2007年06月27日
レアルマドリッドの総括
三年の間、レアルはタイトルを取っていない。これは半世紀ぶりのことらしい。つまり50年。これはやばいっていうので、タイトルを取ることができるカペッロを監督にする。内容には目をつぶるから、結果をとにかく出してくれ。サポーターもスタッフも同じ気持ちだったろう。 しかし、実際にリーガが始まると、本当に内容のないサッカーの連続で、サポーターの忍耐もあっさりときれてしまう。カペッロのサッカーに内容がないのは永遠だが、サポーターの忍耐は永遠ではない。しかし、どんでん返しのすえに優勝してしまったので、サポーターもどんでん返しでカペッロを絶賛。ただ、メディアの雰囲気からすると、シェスターになりそうである。 ■初期のカペッロサッカー カペッロはグティを中心にチームを組み立てた。グティをトップ下にした4-5-1。すべての攻撃はグティから始まる。まさにそんなサッカーであった。守備力に難があるグティをピボーテで使うことにカペッロは抵抗を覚えていたのだろう。ピボーテはエメルソン、ディアラが横並びで形成していた。 グティの最大の武器はスルーパスである。それには息の合った選手が当然必要である。しかし、受け手は新戦力のニステルしかいなかった。息も合わないわ、ワントップ慣れしていないニステルからすると最悪の状況である。また、グティはボールを触りたがるので、ピボーテの位置まで下がっていくことが多い。するとニステルは孤立する。一人ぼっちのニステルは徐々にまったく動かなくなっていった。ロナウドよりも動かなくなったと思う。 両SHがニステルを助けることができれば問題はなかった。初期のころはラウール、レジェス、カッサーノが主に担当していた。カッサーノ、ラウールは本職ではない。レジェスは本職だが、新戦力。しかもこのころのSBはまったく攻めあがってこなかったので、一人でどうにかしなければいけなかった。時々、ロベカルが上がってくることがあったが、ほんとうにそれはまれなことであった。この3名は守備におわれたり、守備をサボったり、無謀な仕掛けをしたり、、、、つまり、まったく機能していなかった。ラウールはがんばっていたように思えるが、ラウールはがんばりどころを間違っているように思える。 相手からするとグティを潰せばレアルの攻撃は終わる。そんなわけで、グティは相手から集中攻撃をくらい、何度も倒されていた。こうしてグティがトップ下をやるのは終わる。ただし、ディアラ、エメルソン、ロベカルが攻撃参加したときに、レアルはそれなりの形を作り結果も出していた。しかし、それは非常にまれなことで、基本的に後ろ6枚の攻撃参加は許されていなかったように思える。 ■中期のカペッロサッカー グティをピボーテにしてロナウドとニステルの2トップをカペッロは試みる。引きこもったタイプの相手にこの布陣は機能した。特にニステルが機能するようになったことが救い。近くに相棒がいるだけで、ニステルの運動量は確実に増した。ニステルのそばに人を置こうというのはニステルの説明書に記載するべきである。 また、このころになるとカッサーノが謀反を起こしたため、ロビーニョの出番が増えていった。また、エルゲラがスタメンに定着し、セルヒオラモスが右SBになる。そしてレジェスは両サイドを担当することになる。レジェスはSBの上がりがあれば、良い形を作れていた。しかし、まだこの時期もSBはまれにしか上がってこなかったので、レジェスの取っては切ない時期であった。この11月~12月にラウールはニステルの相棒を務めることが多くなっていく。グティがピボーテで出場したり、サイドで出場するようになったりしたからだ。またロビーニョはSBの上がりがなくても、他の選手に比べるとどうにかしてしまう可能性が一番高い。しかも中に切れ込んでいくので、そこにはニステルがいる。 このようにだんだんとチームを機能させるヒントが試合内容から読み取ることができる。レジェスをSHで使うときは後ろのSBを積極的に戦線に飛び出させる。グティは引きこもった相手には有効だが、前線から激しくプレスをかけてくるチームには無理。ニステルは近くに選手がいればいるほど力を発揮する。彼に相棒はFW系の選手が良い。ピボーテが攻撃参加すれば、結果に結びつくことが多い。セットプレーは強力な武器。 しかし、レクレにホームでぼこぼこにされ、リアソールでデポルに完璧にやられるなど、チーム状況は危機であった。サラゴサ戦ではすばらしい内容を見せた。攻めてくる相手には良いサッカーができるが、守ってくる相手にはなにもできない。ガゴ、イグアインが加入した変わりに、1月のレアルはロナウドとベッカムを干していた。