2009年11月16日

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

 ポルトガルのスタメンは、エドゥアルド、ブルーノ・アウベス、ペペ、カウバーリョ、パウロ・フェレイラ、ラウール・メイレレス、デコ、ドゥダ、ナニ、シモン、リエジソン。リエジソンがブラジルからの帰化だった気がする。ユーロからの印象だと、デコの相棒にめちゃくちゃ苦労している印象。ってか、デコがいなくなったら、地味に暗黒期に再突入しそうである。モウチーニョ頑張れ。

 ボスニアのスタメンは、ハサギッキ、スパビッチ、ナダレビッチ、ムラトビッチ、ラヒミッチ、イブリチッチ、ヤヒッチ、サリホビッチ、ミシモビッチ、ジェコ、イビシェビッチ。ブンデスを観戦している人にこの前線の恐ろしさが伝わるはず。大げさにリーガで例えると、シルバ、レナト、ルイスファビアーノ、ビジャみたいな前線。あくまで大げさです。

 ■若さ対経験

 ポルトガルのシステムは4-3-3。ペペが中盤の底を担っている。世界最高の左足を持つドゥダが左SBに配置されている。ポルトガル代表ではペペが中盤をやっているのを忘れていた。これが機能しているから面白い。

 そして、デコの相棒はメイレレス。今季はポルトで中心選手をやっていたのを覚えている。その印象のまま、この試合でも走り回ってチェンスメイクにミドルシュートにと大忙し。ひとまず、デコの相棒はメイレレスで問題なさそうである。

 そんな色々な問題が解消されつつあるポルトガル。ロナウドがいないことで、前線の役割分担も固まってきているようである。左サイドのシモンはサイドから仕掛けるよりは中央に進出して相手の守備に混乱を与える役割。

 たぶん、最近のシモンは個人技で相手を破壊できるコンディションにないので、ポジショニングとチャンスメイクで勝負の役割なのだろう。シモンの空けたスペースにはドゥダが侵入してくる。

 中央のリエジソンはとにかく中央でボールを受けまくる。クロスにも飛び込みこみまくる。サイズが大きいわけではないけれども、潰れ役も厭わない姿勢はポルトガルに必要なタイプの選手だったろう。

 ナニは右サイドからクロスマシーンと化していた。難しいことはしないでいいから、お前はサリホビッチを抜けと。サリホビッチを抜けないとやばいぞと。ここがロナウドだと、複雑なことをやろうとしすぎて、チームが混乱することもあるよね。ロナウドが中央に入って、パウロ・フェレイラが飛び出したり、リエジソンがサイドに流れたりってめんどくさいしリスクも出てくるではないか。

 ボスニアのシステムは、3-5-2。相手がワントップやスリートップに3バックは自殺行為だよねというニュアンスの言葉をヒディンクから聞いたことがある。もちろん、伝聞だよ。

 ってか、個人的にはそんな言葉に興味ないのだけど、3トップ対3バックってどきどきするね。前線が強力だけど、後ろの選手はお前らだれだ状態のボスニア。ミシモビッチを守備から解き放つためか、単なる守備固めかはボスニアマニアしか答えをしらないだろう。単純にポルトガルのホームだから失点したくないって理由かもしれないけれども。

 試合が始まると、ボスニアは守備的な姿勢を見せる。やはり守備固めの3-5-2だったのか。つまり、人海戦術。でも、その守備的な姿勢が本気のポルトガルに試合の流れを与えることになってしまう。

 ボスニアのプレス開始ラインはハーフラインよりも自陣よりに見えた。ジェコとイビシェビッチも後ろに下がっていく。ラインを深くして相手をおびき寄せたいポルトガルのCBはちょっとびっくりしたかもしれない。ボスニアの選手は全然ボールを取りに来ないんだねと。

