2007年12月07日

ミラン対ユベントス ~久々のユベントス~

 今日から始まるCWC。というわけで、日テレで珍しくセリエAの放送があった。ダイジェスト版だったけれども。ぜも、贅沢は言わない。ユベントスを見るのは本当に久しぶりだ。

 ミランのスタメンは相変わらずの陣容。ジダ、セルジーニョ、ネスタ、カラーゼ、オッド、ピルロ、アンブロシーニ、ガットゥーゾ、セルジーニョ、カカ、ジラルディーノ。ここまで行くと既得権益のように見える。

 ユベントスのスタメンは、ブッフォン、ゼビナ、レグロッターリエ、キエッリーニ、モリナーロ、サリハミジッチ、ノチェリーノ、ザネッティ、ネドベド、イアキンタ、トレゼゲ。最大の突っ込みどころは、長い旅路から帰ってきたレグロッターリエ。ユベントスらしからぬCBコンビ。2人とも、もしかしたら成長したのだろうか。

 ■ユベントス式ミラン対策

 ユベントスの中盤コンビはノチェリーノとザネッティ。2人ともボールを奪うことや守備に魂こめている選手。ミランのカカ、セードルフはDFと中盤の隙間を狙ってくるので、絶妙なラインコントロールがこの2人には要求される。DFラインだけがコントロールしても、相手がミランの場合はちょっと足りない。
 
 このラインコントロールを簡単にやってのけるあたりはさすがである。さすが守備職人。驚いたのはレグロッターリエとキエッリーニもそつなく守備をこなしていたこと。2人とも、裏へ飛び出すカカや、ジラルディーノにつられることなく守備を遂行していた。

 いくらDFラインが高くても、中盤との距離を通常よりも狭くしたら、どうしても、どこかにスペースはできるはず。例えば、FWと中盤の間に。そこってピルロがいるんではないか。ユベントスはその解決策として、サイドを少し捨てた。守備の場面、特にミランがDFラインから攻撃を組み立てる場面でネドベドとサリハミジッチは中央に絞ることで、空くはずのスペースをしっかりケアしていた。さらに両FWも必ずセンターサークルまでは戻り、ピルロが好きな場所を最初から埋めていた。このように中央を固めれば、ミランの攻撃は自然にサイドに流れていく。

 ユベントスの両SHが中に絞り気味なので、ミランの両SBは比較的自由にボールを受けることはできた。ただし、前を向くころにはユベントスの両SBが寄せに来る。でも、それだけ自由だということはSBを起点にすることができる。ミランの攻撃はオッド経由で行われた。

 左SBはセルジーニョである。攻撃的な選手だが、全然ボールがこない。ミランの攻撃は右サイドに偏っていた。ユベントスによる、右サイドから攻めさせようという意図は見られなかった。このユベントスの守り方だと、両SHへの負担は大きいのでネドベドを疲れさせようという意図はあったかもしれない。多分、カカが中央から右へというエリアを得意としているので、右サイド攻撃が頻繁に行われたのだとは思うが。

 ミランの攻撃はオッドからのスルーパスでカカが裏へ飛び出したり、ガットゥーゾやセードルフを経由してカカやジラルディーノに繋ぐ形が多かった。しかし、ネドベドはサボらないしキエッリーニが抜群のカバーリングを見せた結果、ミランは決定機をあまり作れず。フリーなSBをうまく使えなかったのが前半の印象。

 ユベントスの攻撃は、ミランのボールを奪ってからが基本的な形。ネドベド経由のカウンターは精度が高くなり、フィニッシュまで持っていく場面もちらほら。ただし、守備職人らにボールを繋ぐ技術も思いやりのあるパスを出すやさしさもなく、基本的にはロングボールをFWに当てる形が多かった。

 もともとミランの攻守の切り替えが早く、それを避けるためのロングボールだったのか、繋ぐ選択肢がない上でのロングボールだったのかは定かではない。双方とも、相手陣地でボールを失ったときのプレッシャーはとても早く、ユベントスはその奪ったボールから、前半最大のチャンスともいえるポスト直撃のシュートをトレゼゲが放っていた。前半は0-0で終了。

 ■修正

 後半に入ると、ユベントスが攻勢に出る。前半はあまり飛び出す回数も少なかったモリナーロがネドベドの横を駆け上がったり。ユベントスはサンシーロで勝ちに来ている模様。後半2分にはDFラインからのロングボールはサリハミジッチが受けて対セルジーニョをあっさり振り切り、中央に切れ込んでミドル。これはジダがスーパーセーブで対応。

 ミランも攻撃が右サイドに偏っていたことをどうやら反省したようで。何のためにセルジーニョを使っているんだってハーフタイムに怒られたかもしれない。ミランの変更点は両サイドからバランスよく攻めること。カカも左サイドにどんどん流れてきた。ただ久々にミランを観ていて、一番違和感を得たのはセードルフだったりする。自由奔放すぎ。

 ツリー型の時のミランは、左サイドから中央へ進出するのがセードルフ。トップの位置や右サイドから仕掛けるのがカカと、役割分担がされていたと思う。たまには交代していたと思うが。しかし、前半のセードルフは右サイドに進出しすぎていて、カカの好きなスペースを潰していたような。

 また、左サイドの守備を担当していたころに比べると、一段と守備をしなくなっていた。そのため、ユベントスに前線までボールを運ばれると危なっかしい場面がちらほら。ネドベド経由の攻撃が多かったからいいけど、サリハミジッチを中心に攻撃されていたらどうなっていたんだろうね。

 セードルフが機能していないけれど、それなりに攻撃的に振舞っているのは、もしかしたら最近のミランが得点力不足に悩んでいたりするからだろうか。だとすれば、セードルフのこの振る舞いは理解できる。共感はしないけれど。

