2009年01月11日

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

 バレンシアのスタメンは、レナン、モレッティ、マルチェナ、アルビオル、アルベルダ、マヌエル、バラハ、マタ、シルバ、ホアキン、ビジャ。アルベルダが変な位置にいる。右SBはいったい誰なんだ。ミゲルは3試合出場停止。そんなことあったっけか。コパでの出来事だってさ。

 ビジャレアルのスタメンは、ディエゴ・ロペス、カプテビラ、ゴティン、ゴンサロ、アンヘル、イバガサ、エグレン、ブルーノ、カソルラ、ジョレンテ、ロッシ。大黒柱のセナは出場停止。ニハトは怪我。ピレスはベンチ。こういうときのカソルラに注目。

 ■意思統一ができているか

 1分にバレンシアが先制点を取る。ショートコーナーからバラハのヘディングが炸裂。ホアキンのクロスとバラハのフリーになる動きがシンクロした瞬間だった。先制するまでの短い時間でも、前節の勢いのまま飛ばすバレンシアの雰囲気を、十分に感じることができた。

 で、先制されたことで目覚めたのがビジャレアル。ゲームプランなんて知ったことねえってことで一気に攻めまくる。バレンシアの鬼プレスをいとも簡単に交わしていくのはさすがだなって。アトレチコとビジャレアルのボール繋ぎの一番の違いは選手間の距離。ビジャレアルは選手間の距離が近いので、狭く守らなければならない。

 狭く守るのが守備の定石だろうがって話だろうけど、高い位置で狭く守るのは勇気がいる。だって、人数をかける必要があるわけで。アトレチコは選手間の距離が遠い。具体的に言うと、DFとMFの距離が遠かったので、長いパスを出す必要があり、長いパスはインターセプトしやすいもんね。

 イバガサのループ、そのループで得たコーナーキックがバーに直撃。不運なビジャレアル。それでも、エリア内まで入っていってシュートまでいけていた。このあたりがバレンシアのきついところで、高い位置からの守備を突破されると、後ろの枚数が足りなくなる現象。

 また、後ろから繋いでいく狙いをバレンシアは持っていたが、DFラインがすぐにレナンにボールを戻してもらいハイボールを蹴る、なんて場面が延々と繰り返された。シルバ軍団にボールを届ければ、状況は一変するだろうが、そこまで行かない場面がかなり多かった。そして、レナンは決してキックの精度が高いわけもでもないし、バレンシアの前線で的になれるのはホアキンくらいしかない。

 10分にバレンシアが追加点。アルベルダの狙いすましたスルーパスに反応したビジャの個人技が炸裂。ここで、右SBに入ったアルベルダがフリーだったわけで。担当はイバガサ。イバガサは中央にいて、守備をサボっていた。ポジションチェンジを頻繁に繰り返すチーム固有の弱点といえば、そうなる。ただ、ビジャレアルはもう少し守備のことを考えたほうがいいかもしれない。

 2-0になったことで、バレンシアはゲームプランに迷いが生じる。ポゼッションするのか、引きこもってカウンターか。前線の選手はポゼッションで攻めたそうだったが、後ろの選手は引きこもってカウンターを望んでいるようだった。前線の選手は好き勝手にプレーできているイメージだったろうが、後ろの選手はレナンに戻すシーンが多い→点差ほど上手くいっていないイメージがあったのかもしれない。

 そんなわけで、ビジャレアルの猛攻が続く。30分くらいまでは前線で待っていたシルバ軍団だが、徐々にポジションを下げて守備に参加しはじめる。ビジャレアルの攻撃の中心はカソルラ、イバガサ、ロッシ。仕掛けることで違いを生み出す軍団に、カプテビラ、ブルーノが飛び出しで攻撃にアクセントを加える。バランサーはジョレンテ。地味な仕事である。

 エリア内でのシュートが続くビジャレアル。ジョレンテのヘディングはマルチェナがゴールラインすれすれでクリアしたり、レナンがスーパーセーブをしたりと危なっかしい場面が続く。

 しかし、40分過ぎにカウンターで決定機を作る。シルバ→ホアキン→シルバで最後はバー。引きこもってカウンターの大切なところは、相手にこのまま攻めたらやられるかもしれないという印象を抱かせることである。前半の終了間際までそういった印象を与えられなかったバレンシアはやっぱり後ろと前で意思統一ができていなかったかなと思う。