 で、ボスニアの不味かったところは、前線の3枚がフィルターとしてまったく機能しなかったので、ボールを運ばれまくりであった。特にペペの横にいるデコが簡単にフリーになれていたのはかなり不味かった。デコから積極的にバイタルにボールが運ばれるボスニアはかなり苦しい展開で試合が進んでいく。

 しかし、高さで上を行くボスニアの前に、クロスではちょっと歯がたちそうもない。でも、ゴール前にボールを入れれば何か起こるかもしれない。だから継続しようとナニが積極的な仕掛けを見せる。ゴール前で守備を固めるボスニアの前に、メイレレスのミドルも飛び出してポルトガルはいい雰囲気。ボスニアのカウンターも、ジェコたちに前でペペ跳ね返す活躍で相手の攻撃の怖さをうまく封じていた。

 ボスニアの守備はゾーンを埋める意識が非常に高いように見えた。なので、ポジションを外れて動くポルトガルの選手にあんまり対応できていなかった。ポジションを下げるデコや、ボールを受けるために動くリエジソンを簡単にフリーのするのはちょっといただけない。

 後ろに人が余って中盤に人が足らない減少が発生。うまく機能させれば問題ないけど、うまく機能させる労力と時間とセンスがなければ、チャレンジしないほうがよさげである。ちなみに、今日の場合はシステム動向よりもボスニアの戦術に問題がありそう。

 これじゃ、失点するだろうなと眺めていた。すると、30分くらいにコーナーキックの崩れからデコとナニコンビに右サイドを攻略されセンタリング。最後はファーサイドでブルーノ・アウベスが合わせてポルトガルが先制。歓喜に沸くリスボン。やっぱり本気の試合ってのは面白い。観客も選手も本気だから雰囲気が異常。現場はとんでもない空気なんだろうな。

 で、ボスニア。失点する前から攻撃の中心はミシモビッチとサリホビッチ。この2人が何とかしてジェコたちにボールを届けたいのだけど、守備姿勢が強すぎるためか、孤立傾向にあった。

 でも、左サイドのサリホビッチは徐々に試合に影響を与えていく。得意の左足から放たれる精度の高い長短のパスで試合を作りながら、守備も行うというどんだけ働くんだサリホビッチ。

 そんなサリホビッチの活躍もあって、前半の終盤はゴール前に殺到されてしまったポルトガル。高さでは負けてしまうので、セットプレーはかなり危険であった。バーにぶつけられたし。ジェコもでかいが、ボスニアの選手はみんなでかくて、がたいも凄い。で、セットプレーの質も高い。これは怖い武器である。

 後半になると、先制したポルトガルがちょっと大人しくなる。前線から見せていた攻撃的な守備がちょっとなりを潜め、相手にアウェーゴールを与えないような雰囲気に変化していく。

 よって、ボスニアが余裕を持ちながら攻撃を進められるようになった。旧ユーゴ地方って無駄にうまい選手が多く、何でもできそうなイメージがあるのだけど、今日のボスニアにそういう選手が平均的にそろっている感じではなかった。

 なので、狙い通りにカウンターでボスニアゴールに迫っていくポルトガル。リエジソンをポストにして、デコやメイレレスが二列目から飛び出してくるのはかなり脅威であった。

 でも、ここで追加点を奪えないのが辛い。ケイロス監督は攻撃の手を追加することよりも守備かために走る。ペペ→コエントラでサリホビッチ対策に出る。ただ、このコエントラは将来を嘱望されているWGらしい。WGばっかだな。

 時間がたつにつれて、このまま1-0で終わる雰囲気のまま終わらせないセビリア。最後に攻撃的な選手を投入し、特にリヨンのプヤニッチは本当に短い時間でも決定機を演出していた。ジェコのヘディングが入っていれば、ポルトガルは絶望に包まれたに違いない。でも、包まれなかった。防いだのはバーとポスト。運があるかもしれないね。

