2008年02月25日
最近気になっていること 5
レアルやバルサの試合を見る前に気になっていることシリーズです。今回はゾーンディフェンスと前線の流動性についてです。そんなことをなぜ書こうと思ったか。それはセビリア対サラゴサがセルティック対バルサに似ていたからです。人の過ちから学ぼう。そんなわけで始まります。 ■ゾーンディフェンスと、マンツーマンディフェンス 簡単にメリット・デメリットを手短に整理してみよう。ゾーンは一定の範囲の防御を担当する守備の方法である。マンツーマンは人のディフェンスが一人のオフェンスを専属でマークする守備の方法である。たまにコーナーキックのときにゾーンで守るチームがある。相手は完全にシカト。リバプールがそうだったような曖昧な記憶。 サッカーにおいて、すべてのコートでマンツーマンをするチームはあまり観たことがない。現代において、それは非常に珍しいものになっている。部分的にお前はメッシ担当、ロナウジーニョ担当ということはあるけれども。 現代のサッカーに見られるのはミックス型である。部分でマンツーマンを採用するチームもあれば、バイタルエリアからはゾーンを崩してマンツーマンで徹底的に対応なんてチームもある。ペナルティエリアに近づけば近づくほど、守備者の意識はボールにいってしまうわけで、その中でマークの受け渡しはかなり困難な作業となる。 ■相手に合わせないと意味がない ゾーンだ、マンツーマンだ、といってもサッカーは相手のあるスポーツである。自分のチームの事情だけで、守備を構成するのは負けへの第一歩だ。相手に合わせて、守備のやり方を変えることは必要なことである。ビッククラブは例外だろうけれど、ビッククラブがそのやり方を採用したらえげつないことになる。 セビリア対策を考えてみよう。セビリアの攻撃の長所はヘススナバス×アウベス、カヌーテの中盤に降りてくるポストプレー、カペルの一対一、エリア内でのルイスファビアーノ、ケイタのミドル。 セビリアのアウベス×ヘススナバスを抑える方法で有名なのは、アウベスサイドに人を集めてスペースを潰す方法である。他には守備のスペシャリストを配置する。両方やるのが一番良い。スペースを潰して、尚且つ数的優位に立つことで、アウベス×ヘススナバスの自由を奪う。すでに、この時点でマンツーマンもゾーンもへったくれもない。SBとSHとFWとDHがアウベスサイドによることになるだろう。 カヌーテはよく中盤に降りていく。DFのゾーンから離れて中盤のゾーンに移動していく。ゾーンの守り方にしたがえば、中盤にカヌーテを受け渡すのが正攻法のようである。しかし、実際には中盤とDFラインの間にはスペースがあることが多い。それに中盤の選手のゾーンには相手の選手がすでにいることもある。そんなわけで、ゾーンを越えてついていく決断が求められる。 自分のゾーンを捨てる勇気。カンナバーロの得意技である。そしてDFと中盤の間を空けないような連動性が必要とされる。DFラインを高くするのか、低くするのか。 大切なのはチーム全体の意思統一。どこでボールを奪うのかということである。仮に高い位置でボールを奪うという意思統一があるとしよう。しかし、単純に相手の能力が高かった、FWが効果的に守備を行えなかった、などの理由から、高い位置でボールを奪えないこともある。 高い位置でボールを奪えないのに、中盤とDFラインの位置が高いとどうなるか。ボールホルダーに、相手のDFにプレスがかかっていないので、楔のボールやDFラインの裏に、ボールを入れ放題のボーナスステージに突入である。この状況を打開するためにはDFと中盤のラインが連動して、自陣に引くことである。しかし、中盤はラインを下げずに、DFだけラインを下げる現象がこのような状況下では頻繁に起こる。今度はチームの守りごとをチーム全体で捨てる勇気が必要となる。さっきから捨ててばかりだ。 セルティックもサラゴサも、DFと中盤の意思統一の失敗が結果に繋がった可能性が高い。イレギュラーな状態での判断力、といっても頻繁に見かける状況なので、すでにイレギュラーと表現しにくい現象であるが。 ■前線の流動性とゾーンの相性。 最近になって、市民権を徐々に得つつある前線の流動性。マンチェスターユナイテッド、ローマ、アーセナル、イニエスタが前線にいるときのバルセロナに見られる現象である。この現象の動機は、相手を背負わない状態でボールを受けたい、というものだろう。相手に捕まらない状態でボールを受けたら前を向いて攻撃を展開することができる。ギグスや、意外だがメッシが得意としている動きだ。 問題は誰がギグスについていくんだということだ。対面のSBの選手はついていくことがない。ユナイテッドの場合、SBがギグスの空けたスペースに飛び出してくることやルーニーやテベスがサイドに来ることもある。もちろん、誰も来ないこともある。問題は誰も来ないときにそのスペースを埋め続けるか、それとも中央で数的有利にたつ動きをするか。難しい判断である。 結果として、この前線の流動性は相手のゾーンを混乱させる役割を担っている。次から次へと選手の位置が入れ替わるので、マークの受け渡しに追われる。だからってマンツーマンで対応しようとすれば、空いたスペースを使われてゲームオーバーになる可能性が高い。ゾーンの隙間を絶え間なく移動されたらやってられない。 ゲームオーバーにならないためには、守備の枚数を増やしてスペースをなくすか、引いてスペースを潰すか。そのための4-1-4-1だったり。それか、そもそもボールを前線に繋がせない、中盤の選手に前を向かせない守り方もある。昨年のヘタフェや今年のアルメリアやラシンがまさにそれ。ただし、FWが効果的に守備をしないとできないやり方であって、サラゴサとセルティックはアルメリアのように振舞うのは不可能だった。残念。 ■独り言 守備はいろいろなものを捨てる勇気が必要とされていきそうだ。自分のマークだったり、チームの決まりごとだったり。 攻撃は相手のゾーンを破壊するための方法論と引いた相手をこじ開けるためのアイディアに注目していきたい。 ちなみに、セビリアのボールを失ったときの切り替えの速さは異常だった。サラゴサはボールを奪う→速攻を仕掛けたかったものの、セビリアの攻撃の起点を潰されて終了だった。後半の頭に出てくるのがセラデス。何とかしてボールを繋げ。ボールが繋がらないのは、どちらかというとボールホルダー以外の動きの悪さだろう。どうしたイルレタ。
posted by josepgualdiola |07:58 |
独り言 |
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