2009年04月27日

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

 セビリアのスタメンは、パロップ、フェルナンド・ナバーロ、エスキュデ、ダビド・プリエト、アドリアーノ、ロマリッチ、ドゥシェル、ペロッティ、ヘスス・ナバス、レナト、カヌーテ。バルサ戦はへんてこなメンバーだったが、一転してベストメンバーへ。普通は首位いじめだろうに。

 レアルのスタメンは、カシージャス、ミゲル・トーレス、メッツェルダー、カンナバーロ、セルヒオ・ラモス、ガゴ、ラサナ、マルセロ、イグアイン、グティ、ラウール。スナイデルが怪我をした関係で、グティがトップ下に入る模様。そして、イグアインとフンテラールのスタメン争いは続く。ファンデルファールトはもっと出来る子だと思っていたのにな。

 ■前半はセビリア

 ミッドウィークのバルサ戦で主力を数人温存したセビリア。なので、コンディションがいい選手がちらほら。負けが続いている事情&ここは我々のホームだってなわけで、前半から飛ばしまくるセビリア。いつもの4-4-1-1でレアルにプレッシャーをかける。

 試合内容の前に、今日のレアル。今まではラウールが中盤で仕事を担っていたが、スナイデルの欠場とフンテラールが軽傷だって事情で最前線に配置されていた。最前線に位置するラウールはさすがに後ろに戻って守備に参加する場面は少なかった。ラウールが下がったら最前線には誰もいなくなってしまうので、当たり前といえば当たり前。

 その代わりの中盤の構成。今までは、ラサナ、ラウール、スナイデルであった。賛否両論はあるだろうが、基本的に守備をサボりっぱなしの選手はいないので、中盤はそれなりに落ち着いていた。時にラサナが孤立することはあれども。

 この試合では、ガゴ、ラサナ、グティ。ガゴとラサナの同時起用の時は、高確率で守備が2人に依存されることとなる。で、この試合もまさにそんな感じであった。グティはあんまり守備をしていなかった。その代わり、決定的な仕事が求められているわけで。

 ちなみに、両SHはイグアインとマルセロ。この2人が前半は不味かった。特にマルセロ。試合開始直後のイグアインはSHらしく守備をサボらずに行っていたが、徐々に中央に進出。もともとロッベンがいないので、ドリブルで勝負できる選手はイグアインのみなので、多少のわがままは許容。実際にゾーンを越える動きで相手の守備を混乱させる場面もあったが、セルヒオ・ラモスが大変そうだった。

 レアルのSHが守備をしない問題は顔を出したり、出さなかったり。で、今日は顔を出した日。特にマルセロは攻守に姿を消していて、ヘススなバスとの一騎打ちを余儀なくされたミゲルトーレスはぼこぼこにされていた。かわいそうなミゲル。せめてもの救いはアドリアーノが思ったよりも攻撃参加してこなかったことだろう。

 逆にセルヒオラモス。フェルナンド・ナバーロが積極的に攻撃参加。イグアインが守備に参加しないので、ペロッティを捨ててナバーロを潰しに行くのだけど、ペロッティにパスを通される場面が続出。恐らく、セビリアはペロッティがセルヒオ・ラモスの裏をつく→セルヒオ・ラモスを引き出すために、ナバーロとロマリッチをサイドでボールを受ける作戦をしていたような。

 いつもだったら、快速ペペがセルヒオ・ラモスのスペースを埋めるのだけど、今日はカンナバーロ。ペペだったらボールをかっさらっちゃうけれど、カンナバーロは対峙して勝負なので、自然と押し込まれるレアルであった。また、いつもだったらガゴたちが飛んでくるのだけど、中央の勝負で手一杯のようで。

 レアルはグティを起用しているので、なるべくグティにボールを集めよう→だったら、ロングボールは駄目だねってことでボールを繋ぐそぶりを見せる面々。カシージャスが無闇に蹴らないように、CBがボールを引き出す動きもしていたが、セビリアの休養十分プレスの前にまったくボールはつなげていなかった。

 いつもだったら、ラウールが中盤でゲームを作っていたのだが、今日は最前線。ロングボールを蹴っても、ラウールじゃ競り勝つのは難しいし、セカンドボールを拾うのがグティではどうしようもない。そんなわけで、レアルのチーム設計はあっさりと敗れ去ることとなった。つまり、防戦一方である。しかも、SHが守備に戻らないので、どうしようもない。そんなレアルの前半戦の見所はイグアインの強引なドリブルとたまにボールに触るグティくらいであった。

 こんな展開なので、あっさりとセビリアが先制する。16分。イグアインが守備をサボる→ラウールがそのスペースを埋めに行くがナバーロに振り切られ、セルヒオラモスが前に飛び出す→ペロッティにボールが渡り、カンナバーロと勝負→ペロッティはアウトフロントでクロスを上げ、走り屋のレナトが見事なヘディングでセビリアが先制する。まさに狙い通りの形であった。

