2007年07月24日

リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

 第9節より、1位のリヨン対4位のサンテティエンヌの対決。ダービーらしい。9節の前に代表戦があったようなので、リヨンはコンディションが苦しいかもしれない。

 リヨンのスタメンはベルクトル、レベイェール、クリス、スキラッチ。アビダル、トゥララン、ジュニーニョ、チアゴ、ゴブ、ベンゼマ、ウィルトール。クペもマルダもフレッジもいない。マルダはベンチ。

 サンテティエンヌは誰一人知らない。イランがすごいらしい。4-4-2。ちなみに、センターハーフの2人が累積でいないようだ。監督はなんとハシェック。広島→千葉と渡り歩いた質の高い選手であった。懐かしいな。

 ■理想的なポゼッションサッカー

 リールとの対決ではロングボールが多かったリヨン。ディアラの抜けたばかりで、トゥラランもまだ本調子から遠かった模様。ダービーで本領を発揮するとはさすがである。

 サンテティエンヌから見てみると、このチームは前線から激しくボールを奪ってショートカウンターを狙っているチームだと感じた。中盤のラインの位置取りが高かったからだ。FWはスピードのある選手でロングカウンターもショートカウンターもいけるタイプである。守備もする。前線から守備に行くには最高である。

 しかし、リヨンのほうが上手であった。ジュニーニョ、チアゴが中盤に降りて来ると同時に、両SBが高い位置を取る。こうして数的不利を脱し、リヨンは面白いようにボールを繋いでいく。

 バルサ対策にはアンカーの位置まで降りていくデコシャビには勇気を持ってついていかないといけない、という決まりがある。サンテティエンヌにはその勇気がなかった。中盤の選手は自分のゾーンを越えてまで相手についていくことはなかった。その結果として、リヨンは簡単にフリーになることができた。

 このようにサンテティエンヌの前線からの守備はあっさり機能しなくなる。前線からの守備が機能しないならば、高い位置にいても意味がない。よって、引きこもって対応するべきである。しかし、サンテティエンヌの中盤はそれでも高い位置を保ち続けた。DFラインが下がったのにもかかわらず。

 DFラインと中盤の距離が遠いと困難な状況に陥る。カバー&チャレンジの関係が作れないからだ。ようするに、マケレレがギッグスに寄せる。ギッグスはマケレレを交わすが、ボールが足から少し離れる→そこをテリーが掻っ攫う、という関係である。

 後ろにカバーの選手がいれば、前の選手はチェレンジする勇気が出るし、抜かれてもそこまで問題にはならない。そればかりか、取ってしまえば最高である。サンテティエンヌに話を戻そう。DFラインが下がってしまったので、DEラインがカバーに来ることは難しい。

 中盤でカバーとチャレンジを作ることは可能。だが、思いっきりボールに選手を集めなければならないので、サイドチェンジされると終わる。前線の選手がチャレンジすれば何とかなりそうだが、ボールを奪える気配がないと、たいていの前線の選手はサボりだす。もともと守備が好きなキャラはあまりFWにはいない。前線から積極的にプレスに来るチームの対策として、前線の選手にあきらめさせるという手もある。

 そんなわけで、サンテティエンヌはリヨンにぼこぼこにされる。リヨンの3トップの動きは連動性にあふれていた。まさにお手本。4バックで3トップに対応することは不可能ではない。しかし、3トップが中盤とポジションチェンジするようになると、無理。

 例えば、ローマ。トッティが中盤に下がる→どこまでも下がる→CBは相棒を1人に出来ないので、どこまでもついていくことはできない。トッティの空けたスペースにマンシーニ達が入ってきたら危険。ボランチの選手がCBの位置をカバーするくらいならマークを受け渡したほうがまし→と、かなり面倒くさくなる。このマークの受け渡しやスペースを埋めることを90分繰り返すことは非常に困難。リヨンもローマのように動き回り、マークをかく乱していた。この試合の場合、中盤とDFラインの間にスペースがあるので、そこでリヨンの3トップはボールを受ける→ジュニーニョ、チアゴが絶妙のタイミングで飛び出してくる。まさにお手本だった。

 それでも点が入らなかったのはサンテティエンヌのDFラインの体の投げだしっぷりと、ベンゼマ、ゴブがいまいちだったことだろう。怪我明けのゴブはいまいちキレがなかった。ダービーで気合の入ったサンテティエンヌのDF陣は半端じゃなかった。前半は0-0。

 ■サンテティエンヌが開き直った

 自分達のサッカーが通用しない→そのまま撃沈ではさびしすぎる。サンテティエンヌは中盤をDFラインの近くまで下げ、リヨンの攻撃に対抗。DFラインと中盤で挟み込み作戦である。

 これでリヨンの攻撃は少し停滞する。10回攻撃したら8回成功していた攻撃が5回ぐらいに減った感じである。なによりもきつかったのは奪われ方だった。囲まれて潰されるので、ボールに近くにはサンテティエンヌの選手がたくさんいる。よって、前半よりも潰しにくいしカウンターをくらってしまう場面が増えた。