控えにろくな選手がいなく交代で試合の流れを帰ることができなかった。ひどい時期である。 ただし、この時期からピボーテが横関係から縦関係になった。まったく機能していなかったが、重要な変化である。これはガゴが入ったからやったのかもしれない。エメルソン、ディアラは積極的にボールを受ける選手ではない。ガゴは受ける選手である。後ろをガゴに任して、前でボールをもらえばチャンスは広がる。実際にディアラが積極的に前線に絡みだしたのもこの時期である。しかし、エメルソン、ディアラコンビでも時期に縦関係になっていったので、ガゴが関係あるかは断言でない。 2月~3月のレアルはグティをサイドで使い、中盤を厚くする戦術が取られた。最初は効果があったが、やはりグティが機能しないので結局左サイドはロビーニョになることが多かった。またニステルの相棒はイグアインが務めることが多かった。しかし、イグアインは右サイドのラウールとポジションを頻繁に変えることができたので、この3人がスムーズに機能し始める。 ■神ががった終盤のレアル 四月ごろに確かレジェスが怪我をしていたので、ロビーニョが左サイドの完全なレギュラーとなる。ガゴに使えるめどがったので、グティのピボーテは後半の切り札となる。前線はニステル、イグアイン⇔ラウールで固定されてきた。そしてスーパーサブのベッカム。4月からベッカム→セルヒオラモスの必勝パターンが目立ち始める。5月にシシーニョが復帰すると、サイドのバランスを考えベッカムがスタメンに復活するようになる。 そして運命のセビリア戦。この試合でグティがそのスーパーサブっぷりを証明し、両SB、ピボーテも飛び出すようにある。守備を忘れたかのように。乱打戦を制したレアルは勢いに乗る。またこの時期からラウールでも戦術的な理由で下げられるようになった。次のエスパニョール戦では両SBが上がりすぎてカウンターで失点をくらうようになる。それを修正するためにシシーニョはスタメンから外された。攻撃に傾きすぎたチームを修正し、レアルは無事に優勝する。 ■カペッロは何をしたのか サッカーの中身はそこまで変わっていない。前半戦に比べるとピボーテやSBがリスクをかけるようになったくらいだ。また適材適所で選手が使われるようにもなった。ニステルの相棒も、グティの位置も、ラウールの位置も終盤では解決されていたようにも思える。 練習内容がゲーム中心で面白くなってきた、、というディアラの発言があった。恐らく前半戦は戦術中心の練習、後半はゲーム中心になったのだろう。また、カペッロは最初はきつい規律のサッカーするが、徐々にそれをゆるめていく、、というレドンドの発言もあった。これはまさにそのとおりだと思う。 ただ、前半戦のサッカーを観ていた人にはわかるだろうが、戦術もへったくれもなかったと思う。選手の位置も固定できていないし、意図も狙いもまったく読めなかった。 レドンドの発言からは守、破、離のことを言ってるのだと思う。しかし、今シーズンのレアルは守ができていないのに、その次に行ったら巧く行ってしまったように見えて仕方ない。結論はよくわからないということです。 ■Q&A Q、どうして前半戦はメタメタだったのでしょうか。 A、上記のとおり、選手の適正を見抜けていなかったのが最大の原因だと思います。また、本職のSHの選手が少なく、その選手達が守備をしたりしなかったりでムラがあったことも大きな原因だと思います。あとはリスクをかけなかったととでしょう。 Q、グティはどこで使うべきなの?? A、守備をしないので、FWしかないです。最近のグティはスルーパスが巧い選手です。一昔前にラウールとFWを組んでいたときはやたら点を決めていました。あのときの感覚を取り戻せば、ニステルとも巧く行くかもしません。 Q、レジェスはいるの?いらないの? A、サイドバックが普通に上がってきてくれれば機能するともいます。実際に機能している場面が多々ありました。シェスターが監督になれば、間違いなく両SBは飛び出していくでしょう。他のリーガのチームに放出すれば、活躍する可能性が高いので、残したほうがいいと思います。個人的にはトップ下で見みたいです。 Q、カペッロは続投させたほうがいいの?? A、問題は来シーズンも結果を出せるかどうかです。レアルの選手の特徴も理解できたと思うので、任せても今シーズンよりはましな内容になると思います。なので、今までは解任派でしたが、この総括を書いているうちに、任せても面白いかなと思うようになりました。 Q、補強はどうする?? A、前線は飽和状態です。ニステルの控えがいないと大騒ぎしそうですが、いらないと思います。今シーズンのニステルはCFというより、質の高いフィニッシャーでした。