 で、レナト。役割がたくさん。攻撃のときはカヌーテの周りでセカンドボールを拾い捲り、ボールを繋いでいるときは相手のギャップでボールを受け、サイドからクロスのときはゴール前に飛び込む。守備のときはガゴとラサナとやりあうことで、ドゥシェルたちの負担を軽減し、さらには相手のCBまでプレスをかけることで、カヌーテをも助けるレナト。ルイス・ファビアーノからすタメンを奪うのも納得である。レナトに関しては、ヒメレスは素晴らしい選択をしているなって。

 誰もがセビリア優勢を信じて疑わなかった前半戦。アドリアーノが突破してカヌーテへのクロスなど決定機をその後も作り続けるが、追加点はならなかった。それでも、ホームの観客は満足していそうだったが、ロスタイムに事件がおきる。

 シュートらしいシュートがなかったレアル。セットプレー崩れからラサナの楔のパスにマルセロがトリッキーなプレーを仕掛けるが失敗。しかし、これがメッツェルダーに渡り中央へクロス。これを最前線にいるラウールが見事に押し込んで、、、なんと同点になってしまった。

 まるでカペッロ時代を髣髴とさせるような展開に、無反応のサンチェスピスファンの観客。前半はこれにて終了した。

 ■後半はレアル

 前半と同じように攻め続ければ、チャンスだよってなセビリア。しかしレアルがそれを許さなかった。前半のレアルはどんなサッカーをするべきかの意思統一がなされていなかったので、個人が個人で仕掛ける状態だったが、後半はちゃんと意思統一がなされた。

 自由に動き回るイグアインとラウールをFWに。で、空になる右サイドのカバーをラサナ専属に。中央のスペースはガゴに頑張ってもらういびつなシステムとなった。このシステムのままぶつかり合えば破綻すること間違いなしのレアルだが、ちゃんとネタがあった。

 中盤で勝負すれば、押し込まれるならば、中盤で勝負させないようにすればいいじゃんってなことで、徹底的に中盤を省略。前線にがんがんボールを放り込んで、そこでセビリアに鬼プレスを仕掛ける道を選んだ。つまり、前線に人を配置してセビリアに攻撃を組み立てさせない作戦である。高い位置でボールを奪って、ショートカウンター発動できれば、レアルはおいしいわけで。

 そんなん、セビリアはラインを下げてカヌーテに放り込めばいいのだけど、セビリアのCBはそんなに器用じゃないし、ドゥシェルたちもDFラインを助けられるような器用さは持ち合わせていない。だったら、パロップに蹴らせればいいじゃねっかってな話だけど、今日はパロップのキック精度はめちゃくちゃであった。

 なので、苦し紛れのボールが増えるセビリア。ここでカヌーテにボールがおさまれば、何とかなったろうけど、メッツェルダーが強さを証明してみせる。周りのフォローが少なくなったカヌーテに対して、思いっきりのいいアタックが可能となったメッツェルダーは優位に立つことに成功する。

 頼みの綱のペロッティは素早いラサナの対応に苦しみ、ラサナを潜り抜けても、カバーのカンナバーロがお前はまだはやいとばかりに素早いチェックでペロッティを潰すことに成功。だったら、ヘススナバスを使えばいいのだけど、いわゆる空いているペロッティを使いたくなるのが信条なわけで。あれは罠だったのかどうか。ちなみに、ペロッティはカペルと交代することになる。

 そんな前線への放り込み&鬼プレスで流れを掴んだレアルはギャ起点ゴールを決める。62分にガゴの積極的なプレスでボールを奪ったレアル。ミゲルトーレスのクロスは相手に当たって方向が変わったが、ラウールにはそんなの関係ない、見事なゴール前のらしさをみせ、逆転ゴールを決めてしまう。

 その直後に、今度はイグアインのクロスをパロップがファンブル→ラウールが押し込んでハットトリック達成。あっという間の出来事であった。

 そんなバカなってなセビリア。ただし、ルイファビを入れたり、カペルを投入している時点で、俺たちも放り込みだってことだろうか。あんまり賢くない采配。この辺りが駄目だしされるところだろう。

 そんなセビリアはラウールがいなくなってから、チャンスを掴むようになる。ハビ・ガルシアを入れて守備を固めるレアルだが、こっちも選手交代がびっくりするくらいに機能しない。

 で、右サイドを突破されて、カペルに点を決められてしまうのだけど。最後にはマルセロが抜け出して追加点を決めるのだから、わけのわからない試合だった。最終的に4-2でレアルが勝利する。

 ■独り言

 後半のレアル。なりふり構ってられないわってな感じのサッカーにセビリアが対応できなかったのがすべてかなって試合だった。セビリア側に原因を求めるならば、前半に追加点を奪えるチャンスがあったのに奪えなかったのがイタイイタイ。

 ただただ思うのが、セビリアのゲームキャプテンって誰なのだろうね。いわゆるああいった状況で、ピッチの中で試合を落ち着けられる選手ってか、セビリアの魂みたいな選手っていないのだろうか。なんとなく気になった。

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posted by らいかーると |08:17 | レアルマドリッド/0809 | コメント(11) | トラックバック(0)
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セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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いつもくわしいマッチレポありがとうございます。

