2008年01月20日

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

 気がつけば後半戦に突入のリーガ。そしてビジャレアル。怪我から復帰したロッシはコンディションを上げているらしい。そして、その相方にはニハトが選ばれることが多い。かつてはビッククラブにも注目されたニハトの復活も近いか。

 バレンシアのスタメンは、ヒルデブランド、モレッティ、アルビオル、カネイラ、アリスメンディ、マルチェナ、バラハ、ビセンテ、シルバ、ホアキン、ビジャの4-5-1。

 多分、このシステムだと機能しないだろう。ビセンテは左サイドに張り付くし、ホアキンは右サイドで使うと、右サイドに張り付くことが多い。中央で使うと、両サイドに顔を出すことができるが。この両翼だと、ビジャは苦手な中央でポジションを固定しなければいけない悪循環、、、、になるはず。杞憂で終わればいいんだが。

 ■ポゼッションのお手本

 前回のバレンシアのポゼッションは前線が流動的であったことは◎。しかし、両SBの組織的な攻撃参加は×であった。この試合でも、両SBの組織的な攻撃参加は×。問題は前線の流動性。ビセンテ、ビジャ、ホアキン、シルバの組み合わせでは、予想通りにアトレチコ戦で見せた流動性は消えうせることになる。モントーロ、ホアキン、マタ、シルバの組み合わせだと流動性はでるんだけれど。

 前線の流動性とは何ぞや、というお話。簡単に言うと、前線の選手がポジションを限定せずに動き回ること。また、その動きに応じて、周りの選手が連動して動くことを意味する言葉として使ってます。フリーランニングでできたスペースに、他の選手がフリーランニングで突っ込んでくることとも似たような意味です。

 この前線が流動的になると、相手は混乱状態に陥る確立が高くなる。現代のサッカーはゾーンとマンツーマンの混合で守備をすることが多い。この場合、どこまで相手のマークについていくかが鍵となる。自分のゾーンを越えてついていくか、それとも、自分のゾーンのスペースを埋めることに尽力するか。この判断を狂わせるのが前線の流動性。対面の選手が次から次へと変わると、守る選手は何度も難しい判断を迫られる。そんな個々の判断と、チーム全体の判断が同じ意思で行われることは困難。だから穴ができて、相手にチャンスを与えてしまう機会が多くなる。

 また、前線の選手が流動的に動き回るということは、それなりの運動量が表現されているわけで、パスコースもたくさんできるのでお勧めだったりします。ゼロトップと前線の選手が流動は相手の判断を狂わせる点で少し似ているかも。
 
 そんな流動性を捨てたバレンシア。そのリターンは両サイドのホアキン、ビセンテなんだろう。けれども、怪我前の絶好調から考えると、ビセンテはまだまだ。怪我から復帰した直後に比べると、かなりよくなっているが。SBが助けに来てくれれば、結構面白い形になっていたけれど、モレッティは気まぐれなのでそれに託すのはリスクが高い。

 ホアキンはちょっと変わってきている。この試合ではピレスやカニのように、むやみやたらに仕掛けず、ボールを繋ぐことを意識していた。イメチェンかホアキン。そんなわけで、突破の場面は非常に少なかった。

 そんなわけで、突破というリターンをまったく得られない状況で、流動性を捨てたバレンシア。対するは、SBの組織的な攻撃参加◎、前線の流動性◎のポゼッションやらせたら鬼のビジャレアルに勝てるわけがない。そもそも両SHがホアキン、ビセンテとカニ、ピレスの時点で勝負あったような気がする。

 ビジャレアルは失点が多い。それを象徴するかのように、バラハがたびたびフリーになっていた。相手のピボーテがあんなに自由になっているとはどういうことだろうか。その代わりに攻撃は相変わらずキレキレだったけれど。

 ロッシが復活したことによって、前線のタメが作れるビジャレアル。それでもロッシはそんなに中盤に降りてこない。正確に言うと、降りてくる必要がない。時々降りることで、相手の警戒感を高めることで、DFラインを下げさせることができる。ニハトと共に、ロッシがDFラインに張り付いて頻繁にラインを出入りすれば、バレンシアは裏をとられることを警戒する。ビジャレアルはボールを繋ぐだけでなく、時折裏へ放り込むので嫌な記憶として残ってしまうんだろうな。