 で、続けざまに今度はホアキンが長い距離をドリブルで仕掛けてカウンター。マタもポスト直撃のシュートを放つなど、カウンターが機能してきたことで、ビジャレアルの心が折れたかなと思っていたら、最後に事件が起きる。

 ロスタイムのコーナーキック。ゴンサロに代わって出場していたフエンテスが頭で押し込んで2-1。止めを刺しそこなったバレンシアはどうなるか。

 ■意思統一の粗

 エグレン→エジミウソン。後半の頭からエジミウソンが出てくるとは思わなかった。シルバを抑えるために4-1-4-1気味にするかと思っていたが、斬りあいを望んだぺジェグリーニ。

 カウンターでなくて、正面から相手を倒して来いとハーフタイムに指示を受けただろうバレンシア。前半の勢いを再現しようと試みるが、最初にチャンスを得たのはビジャレアル。カプテビラのクロスをフリーでカソルラがボレー。シュートはあさっての方向へ。しかし、このプレーで流れがビジャレアルに傾く。

 55分にマヌエル→マドゥロ。61分にモレッティ→デルオルノ。ウナイエメリの意図が守備固めなのか、単に疲労の問題なのかはわからない。マドゥロはマヌエルよりも攻撃面でボールを失うことは少ないだろうが、チャレンジは少ない。

 63分にブルーノ→ピレス。さあ攻撃だってビジャレアル。ピッチにいる選手たちも警戒したようで、後ろに引いて守備ブロックを作り出した。後はカウンターを仕掛けられるかどうか。しかし、バレンシアの前線の選手は前から追いかけ始めたり、意思統一が不十分。 

 72分にアルビオル→エドゥ。アルビオルは怪我をしてしまったようで。マドゥロがCBへ移動するに違いない。

 で、ビジャレアル。守備の意思統一が不十分なバレンシアのプレスをいとも簡単に交わしていく。そんなパス回しからフリーランニングも生まれ決定機を作る。レナンとの一騎打ちをカソルラが外してしまう。しかし、その後もペースはビジャレアル。今度はジョレンテがレナンと一騎打ちになり、豪快に押し込んで70分に同点。

 ジョレンテへパスを通したのはカソルラで、カソルラに仕掛けるスペースを与えたのはピレスのフリーランニング。ゾーンを越えた動きにバレンシアは対応できず。そして、DFラインが地味に高かった。おそらく前線の選手を見殺しにできなかったのだろう。連動してDFラインを上げたものの、何の意味もない瞬間だった。

 しかーーーし、78分にバレンシアのショートコーナー。マタのクロスを今度はエドゥ。あっさりと3-2にしてしまった。このコーナーキックはビジャが前線でボールを独力で奪い返し、独力で得たものだった。影のアシスト。

 しかーーーーし、81分にビジャレアルがPKを得る。これをロッシが冷静にレナンの動きを見極めてゴール。懐かしのペレ・ストップだった。

 まさかの3-3。ロスタイムにバレンシアがパワープレー気味に反抗するものの、最後の壁がディエゴ・ロペス。ボールを止める能力はやっぱり高い。ビジャレアルもカウンターで逆襲するものの、こっちはレナンがスーパーセーブでチームを救いまくって終了。

 ■独り言

 非常に面白い試合だった。最後のPKはちょっと可愛そうだった。ホアキンは手を気をつけていれば、スルーされたかもしれない。バレンシアは前線と後ろの能力の差が激しすぎる。アトレチコとビジャレアルのように前に出てきてくれる相手だと、このような好試合を演じられるが、えぐいチーム相手に攻撃の繋ぎを破壊されないか心配。でも、今季はえぐい中堅どころが少ないので良かったね。

 この試合で言うと、ビジャレアルが丹念にバレンシアの粗に襲い掛かり続けたって感じかと。バレンシアはどこでボールを奪うのかが明確にならなかった分、中盤のスペースや高すぎるDFラインがビジャレアルに余裕を与えたのではないかと。完成度の差ってやつでしょうか。

 ただし、将来性はバレンシアに軍配が上がると思う。伸びしろがある。前線の4人をキープできればが大前提だけど。

posted by らいかーると |09:40 | リーガエスパニョーラ08/09 | コメント(7) | トラックバック(0)
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バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