クレ的な視点では、スペクタクルを捨ててひたすら勝負にこだわる今のマドリーには、得体の知れない神がかり的な凄み(失礼)が感じられます。

ベルナベウでは点の取り合いになりそうですが、バルサには最後まで攻めの姿勢を貫いて欲しいと思います。

posted by クレクレタコラ | 2009-04-27 13:06

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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ラウルは本当のカピタンですね。ここぞという大事な試合に活躍する素晴らしい選手。まさにレアルの精神的支柱ですね。「レアルの魂」そのものです。カシージャスもそうですね。セビリアもカンテラ出身でそういう選手がカピタンになれば本当の意味で強いチームになるでしょう。今は精神的な強さという意味ではレアルが頭一つ抜けてますね
どんな不利な状況・逆境に置かれても、とにかく勝つ。
これがリーガ最多優勝を誇るレアルの勝者のメンタリティーというものでしょうね。素晴らしいです。

posted by JM | 2009-04-27 14:20

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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クラシコでは、ただただいい勝負を期待します。
ただ、ファンデはアンチフットボールに徹するんだろうな...。

posted by GENTA1号 | 2009-04-27 14:32

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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レアルは短期決戦のようなルールで一刀両断されない限りは本当に粘り強く巻き返しを図りますね。
リーグ戦だと長丁場なので、1度死んでも生き返って優勝争いですし。
CLではすぐ消えましたが、決勝トーナメント参加チームでリーグ戦やれば、もしかしたら優勝争えるんじゃないかと思ってしまいます。

posted by いびこ | 2009-04-27 16:20

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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バルサがヨーロッパの第一グループだとすれば、レアルはその下の第二グループでしょう。そのくらい、力の差は
あります。ただここまでポイントを重ねてきた執念、奇跡は
凄いです。
とは言ってもバルサには勝つのは厳しいでしょうけど…
レアルの頑張りに期待しましょう。

posted by AS | 2009-04-27 16:38

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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セビリアのゲームキャプテンは、マレスカ、、、、だったはず・・・?

posted by Nari | 2009-04-27 17:10

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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落ち着いていられるかは別として個人的にはやはりハビ・ナバーロだと思います。
ガツガツと激しい守備は見ている以上にチームを活気付けていたと感じます。
ただ今期は怪我に悩まされていて引退の可能性もあるとか

posted by 名無し | 2009-04-27 17:55

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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フット○リスタあたりのレポートより全然おもしろいですね。
これからも期待しています!

posted by mom | 2009-04-27 21:14

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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レアルが後半に復活した理由が納得できました。流石の分析ですね。ただ、高い位置で奪うなら、グティを代えても良かったと思いますが、カウンターのためでしょうか?

レアルの執念も凄いですが、バルサがバレンシアに執念で引き分けた1点が大きな鍵を握りそうな気がします。

posted by ゴボウ | 2009-04-28 00:18

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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コメントありがとうございます。

>>クレクレタコラさん
自分もそんな凄みを感じています。特にラサナはリーガでは負けたことないなんて状態なはずです。恐ろしすぎです。

>>JMさん
でも、ラウールはリーダーシップが特別あるような選手ではないんですよね。残念無念。

もしもリーダーシップがあるならば、こんなに混乱しないかと。

>>GENTA1号さん
引きこもりはしないんじゃないですかね。アンチフットボールも立派な作戦ですけど。

>>いびこさん
まさにゾンビですね。折れない心。本当にこの強さは何なのか知りたいものです。

>>ASさん
そんなこといってたら、昨年はバルサが負けたんですよね。普通に考えれば、バルサが勝つはずなんですけど。

>>Nariさん
めっちゃ干されてますね。

>>名無しさん
やはりハビ・ナバーロですか。怪我で試合に出ていないようで、復活してほしいです。

>>momさん
恐れ多い言葉ですね。

>>ゴボウさん
狙いとしては、前線でボールを奪う→グティ経由で相手をしとめるって感じでしょう。実際には機能しませんでしたが。また、グティはセカンドボールを拾うためにがんばりませんし。ガゴとマルセロがこの変更で救われたかなと思います。

posted by らいかーると | 2009-04-28 21:19

セビリア対レアル・マドリッド ~クラシコに向けて~

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カンプノウのクラシコから勝ち続けても勝ち点差が縮まらない中で良く我慢してると思います。
次節のクラシコでマドリーがどんな戦術をとるか楽しみです。引きこもるか、それとも高い位置からプレスをかけるのか、ベルナベウで引きこもるのは、ある意味えげつないですけど。
前回はシャビにガゴ、メッシにセルヒオラモスをエトーにはメッツェルダーをつけることで、リスタートでやられはしましたが引きこもり作戦は成功しました。
今回は、イニエスタとラスという両チームのキーマンが出場することになり、さらに面白くなりそうです。残念なのは前回に続きロッベンの欠場ですね。バルサ戦こそロッベンが活きる試合展開になるのは間違いないんですけどね。

posted by メレ | 2009-04-28 22:18

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