2006年10月09日

滝川第二高校対名古屋ユース ~すべてが上手くいかなかった名古屋~

久々に現地観戦をした。他の競技場に比べて、さいたまスタジアムはピッチと観客席の距離が近い。そして雰囲気が良い。また来たくなるようなスタジアムだ。ちなみに今日の観客数8500人くらいであった。

高校サッカーを観戦したのは高校生のとき以来である。それ以降はテレビでさえ見る機会がなかった。そのせいで、一体最近どこが強いのかよくわからない。なので、先入観なく見ることができた。

名古屋は完全にバルセロナシステムであった。4-3-3でアンカーは必ず1人。
滝川は4-3-3だけれど、中盤はかなり流動的であった。

名古屋がボールを持ち、滝川がプレスに行くのが前半戦の展開だ。基本的には名古屋の攻撃の形は、左サイドを基点としてロングパス、中央のでかいFWに当てるというものだった。決して組み立てを思考するものではない。アクセントとして、デコ・シャビのポジションの選手がドリブルで切れ込んでくる。

このような形だった。
ただまったく機能していなかった。機能しなかった原因は3点ある。

1点目はポスト役の選手が競っても、誰もフォローに行かなかったことだ。そのせいで、セカンドボールがほとんど滝川の選手に拾われていた。両ウイングと攻撃的な中盤の選手にセカンドボールを拾おうという意識がなぜか低かった。
それに比べて、滝川のボールに対する集中力は鬼気迫るものがあった。フィジカルでは負けているものの、自由なポストプレイをさせなかったDFは素晴らしいと思う。

2点目はロングパス一辺倒になってしまったことだ。せっかくウイングの選手がいるのになぜかサイド攻撃をグランパスは仕掛けてこなかった。リスクを背負って後ろから追い越す動きが欲しかったと思う。いつも放り込んでくるだけだったので、滝川は精神的に守りやすかっただろう。

3点目はロングパスの精度が悪かったことである。京都並に悪かった。滝川のFWは名古屋DFラインまでプレスをかけてこなかった。よって、名古屋のDFはほぼフリーでボールを蹴ることができたのに、精度が悪かった。少し悲しくなった。

ちなみにこの攻撃で一度だけいい形を作ることができた。何度かサイドから裏へ飛び出す攻撃もあったのだが、意図的であったかか微妙だった。

滝川はまったく攻撃の形が見えなかった。いきあたりばったりとまでは言わないが、名古屋からボールを奪える位置が自陣に近く、組み立て用にも名古屋のプレスの前にたじたじであった。前半の滝川はロングボールも少なかった。名古屋のDFラインの裏を取ろうという意思が見えなかった。

後半になると、滝川がシステムを4-4-2に変更してくる。後半のFWは名古屋のDFラインに積極的にプレスをかけてきた。そのプレスによって、名古屋の球出しが混乱し始める。前半に比べて、名古屋は自陣に近い位置でボールを奪われるようになった。また滝川の攻撃も組み立てを放棄し、名古屋DFの裏へ裏へ出すようになる。

この戦術が当たった。滝川はリトリート→ロングカウンターを完全に機能させていた。特に両FWのスピード・個人技が素晴らしく、積極的に仕掛けていった
。また後ろからの押し上げもいい形で機能していた。ここで、名古屋は右サイドのDFを交代させる。攻撃があまりに左サイドに偏っていたからだろう。この選手が加入して、右サイドの流れは良くなった。またこの選手が縦にフリーランニングをすることによって、ロングボールのみの攻撃から名古屋が脱却するかと思いきや、そうはいかなかった。滝川が後半の早い段階でPKを得たが、外す。ここで名古屋が二枚目のカードを切る。

PKのあと、名古屋がDFを一枚削り攻撃の選手を投入する。個々が勝負の分かれ目であった。交代選手が入ってくると、明らかに名古屋の選手は混乱していた。誰が守備をするんだ???って感じだったのだろう。セットプレーのチャンスのなのに中々選手が上がらなかった場面が象徴的であった。結局、機能していたサイドバックの選手が3バックを形成し、ロングボールさえ蹴ることができなくなってしまった。

