2008年04月28日

デポル対バルサ ~デポルの復活~

 デポルのスタメンは、アワテ、フェリペルイス、コロッチーニ、アモ、ロボ、マヌエルパブロ、ロドリゲス、デグスマン、ラフィタ、チスコ、ヴィムヘルムション。残留争いから抜け出して、いつのまにか欧州の舞台へ飛び出さんばかりのデポル。凄いというか何と言うか。セルヒオは出場停止

 バルサのスタメンは、ピント、シウビーニョ、プジョル、テュラム、ザンブロッタ、マルケス、グジョンセン、ヤヤ、ボージャン、アンリ、ドスサントス。マルケスが怪我から復帰したようで。中盤の構成がマルケス、ヤヤ、グジョンセンって、こっちも何だか凄いぞ。明らかに手抜きなスタメンである。ユナイテッド戦をにらんでだろうか。イニエスタとミリートが出場停止。デコはコンディションを上げるために、試合に出したほうがいいような。

 ■強いぞデポル
 
 確か昨年のCL決勝のレポに、今年はミラン型のシステムが流行りそうだ、、、みたいなことを書いた記憶がある。その理由を簡単に書くと、近年は前線からの攻撃的な守備が盛んになってきていて、それを交わすためには4-2よりも、4-3のほうが良いから、そんな理由である。ついでに、3トップが増えていて、4DF対3FWの構図が見られるようになった。バルサはそんな攻撃的な守備をかわすために、イニシャビデコのテクニシャンを同時にスタメンに並べた。ボールは回れど、守備が微妙だったのはいうまでもない。

 そもそも稀代のテクニシャンがいるチームは少ないので、攻撃的な守備をかわすために、ボールを回す選手を増やすのが実は妥当な作戦だったりする。昨年の終盤戦のサラゴサがまさにそれ。ミラン型のシステムで、ボールを前線に繋ぎまくった。前線にはアイマール、ダレッサンドロ、ミリート。懐かしい時代である。ちなみに、今季のサラゴサはオリベイラを獲得したせいで、2トップを余儀なくされて崩壊寸前。4-3-2-1で解決した攻撃と守備を繋ぐ問題が再発したのだからやるせない。ま、どこのチームも攻撃と守備を繋ぐのには苦労をしているわけで。

 前半を見ていて、デポルの5バックはその繋ぐ問題を解決する1つの考えだと実感。守備のときは5-4-1で守備を行うデポル。中盤は中央に絞って、バルサにサイド攻撃を促す形である。中央突破を防ぐことで、攻撃を遅らせる作戦。守備に枚数をかけているのだから、しっかりとした準備を行えれば磐石である。

 攻撃のときのデポルは、両SBが躊躇なく前線に飛び出していく。つまり、後ろに残るのは3バック。そのDFラインの前にはデグスマン。ロドリゲスは前線に上がっていく。ボール運びは3バックとデグスマンが中心となって行う。

 ちょっと待てと。さっき人数を増やしてボール運びを解決させるって書いたのに、デポルは普通よりも人数が少ないじゃないかと。まさにその通りである。しかし、5バックゆえか、バルサは誰をマークしたらいいか混乱状態になっていた。普通の4バック対3トップならば、中央の選手がCBを見て、WGの選手が相手のSBを見るで解決である。非常に分かりやすいし、3人で協力してプレスを行えば、DFラインから攻撃を組み立てるのは困難になる。

 しかし、デポルは5バック。SBの選手は4-3-3の泣き所ともいえるWGとSBの間のスペースにポジションを取る。バルサのSBの選手は前線で自由に動き回るシスコ、ラフィタ、ヴィムヘルムションのマークに追われている。よって、デポルのSBの対応は不可能。アンカーのマルケスは、DFラインのカバーリングやロドリゲスのマークをしないといけない。特に相手がポジションを限定しないときは、DFとMFの間にスペースを与えてはいけないので、DFラインと距離が自然と近くなる。マルケスの横のスペースが狙われるので。

 ヤヤとグジョンセン。両サイドにフリーな選手がいる、そしてデグスマンが目の前にいる。こちらもどうすればいいんだと混乱状態。守備で持ち味を発揮するはずの2人がこんな状態では、どうしようもないバルサ。デポルがこの形で来るのは分かりきっていることなのだから、何らかの対策を打つべきなのだけどね。普通は。

 そんなわけで、デポルは中盤にフリーな選手がたくさん。しかも、バルサのDFラインは低く、全体的にDF、MF、FWの距離感も空いていてやられ放題であった。アンリたちがいちかばちかのプレスをかけても、サイドに逃げられたら終了である。いざとなったらアワテも後ろに控えるわけだし。そんなわけで、あっさりと前線からの守備を無効化されてしまったバルサ。高い位置でボールを奪える場面はほとんどなかった。残念無念。だからって、デポルのSBのマークをバルサのWGにやらせると、中央が4対アンリになってしまう。さてどうしたものか。