 ミランも後半4分にビックチャンスをつかむ。左サイドでのFKを得ると、すばやいリスタートでジラルディーノがボールを受けると、カカにつなぎ、中央にいるセードルフへ。セードルフは右サイドのガットゥーゾにボールを渡し、クロス。クロスボールがこぼれ、流れたさきにカカ。ゴール前でジャンピングボーれを放つものの、今度はブッフォンのセーブで同点のまま。

 左サイド攻撃が機能すれば、右サイドも機能する。後半7分にはあと少しでジラルディーノに合うクロス。ミランが徐々に流れをつかんでいく。そうなれば必然的に直接FKの回数も増える。後半13分にはピルロをブッフォンが見事にセーブ。

 ユベントスも後半15分に見事な飛び出しとネドベドとの関係を見せたモリナーロのクロスは惜しくも合わず。後半18分にジラルディーノ→インザーギ。セルジーニョ→マルディーニ。ちょっとサリハミジッチに崩される場面が続いたから交代っていうよりは、攻撃に絡めなかったからだろうな。

 そのインザーギは、後半24分に最終ラインからのボールでDFラインの裏を取るという芸当を見せる。ユベントスは、後半25分にサリハミジッチ→マルキオンニ。元中田の同僚登場。そしてイアキンタ→デルピエロ。役者の登場。後半35分にはネドベド→パッラディーノ。そこを代えても何の意味もないと思うけれど。

 最終的に0-0のまま終了。でも非常に見ごたえのある試合だった。

 ■独り言

 できることを最初から全開にしたユベントスに対して、前半に機能していなかったミランが、後半にそれを修正してきた試合だった。それにしてもレグロッターリエとキエッリーニに関しては本当に見直した。

 ユベントスのミラン対策はユナイテッドとかまねしたら面白いかもしれない。CLで対戦したらだけど。負けちゃったけれど、ミラン対策の理想はリバプール式だろうな。

 アンブッロシーニがガットゥーゾよりもさりげなく貢献していた。仮にロナウドやパトをスタメンで使うとしたら、誰をスタメンから外す予定なのだろうか。アンブロッシーニは外しにくい。普通にジラルディーノ外したらなんか悲しい。

posted by josepgualdiola |10:22 | セリエA | コメント(3) | トラックバック(0)
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Re:ミラン対ユベントス ~久々のユベントス~

はじめまして。楽しく拝見しました。ミランが好きなのでミランについて書かせて頂きます。

おっしゃる通り昨シーズンからのアンブロジーニの復調は、ミランにジレンマを生んだと思います。
アンブロジーニがいなければCLの優勝はなかったと思いますし、ボール奪取や特にセットプレーの強さはミランに欠けていた武器の一つです。

しかしアンブロジーニが入ることで前線の誰かを削らなければならなくなる。1トップにするか、セードルフを外すかという選択肢になると思うのですがまだ答えが見えません。というのも昨シーズンにロナウドが加入してからはセリエAとCLの両立がテーマで、リーグ戦では主力を温存する形が続き、いざ挑んだ今季はロナウドが怪我。前節カリアリ戦ではロナウドとジラルディーノが先発しましたけど、今度はセードルフが怪我でした。

正直、来年からもCWCや暴動の影響で延期された試合が立て込むので、明確な答えの出ないままなあなあでターンオーバーが敷かれる気がします。
ただ守備が重視される強い相手との試合ではアンブロジーニを外しづらいので、1トップで始めてどうしても点が欲しい状況になったらその日出来の悪い選手を外して2トップとする形に収まると思いますが。

本当はクラブとしても2トップにしたいと思ってるんですが、全体的な運動量の低下、FWの駒の少なさ、セットプレーでのアンブロジーニの有用性からなかなか思い切れません。
正直、昨年のアンブロジーニの復調がなければミランの全体のバランスが一人分攻撃的になった形(4-3-2-1から4-3-1-2へ)が今季のベースとなって、今夏にFWや攻撃的な選手の補強があったんじゃないかとずっと思っています。(アンブロジーニは好きな選手ですけど)

逆説的ですが、アンブロジーニがいないミランは勝てなくなるけれど、アンブロジーニがいなかったらミランはもっと強くなってたという気がしてなりません。

posted by 三四郎 | 2007-12-07 13:03

ミラン対ユベントス ~久々のユベントス~

私は普段、セリエAの試合も時々観戦するのですが、今期のユーべの選手は中々いいと思います。
ヤクインタを獲得したことにより、攻撃のオプションがさらに増えたと思います。
CLもなくリーグに集中できるので、比較的好成績を残していますね。

今のミランはCLなどのカップ戦は得意ですが、
リーグ戦で優勝争いできないチームは本当に強いチームとは言えないと思います。
そういう意味ではリバプールと似てます。
かつてのミランは本当に強かったと思います。






posted by サントス | 2007-12-08 08:42

ミラン対ユベントス ~久々のユベントス~

コメントありがとうございます。

>>三四郎さん
詳しいコメントありがとうございます。ガットゥーゾを外せばいいと思うんですが、それは無理でしょうね。この2人の攻撃力が上がるのを待つしかないんでしょうか。

ただし、ユベントス戦でガットゥーゾがカカらをおとりにして面白い攻撃の形が一回だけありました。その形が増えれば、こんな悩みは消えると思います。

>>サントスさん
ユベントスはらしいチームになっているともいます。来年はぜひともCLで見たいです。ネドベドに頑張って欲しい。

ミランはよくわからないですね。昨年のリーグ不調の気持ちは理解できますが、今年はなんなんでしょうか。噂ではCWC対策らしいですけど。

posted by josepgualdiola | 2007-12-08 21:48

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