ポストプレーや高さを活かしたヘディングの記憶が余りありません。ラウール、イグアイン、ロビーニョ、レジェス、グティと何とかなりそうな気がします。そしてソルダードに期待。 中盤を考えるとSHは欲しいです。ベッカムの穴埋めに本職が欲しいです。レジェスをメッシのように使えればいいですが、ちょっと厳しそうです。プエルタの手を出す暇があれば、右SHを探したほうがいいと思います。ジュリを奪って欲しいです。ピボーテはデラレッドに期待しましょう。 DFはメッツェルダーが入ったので問題ないと思います。 ■独り言 終盤の交代策の当たりっぷりは見事。実は前半戦からハーフタイムに2人交代とかしていたのだが、あのころはまったく機能しなかった。波に乗ったら怖いチームだという認識を強めた一年だった。
posted by josepgualdiola |22:17 |
レアルマドリッド/06~07 |
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Re:レアルマドリッドの総括
>ニステルのそばに人を置こうというのはニステルの説明書に記載するべきである。
思わず笑ってしまいました。そうですよね。ハッキリいって前半のサッカーをするのならFWはロナウドの方が適任だと思ってました。
レジェスについては、あれは何戦だったでしょうか?マルセロのデビュー戦でしたかね?あの時の左サイドでのレジェス&マルセロのコンビはすごく魅力的でした。
グティのFW起用というのは面白いですね。ラウルはFWに戻りましたが正直、どこのポジションに行っても彼は何か自分のプレーを忘れてしまったような気がします。終盤は前に張りっぱなしでしたし、彼の良さはボール回しに絡みつついつの間にかDFの裏に居るというところだと思うんですが、、、。しかし、それでも相手DFの隙ををつき絶妙なポジションを突く技術というのは世界でトップだと思います。
その点グティは常に自分のプレーしますからね、ただ、そうするとシュートは打たないでしょうね。
後半戦のレアルの攻撃は素晴らしかったですし、レアルらしかったですがやはりあのDFは目に余りますし、ディアラ、エメルソンの攻撃性能は水準以下だと思います。しかし、それでも守備が上手いな~とは正直思ってません。それだったら、来期はガゴを軸にして、相方には前へも絡める選手=デラレッドのコンビが機能すれば非常に魅力的な攻撃が見られるような気がします。
あとですね。攻撃的にいくのならDFラインはもっと素早く上げないとダメなんじゃないでしょうか?
前にボールが渡っているのにカンナとラモスの位置は後ろ過ぎると思うんでうんですが、どうでしょう?
posted by Aquarius | 2007-06-28 00:35
Re:レアルマドリッドの総括
はじめまして
いつも興味深く拝見してます。
来期の補強に関してですが、確かに
ジュリ取れたらおもしろいですね。
簡単にレアルに出すとは思えませんが・・!
カモラネージは移籍決まったのでしょうか。
好きな選手です。馴染めばおもしろいかと
メッツェルダーは、怪我さえしなければ良いかと思いますが、噂のあったミリトがくれば安泰なんですけどね。
現監督にしろ新監督にしろ、ラウルの使い方がどうなるか、興味深く見守ります。まだ腐るには早いです。。。
posted by 永井 | 2007-06-28 00:48
Re:レアルマドリッドの総括
正直現チームではヨーロッパレベルでの強豪チームを作るのは無理。
それはロベカルやベッカムがいようといまいと。
ロビーニョはサイドハーフではなくセカンドトップタイプの選手。それはイグアイン・ラウールも同様。
レジェスが何とかサイドアタッカーの素質を持ってる。エメルソン・ディアラは攻撃センスに欠けるしガゴは守備を任せられる選手じゃない。トーレスは元来の左サイドバックではないしファンニステルローイ・カンナバーロはレアルの未来を背負うのに少々歳をとり過ぎてる。
つまり適材適所な人材がいないってこと。
そんな状態で優勝できたのはバルサがチームとして混乱しバレンシア・セビージャが優勝出来るほどのチーム力が備わってなかったことで廻ってきた運を掴んだからだろう。
だがスペインで優勝してそれで終わりではない。レアルはヨーロッパのチームとして権威を取り戻さなければならない。
しかし今のメンバー・チームでは無理な話だろう。ヨーロッパで闘う戦力を有していない。
補強というよりチームを変えなければならない。
posted by Lojas | 2007-06-28 01:12
Re:レアルマドリッドの総括
わたしはいまのままでどうにかできると思います。
今期は守備が悪かった。
