2008年02月18日

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

 バレンシアに敗れたベティス。タレントがいないと嘆いていたら、怪我人が続々と帰ってきているようで。バレンシアにとってはいいタイミングでの試合だったのかもしれない。レアルにとっては最悪か。

 ベティスのスタメンは、リカルド、ベガ、メッジ、ファニート、ダミア、マルゴン、リベラ、アルス、カピ、エドゥ、パボーネ。マルゴン=マルクゴンザレスです。ベンチにオトンコールやソビスがいる。これは面白そうである。

 レアルのスタメンは、カシージャス、マルセロ、セルヒオラモス、カンナバーロ、サルガド、ガゴ、グティ、バチスタ、ロッベン、ラウール、ドレンテ。ロビーニョは戦線離脱。代わりにロッベンは良いとして、ドレンテ。いったいどこのポジションがやりたいのだろう。いまいち不明。さりげなくサルガドがスタメンに定着している。ニステルがベンチに復帰。

 ■ドレンテとロッベン

 試合が落ち着く前にレアルが早くも先制点を決める。ロッベンの相手の間を抜くパスからラウールを経由してガゴがロッベンにスルーパスを通す。ロッベンは中央へクロス→バチスタが潰れる→ドレンテがフリーで押し込む。ちなみにカウンターではありません。そしてガゴのパスが見事だった。

 バレンシア戦でもそうだったが、ベティスは自分達でボールを回して状況を打開しようとしているように見えた開始5分。これではバジャドリッドの二の舞である。他人のミスからも学ぼう。得点場面を見てみても、レアルのDFに誰もプレスをかけないベティス。ペペがいないのだからプレスかけたら大混乱間違いなしなのに。

 ただ、これで仮説の検証ができる。先制したレアルは、相手にわざと攻めさせてカウンターをするのかどうか。結論から言うと、そんな気配は微塵も感じられず。意図的に守備を放棄することもないし、ボールを相手に与えることもない。カウンターの場面はあったが、相手にわざと攻めさせたニュアンスは感じられなかった。

 開始早々に失点したベティス。失点直後はレアルのDFを追い掛け回した。ホームなので、無様な姿が見せられるか!!という気合が見られる。レアルのDFは予想通りに混乱。ボールがまったく繋がらなくなる。思いやりのないパスの連続で、ガゴとグティが相手に狙われる狙われる。その思いやりのないパスの連続で、前線にいい形でボールを供給できなくなってしまう。ロッベンやドレンテも相手に背を向けてボールを持つ場面が増えた。

 ロビーニョだったらそんなことを気にせずに突破してしまうかもしれない。ロッベンも右サイドにいるときは、それに近いパフォーマンスを披露していた。個で突破できないならば、密集大作戦で選手間の距離を近くすればいいのだけれど。両SBは相手のプレスにびびったか、ボールをもらう動きが少ない、グティはやる気がない、ガゴは距離がある、ラウールは前線にはっている、バチスタしかいない。

 そんなわけで、レアルは変な位置でボールを失う場面が増えて、守備をする時間が増えていく。ベティスもボール支配をもともと基本としているチームなので、願ったりかなったり。失点したことで攻守の切り替えがパワーアップしたベティス。しかし、アルメリアに比べればたいしたことないし、30分にはレアルのDFラインにプレスに行くことをやめていた。疲れたのかもしれない。要するに、レアルが崩壊したのはベティスに原因はない。どちらかというと、レアルに原因がある。
 
 25分にロッベンとドレンテの位置が交代。すべてはここからはじまった。なぜに両サイドを入れ替えたのかはわからない。ボールが届かない→サイドを交代しよう、というのはあまり意味のある行動とは思えない。ロッベンも左サイドに行ってからは突破の圧力がなぜか弱まったし、ドレンテはまったくボールに絡まなくなった。

 今季のレアルが強い理由として、前線の選手の守備が原因のひとつとして上げられる。最近の前線の守備はそのなりをひそめていて、うやむやになったままであるが。ロビーニョとニステルとラウールが労を惜しまずに走りまわり、その後ろでスナイデルとバチスタがフォローする守備の完成度は高かった。しかし、いつのまにか前線の3人は走らなくなり、スナイデルは怪我をしていなくなった。走らなくなった原因が疲れか、戦術的なものかは謎のままである。