 DFラインが下がれば、中盤が空く。そこをピレス、カニ、セナ、ブルーノ、カプテビラ、ハビベンタでボールを前線に運ぶ。バレンシアの場合は、シルバ、バラハ、ホアキンで終わり。切ない事情である。ビジャレアルは前線から組織的に守れないので、バレンシアのCBは自由だった。CBが自由ならば、両SBのうち、片方は思い切ってウイングを追い越す動きをしてもまったく問題がない。そんな動きはまったくしなかったけれど。

 基本的な試合の流れは、バレンシアがバラハを中心に攻撃を組み立てるものの、ボールを何度も奪われ、ビジャレアルに自陣深くまでボールを運ばれて、たびたびピンチを迎える。逆に、バレンシアはチャンスを作ることができないまま時間が過ぎていく。開始早々に、ホアキン、アリスの右サイドをピレスの華麗なドリブルで切り裂かれ、最後はピレスゾーンから、ピレスに気決められてしまう。1-0のまま前半は終了。

 ■ゴンサロ・ロドリゲスの復活

 セナ→マブバ。鳴り物入りでビジャレアルに加入したマブバ。その実力やいかに。序盤にアリスが得意の攻撃参加で厚みを加えるのだけれど、カプテビラの攻撃参加と比べると、まったくやり方が異なる。いいお手本が目の前に。

 流れはまったく変わらないので、58分にビジャ→ジキッチ。ビセンテ→ジキッチのほうが面白そうだったのに。ここからロングボールが増えるものの、逆にロッシにDFラインの裏をつかれ、最終的にコーナーからカプテビラに決められてしまう。

 ボールを繋ぐことと、裏を狙うこと。両方やるから相乗効果が現れるわけで。シルバが裏を狙う動きをしているかというと、ボールをハバナkレバいけないから無理なんだな。失点直後にバラハ→バネガと博打な采配を見せるクーマン。

 でも、結果は出なくて、さらにカウンターからニハトに決めれる始末。ボールを繋ぐけど、裏も狙うよ、というのはやはり強い。FWが二枚いるので、裏も狙いやすいし。

 ただし、3点差ついてからビセンテが狂ったように仕掛けまくっていたのが印象的だった。時間が経つにつれて、左サイドは連携も上手くいくようになっていたし。今までのバレンシアからすると、捨て身の攻撃が基本の攻撃の形になるので、特にSBは難しいだろうなと。新しい選手を取ってきたほうが手っ取り早そうである。右サイドは良いとして、、、、左サイドは。試合は3-0で終わる。高い授業料だけど、ポゼッションの体験できたのは大きいかも。

 ■独り言

 マドゥーロを獲得したそうで。バネガと組ませるのだろうか。中盤よりもCBをどうにかしたほうがいよさそうである。ビジャを意地で使いたれば、左サイドがお勧め。ほっておいても、中央に行くだろうし。ビセンテは奇跡の左SBでよろしく。余計、守備が崩壊するだろうな。シティのペトロフが取れれば。。。。。。。

 ビジャレアルはロッシがすばらしいし、カニもすばらしい。カニは背番号に見合うプレーを披露しているので、本当に嬉しい。

 

 

 
 

posted by josepgualdiola |19:18 | リーガエスパニョーラ/07~08 | コメント(8) | トラックバック(0)
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ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

ホント、高い授業料でしたね。
もう、ビジャレアルには勝てないんじゃない勝手ほど絶望的な差。


でも、CBがずるずる下がるだけってのもそうですけど、やっぱり中盤ですよね。つなげないし奪われるし。あれだけ攻められたら、きついですよ。

ビジャ、ビセンテ、ホアキンが機能しないのも同感。ホアキンとビジャを機能させるにはどうしたら良いんでしょうね。2人でツートップとか?



posted by KASHIMA | 2008-01-20 23:32

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

ビジャレアル側からすると、気がかりの守備、という点からすると、バレンシアはやりやすい相手だったんでしょうか。CBの裏を狙われることもあまりなかったですし。ポストに嫌われたシーンが続いた時は、嫌な感じはしましたけど。

