2009年04月16日

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

 チェルシーのスタメンは、チェフ、アシェリー・コール、カウバーリョ、アレックス、イバノビッチ、バラック、エッシェン、ランパード、カルー、マルダ、ドログバ。つまり、前節とほぼ一緒。リバプール対策には自信があるようで。テリーは累積。

 リバプールのスタメンは、レイナ、アウレリオ、シュクルテル、キャラガー、アルベロア、マスチェラーノ、ルーカス、シャビアロンソ、ベナユン、カイト、トーレス。なんとジェラードがスタメンから外れた。やはり怪我の具合が思わしくないようで。よって、大胆なチャレンジか可能になったリバプール。さて、どうなる。

 ■ベニテス采配

 リバプールのシステムは4-2-3-1だった。ジェラードの位置にはルーカスを、リエラの位置にはベナユンを配置した。大胆なシステム変更をしてくるかと思ったが、結論から言うと、システムは同じでも戦い方の変更で十分だったベニテスの決断。

 チェルシーのシステムは4-4-1-1。本当は4-1-4-1なんだろうけど、ランパードが前に出すぎていて、バラックが不自然なくらいにエッシェンの近くにいた。これがリバプールの策略によってなされたのか、最初からこうだったのかは不明。

 リードしてこの状況を迎えたチェルシー。何よりも失点を防げばいい。2-0で負けても勝ちぬけが決まる状況なので、得点よりも失点しないように。SBに攻撃参加させるリスクはとらないだろうし、WGも徹底した守備を行うだろう。そんな試合前の予想はずばり当たる。ヒディンクの性格を考えても、アネルカとドログバを前線に残して、、、なんて奇策は取らないだろうし。

 そんなチェルシーの戦い方を予想したリバプール。まずはボール運びの面から見ていこう。チェルシーの弱点はドログバがあんまり守備に熱心でないことにある。また、バラックとランパードがコンビを組むと、プレス開始ラインが曖昧になることがある。さらにいえば。リードしている状況なので、前線からのプレスがうまくいかなければ、後ろに引く判断が求められるわけで。

 なので、ドログバ、ランパード、バラックの位置を狙うリバプール。DFラインを下げてドログバを引き出したり、マスチェラーノの位置を上げてランパードの判断に迷いを生じさせたりと、あの手この手でチェルシーのトライアングルの守備の連動性をはがしていく。

 そしてバラックが後ろに落ちていって、ドログバも周りと協力する気がない現状から、リバプールが中央からゲームを作る状況が成立した。つまり、リバプールはチェルシーの前線の守備を破壊したというわけで。だから、バラックが下がったのかは不明。ランパードだけでリバプールのアロンソ×マスチェを抑えるのは困難なわけで。

 次にボールを前線に届けられるようになりました。なので、フリーでボールを受ける状況を前線の選手は作りたい。なので、SBを上げて、カイトとンベナユンには自由に動いてもらう。どんどんゾーンを越えることによって、チェルシーの守備にマークの受け渡しの判断を何度もさせることに、ミスを誘う作戦に出る。

 ジェラードがいると、SHが遠慮してしまうことがある。でも、ジェラードがいないと誰も遠慮しない、むしろ、ルーカスに任せてられるかってことで、積極的に中央に進出するベナユンたち。ベナユンはトーレスのシュートをアシストするファンタスティックなプレーでスタメン抜擢にこたえる。ちなみにルーカスはSHの動きにあわせて中央にスペースを作るなど地味に働いていた。

 次に守備。チェルシーが守備を固めてきても怖いのはカウンター。さらにいえば、ドログバが強引にマイボールにされたり、ファウルで止めるしかない状況は避けたいわけで。そのためには素早い攻守の切り替えと、前線からの鬼プレスが必要になる。ここで、仕事をしたのがルーカス。連動した守備でアレックスからボールを奪ったり、味方が攻撃しているときも、守備を意識したポジショニングをとることで、チェルシーの攻撃を許さなかった。

 そんなわけで、防戦一方のチェルシー。リバプールは永続的に攻撃のターンを手に入れた格好となった。徐々にゴールに迫っていくリバプールに対して、チェルシーは何とか守りきるものの、リバプールの攻撃に対応できないまま時間が過ぎていく。

 で、18分。アウレリオの意表をつくFKがゴールに突き刺さりリバプールが先制。クロスを上げるふりをして、ニアを狙ったシュートだった。チェフはクロスがくると信じすぎてしまった格好。ちょっと考えられないミスなので、チェフには精神的ダメージが残るに違いない。

