2007年11月12日

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

 メタメタな試合だったので書き方をかえます。

 ■マジョルカの説明

 基本的には昨年とあまり形はかわらない。堅守速攻。その中にアランゴ、イバガサといった違いを生み出せる選手がいる。FWには、ヘタフェから移籍してきたグイサが絶対的な存在として君臨している。しかも絶好調。代表にも選ばれてしまった。ちなみにヤンコビッチはイタリアに移籍している。

 この試合ではグティエレスが欠場。契約問題でもめているらしい。WOWOW曰く、保有権がアルゼンチンのベレスと半々になっているようで、買い取るかどうかでもめているよう。グティエレスは確かに主力だが、意外とマジョルカには攻撃センスのある選手が多い。代役はフェルナンドバレーラ。まったく問題なし。

 基本的に高い運動量をベースとしたサッカーを得意としている。それは昨年の中ごろから志向している。それまでは攻撃大好きな選手を多く起用していて破れかぶれのサッカーを行っていた。そのサッカーを安定型に代えてから成績がかなり良くなった。

 今年もその流れを継承しているのだが、昨年に比べると運動量が少ない。悪くないサッカーなのだが、迫力が足らない。バジャドリッドやヘタフェやエスパニョールのほうがよく走っている。この試合でも時間がたつにつれて、足が止まり、レアルに支配されていった。

 ■ヘタフェと同じ守り方

 ゆっくりと新しい形を試し始めたレアル。バレンシア戦で4-3-3を試したのがその例である。この試合でも守備をしているときは4-3-3で守っていた。これは昨日のバルサ対ヘタフェでヘタフェが見せた守備の形と似ている。完成度はえらい違いだが。

 ロビーニョが左サイド、ニステルとラウールは状況に応じて右、と中央のプレスを行っていた。3人とも自分の目の前にボールがあるときは懸命に守備を行っていたと思う。非常に珍しい。残念ながら、自分の後ろの守備については無頓着である。時々、思い出したかのように守備はしていたけれど。

 マジョルカのSBがDFラインにいれば問題ない。DFラインから飛び出してボールを受けようとした時に問題が生じる。だって、ウイングの選手が守備をしないからだ。そうなるとディアラやスナイデルが中から外へポジションを代えないといけないし、数的不利になってしまう。前半20分くらいから、マジョルカはこのレアルの守り方に対応してSBを上げてきた。レアルはウイングを下げれば問題ない。下げなかったけれど。

 また中盤もスナイデルが中央にいるのか、右サイドにいるのか中途半端で本人も迷いがあるようだった。この当たりの守備の役割分担をはっきりさせれば、もっとうまく守れるようになると思う。結果としてスナイデルが見るのか、それともミゲルトーレスが見るのか、左サイドのイバガサはたびたびフリーになっていた。

 そんなわけで、前半に2失点。その原因はイバガサへの対応とエクトルの飛び出しに誰もついてこなかったことが上げられる。2点目のバレーラのシュートはやばかったが、エクトルの飛び出しさえなければもう少しエインセが寄せられたと思う。守備の穴がそのまま失点に結びつく分かりやすい形である。修正がしやすい。ただし、機能していたバルサほどではないが、ボールを奪われたときの守備はなかなか機能していたと思う。

 ■ロビーニョの覚醒とラウールの復活

 ウイングがあまり守備をしないということは、それだけ攻撃に専念できるということである。まさにロビーニョのための試合であった。この試合でも3得点に絡む大活躍である。1点目はマルセロとのコンビプレー、2点目はこぼれだまが足元に、3点目は自分で仕掛けてラウールへのクロス。他にも自分で仕掛けて、エクトルを転ばし、左足を振りぬいた場面があった。やりたい放題。

 1点目と3点目は高い位置でパスを受けて仕掛ける形であった。ロビーニョがボールを運んだわけではない。ちなみに、1点目のガゴのパスは美しかった。ロビーニョが低い位置でボール運びを手伝わなければいけない状態の時もある。

 ロビーニョにそのような役割をさせないで、前線にボールを届けることができれば、今後も面白そうである。ロッベンの処遇がものすごく気になる。

 そしてラウール。3点目はほとんどアシストしたロビーニョのゴールといっても良い。だが、フリーでボールを受ける技術が復活してきている。ボールのないところの動きで一瞬でフリーになるのはラウールの持ち味である。周りのために走ることでなく、ようやくラウールも自分のために走るようになってきた。

