2010年03月03日

ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン ~計算問題と解釈~

 バイエルンのスタメンは、ブット、コンテント、バトシュトゥバー、デミチェリス、ラーム、シュバインシュタイガー、ファンボメル、リベリ、ロッベン、ミュラー、ゴメス。ロッベリーが完全に怪我から復活したようで。CLはかなりごたごたしたようだけど、このメンバーだと何だかんだ勝ち抜いてしまうのかなと。やっているサッカーもそれなりに面白いし。

 ハンブルガーのスタメンは、ロスト、ボアテング、マタイセン、ロゼフナル、デュメル、ゼロベルト、ヤロリム、エリア、トロホフスキ、ペトリッチ、ベリ。ニステルが筋肉系の故障で離脱。元気な姿が見られると思っていたのだけども。それでも、ゼロベルト×ヤロリムコンビが見られるのは嬉しい。エリアは元気だろうか。

 ■ハンブルガー曰く

 バイエルンって、最近はとっても調子がいいよね。ロッベンとリベリがスタメンにいるし、下部組織出身の若手もいる。それでいて、試合から消えることで有名だったシュバインシュタイガー。中央で見事な存在感を出せるようになったでしょ。あれは素晴らしいコンバートだと思うよ。つまりさ、やっているサッカーもスタメンの年齢構成もかなりバランスがいいと思うんだよねってことさ。

 だからさ、そんなバイエルンとやりあうんだから、しかも、バイエルンのホームでだよ(笑)、多少は、、、いや、かなり相手をリスペクトした戦い方が余儀なくされると思うんだ。というか、そうしないといけない。うちの戦い方はゼロベルトたちが非常に攻撃的に振舞うことが特徴になっている。でもさ、CHが相手のゴール前に飛び出しまくって、カウンターの応酬になってもしょうがないだろうって。だから、前半は相手にボールを持たせてカウンターを狙うのが王道だろうね。

 というわけで、ハンブルガーが自陣に引いて守備を固める。それに対して、バイエルンはボールを保持ながら攻撃を仕掛けていく形で試合は幕を開ける。ハンブルガーはFWを相手のファンボメル付近にぶつけることで、かなり守備意識の高さを表現して見せた。その代わりに、バイエルンのCBはフリーになるのだけど、まあそれはしょうがないよねってところだろう。なので、久々にバトシュトゥバーの出番が訪れる。

 ボールを持たされたバイエルンはサイドに展開したり、楔を入れようとしたりするが、相手人数が多いので、なかなか巧くボールを展開できなかった。で、こういうときはバルサのCBを思い出そう。彼らはドリブルで相手陣地に侵入し、相手を引きつけて味方の中盤を自由にしたり、そのまま中盤の一員として振舞ったりすることができる。じゃ、バイエルンのCBはどうだったか見てみよう。

 デミチェリスとバトシュトゥバー。2人ともやろうと思えば、アンカーもできそうな選手である。バトシュトゥバーは名古屋にいた吉田みたいな印象で、ユースまではボランチをやっていたけど、時代の流れによってDFラインに配置されるようになったみたいな。で、今日はやっぱりバトシュトゥバーの出番であった。マンチェスター・ユナイテッドでエバンスにすべてが託されるように、攻撃を動かしているのはバトシュトゥバーであった。

 バトシュトゥバーはドリブルで相手陣地に侵入することはない。低い位置から高速パスで試合を作っていく。バイエルンの前線の選手がボールを受ける動きでフリーになるのを見逃さない&長い距離も低いボールで通せる技術があるのはさすがである。マルケスのようなサイドチェンジはないが、堅実に相手のゾーンの隙間にボールを通してける能力をこの選手は持っている。

 相手の守備に対して、いわゆる巧い選手がボールを受けに下がって、状況をどうこうしようとする場面があった。しかし、相手はついてくるし、前線の枚数は足らなくなるわけで、だったら、後ろに繋げる選手がいるならば、お任せしよう状態になっていく。非常に正しい判断かなと。ポジションチェンジする必要なければ、やらないに越したことはない。なので、シュバインシュタイガーもボールの受け手として機能するようになっていく。

 で、前半の最大の山場が生まれる。バトシュトバーの楔→シュバがフリーな状態でボールを受けて相手陣地に侵入し、スルーパスをミュラーが外した場面。この決定機を作れたことで、バイエルンはこの攻撃を続けていけば大丈夫だなと確信したに違いない。で、もうひとつの確信が生まれる。それはハンブルガーの立場で、このままの形だとやられるだろうなって確信が。

 バイエルンがちょこちょこチャンスを作り始めてから、防戦一方になっていくのかなと思っていたが、急にハンブルガーがやり返し始める。このあたりの駆け引きが面白い。お得意のロングボールを前線に当てて、こぼれ球を拾う作戦。狙いはバトシュトゥバー。繋げるけども、守りが強いって選手でもないので、ベリに非常に苦労していた。また、ドゥメルを積極的に攻撃参加させることで、お前はだれだのコンテントを狙い撃ち。バイエルンを眺めると、左サイドの守備は確かに弱そうなので、非常に懸命な判断だったかと。