 前半はデポルが決定機を量産。しかも、ピントが不安定なプレーを披露したため、バルサは危なっかしい場面がたくさん。守備で貢献するはずのヤヤとグジョンセンは上記の通り、持ち味を発揮できず。攻撃面ではパスで仕掛ける選手がボージャンしかいない。そのボージャンは左サイドに追いやられていてゴールが遠い。30分以降に中央に進出してきたけれど、ちょっと遅い。アンリを最初から左で使えばいいのだけど、そんなことしたらアンリが不機嫌になるのだろうな。バルサはボールをもてるけれど、仕掛ける選手が少ないし、さらにその選手が効果的なポジションに配置されていない悪循環を後半に修正しないと間違いなく負けるだろうな。

 ■個人技に頼ったつけ

 バルサは後半に向けて、多少の修正をしてきた。中途半端な修正といっても良い。バルサのWGがデポルのSBへのパスコースをケアする。それだけかい。パスコースをケアするだけでは、本質的な解決にはいたるわけもなく。

 デポルのSBがフリーだと何が最悪か。SBがフリーでボールを持つ→ドリブルで駆け上がっていく→バルサのSBが寄せに行く→空いたサイドのスペースにラフィタらが流れてくる→中央からプジョルがサイドに引きずり出される→マルケスがDFラインを埋める→ヤヤたちがマルケスの空けたスペースを埋める。つまり、カバーリングの連続である。いつかはミスが出るもんで、先制点はまさにマルケスのカバーリングミスから生まれる。WGにどこまでもSBのマークをさせれば、ここまでカバーリングの連鎖にはさらされないんだけど。

 失点直後の56分にヤヤ→デコ。CLで復活したデコの登場。デコは得意のサイドチェンジで攻撃にリズムを与える。ピッチを広く使った攻撃。訂正。デポルの守備は5-3-2であった。5-4-1の菱形と言ってもいいかもしれない。だから、サイド攻撃は有効。しかし、デポルは5バック。サイドチェンジしても、しっかりそこには相手がいる。しかも、SBだけでなく、CBもしっかりカバーに回る。

 よって、サイドチェンジの後に、そこからいかにして崩すかがバルサのポイント。しかし、右サイドのドスサントスにそんな期待はできない。ザンブロッタも苦し紛れのミドルが多く、2人で連動する場面が少ない。左サイドのボージャンはなんだか窮屈そうで。前半はシウビーニョが積極的だったけれど、後半は静かで。つまり、右サイドも左サイドも機能していなかった。つまり、、、デコを入れてもあまり変らなかった切ない事情。今までメッシやロナウジーニョに頼っていたつけがここに来て爆発。

 68分にザンブロッタ→エジミウソン。プジョルをSBへ。マルケスをCBへ。ザンブロッタを温存か、マルケスからのロングボール頼りか。謎な交代。そんなことをしていたら、セットプレーから2点目を入れられて終了。こうして、バルサのシーズンは静かに終了した。まだ終わっていないけれど。

 ■MVP

 デグスマン。セルヒオとはまったく違った動きを見せるロドリゲス。なのに、チームの機能性がまったく失われないのはなぜか。デグスマンの頑張りである。DFラインの前で精力的にボールを受ける動きを繰り返し、さらに前線居間で顔を出すデグスマン。グジョンセン当たりをデグスマンにマンツーマンでつかせたら、どうなったのか見てみたい。バルサは守備の役割を最後まではっきりさせられなかった。

posted by josepgualdiola |09:33 | バルセロナ/07~08 | コメント(7) | トラックバック(1)
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2008-05-17 06:40 | 続きを読む
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デポル対バルサ ~デポルの復活~

もしもバルサがバレンシアとマドリーに負けるならやばいことになりそうな気がします。
今の状況を考えるとありえないことはないと思います。

まあ現在のようにアトレチコやラシン、セビージャがもたついているなら大丈夫でしょうけど‥。

デポルは頑張ればCLが見えてきますね。
後半戦の成績は1位みたいですから

posted by アルメニア | 2008-04-28 13:52

デポル対バルサ ~デポルの復活~

この試合は後半から観戦しました。バルサはサンドバックにされてましたね。どこまで落ちるのか?リーガの試合を観る度にどんどん酷くなります。何でこんな酷い試合をしてるのにライカー監督はクビにならないのか不思議です。
こんなサッカーでマンUに勝とうなんて?虫が良すぎる。