次は国王杯のバルサ、でリーグ戦は5-0で負けたレアルマドリードということで、正念場ですね。
バルセロナは(ライカールト次第で)いい勝負が見れそうで楽しみです。

posted by グロゲくん | 2008-01-20 23:50

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

バレンシアのスタメンは、ヒルデブランド、モレッティ、アルビオル、カネイラ、アリスメンディ、マルチェナ、バラハ、ビセンテ、シルバ、ホアキン、シルバの4-5-1。

ヴィジャ忘れてませんか?
シルバが2回書いてあります。

もう1回カウンターサッカーしてもぼくはいいと思います。あのときは調子が良かったですし。

posted by valencia.. | 2008-01-20 23:55

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

確かにピボーテの位置をフリーにするのは良いとは言えませんね。サイドでの追い込みは良かったですけど。
何か決め事でもあるのかな?

バレンシアは、どうして前節の形を使わなかったのか。ビジャを試したのか。結果、選択肢が減少してしまいました。流動性って大切ですね。

相手の崩しはホント綺麗でした。簡単にサイドチェンジするし、足元のレベルも高いし。このチームは密集地でのプレーに魅力を感じます。

posted by Nari | 2008-01-21 03:45

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

どうもです。
ちょっと予想どおりの結果ではあったのですが、バレンシア可哀相でしたね。
国王杯も残しているから、ターンオーバーの意味合いもあったのでしょうか?ちょっと希望が見えた
前節と違う面子での勝負。。。でも、うまくいきそうな形を脇に追いやって、また違う形を試すって何を考えてるんでしょう?
あと、バネガを何でスタメン起用してこなかったのか理解できない。あんな試合の大勢が決まってから出しても意味ないでしょうに。。。
それにしてもビジャレアルはマドリガルでは無敵状態ですね。
普段の練習でも限られた狭いスペースでのミニゲームを徹底訓練しているとか。
バルサはまた国王杯でボコボコにされるんでしょうか・・・

posted by てぃーほりっく | 2008-01-21 10:43

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

今の前線3人のまま流動性のある攻撃出来ないでしょうか?
このままだと、ビセンテが。。。。

posted by クドウ | 2008-01-21 12:24

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

コメントありがとうございます。

>>KASHIMAさん
SBが高い位置で攻撃に絡めるようになれば、もっと前線にボールが繋がると思います。この試合に限って言うならば、前線の運動量のなさが中盤でのミスパスの嵐に繋がったと思います。

ホアキンは近い未来に上手く馴染んでくれそうですが、ビジャは難しそうです。シルバの位置で使えば面白そうですが。

>>グロゲくんさん
ビジャレアルにとってはやりやすかったと、思います。次節はカウンターの鬼がたくさんいるチームなので、殴り合いになるかもしれません。

>>valencia..さん
ご指摘ありがとうございます。修正しました。あのときが何年前のことかわかりませんが、原点回帰はお勧めしません。

>>Nariさん
場面によってはロッシやニハトがバレンシアのピボーテを挟み込んでいました。ただし、その挟み込んだときに何らかの共通性があるようには見えませんでした。気まぐれかもしれません。

いいときのビジャレアルは本当に面白いと思います。

>>てぃーほりっくさん
毎度です。

恐らく、この形がベストメンバーだと考えているんだと思います。前線の組み合わせに限って言うとですが。前回のモントーロやマタはローテの一員という扱いかもしれません。

バラハに拘る理由は何となく分かります。クーマンも最後のバレンシアの希望みたいな感じで使っているのではないでしょうか。しかも、何とかしようと必死ですし。ただし、なんともなっていませんが。

>>クドウさん
クーマンが教育すれば良くなるかもしれません。そのためには、前線の選手に頼らずに、ボールを運べるようにならないとどうしよもないです。

posted by josepgualdiola | 2008-01-21 18:03

ビジャレアル対バレンシア ~高い授業料~

この試合のビジャレアルの流れるような攻撃フットボルは理想的でしたね。久々に見ていて楽しめました。

前線の選手たちが流動的に動いて、枠内シュートで終わる。ポストやバーに当たるのも多かった。

ぺジェグリーニはやはり素晴らしい監督ですね。
リケルメ放出後、見事なモデルチェンジです。
多少守備面で荒さはあるものの、中堅クラブとしては上出来ではないでしょうか?
スペインでは今一番評価できるチームです。

こういう攻撃フットボルをするチームがスペインリーグで増えてほしいですね。








posted by サントス | 2008-01-22 08:57

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