 前半のリヨンは両SB、ジュニーニョらが高い位置にてボールを奪われてもすぐに攻撃の起点を潰しに行っていた。潰せなくても併走することで、トゥラランがボールを奪うのを助けていた。この守備意識をバルサも見習おう。トゥラランは9節ぐらいから調子を上げていったのだろう。まるでピルロとマケレレを混ぜたような選手だと思う。守るチームにはきついが、攻めて攻めて攻めまくるチームにはお勧めのアンカーである。

 前半の一方的な展開から、後半はサンテテエンヌの攻撃に少しだけ可能性を感じるようになってきた。状況を打破するために、リヨンはゴブ→マルダを投入。マルダが入ったことで、リヨンの攻撃にドリブル突破という選択肢が増える。これでリヨンの攻撃が活性化し、先制点を得る。ヂエゴの見事な飛び出し&シュートだった。

 しかし、直後にカウンターでサンテティエンヌが同点に追いつく。シュートが相手に当たってゴールに吸い込まれた。フランスリーグはミドルを打つ意識が高いかもしれない。

 その後、ジュニーニョがPKを外すが、最後にはミスを取り消す決勝点を決めて試合終了。最後に点を決めたのは、お前なんでそこにいるんだ、というジュニーニョのポジショニングと、マルダの単純なドリブル突破が原因となって生まれた。2-1で終了。

 ■独り言

 ダービーらしいアツイ試合を見ることが出来た。ただし、4位と首位のチーム間でこれだけ差があるとは正直思わなかった。ここまで差があると、チャンピオンズリーグで勝負するための経験が、他のリーグに比べて得られないのではないかと心配。

 あと3トップは流動的に動かないとダメですね。最後にアビダルはめちゃくちゃ攻撃的だった。

posted by josepgualdiola |10:04 | リーグ・アン | コメント(5) | トラックバック(0)
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Re:リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

管理人さま....度々失礼します。 今日は仕事でリーグアンの再放送は見れません(TT)       戦術的な事は私は疎いので主観的な事しか話せませんがこの時フレッジは既に怪我でしたかね?  カリュウ代役してた記憶があるが!?  しかしカリュウもあんな使われかたすれば出ていきますよね..フレッジが復帰したとたんレギュラーから外されるし。 結構CLでもカリュウは点取ってた記憶があるが? アストンビラでしたっけ? 結局バロシュとトレードみたいな形でしたね? 4-3-3も考えものですね良いCFWが何人か居ても結局起用貧乏に成ってしまうし....リヨンは監督代わったらしいですがフォーメーションは変わるんですか?     会社のパソコンより....  

posted by 今年はセルティックlove | 2007-07-24 13:58

Re:リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

確かにおっしゃる通り
残念ながらリーグ自体のレベルは低いでしょう。パリSGやモナコの凋落などもあって。
最近は実質リヨンの1人勝ち状態ですな。

スペインのように中堅クラブでもCLベスト4のビジャレアルやサラゴサ、セビリアなどなどのいるスペインとはかなり違いますな。
リヨンがスペインリーグに入ったら面白いといつも妄想しますが。
マドリーをボコボコにしてくれるので。


posted by サントス | 2007-07-24 15:02

Re:リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

こんばんは

リヨンは、毎年、主力選手の放出が相次いでいますよね、「練習に参加しない→試合に出場しない→移籍」このパターンで、エッシェン、ディアラは、去って行きました(マルダとアビダルは、長期化の様相を呈していましたが、前者は、チェルシーに、後者は、バルサに、、と意外とスムーズに交渉がまとまりました。)もっともチアゴは、誰よりも早くユーべ入りが決まっていました、、、、、ケイタとボドメールは、確かにいい選手ですが、果たして、、、、

posted by mussan | 2007-07-24 23:37

Re:リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

イラン、バネがあってなかなかいい選手ですよね。
パリサンジェルマン戦での、とっても綺麗なバイシクルは、ビビりました。
イランとかチェコとか、ブラジル人の名前、なんか紛らわしい・・。

posted by うm | 2007-07-25 17:00

Re:リヨン対サンテティエンヌ ~3トップを機能させよう~

コメントありがとうございます。

>>今年はセルティックloveさん
フレッジは怪我だったような。記憶が定かではありません。レアル戦でカリュウは活躍したと聞きました。システムは変わらないと思います。変える勇気がないかと。

>>サントスさん
リヨンがリーガに入ったら、わけわからなくなりますよ。星の潰しあいでさらに優勝に必要な勝ち点が減りそうです。

>>mussanさん
ボドメルはやってくれそうですが、ケイタがチャンピオンズリーグでどれだけ通用するか楽しみです。

>>うmさん
イランってブラジル人だったのですね。クリスに完璧に抑えられているようだと、世界でデビューは難しそうです。

posted by josepgualdiola | 2007-07-27 00:27

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