個人的にはホアキンにはまた代表でやってほしいです。

ただぱっと浮かぶだけでも4-4-2の右にはシルバ、ナバス、カソルラいるんで苦しいですかね

posted by peko | 2009-01-11 13:28

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

凄く面白い試合でした。見る側としては大満足でした。

ビジャレアルは負けなくてよかったですね。アングリル峠での戦績はかなり悪かったですが、内容はそこまで酷くない試合も多かったので、この試合も負けてたら精神的にきつかったと思います。

バレンシアは後ろの選手を補強したほうがいいのでしょうか。まぁ選手を獲るより獲られないことに四苦八苦してるのがせつないですけど。

posted by 端 | 2009-01-11 15:44

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

両チームともカウンターの切れ味が鋭くて斬りあい上等の姿勢だったし、つられてGKも好セーブ連発だったのでホント面白かったですね。

ビジャレアルは、もう少し中盤センターの選手が試合への影響力みたいなものを強めてほしいかなぁと。
あとは、仰るように守備組織。特に左サイド。もしミゲルが出ていたらどうなってたことやら。

バレンシアは、やっぱりSBの人材難。。。

posted by Nari | 2009-01-11 16:12

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

この試合は今シーズンで最高に面白い試合でしたね。
バレンシアがホームで大量失点するのが気になります。財政危機で補強も全くないし、特にCB/SBの人材難が顕著。
まさかのアルベルダSB起用でしたね。SBの控えがデルオルノとクーロトーレスではちょっとしんどい。CBの控えもマドウロだし。ビジャレアルもあきらかにCBとか守備に難がありますね。
アングリルで両チームは勝ち点を落としまくり、ともにバルサとレアルに連敗。優勝戦線から脱落しそうですね。
前半あれだけ好調な両チームだったのでまさかの展開です。

posted by GG | 2009-01-12 08:46

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

ホアキンユベントスに移籍しないかなあ・・・しないだろうなあ・・・

posted by きき | 2009-01-12 12:03

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

バレンシアのディフェンス人材難は毎年恒例の怪我人が原因。

エルゲラが出て行ってしまったけど、
マルチェナ、アルビオルの代表コンビにアレクシスとカンテラ期待のロンバン。左SBはロベカル2世カルレトも獲った。
ただミゲルの控えがな・・・
来シーズンになるとU21代表のリージョをムルシアから呼び戻すと思うけど。


非常にわかりやすい解説でした。
バレンシアはホームで大量失点連発した11月に4231から433にシステムチェンジして多少は守備力が上がりました。
ただシルバ復帰から再び4231に。
守備の乱れが酷くなってきた時に433にチェンジすべきだったと思います。

現在のバレンシアは以前とは真逆のスタイルなんで見ていて新鮮な気分になりますね。

posted by サッカーファン | 2009-01-13 18:22

バレンシア対ビジャレアル ~前線と後ろの差~

コメントありがとうございます。

>>pekoさん
ホアキンは地道に成長していますよね。個人的にもどこまでもいってもらいたいです。代表では、イニエスタかシルバがポジション争いの標的でしょうか。

>>端さん
面白い試合でしたね。にしても、無茶なスケジュールを組んだと思います。ここに標準をあわせるとかいらない苦労ですし。

この調子だったら、選手も脱出しようとはおもわないのではないかと。給料未払いとかだったらやばいですが。

>>Nariさん
エグレンがなかなかやる男だと最近は認識しました。起点になれる男だと思います。セナ越えも近いかと。ミゲルが出ていたら斬りあいじゃないですかね。

バレンシアもSBの控えがたらなすぎですね。カンテラからあげましょう。

>>GGさん
DFラインはどこも苦労していますね。アトレチコも苦労しています。意外と中堅のチームの方がいい選手をそろえているような気がします。

バルサが絶好調のために、優勝戦線はかなりきついですね。

>>ききさん
カモラネージとマルキオンニで我慢しましょう。

>>サッカーファンさん
ロンバンって昨年もちょこちょこ出ていましたね。懐かしいです。アレクシスがちょっと期待はずれなのかなと考えています。

自分もスタイルは変わってきていると思います。カウンターのレベルも高いですが。

posted by らいかーると | 2009-01-13 20:58

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