 ■独り言

 親善試合にはあんまり興味がわかない。やっぱりプレーオフのようなしびれる試合がたくさんみたいなと再確認した。この試合では、ミシモビッチが悪かった。守備はしないし、攻撃ではペペに抑えられるわ。ボスニアがホームに行ってもここの局地戦には何らかの手を打たないと不味そうである。

 ポルトガルはなかなか守備が堅いのだけど、ジェコの一発はやっぱり怖い。セカンドレグはポルトガルの戦い方が非常に注目される。守備的にポゼッションするか、相手にボールを持たせてショートカウンターを狙うか。ボスニアが90分間パワープレーしてきたらポルトガルは困る。考えるだけで楽しみである。

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posted by らいかーると |15:13 | 南アフリカへの予選 | コメント(6) | トラックバック(0)
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Re:ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

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ロナウドよりもジェコイビセをワールドカップで見たいきもします。

posted by iai | 2009-11-17 00:19

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

コメント投稿者ID :

左のサリホビッチしか機能していないボスニアの内容も全然良くなかったですが、それでもチャンスは作ったし相手が相手なので、これはこれでしょうがないってボスニアは思えそうですね。

逆にポルトガルは勝ちはしたけど、結構重症だなぁと感じました。スーパーミドルが出るかセットプレーぐらいしか得点の想像がつかない…こりゃ、プレーオフに回るだろうなみたいな。この試合の前に観たロシアを見た後だと出来が凄く悪く感じました。

運良く、セットプレーがきっかけで得点できたのでよかったですが、点が獲れずに時間が進んだら、残りの20分間でクロスとミドルを全体の40%ぐらいお見舞いするが結局決まらずホームでどんよりってな可能性も充分にあり得そうな感じがしました。

posted by かぜっぴきのahoaho | 2009-11-17 01:57

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

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ポルトガルの攻めの幅のなさにはがっかりしました。ロナウドがいてもたいして変わらない気がします。ロナウドに頼った攻めばかりになって・・・。
黄金世代のいた時代のわくわくするようなポルトガルは息を潜めてしまったんですね。
iaiさんが仰るように私もジェコの方が見たいです。

posted by セルジオオンセイソン引退 | 2009-11-17 14:05

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

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2点差であれば絶望的ですが、
むしろアウェーで1点は普通に許容範囲です。

posted by ボスナマニア | 2009-11-17 16:29

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

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コメントありがとうございます。

セカンドレグの前に返信です。どのように戦うのかが非常に興味深い一戦です。

その前に、ポルトガルについてですが、予選のときに比べて、だいぶましになった印象です。これでもか!?って言われそうですがこれでもです。

>>iaiさん
サリホがキーマンですよ、多分。

>>かぜっぴきのahoahoさん
お大事にしてください。ドイツ戦のロシアはなんとなくサッカーをしている印象でしたが、プレーオフではなんとなくやりませんもんね。ロシアも非常に楽しみです。

ポルトガルはこんなもんです。むしろ良かったくらいです。まじで。

>>セルジオオンセイソン引退さん
いつのまに引退したのか、ってかまだ現役だったのかとびっくりしました。ラツィオ時代のセルジオ・コンセイソンが印象に残っています。

>>ボスナマニアさん
でしょうね。

posted by らいかーると | 2009-11-18 14:17

ポルトガル対ボスニア・ヘルツェコビナ ~デコ対ミシモビッチ~

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 更新おつかれさまです。

南アフリカ行き決めましたね。
管理人さんから見て今回のポルトガルは期待できそうにないのですが、
C.ロナウド、何よりデコが見れて嬉しいです。
逆にロシアの敗退は驚きましたが。

さて次はいよいよ本戦ですね。
僕はイングランドを押していますが、
ブラジルかな…今回はかなり波乱が起きるような大会になると思っています。
また暇があればで良いのですが、
もし宜しければW杯に出場する国の分析もしてもらうと凄い嬉しいです…大変なのは十分承知していますが。

これからも頑張ってください!!

posted by ホウレンソウ | 2009-11-19 11:21

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