 この試合の最前線はドレンテ、ラウール、ロッベン。走るのを放棄しなかったラウールを中心に相手を追いかけ回す守備が復活。ドレンテは当たり前として、ロッベンがしっかりと相手を追いかけているのは少し感動した。チェルシー末期のロッベンはあまり守備をしていなかったような。この出番をものにしようというモチベーションで満たされているのだろう。必死なロッベン。

 ドレンテも、もちろん必死。後ろマルセロだし、ドレンテもここでチームに貢献すれば出番が増えるかもしれないし。オランダコンビは前に後ろに守備をしていた。後ろに守備をしていたのがえらい。

 この3人にグティも加わっているのがちょっと面白かった。中盤なのに明らかに深追いしすぎている。今季のグティは以前に比べれば積極的に守備をするようになっているので、そんな気持ちの表れが深追いに繋がったのかもしれない。そんなグティをよそ目にバチスタが低い位置で守備を行っているのが印象的だった。

 話をロッベンとドレンテのポジションチェンジに戻す。25分に行われたポジションチェンジによって、前線の守備が機能しなくなる。ロッベンは左サイドでも守備を行っていたが、なぜかドレンテがサボり始める。もしかしたら、マルセロだから守備をしっかりとという指示を受けていたのかもしれない。

 ドレンテが後ろに守備をしなくなった。ここからサルガドの悲劇が始まる。グティが深追いしているので、ガゴがヘルプに来るが、中央のスペースをうめつつ、サイドのヘルプをしないといけないので、ヘルプが遅い。これはしょうがない。よって、数的不利のできあがり。

 1点目はグティがボールを失ってから→右サイドから速攻、2点目はエドゥにサルガドが翻弄されて→クロスを叩き込まれる。両方とも、マルセロがファーサイドで競り負けたものだった。2点目はしっかりマークを見ていたんだけれども。結果論だけれど、カンナバーロが助けに行っても良かったかもしれない。無理か。

 ちなみに、オランダコンビのポジションチェンジはロスタイムに解消されていた。前線のポジションを流動的に代えることや、ポジションチェンジすることで守備が壊れることは結構ある。気をつけよう。後半はレアルの猛攻か。

 後半になっても、オランダコンビの守備は改善されていなかった。ポジションは元に戻っていたけれど。今度はロッベンがあまり守備をしなかったので、サルガドは大変大変。グティとバチスタの位置を変えたらどうなったかみたかった。

 ベティスはリードした状況でも攻め気を失わずに試合を展開する。勇気あるチームだ。中心はエドゥだったり、カピだったり。中央に構えるパボーネもセルヒオラモスと肉弾戦を繰り広げる。

 そんな状況の中、後半13分にニステルが登場。後半は出番の少なかったドレンテが交代。勝ちに来たシュスター。中盤をいじれないのが苦しい。ベティスも怪我をしたカピに代えてソビスを投入。
 
 時間がたつにつれて、ベティスは守備的な選手を投入して、ガゴやグティの必殺技を封印する。サルガドの裏を狙い続けることで、サルガドの攻撃参加を防ぎ、マルセロは攻撃参加の回数が圧倒的に少なかった。ガゴとグティを封じられ、攻撃を効果的に行えないレアルはイグアインとバルボアを投入するものの、ピッチを広く使った攻撃はできずに終了。

 ■独り言

 DFラインから、セルヒオラモスがドリブルで相手の陣地に侵入していく場面が3度もあった。それだけ、自由なことが多かった。ベティスの守備は褒められるようなものではなかった。ただし、ボールを奪ったあとの左サイドのエドゥは脅威だったけれど。アルメリア戦とは違って、何とかしなくてはいけない試合だったような気がする。策は思いつかないけど。

 マルセロの守備のつたなさは税金みたいなものとして、攻撃参加しないのか。マルセロの持ち味はなんなのだろうか。ただ、カウンターでSBの攻撃参加を求めるのは無理である。だからといって、レアルのサッカーがポゼッションかというと、それを実行する場面は少ないし、実行してもSBの位置取りはうまくない。ちょっとかわいそうなマルセロ。レンタルがお勧め。