 ロングボール大作戦やボールを奪ってからのショートカウンターで徐々に試合を動かしにきたハンブルガー。あのままバイエルンがゆったりボールを保持する展開から、オープンな展開に試合を動かしたのはちょっと凄い。で、そうなると、バイエルンもリベリとロッベンがボールを持つ場面が増えていく。ま、それもしょうがないだろうと。彼らにボールを触らせないように守っていても崩されちゃったのだから、もう関係ないだろうと。そんなわけで、両チームともにゴール前に殺到していく場面が増えていく。

 で、迫力があるのは間違いなくバイエルン。でも、最終局面でロッベンと周りの呼吸がずれたり、ハンブルガーの執念の守りだったりで、いわゆる、これを決めなきゃだめだよねってな超決定機はあまり生まれなかった。逆に、相手のミスを見逃さないハンブルガー。バイエルンの守備陣がボールの処理を誤ると一気にスピードアップ。そして、いわゆる超決定機を何度かむかえた。ペトリッチとトロホフスキが決めたかったね。

 で、前半が終了。ゲームプランが崩れたときのハンブルガーの切り替えの早さが目立つ前半戦であった。でも、バイエルンのほうが底力はあるわけで、決めるべきところで決めないと、後半は怖い展開になりそうで。

 後半が始まると、ハンブルガーがいつもどおりの表情を見せる。守備のときも相手陣地に侵入してプレスをかけていった。というわけで、最初からオープンな殴り合いが展開される。バイエルンと殴り合いなんてあんたばかって感じもするが計算すると、あら不思議。そんなに、ハンブルガーが不利ってこともなさそうである。

 バイエルンは攻守の切り替えや相手陣地での守備はなかなか巧い。でも、自陣に戻って守備をするのはあんまり好きでないように思える。例えば、ロッベンやリベリは守備をするときもあるのだけど、しないときもある。なので、場合によっては4-2で守るしかないバイエルンなんて状況がちょこちょこ出てくる。

 なので、そういう状況にハンブルガーが強い選手を当てたり、数的優位で迫ったりすることができれば、どっちが先に得点するかってのは、なかなか複雑な計算式になりそうである。どっちが優勢だってことは一概に言いづらいだろう。実際にハンブルガーはなかなか迫力のある攻撃を見せていた。特に後半は自分たちの長所であるエリアを中心にして、攻撃を組み立てていったところに彼らのチームカラーが出ていると思う。

 そんな襲い掛かるハンブルガーを相手にバイエルンもロッベンやリベリがやり返す。しかし、マタイセンとロゼフナルを中心とするDFが耐える耐える。特にマタイセンはオランダ代表なので、日本は対峙することになるんだねと。非常に優れた選手であります。あんまり繋げる選手ではないけれども。

 で、そんな一進一退の攻防に終止符を打ったのがリベリ。左サイドからドリブルで仕掛ける。そして、ボールをずらしてズドン。スポルトでは大騒ぎだったのだろうか。いわゆる個人技で試合を壊しちゃう典型的な例であった。ずらしてズドンは、小さいころから練習しまくる必要があるんだろうね。

 80分近くのゴールだったので、ここからハンブルガーは最後の猛攻を見せる。で、バー直撃のシュートを放つなど、後一歩まで迫るところが凄い。しかし、試合を通じて、ファンボメルとシュバインシュタイガーの危険察知能力による事前のファウルなどによって、攻撃の流れを阻害されちゃったのが痛かった。よって、試合は1-0で終了。久々にバイエルンがドイツで首位にたったとさ。

 ■独り言

 リベリの個人技も凄かったが、印象に残っているのはハンブルガーの姿勢。途中から正面衝突に切り替えて、ここまでの勝負を演じられるとはわからないものである。でも、バイエルンの短所と自分たちの長所を考えれば、理解できなくもないわけで。この短所をどのように解釈するかで、バイエルンとの向き合い方も変わっていくのだろう。他のチームがどのように戦っていくのか気になるところで。

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posted by らいかーると |12:19 | ブンデスリーガ0910 | コメント(2) | トラックバック(0)
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ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン ~計算問題と解釈~

コメント投稿者ID : NID00001460

スポルトではリベリーのプレーは騒がれていました(というかこの試合はそのワンプレーしか見せてなかったような)

去年のCL決勝のバルサのSBの攻撃参加を封じる+CBを困らせるための変則4-3-3を見てから、再びリベロの時代が来るような気がしましたが、リベロの本家のバイエルンでも攻撃力の高いバトシュトゥバーが今シーズン頭角を現したことは嬉しいです。

CL第2戦のフィオレンティナー戦は、フィオが最初からエンジン全開で攻撃してくるのかが楽しみです。

posted by サッカーファン | 2010-03-03 21:42

サッカーファンさんへ

コメント投稿者ID : josepgualdiola

さすがに大騒ぎでしたか。それは良かった良かった。

バトシュトゥバーには注目であります。ってか、ドイツの若手軍団は異様に質が高いので、注目して損はないです。

posted by らいかーると | 2010-03-07 22:29

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