2010年02月08日

バルセロナ対ヘタフェ ~勝利への飢え~

 バルサのスタメンは、バルデス、アビダル、ピケ、ミリート、マクスウェル、ヤヤ、ケイタ、シャビ、イニエスタ、イブラヒモビッチ、メッシ。ミリートがスタメンである。ミリートはここから徐々に調子を取り戻していけるだろうか。プジョルが累積で出場停止。アンリが召集外になっている。アウベスが怪我のようで、マクスウェルが右SBにいる。

 ヘタフェのスタメンは、コディーナ、マネ、ラファ、ディアス、ミゲル・トーレス、ボアテング、ミク、パレホ、アルビン、リオス、ソルダード。監督はレアル出身のミチェル。レアル出身の選手が多いので、いつもより気合が入っているだろう。ガビランは怪我。ペドロ・レオンは累積ってことで、両翼が心配される。コパで勝ち残っているので、疲労も心配される。そんなわけで、ヘタフェのほうが過密日程という珍しい状況。

 ■ヘタフェの幅

 ヘタフェのシステムは4-4-1-1。ソルダードがピケにマンツーマン気味で守っていた。つまり、自由になるガブリエル・ミリート。しかし、どちらかというと繋げるミリートはバルサの攻撃を牽引していく。

 フリーになったミリートはドリブルでボールを中盤まで運んでいき、相手を引きつけて中盤の選手にボールを渡していた。たまにはサイドチェンジでメッシにボールを供給。ドリブルで駆け上がっていくのがミリートの持ち味だと考えていたので、何となく懐かしさを覚えた場面だった。ミリートが帰ってきたねと。

 ヘタフェの守りはきちんと統率はされていた。ただし、前線でボールを奪う気があったかは謎である。さっさと自陣に撤退する切り替えは見事だったが、なんとなく守りづらそうに見えた。頻繁にポジションを相手の隙間や間に移動していくバルサの選手を捕まえにくそうで。走り回るのでなく、相手の隙間に移動するって考えが大事なのだろう。相手がぎりぎりついてこない位置を見極めようみたいな。

 チームカラーを考えても、本当はボールを追いかけたかったに違いない。でも、それを許さなかったのがバルサの実力なのかなと。ボールを追いかけてもボールを奪えないのなら相手の気持ちをおることができる。そういう意味で、ヘタフェ高い位置でボールを奪う気持ちを持たせなかったのは凄い。ちなみに、この後の退場劇でヘタフェの心が復活するのだから、より面白いのだけど。

 そんなこんなで自陣で守備を固めるヘタフェ。ボールを保持して相手のゴールに迫るバルサという構図で試合が進んでいく。バルサはメッシのコンディションが上がっているらしい。妙にゴールへの意識が高いプレーであった。中央に進出せずに、右サイドから仕掛けていくほうがメッシはやっぱり怖い。ただし、マクスウェルがなかなか上がってこないので、シャビはいつもと違うなって感じでプレーしていたと思う。

 先制点はメッシ。6分のコーナーキック。味方の落としをエリア外から、ボールに綺麗に回転をかけてメッシがゴールを決める。見事すぎるシュート精度でバルセロナがあっさりと先制点をあげる。ちなみに、今季のリーガにおいて、バルセロナはリードされたことがないらしい。めちゃくちゃなデータである。

 ここでヘタフェの出番となる。ヘタフェは高い位置でボールを奪ったら相手のSBの背後を狙うお手本のようなサッカーを志向していた。また、低い位置で攻撃が始まった場合は、ショートパスを繋いで相手のゴールに迫るサッカーを志向。中堅チームらしくない戦術の幅である。だからこそ、国王杯で生き残ったり、7位につけていたりするのだろう。

 キーパーも無闇にボールを蹴ることはない。目の前にボールがあるわけで、バルサの前線からのプレスをチェックするにはちょうど良かった。結論を言うと、連動性不足。目の前にボールがあるので、イブラヒモビッチもいつもよりは一生懸命にボールを追いかけていたと思う。しかし、肝心なときにサボる。だから、シャビがゾーンをこえて、ヤヤも連動してゾーンをこえてという感じ。なので、プレスがちょっと遅れる。

 その遅れを見逃さないのが凄いぞヘタフェ。ボールをちょこちょこ繋いでバルサの陣地に侵入していくのだから凄い。特にパレホがなかなか面白い。グラネロとめちゃくちゃかぶりそうだが、ボール運びとバイタルへの侵入が非常に巧い選手だなと。周りを使うのもすこぶるうまい。ここにカスケロが絡んだらもっと楽しそうである。

 そんなヘタフェに危険を感じたのか。バルサも徐々にリスク管理を始める。ボールを保持しても強いなら、君たちにボールを与えませんみたいな。ゴールを奪うよりも、ボールを保持することに優先順位を上げていくバルセロナ。試合のペースをゆっくりに変えることで、ヘタフェの流れを阻害しようと試みる。この流れの中にマクスウェルがどんどん乗ってきたのがバルサの収穫になるかなと。