また中盤のポジショニングが曖昧になり、誰も下がらなかったことにより、また滝川をドフリーにし、あっさりミドルを決まられる。

そして名古屋はこの2点決められたあとの時間帯にDFを投入して、バランスを回復させる。そうするとロングボール攻撃が機能し始める。だが、前半のリピートになり、このまま試合は終わる。

名古屋が強いかどうかはわからない。今日はついていなかったように思えるし、明らかに監督の交代策によって自滅したように思える。

滝川のほうが試合巧者であったのは間違いないが、これから伸びる可能性があるのは名古屋のサッカーなんだろうなと感じた。リアクションサッカーーには限界がある。

もしも名古屋がサイド攻撃を取得したらかなり戦力がアップするが、滝川の場合これから何かを取得するということがない。仮にポゼッション勝負を名古屋に挑んだら、かなりの確立で名古屋が勝っていただろう。

やはりユースの世代にどのようなサッカーを教えるかということは

かなり難しい。

posted by josepgualdiola |16:56 | 高校サッカー | コメント(3) | トラックバック(2)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/josepgualdiola/tb_ping/24
この記事に対するトラックバック一覧
[高円宮杯] U-18日本一決定戦-関西編 【高校・ユースサッカー】

 2006年の高円宮杯全日本ユース選手権大会での関西勢は、ガンバ大阪ユース、滝川第二高校、初芝橋本高校の3チームがベスト4に進出しました。  躍進著しい関西勢の奮闘について、みなさんのご感想・リポートなどをコメント・トラックバックで募集します。

2006-10-09 20:44 | 続きを読む
[高円宮杯] U-18日本一決定戦-東海編 【高校・ユースサッカー】

 2006年の高円宮杯全日本ユース選手権大会、東海からは名古屋グランパスU-18が初のベスト4に進出しています。残りはすべて関西勢という今年の全日本ユースですが、名古屋は関西勢の牙城を崩せるでしょうか。  名古屋への応援、マッチリポートなどをコメント・トラックバックで募集します。

2006-10-09 20:44 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:滝川第二高校対名古屋ユース ~すべてが上手くいかなかった名古屋~

 両チームのサッカーの違いは将来性とその時点での完成度のどちらに比重を置いたかということなんでしょうね。
 
 選手の質で劣ることが多い高校のチームが全日本ユースで勝つのは年々難しくなっていくとは思うのですが、たまには高校のチームが優勝してみせるのもJユースにとって良い刺激になると思います。
 
 この年代の選手育成は本当に難しいと思います。たまにもうJユースの時代で高校サッカーは時代遅れとか言う人もいますが、いろんな育成環境を用意しておいた方が良いだろうなぁと思ってます。
選手全員がプロになれるわけではないですし、指導者になるなら勉強も大切ですからね。
 
 将来的には高校の名門校とJユースが連携して選手育成にあたるようになるのかもしれませんけどね。

posted by いもあん | 2006-10-10 00:34

Re:滝川第二高校対名古屋ユース ~すべてが上手くいかなかった名古屋~

結果を見ての評論は誰でもできる
どうしたら名古屋は勝てたのか
批判だけでは能力が知れていますね

posted by 馬鹿 | 2006-10-10 21:31

Re:滝川第二高校対名古屋ユース ~すべてが上手くいかなかった名古屋~

コメントありがとうございます!

いあもんさん
ユースと部活の両立はなかなか困難そうですね。あまり高校サッカーには目を向けていなかったのですが、これからはもっと目を向けてみようと思いました。

馬鹿さん
どうしたら名古屋が勝てたのか、、、ということですが、自分達の形を捨てれば勝てたと思います。

posted by josepgualdiola | 2006-10-11 18:14

コメントする