 素直にミゲルトーレスを出場させるか、サラゴサでくすぶっているパレデスでも獲得すれば良いのに。ローマの右サイドはジュリかタッディかな。右SBがシシーニョでマルセロとマッチアップだったら面白そうである。

posted by josepgualdiola |15:28 | レアルマドリッド/07~08 | コメント(11) | トラックバック(0)
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ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

レアルとローマはどちらが勝ちそうですか。

posted by hull city | 2008-02-18 16:01

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

上記の方と同じく伺いたいです。

レアルはここにきてDF層の薄さが致命的になる予感がしてきました、CLで。

ローマに勝ってもその後が心配。

posted by AT | 2008-02-18 16:16

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

>先制したレアルは、相手にわざと攻めさせてカウンターをするのかどうか。

そうですね。私の勘違いです。
相手のラインが高いから裏を取り、相手がラインを下げたらポゼッションするということでしょうか。

マルセロは成長枠なのでしょうがないですね。

私が気になるのはDFラインの高さですね。
ガゴはガンガン寄せに行く選手ですし、中盤の選手も割りと高い位置からとりに行きますよね。
なのにDFラインが低い気がする。

カンナがラモスの裏への弱さを気にしているのかどうかはわからないけど‥。
ラモスは前には強いからDFからしたらラインを低くするのが正解だと思ってます。

このままいって中盤とDFの間をトッティに使われたらボロボロになる可能性はありますね。

ローマとマドリーはマドリーの守備意識しだいかな。
守備意識が高ければ、カウンターでマドリーでしょう。
もし低いなら、ローマにやられる気がします。

posted by アルメニア | 2008-02-18 16:45

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

周りでは「マルセロ戦犯」論が多数派だったのですが、個人的には「単体のマルセロに守備を求めるのはどうよ?」的立場だったので、こちらでの見解が腑に落ちます。

ミゲルトーレスか・・・疲労の蓄積から前線の守備に割く力が低下して、ひずみがマルセロに出てるってことであればそれもありかもしれませんね。

posted by 七星 | 2008-02-18 16:58

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

マルセロはある程度予想できてたことだと思います。アルメニアさんが仰るように、ガゴとCBとの距離は開きすぎてますよね。バチスタ下がってきてくれないかな

グティ、ガゴ、カンナバーロが深追いして、空いたスペースを使われるシーンが何度か見られました。ローマは空いたスペースつくのがうまいですからね。自分のマーカーを離してはいけないので、マルセロだとかなりやばいかな~と思ってたら、怪我で欠場らしいですね
ローマ戦はガゴではなく、ディアラのほうがいいような‥

べティスはエドゥ、パボーネ、マルクゴンザレス、ソビス‥いい選手揃ってますね。ソビスは個人的に好きな選手なので、スタメンで見たいところ。それにしてもエドゥは上手かったです

posted by てん | 2008-02-18 18:57

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

個人は頑張ったけど、かみ合わなかったという感じでしょうか?
今日の試合でのバティスタはどんな役割を担ってたんでしょうか?2トップの一角?セントラルMFの一人?ガゴとグティを同時起用するなら、バティスタにはもう少し低い位置でバランス係やって欲しかったと思うのですが。極端に言えば4-2-4みたいに見えたので・・・まあ極論です。

ディアラとガゴの同時起用でドレンテとロッベンの後への不安を軽減させ、グティが追いかけ過ぎても大丈夫なようにとか考えて見ましたがどうでしょう?ただリードされてからのディアラ投入は無いですかね。

posted by メレ | 2008-02-18 19:03

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

コメントありがとうございます。

この試合は結構面白かったです。あんなにキレキレなエドゥは初めてみました。

ローマについて書きます。今季のローマは一度も見ていないので、あくまで昨年のローマをイメージして書きます。誤差が出るでしょうがご勘弁を。

ローマの弱点は引きこもりカウンターです。DFとMFでゴール前に壁を作り、スペースを潰すことで手詰まりになる傾向があります。両SBもかなり攻撃的になるので、カウンターが有効です。で、しかもローマはカウンターで失点することが多い。今季のCBの実力次第ですが、多分、今年もなぜか先制点を許した試合が多いのではないでしょうか。