 失点したけど、攻撃的にはならないチェルシー。22分くらいに、ドログバがお前らも上がってきてくれよとジェスチャーをしたが、完全にスルーされた模様。にしても、マルダがSBのように振舞っている。そんなわけで、リバプールのペースは変わらない。

 で、28分にアウレリオのフリーキックから今度はPKをもらうリバプール。アウレリオのクロスが素晴らしいのはいうまでもないが、イバノビッチがアロンソをホールディングみたいなことを競り合いの中でやっちゃったようで。で、このPKをアロンソが決める。ちなみに、この試合の審判は妙にチェルシーに厳しかった。この判定は妥当だとしても。

 トータルスコアが3-3になったことで、ドログバの望みが叶うことになる。さすがに守りきりを狙う選手はもうチェルシーにはいないようで。一気に攻撃で意思統一のなされたチェルシー。失点直後にイバノビッチがエリア内に侵入するなど、流れが一変。監督も35分にカルー→アネルカなんて交代で流れに加速を与えようとする。選手と監督の意思にぶれガない瞬間。

 しかし、ルーカス率いるチェルシーの守備の前に、チェルシーはかなり苦戦。スペースが出来たことで、リバプールに決定機を与えるなど、かなり試合がオープンな状況となる。ただし、追加点はないまま前半は終了。今度はヒディンクの番だねっと。

 ■アウレリオ対アネルカ

 チェルシーはバラックの位置をランパードの位置に修正。それだけであった。他には特になし。これで点が取れるのかい!!!って思ったが、50分。不慣れな右サイドのアネルカのクロスに、意地で反応したドログバ。ドログバのつま先に当たってクロスの方向が変わり、レイナがこれに反応しきれずにまさかの失点。

 ちなみに、前半にちょっとチェルシーに辛い判定の審判と書いたが、あれは間違い。この審判は球際とかちょっとしたファウルを凄く厳密に取るようで。なので、攻めていればたくさんファウルをもらえる現象が起きる。で、後半のチェルシーはとにかく攻めるんだってない意欲を前面に押し出したので、セットプレーのチャンスをもらうことが多かった。ってか、カンタレホじゃないか!!!!!

 ドログバの落ちるFKの直後に、今度はアレックスの強烈なアウトサイドFKでチェルシーが同点に追いつく。ドログバがファウルをもらったのだけど、カンタレホと痛がりのドログバの相性は最高のようで。

 また、右サイドのアネルカが予想以上にアウレリオを混乱に陥れる。マルダの攻撃は期待できないけれど、アネルカが何度もチャンスに絡んでいた。これはアネルカが凄いのか、アウレリオの守備がひどいのかは微妙な問題である。正しかったのは、アウレリオのアネルカをぶつけたヒディンクだろう。

 また、前半に勝負をかけたリバプール。後半は疲労が強いようで、前半に見せたようなリバプールらしい守備が姿を消してしまった。なので、攻撃にそこまで枚数をかけないチェルシーの攻撃を止めきれないリバプール。マスチェラーノも途中交代で残念無念。さらにいえば、途中交代で流れを変えられる選手どころか、疲れた選手の代役さえいないリバプールの選手層が響いた格好となる。

 で、追加点はチェルシー。ランパードをフリーにしたアウレリオ、残念。ってか、フェリペと喧嘩していて、試合に出ていなかったドログバのコンディションが凄い。バラックのインターセプトからの速攻であった。

 さあ、これで試合が終了かと思いきや、リバプールが2点決めてしまう。ルーカスのミドルが相手に当たってゴールとリエラの左サイド突破からカイトが押し込む形。リエラの対応のイバノビッチはかなり不安。今度はアンリが仕掛けてくるんだぜと。

 ま、最後にランパードが止めをさすのだけど、なんだか凄い試合となった。リバプールの最後まであきらめない、試合を捨てないって姿勢が本当にお手本だろうと。キャプテンがいなくても、これだけの試合が出来るのは自信を持っていいんじゃないかと。

 逆にチェルシー。もっと試合をはやく終わらせたかったに違いない。アネルカを投入したのはお見事だったけど、前半に3点目をやらなかったのがすべてかなと。リバプールは前半に消えていたトーレスがひとつでも仕事をしていればね、、なんて試合でしたと。

