 04:12
チェルシー対インテル ~やっぱり幅ですかね。~
コメント投稿者ID : hhhhenry
アネルカのイニエスタっぷりって、どうも左サイドにいる時に発動する頻度が高いんですよね。だから、4-3-3になって、右サイドに回される&ゴールからも離れちゃうで、最近は中々に大人しかったです。代わりにランパード、アシュリー、マルダはだいぶ元気になりますけど。意外に、チェルシーの修羅場って4-3-3にしてからなんだよなーと、今になって思いますね。
プレミアファンとしては、首位争いをリードしているチームがベストメンバーを欠いて敗退…てのは残念ですが、管理人さんやみなさんが仰るとおり、やはり監督、引いてはチームとしての幅の差でしょうね。やはりチェルシーには幅がなかった。劣勢に立たされた試合をひっくり返すだけの幅を持っていなかった。それはこの試合だけじゃなくて、プレミアでも言えることで。
以上、プレミアファン(チェルシーサポではないです)の負け惜しみでした。長々失礼しました。
posted by hhhhenry | 2010-03-19 17:19
szさんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
スナイデルですが、普段はもっとサボります。サボっているのか、免除されているのかは非常に微妙です。他の選手があれだけ頑張っているので、あの位置の選手が免除されるってのはないと思うのですが。
アネルカとドログバの共存にこだわりすぎているのかなと思いました。ドログバに固執して、アネルカを殺した采配はうまくなかったですね。
posted by らいかーると | 2010-03-23 09:46
kaku-niさんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
チェルシーサポからすると、悲しい試合になったと思います。アンチェロッティという監督に対する評価がこの敗戦でどうなっていくのか興味深いところで。ヒディンクのように、走れる選手をWGで使って幅を出すくらいできたのではないかと。
確かにそろそろ若返りですね。誰がどこへ行って誰が来るのか楽しみなところで。
posted by らいかーると | 2010-03-23 09:51
モウリーニョ信者さんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
そういえば、レアルやバルサ出身の選手が多いですね。気がつかなかった。今日のインテルは非常にモウリーニョらしいチームでしたが、あれが普段から発揮できればセリエも面白いのでしょうけど。
posted by らいかーると | 2010-03-23 09:53
端さんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
いろいろな監督を経由することで、チェルシーも姿を変えたってことでしょうか。選手たちの体にはモウリーニョやヒディンクに教わったことがたまに顔を出していた気がするのだけども。
でも、オーナーが変わることを望んでいたのでしょうがないのかなとも思います。
インテル対モスクワで本田のプレーが見られることを楽しみにしています。
posted by らいかーると | 2010-03-23 09:58
京さんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
4-4-2のダイヤですが、デコ、エッシェン、ジョーコールのコンディションが揃わなかったのが誤算なのかなと思います。また、前線からの守備をさせられなかったことで、4-3-3へ変更することによる、守備のメリットを最大限に享受できなかったことも大きいかなと。
スナイデルとファン・デル・ファールトの復活は楽しみだけど、恐ろしい限りです。
posted by らいかーると | 2010-03-23 10:02
hhhhenryさんへ
コメント投稿者ID : josepgualdiola
そうですね。アネルカは左サイドに流れる習慣があることを思い出しました。マルダはドリブルで頑張ってましたけど、マルダを活かす形をとってもしょうがないってところでしょうね。
プレミア勢はなんだかんだユナイテッドに期待でしょうか。個人的にも期待しています。
posted by らいかーると | 2010-03-23 10:07
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