レアルの事情を見てみると、DFラインが低い。これは正解。しかし、ガゴの位置が高い、これが不正解。レアルは高い位置でボールを奪おうとする前線や中盤と、後ろからその様子を眺めていて、連動するのは無理と判断するDFラインの慎重さが相反する状態でめちゃくちゃ危険です。

どこでボールを回復するのが有利か、、という点と、現実的にどこだったら一番ボールを回復できる可能性が高いか。この判断に食い違いが出ているレアルマドリッド。

ロビーニョがいればカウンターでなんとかなりそうですが、いないです。

そんなわけでローマが優勢かと思います。ただし、レアルが中盤とDFラインでしっかりと守備網を作れば、レアルが勝つと思います。

キーマンはグティの位置。バチスタとガゴだけではきついです。ただ、WGの選手がSHくらい守備をすれば面白そうです。グティがいなくても。

ちなみにJスポプラスに加入したので、ローマ対レアルはマッチレポを書く予定です。果たして予想は当たるのか!!!

posted by josepgualdiola | 2008-02-18 22:29

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

コメントありがとうございます。

>>hull cityさん、ATさん
上記の通りです。

>>アルメニアさん
まだわからないですよ。ロビーニョたちだったらどうなったかわかりません。

自分が気になるのは、どこでボールを回復したいのかです。高い位置で奪いたい→でも、前線が守備をしない→フィルターとして機能しない→MFとDFで連動して守るしかない→相手の選択肢を削るにはDFラインを下げる→ついでにカシージャスとも連動できる。

そんなわけで、カンナバーロをいたく指示します。自分に指示されても意味ないですが。

>>七星さん
ただ、あれだけ攻撃に貢献できないならば、戦犯でも問題ないと思いますが。

>>てんさん
自分もソビスはスタメンで見たいです。それにしてもエドゥはやばかったです。

>>メレさん
バティスタは迷いながらのプレーだったと思います。両WGがさぼって、グティも集中し切れていない状況では厳しいでしょう。

ディアラとガゴを使ってもサイドは守りきれないですし。難しいです。

posted by josepgualdiola | 2008-02-18 22:41

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

マドリーは実はリーガ・CL共にアウェイを苦手にしてます。最近負けたのはやはりアウェイでしたね。オリンピコはその苦手のアウェイですが、ここぞという時にはクラシコの時のように集中力が上がるので、勝つと思います。ローマはセリエで時々見てますが、今シーズンは好不調の波が激しく、あまり良いとは言えません。加えて前後のスケジュールの問題もあり、ローマのほうがかなり不利だと思います。

posted by サントス | 2008-02-19 12:32

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

マドリー相手の守備はDFにプレッシャーをかけるより、中盤の選手を掴む事のほうが正解だと思います。
DFラインからのロングフィードより中盤を経由した形で前線にボールが収まる方が格段に恐ろしい。バジャのDFラインを高くするのは悪くないが2列目をつかめていない事、ボールへのプレッシャーが甘い事が大きな問題だったように思います。DFラインにプレッシャーをかけながら、中盤を厚くするというのは無理がありますよね。
かといってDFラインを下げすぎると決定力のある選手が多いので危険!!
マドリーのゲームを組立てを放棄したような中盤を抑えることが一番の鍵になると思います。
守備が下手くそでボールを散らしてくれるグティは大歓迎!!簡単に前線にボールを預けて追い越してくるような選手のほうが今のマドリーには合っていると思います。

ガゴはいい選手なので早くどこでもいいから移籍して欲しい。マドリーにはもったいない

posted by マジコ | 2008-02-19 13:58

ベティス対レアルマドリッド ~ポジションチェンジの功罪~

コメントありがとうございます。

>>サントスさん
貴重な情報をありがとうございます。今年のローマは不安定ですか。見る機会が少ないので、いいサッカーをして欲しいです。レアルがアウェーで弱いのは、、、仕方ないですね。

>>マジコさん
中盤でつむのは絶対条件だと思います。DFラインにプレスをかける場合もかけない場合も。

DFラインにプレッシャーをかけながら、中盤を厚くするというのは別に無理がないと思います。DFラインを高くする勇気があれば。

posted by josepgualdiola | 2008-02-19 20:43

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