 よって、バルサのボールを奪えたらカウンターで牙をむくヘタフェという構図になっていく。しかし、ここでバルサに誤算が起きる。それはイブラヒモビッチ。エトーよりもバルサのボール運びに馴染めるのではないかという予想は裏切られているのが現状で。確かにゴール前での相手に与える恐怖心はイブラのほうが上である。でも、ボール運びに馴染めているかというとエトーとさほど差はない。サビオラやボージャンのほうが良かったような。

 そんなイブラの軽率なミスによって、バルサはボールを失う場面が非常に増えていった。イブラへのパスがミスになったり、イブラがパスミスしたり。アビダル&ケイタ&イニエスタの関係や、ヤヤのフィジカルを活かしたカバーリングと色々巧く機能していたバルサだったが、意外なところに落とし穴が。

 で、事件がおきる。25分にピケが一発退場。混戦の中で、自分発信のルーズボールに遅れて両足スライディング。まあ、しょうがない。ピケの気持ちもわかるけど、審判の気持ちもわかる。地味にイブラヒモビッチもこの混戦を導いた判断ミスをしている。でも、イブラのせいで、ピケが退場したってのはどう考えても無理がある。

 これで、バルサのシステム4-3-2に変更。ヤヤがCBに加入。一人減ってもポゼッションかと思ったが、ヘタフェがそれを許さなかった。11人では奪えなそうだったけど、10人だったら奪えるんじゃないかという仮定。それを証明するために、ボールホルダーへの熱心なプレスが始まる。このプレスの強化にバルサの選手はなれるのに時間がかかってしまった。

 そしてバルデスが見事なキャッチを披露するなど、徐々に相手にゴール前まで迫られる回数が増えていく。しかし、バルサの選手も徐々にスイッチが入っていく。パスでプレスを交わせないのだったら、ドリブルしかないよねって話で。イニエスタとシャビが恐ろしいキープ力を見せ始めたのは35分くらいから。ゴールへの意識が急激に高まり、メッシとイブラもこれに連動。ゴールまでの迫力が増していくバルサ。

 イブラのクロス→シャビのヘディングや、イブラの飛び出しはヘタフェに止めを刺してもおかしくはなった。ピケが退場したことで、いつもよりも負担が大きくなったバルサの選手たち。でもこれくらい負担がかかったほうが、個々のレベルアップには繋がりそうな10人になってからのバルサであった。ちなみに、ポゼッションもできるヘタフェがバルサの押し込む場面もあって、なかなか面白い状況になっている。

 ■正しい判断をするグアルディオラ

 前半からSBを積極的に上げて攻撃を仕掛けるヘタフェ。その心はメッシとかあんまり下がってまで守備をしないだろうみたいな。一度だけメッシが恐ろしくポジションを下げて守備をする場面もあったが、基本的には下がってこない場面が多かった。ヘタフェの左SBはマネである。ブルーノとともにアルメリアを引っ張ってきたSBで、元気そうで何よりである。

 後半も同じように攻め込むヘタフェ。後半はミゲル・トーレスも攻撃参加させるよってことで、サイドからのクロスでいきなり決定機を作られてしまう。この決定機がグアルディオラに早い決断を促すこととなった。4-3-2では守りきれなそうだなこりゃみたいな。よって、4-4-1への変更を決断する。で、50分にイブラ→ブスケツ。メッシでなくて、イブラを下げたのが素晴らしい。カウンターではメッシのほうが有利だと判断したのだろう。

 4-4のラインを綺麗にそろえることで、サイドの守備を強化したバルセロナ。しっかり守ってカウンターのバルセロナはおののくほど強かった。ヘタフェは懸命に攻め込むものの、グアルディオラの采配の前に、かなり苦労が続いていきそうな雰囲気。

 55分にマネ→マヌデルモラル。3バックで前線の枚数を増やしてきた。恐らく早めのクロスに対して的を増やそう作戦だろう。57分にヤヤ→マルケス。ヤヤは怪我っぽい。久々に動くマルケスである。守備の問題を改善したバルセロナは、どんどんカウンターでヘタフェを苦しめていく。イニエスタの何人交わしたんだというドリブル&シャビ→イニエスタ→ケイタの決定機などバルサが優勢に立った。

 63分にパレホ→カスケロ。パレホは面白い選手だと思ったんだけどな。このあたりからヘタフェの攻撃は何がしたいのかわからなくなっていく。

 そして、67分にバルサが追加点。セットプレーからのカウンター。シャビとメッシが2人で崩しちゃったよと。メッシがドリブルで切り裂いて最後はシャビ。10人で任務を完璧に遂行するバルセロナであった。会場もヒートアップ。そしてイラつくヘタフェの選手たち。意味のないイエローをもらう場面がちらほら。