 得点は1点だけだったが、スナイデルのパスをバックヘッドでゴールを狙った場面は非常に印象に残った。他にもクロスへの飛び出しでは随所にらしさをみせ、最後にはニステルにアシストをするなど幅広いプレーを見せた。なぜかチャンスメイクがうまくなっているニステルともに、ラウールも献身的な時代を経たことによって、多くのものを手に入れたかもしれない。だけれど、代表復帰は遠い。

 ■ばてたマジョルカとペペ

 前半は2-2で折り返したものの、マジョルカは後半になると防戦一方と言ってもいいくらいに押し込まれる。前半は前線からプレスに行くことで、レアルの選手のミスを誘発していたが、後半はそれがかなわなかった。

 その原因はペペ。後半の頭からシュスターはカンナバーロに代えてペペを投入。お世辞にもカンナバーロは足元がうまいとはいえない。レアルの最初の失点のきっかけは、カンナバーロが安易にボールを失ってしまったことから始まっている。

 初めて見るペペはいきなりラウールにフィードを通すなどセンスを感じさせた。それだけでなく、高さ、フィジカルも強い。相方のエインセも足元がうまいので、これにガゴが加わるとプレスに行ってもボールが奪えない。ボールが奪えないのにプレスに行き続けるのは精神的にきつい

 それでもマジョルカはあきらめない。昨年レアルのカステージョに在籍していたマジョルカのボルハ。この試合でサンチャゴベルナベウのデビュー戦を迎える。後半5分ごろに登場。彼は精神的に折れていない。気合十分。それにアランゴ、グイサ、イバガサは守備をしなくなっても、攻撃の時は目を覚ます。

 アランゴ、ボルハの特攻でディアラはあせったか、グイサにスルーパスを通してマジョルカが逆転する。これで、マジョルカが復活すればいいが、流れは変わらない。それだけペペの存在は大きかった。すばらしい采配である。

 ■責任を引き受けるガゴ

 自分のゾーンを越えてプレスに行く決断ができる選手は少ない。自分のゾーンからやられてしまう可能性ができるからだ。ダイナマイトなミドルを決めたバレーラにエインセは寄せ切れなかった。エインセの気持ちは分かる。でも、カンナバーロならあそこは寄せていたと思う。そういう決断をカンナバーロはできる選手である。

 ガゴもカンバーロに似ている。とにかくボールホルダーに寄せに行く。その結果、抜かれることも多いがチームを救うファインプレーもある。ディアラが慎重なのに対して、ガゴは大胆。ディアラが悪いとは言わないが、ガゴのそういう姿勢は評価に値する。

 攻撃面でも同じである。チャンレンジパスが多い。他の選手が横パスを多いのに対してガゴは縦パスが多いはずである。ミスも多いが。それでもめげずに縦パスを続け、ボールを欲しがる姿勢は高い当事者意識によるものだろう。

 その結果、1点目のロビーニョへの見事なパス、4点目のラウールへの楔のパスへと繋がる。使い続ければ、大化けする可能性が高い。

 ■できることだけ行うミゲルトーレスとチャレンジャーのマルセロ

 マルセロは攻撃参加が持ち味である。この試合でも再三にわたってロビーニョを追い越し、結果も出した。1点目のアシストである。ただし、ロビーニョがあまりにもキレキレなので、マルセロにボールが渡っても微妙であった。彼は仕掛けに仕掛けるがそれが効果的でなく、姿勢は評価するが先は長そうである。

 守備面でも1発でボールを奪いに行く勝負を見せ、それであっさり交わされる。1点目の裏をとられたのは仕方ないが、2点目のバレーラにあっさり交わされたのはいただけない。粘り強い守備を求む。

 逆にミゲルトーレスはまったく仕掛けない。自分の能力をわかっているのだろう。フリーで抜け出してのクロスには定評あるが、ドリブルで仕掛けてのクロスは困難である。それでも彼は飛び出し続ける。攻撃を幅広くするために、味方の選択肢を増やすために。スナイデルと連携すれば攻撃面で良い形が見られたと思う。レアルの右サイドはしばらく独力で突破されることが求められそうだ。

 ■独り言

 試合は4-3でレアルの勝利。マジョルカが一度は逆転するという凄い試合展開であった。そのなかでもマジョルカは限界を露呈し、レアルは新たな可能性を提示した試合になったと思う。レアルはまだまだチームにも個人にも伸びしろがあるので、今後が楽しみである。

posted by josepgualdiola |12:35 | レアルマドリッド/07~08 | コメント(8) | トラックバック(0)
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レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