私はバルサは5位以下になると思います。対戦相手を考えれば残りのリーガは勝ち点3は無理でしょう。
このチームには来期CLに出場する資格はないと思います
UEFA-CUPで十分でしょう。
今までのバカなフロントの奢りを猛反省するにはそれくらい丁度いい。
バルサの代わりにぜひデポルにCLに出て頑張ってほしいと思います。




posted by サントス | 2008-04-28 15:37

デポル対バルサ ~デポルの復活~

デポルファンです。
デグスマンを余り褒めないのだなぁ・・・と読んでたらMVPでしたか。攻撃時のかなり高め、センターサークルとペナルティエリアの中間(ラグビーで言えば22m付近)でのポストプレーが面白かったです。背も高くないし、プレースタイルもスマートではないけど、要所で攻守に効いてますね。セルヒオがいい意味で目立つなぁ…と思って前のレアル戦は見てましたが、この人が居るからなのかもしれませんね。

posted by ども | 2008-04-28 18:03

デポル対バルサ ~デポルの復活~

マドリー戦に続いてデポルの5バックが炸裂。やっぱ流行るんじゃないすか・・・(笑)。ウィングバックの運動量に依存する気もしますが、選手構成しだいで応用も利く感じがします。そのためには是非欧州に出てもらってインパクトを残していただきたい。

デグズマンの異様な利き方は良かったです。セナを売っちゃったらビジャレアルさんどうですかね?もちろんもっと大きなクラブもありです。彼はカナダなのに弟はオランダなんですね。カナダなら2ボランチにデグズマンデグズマンてのもおもろい感じかと思いましたが。

バルサはCLへの試合なんで仕方ないのかなと思いました。でもマンUに勝つのも困難な仕事なことに変わりないですし、負けて気持ちが折れるという可能性も感じます。まあ5位までの勝ち点差は8なので現実的ではないと思いますけど。

posted by コルッカ | 2008-04-28 18:26

デポル対バルサ ~デポルの復活~

お邪魔します。ひさしぶりです。
バルサは確かにCLの大一番が控えていてターンオーバー的に
選手を入れ替えていたんですけど、見るのが苦痛になって
途中でリタイアしてしまいました。CL対マンU戦は割と
面白かったんですけどね。モチベーションの問題か。
今シーズンのバルサがこういう風になるのは管理人さんも想定内だったのでは?
シーズン最初の頃に指導者の首をすげ替えなかったことを疑問視してませんでした?
私は性懲りもなく超過密日程のツアーを組んだりしているのを見て
また昨季の繰り返しになるか、もしかしたらもっと悲惨なことになるかも。。。と
かなりネガティブでしたが、予想が当たってしまいました。これでCL決勝に行けたら奇跡でしょう。
でも、次に待ち構えているのはいずれにせよ天敵のチェルシーorリバプールなんですから、
結局無冠ですよね。やはり昨シーズン終了の段階で新しいサイクルに突入すべきでした。

posted by てぃーほりっく | 2008-04-28 22:58

WOWOW

WOWOWの解説者がしきりに、これは3バック、て連呼していたんですけど、どうなんでしょうね。5バックにして、敢えて飛び出していくスペースを生み出す絶妙なロティーナの設計だと思ってるんですが。
まぁそれを3バックといえば身もフタもないんですが・・・。
来シーズン、模倣するチームがリーガで現れると面白いですね。Jだったらやる監督がいそうな気も。

posted by グロゲくん | 2008-04-29 00:30

デポル対バルサ ~デポルの復活~

コメントありがとうございます。

>>アルメニアさん
リベルタドーレスカップが始まりますね。決勝トーナメントからはレポできたらなって思ってます。

デポルがCLでたら笑えます。また放送があるので、非常に楽しみです。

>>サントスさん
バレンシア戦とレアル戦がライカールトの集大成になりそうな予感です。最後まで見守りましょう。

>>どもさん
デグスマンはデポルサッカーのキーマンですね。デグスマンが抜けたら一気に終わってしまいそうな。サラゴサ戦が非常に楽しみです。

>>コルッカさん
非常に理にかなったシステムだと思います。現代のサッカーにしっかり対応していますし。相手にも合わせていますよね。シルビーニョに少し脅かされましたが。

>>てぃーほりっくさん
予想できたかといえば、そうですね。ただ、ライーカールトでは駄目だ、、、ということは、誰でもわかっていたと思います。

良い部分もありましたが、基本的には悪いことだらけだったと思います。ラポルタごとやめるべきでしょうね。

>>グロゲくんさん
攻撃のときのシステムを基本とするか、守備のときのシステムを基本とするかで表現が変ってきます。自分は守備のときのシステムで5バックと表現しています。

攻撃のときはシステムなんて関係ないですからね。




posted by josepgualdiola | 2008-05-01 22:25

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