 ■独り言

 クロスマシーンと化したアネルカやSBと化したマルダなど、やはりヒディンクは選手にイレギュラーな仕事でも全うさせるのがうまいのかもしれない。本当になんなのだろう。でも、次はバルサってのが凄い。キーマンはドログバになるんだろうな。

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posted by らいかーると |11:31 | チャンピオンズリーグ/0809 | コメント(9) | トラックバック(2)
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チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

コメント投稿者ID :

いやいやすごい試合でしたね。監督がヒディングだったので、これだけの白熱した試合が見れたのだと思います。
ただ前半30分までは1stのリードを考慮してチェルシーは
攻撃意識が乏しく消極的な戦い方でしたね。前線の守備が意外とこのチームの弱点だったんですね。2失点後に攻撃意識に火がつきましたね。右ウイングの精彩のないカルーを早々とアネルカに交代した采配はお見事でした。アネルカは真ん中の選手だと思ってたので、サイドであれほどやるとは意外。1点目の突破後の鋭いクロスとあわせたドロクバは絶妙でした。カンターレ審判のおかげでセットプレー合戦となってしまいましたね。そのおかげでFアウレリオやアレックスのすごいFKも見れました。ジェラード不在でリバプールもよくやったと思いますが、ヒディングが就任して、少なくとも攻撃面では強いチェルシーが戻ってきたなという印象です。準決勝楽しみですね。

posted by JM | 2009-04-16 12:12

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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確かにアネルカを前半から入れた采配は見事だったと思うけど、モウリーニョやファーガソンだったらそもそもあんなバタバタした試合にはしなかっただろうね。

posted by チェルスキー | 2009-04-16 17:51

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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んまあモウリーニョもこないだのパレルモ戦でバタバタしたけどね。
今回はリバポが素晴らしかったってことだと思います。
前半戦休めたおかげでドログバの調子がこの時期にいいのはかなりのプラスですね。これから困ったらドログバ作戦が頻発するかも。

posted by ひかり | 2009-04-16 18:07

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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かなり面白い試合でしたね
ただアシュリー・コールの累積が痛いです

posted by ランプス | 2009-04-16 19:58

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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あきらめない男ベニテスってとこなんでしょうか、
リバプールのモラルの高さはスゴイですね。

準決勝のペップとヒディングの采配も楽しみです。
マルケス、ピケに対する守備どうやるんでしょうね。

posted by N | 2009-04-17 01:08

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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面白い分析 要らない
ゲームだけで十分面白いっしょ

posted by candy | 2009-04-17 01:30

Re:チェルシー対リバプール 〜リバポらしさとイレギュラーな仕事〜

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準決勝はチェルシーが守備をどれだけまとめられるかでしょうか?圧力をどれだけの時間維持出来るか。

ヒディングは状況をちょっと見てしまう気もしますが持ち駒の使い方は上手いですね。ペップはどうしてくるのか楽しみです。引き出しがあるのか、対応出来るのか。

厳しい日程なのでコンディションの影響がかなりのウェイトを占めそうではありますが。

posted by pablo | 2009-04-17 17:28

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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ボルトン戦の楽勝ムードからの3失点が尾を引いたのでしょうか?チェフもちょっと調子を落としているような。
 
コンディションに関してはどこのチームも同じようなものですが、ドログバが休養していた(訳ではないでしょうが)分、チェルシーは攻撃面でかなりプラスですよね。

選手も勿論ですが監督って凄い!!
WBCのように敗者復活戦があったら面白いのに。

posted by 月光 | 2009-04-17 18:30

チェルシー対リバプール ~リバポらしさとイレギュラーな仕事~

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コメントありがとうございます。

>>JMさん
個人的に感じたのは、チェルシーは線で弱くなったような気がします。リーグ戦は大変だろうなって。

>>チェルスキさん
あんま変わらないと思いますよ。

>>ひかりさん
ドログバのコンディションがこんなときにピークを迎えるとはって感じです。

>>ランプスさん
魂のこもった試合でしたね。

>>Nさん
ランパードとドログバがやるのではないかと予想しています。

>>candyさん
ですね。

>>pablosさん
バルサはいつもどおりだと思いますよ。チェルシーがどうやって仕掛けるかどうかですね。ただバルサは異常に過密日程らしいので、どうなるか不安です。

>>月光さん
ちょっと試合の入り方があまかったですよね。あれは間違いなく失敗だったと思います。

posted by らいかーると | 2009-04-17 19:38

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