こんにちは。
確かにぺぺの交代は良かったですね。
カンナの立場も危うくなってきたかなと思いました。
しかし、カンナは危険な場所への寄せ等はうまいですし‥。
迷いますね。
ちなみに交代はカンナのフィジカル面に問題があったとか言われていたような‥。
(違ったらすみません)


ガゴについては私も化ける気がします。
まだミスもありますが、使っていけば良い選手になれるでしょう。
まあ縦パスについてはポスト側が二ステルとラウルなので、しょうがない面もあると思います。
タイミング等があってくれば、面白いかと思います。

マルセロについてもあまりよくないですが、彼も若いので、試合で使い続けるのは良いことだと思います。
仕掛けがいまいちな攻撃やすぐに飛び込んでしまう守備など問題がありますが、使っていくことで成長するでしょう。

マドリーは若いチームなので、どうなるか楽しみです。
この完成されてないチームが首位というのも面白いですね

posted by アルメニア | 2007-11-12 13:59

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

カゴはまさしくレドンド2世ですね

posted by AAA | 2007-11-12 15:13

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

なんかルーズな試合で、観てても集中し切れないし、点が入ったわりに面白くないという感じでした。もちろんロビーニョは凄まじい活躍でしたが。
この試合で目に付いた点はぺぺが入ってからです。ぺぺは足元に自信がある感じで、安易に蹴るようなことはせず、繋ぐ意識が高い選手なので、パスの出し所を探していましたが、もらいに来る選手がガゴしかいないので、バックパスというパターンが多かったように感じます。スナイデルさぼってたのかな?そもそもスナイデルの役割が攻守において中途半端な気がしました。

posted by メレ | 2007-11-12 18:50

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

乱戦でしたね。途中からボーっと見るようにしたらとても面白かったです。

ラウールのゴールは本当に彼らしかった!このまま完全復活となればと思いますが、代表復帰は厳しそうですね。。ペップさんはスペイン代表に必要だと思いますか??

posted by イニエスタ | 2007-11-13 00:30

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

ライバルはいなくなりました。
この試合のメンタルの強さを考えると
レアルマドリーの優勝はほぼ間違いないのではないでしょうか。

posted by サントス | 2007-11-13 08:56

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

コメントありがとうございます。

>>アルメニアさん
お久しぶりです。ガゴ、マルセロについては期待しています。是非使い続けて欲しいです。

これからどうチームがかわって行くか、本当に楽しみです。

>>AAAさん
道は長いですけどね。

>>メレさん
スナイデルにしても、グティにしても90分通してみると、よくわからない働きです。システム上の問題だと思います。決定的な仕事をする確立は他の選手より高いですけど。

>>イニエスタさん
ラウールの存在がチームにどのような影響を与えるか、いまいち分からないので何ともいえないです。

ただサンチャゴベルナベウなんかで試合があるときは、絶対呼ぶべきだと思います。

>>サントスさん
バルセロナでは決断力が試されてますね。

posted by josepgualdiola | 2007-11-13 09:54

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

ガゴの良さを感じれた試合でした。
移籍して来た当初は軽い選手と言う印象がありましたが、展開力と言う意味では良いセンスを持っているなと思いました。

1点目のロビーニョへのロングパスも開始から明らかに左サイドへ回したい仕草が見られ、その通りに綺麗にボールを通し得点へと結びつけました。

スナイデルは好きな選手ですが、確かにポジションなど迷ってそうですね。フィットすれば好調の波があるグティよりは使えそうですが、どちらかにすると言う判断は難しいですね。
一応バチスタもいますし・・・

ファンニステルローイがやたら守備の時にボールを追うようになったと思います。
チームとしてまとまって出来ると効果的でしょうが、個人的にはゴールを狙っといて欲しいですね。

posted by marionette | 2007-11-13 12:48

レアルマドリッド対マジョルカ ~個々の選手について~

ラウルとニステルはいつもこれぐらいやってくれるといいんですけど、アウェイでは明らかに手を抜く傾向がありますね。特にニステル。
今のシステムはかなり絶妙なバランスで保たれているなって感じでした。
ディアラとガゴの関係はもう少しハッキリすべきですね。ディアラはカバーリングに徹した方が良さそうです。というか最近ディアラの存在が霞んでます。スナイデルとガゴでもいいんでは?と思ってしまいます。スペインでやるにはいろいろと必要ですね。

posted by Aquarius | 2007-11-14 14:48

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