 自分たちの型をあっさりと捨てて、勝負に執着することができたバルセロナをヘタフェが崩すのは至難の業であった。しかし、ロスタイムにマルケスがエリア内で相手を倒し、PK&一発退場のおまけがついた。ファウル後のシュートまでとめていたバルデスだったが、さすがにPKを防ぐことはできず。2-1で試合は終了した。

 いろいろあった前半に比べると、途中から4-4-1に変更したバルセロナの決断の早さが勝利を呼んだのかなと。ハーフタイムをはさんでの変更はよくあるけれども、直後なのにスムーズに変更が言ったのは、もしかしたらこうするかもよと伝えていてのかもね。

 ■独り言

 ヘタフェも悪くなかったが、バルセロナが恐ろしすぎた。特に10人になってからのシャビとイニエスタのパフォーマンスは異常。疲れたろうけど、良い意味で気持ちよかったのではないかなと。ミリートの復活はうれしいニュース。チグリンスキがますます出番がなくなりそうで、どうなるのだろうね。

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posted by らいかーると |00:51 | バルセロナ/0910 | コメント(9) | トラックバック(1)
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バルセロナ対ヘタフェ ~勝利への飢え~

コメント投稿者ID :

はじめまして。

イニエスタからシャビのルーレットパスは鬼でしたね。アレ化け物だと思って発狂しました。二人とも最高のパフォーマンスを見せましたね。

次節Aマドリーが勝負ですね。ここで勝てば一気にいきそうな・・

posted by すぐる | 2010-02-08 04:55

バルセロナ対ヘタフェ ~勝利への飢え~

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ヘタフェも良かったけど、バルサが凄すぎましたね。
やはり週一で、コンディションがいいんですかね。

不利な状況で、更に高いパフォーマンスを見せる選手達。
仰るとおり恐ろしいですね。

イニエスタって、どこまで上手くなるんでしょう?
上背もスピードも大してないのに笑うしかないプレーの数々。
日本代表の試合の後だっただけに、こんな日本人育成できないのかなあって思ってしましました。
無理ですか、管理人さん・・・

posted by マルコ | 2010-02-08 09:16

バルセロナ対ヘタフェ ~勝利への飢え~

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続けてすみません。
管理人さんにお聞きしたかったので・・・

イニエスタが見せた相手ゴール前でドリブルして切り返して
二人を交わした場面。
あれ指導する立場からは、どう見られますか?

posted by マルコ | 2010-02-08 09:32

バルセロナ対ヘタフェ ~勝利への飢え~

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来シーズンはマルセロの位置でパレホを見たくて堪りません。

posted by ダニ | 2010-02-08 11:20

Re:バルセロナ対ヘタフェ 〜勝利への飢え〜

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結果として得るものが多い試合になった様な気もします。ミリートの復帰やプレッシングの現状、ピケが退場してからのやらなければいけない状況など。

この試合のズラタンはバルサのパス回しに上手く加われない新加入選手と言う良く見た光景でした。守備を含めたズラタンの性質がなんとか出来るものなのか、なんともはならないものなのか。

ミリートは考えているよりも良い出来で嬉しさとともに驚きました。管理人さんが言われている様に繋げるセンター2枚は良いですね。プジョルの守備力とかを抜きに考えればですが。
あと来節限定でアウベス、ピケ、マルケスが出れませんのでチグリンにも少なからず機会はありそうです。

posted by pablo | 2010-02-08 19:37

すぐるさんへ

コメント投稿者ID : josepgualdiola

10人になってからのシャビイニには感動しました。あれが本気なんだろうと。明らかにスイッチが入っていましたからね。

アトレチコを得意としているイメージがないので、勝負でしょうね。

posted by らいかーると | 2010-02-12 21:04

マルコさんへ

コメント投稿者ID : josepgualdiola

日本からイニエスタって話ですけど、スペインでも彼クラスはまれだと思います。

で、まじめに考えると、がちでリーグ戦が定着しないと難しそうです。能力別のリーグ戦ができあがれば、無駄に結果にこだわるチームも減りそうな気がします。

今は能力に見合ったチームに在籍できる選手が少ないような気がします。変な縄張り意識もあるので困難かと。

ドリブルに関して言えば、抜ければOKです。10回チャレンジして6回抜けるとしましょう。だったら、その6回を正確に判断できるようにしましょうってな感じですね。

あの位置でイニエスタやシャビが判断をミスったのはあまり記憶にありません。

posted by らいかーると | 2010-02-12 21:09

ダニさんへ

コメント投稿者ID : josepgualdiola

パレホはみたいですね。

posted by らいかーると | 2010-02-12 21:11

pabloさんへ

コメント投稿者ID : josepgualdiola

ミリートはドリブルでの攻撃参加が信条だと思います。試合を何とかしたいって気持ちが強い選手なので、結構面白いですよと。

ズラタンがどれだけ自分の加入によるマイナスを減らせるかでCLの結果が決まりそうですね。もちろん、プラスの部分も多いですけど。

posted by らいかーると | 2010-02-12 21:14

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