2007年07月23日

リヨン対リール ~苦手のリールだけど~

 第7節より、リヨン対リール。共にチャンピオンズリーグに出場しているチームの対決。近年の対戦成績を見る限り、リヨンはリールを苦手にしているらしい。7節の時点でリヨンはマルセイユと勝ち点が並んでいる。得失点差の関係で首位のようだ。

 リヨンのスタメンはクペ、レベイエール、スキラッチ、クリス、アブダル、トゥララン、ジュニーニョ、シェルストレム、コブ、マルダ、フレッジ。有名人が多い。チアゴを温存。

 リールのスタメンはマリキ、シャルメ、ブレスタン、シュミッツ、ビタキッチ、デュモン、ボドメル、マクーン、リヒトシュタイナー、オデムウインギ、ケイタ。ユナイテッド戦で活躍したオデムウインギ、ボドメルに期待。そして不出場だったケイタ。

 両チームとも4-3-3だった。フランスでは4-3-3が大流行しているのだろうか。4-5-1とも表現できるけれど。

 ■リールの守備は堅い

 ユナイテッド戦のファーストレグでも披露した守備は、もちろん国内でも健在。リヨンってこんなにロングボールを連発するチームだったけ。それだけリールの守備はすばらしかった。

 全員が自陣に戻り、リヨンがパスでボールを運ぶことを徹底して許さない。中盤の選手が、前を向いてボールを受けることはほとんどなく、リールの厳しい寄せの前に、リヨンはバックパスを繰り返すだけであった。リールの選手は誰もサボらず、常に自分のゾーンと敵の位置を意識しているように見えた。良く訓練されている。

 こうも守られては放り込むしかない。しかし、リールのDFは空中戦に強く、なかなか崩せない展開が続いた。能力の高いフレッジ、ゴブ、マルダの足元にボールが入れば、攻撃の形は作れていたが、なかなかそこまでボール届かなかった。リヨンもリヨンで、ワンツーを多用する、SBとウイングがポジションチェンジする、味方のために走る、などして、ボールを前線に運ぶ努力をすればいいものの、実際にはマルダが中盤に降りてくるくらいだった。ディアラが抜けたばかりなので、守備に不安があったのかもしれない。攻撃に思い切りがなく、リールは巧く凌いでいた。

 しかし、空中戦のこぼれだまをマルダが見事な胸トラップ&ボレーでリヨンが先制する。マルダのシュートはDFに当たってコースが変わりゴールに吸い込まれた。シュートを打つことって大切。前半6分。

 リールの攻撃は基本的にボールを奪って→開始という流れだった。主にリヨンのロングボールを競り合う→こぼれだまを狙う。またはボールが前線の選手に納まる→攻撃を遅らせ複数で対応し奪う→攻撃開始。

 リヨンの守備の形が整っていない状態、しかもロングボール後なので、スペースがある。ジュニーニョやシェルソトレムがセカンドボールを強く意識していたらリールの攻撃は潰されていた可能性が高い。しかし、2人のポジションニングはポゼッションでボールを運ぶことを意識したものだった。ドンマイである。

 リールの攻撃は基本的にアーリークロス、クロス、裏へのロングボールである。まれに中央をこじ開けようとするが、ほとんどない。両SBは機を見て上がってくる。どうしてもサイドからのクロスが多いので、むやみに上がっても本当の意味で無駄走りになることが多い。リールのSBはその無駄を巧くなくしていたと思う。

 クロスボールを上げても人数が少なく、リヨンに簡単に防がれていた。もう少しやりようがあると思うが守備を基本としたチームなので仕方ないのかもしれない。時々、カメルーン代表のマクンが耐え切れず上がってくるのが面白かった。

 そんなリールも、似たような状況で同点ゴールを得る。左SBのビタキッチが機を見て前線に飛び出し、フリーでクロス。それを逆サイドのケイタが思い切ってシュート。シュートはクロス気味になり、それがクリスに当たってゴール。このシュートはクリスのオウンゴールとしてカウントされたようだ。前半24分。

 同点後も試合の展開は変わらなかった。リヨンは前線の選手の個人技を活かしてクロスまでは持っていくが、シュートまではいけない。リールはクロスをすぐ上げるのをやめ、パスをつないだり、ケイタが仕掛けたりして徐々によくなっていったが、その分リヨンのカウンターにさらされることになる。一対一の場面ではどうしてもファウルが増え、キッカーはジュニーニョだから怖い。

 終了間際にセットプレーからフレッジが豪快なボレーを放つが、マリキがファインセーブ。前半は個々で終わる。両チームともビックチャンスを流れの中かから作れないまま終わってしまった。
 
 ■勢いにのったけれど
 
 後半開始早々に、アビダルの攻撃参加によってリヨンが決定機を作る。前半は静かにしていたアビダルだが、どうにかしないと、という気持ちがあったのだろう。しかし、攻撃参加は1度だけ、ペースはリールに流れる。

 4-3-3のシステムは相手SBが攻撃的にくると対応に困ってしまうことがある。ウイングの選手が守備をしない限り、どうしても無理が生じてしまうからだ。後半のリールはSBが無駄かどうかなんて知るか、という走りをみせリヨンゴールに迫っていった。この勢いにおされたか、リヨンは相変わらずロングボールとマルダのドリブルに頼りきり。リールは数多くあげたクロスの中で、決定機を作った。だが、シュートはクペの真正面。ついていない。

 これはリヨンやばいじゃん。そう素直に感じていた。しかし、追加点を奪ったのはリヨンである。それまで沈黙していたフレッジが見事なトラップ&ヒールパスで2列目から飛び出したジュニーニョへスルーパス。見事な連動性。ポストの選手にボールが入る前に走り出すと、たいてい相手は突いてこれない。フレッジが輝いた瞬間だった。ジュニーニョはキーパーとの一対一を冷静に決めて2-1。

 これでリールはクロス作戦をやめ、ゴール前まで人数をかけて運ぼうとする。しかし、技術的にも組織的にも能力が足らない。むしろ今までくらわなかったカウンターをくらうようになる。リヨンの攻撃は迫力が増していき、アビダルを起点としたカウンターで3点目を得る。リスクをかけたらやられてしまう。非常に切ない。攻撃に人数をかける→後ろに人がいない→奪われたら終了。

 そして4点目。ジュニーニョのスルーパスをフレッジが落ち着いて決める。リールがボールを奪って速攻しようとしたら奪われて逆襲をくらった場面だった。点差がついてからのリヨンの守備意識は相当高く、リールはなにもさせてもらえなかった。パスもダメ、ドリブルもダメ。試合はこのまま終わる。

 ■独り言
 
 最終的にはリヨン強しで終わった。リールは組織的でモラルも高く、献身的なチームだったけど、オデムウインギやケイタが個で仕事を出来なかった。リヨンはフレッジとマルダが何度も個の力で相手を崩していた。この差はでかい。特にマルダ。チェルシーに行っても活躍しそうである。そうなると、ロッペンはやはり移籍か。

 しばらくはリヨンの試合を見ることになりそうである。

posted by josepgualdiola |16:06 | リーグ・アン | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:リヨン対リール ~苦手のリールだけど~

リヨンについて

私はリーグアンの試合は時々観ますが、
やはりCLでの強豪相手の試合が衝撃的です。
04/05~05/06シーズン。ジェラ―ルウリエ監督下
GLでマドリーをホーム&アウェーで30分くらいサンドバックのようにボコボコにしたのと、
KRでミランをサンシーロで内容で圧倒した(負けたが)のが、印象的でした。

マドリーをこれだけ完膚なきまでに叩きのめせるチームはそうありません。私もファンでした。
しかし2007年に年明けて何故か急に失速。
監督は辞め、アビダル、チアゴ、マルダなど主力を大量放出。
07/08シーズンは監督も代わり新たなサイクルの試練でしょう
ウリエ監督どう思いますか?弱気とかよく言われますが、私には全然そうは見えなかったけど。







posted by サントス | 2007-07-24 11:06

Re:リヨン対リール ~苦手のリールだけど~

サントスさん

このチームは内容はいいと思いますよ。でも決めきれないし、守りきれないと思います。いわゆる、世界のトップレベルとのクラブを相手にしては。

単純に個人で差があると思います。

ウリエが弱気かどうかはわかりません。ただ、リバプールでの失敗があるので高評価はしていません。リヨンでもルグエンの功績のほうがでかい気もします。

posted by josepgualdiola | 2007-07-27 00:22

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