ガゴの守備が悪いというより、あれだけ守備の組織が悪かったら守れないの当然だと思う。
SBの裏やCBの対応などすべてが悪かったと思う。
このチームで優勝できたのはまさに奇跡でしょう。
でも右SHはいるかな。
posted by モラレス | 2007-06-28 01:42
Re:レアルマドリッドの総括
グティの良さはスルーパスではなく、
ボールのちらしと視野の広さを生かした展開力ですのでピボーテが適任だと思います。
守備をしないというのもただの偏見でしょう。
好不調の波こそあれど今シーズンのマドリーで唯一ゲームを作れる選手でした。
posted by グティ | 2007-06-28 02:02
Re:レアルマドリッドの総括
偏見というよりは、表現の問題でしょう。
守備をしない→守備が下手と理解すればいいと思いますよ。実際あのメンタリティと守備の経験値のなさではピボーテを任すのはかなりリスキーだと思います。
引いた相手とかセビージャやマンUみたく中盤に広大なスペースができる相手とやるときは彼はMVP級の活躍をするでしょうね。
ただ、クラシコでも魅せたようにやる気次第では恐ろしいパフォーマンスを魅せますね。
常にパフォーマンスを維持しようと思ったら中盤でフリーマン的にふらふらさせるのが一番でしょう。
05~06終盤のジダンとのコンビはすごかったですけどね。
posted by DICT | 2007-06-28 02:28
Re:レアルマドリッドの総括
デラレッドの話が出てきましたが、
デラレッドには、是非来シーズンをレギュラークラスで活躍できるところに行ってほしいです。
2年ほど前にヴェルディと親善試合をやったときの衝撃はいまでも覚えています。的確なポジショニングで相手の目をつまみつつ組み立てにも参加していました。
2年ほどレギュラーやらせれば十分にレアルでも活躍出来るレベルになると考えています。
posted by クドウ | 2007-06-28 02:28
Re:レアルマドリッドの総括
レアルはSHの選手が確かに不足気味ですね。全体的に計算できる選手がそもそもそんなにいませんけどね。
posted by shimada | 2007-06-28 08:35
Re:レアルマドリッドの総括
コメントありがとうございます。
>>Aquariusさん
ラウールは幻のスーパーゴールを何度か決めています。このままFWで使えば、本来の持ち味を取り戻すかもしれません。
ガゴを軸にするのは賛成です。是非そうしてもらいたいものです。
DFラインに関しては確かに深いですね。上げるべきだと思います。後ろにいてもあまり意味がないように見えましたから。
>>永井さん
カモラネージは面白いと思います。ジュリより活躍しそうですね。ラウールはいい加減ポジションを固定してあげて欲しいです。
>>Lojasさん
監督次第では、今のメンバーでも問題ないと思います。
>>モラレスさん
守備はかなりひどかったですね。ただ人数かけているだけでしたから。たまに組織的なプレーが顔を出すので非常にやらしいです。
>>グティさん
今シーズンのグティは試合を作るというより、試合を決める選手でした。あと守備はしません。ピボーテで使うなら間違いなくガゴです。
>>DICTさん
やる気あるときは守備もするし、それなりに巧いんですけどね。おっしゃるとおりで、引きこもった相手には最強の選手ですが、使いどころの難しい選手です。ワントップがロナウドだったらトップ下で問題ないですけど。
>>クドウさん
デラレッドは決定力のなさを披露したシーズンになりました。来期も残りそうなので、たびたび使ってもらいたいです。
>>shimadaさん
計算できる選手がいない代わりに、波に乗ったら強い選手がたくさんいます。どっちがいいかはわかりませんが。
posted by josepgualdiola | 2007-06-28 22:06
Re:レアルマドリッドの総括
マドリーの場合、監督や選手云々という以前にやはり会長やフロントに問題があることは誰の目からみても明白ですな。
バルサは監督の問題が大きいようですが。
posted by サントス | 2007-06-29 15:10
Re:レアルマドリッドの総括
サントスさん
レアルのフロントもいかれてますが、バルサもやばいと思います。なぜなら前任者の取った選手を徹底的に冷遇するのは正直どうかと。そこにいる選手を大切にするべきだと思うのですが。ちなみにサビオラのことではありません。
posted by josepgualdiola | 2007-06-29 22:00
Re:レアルマドリッドの総括
こんばんは
「カペッロのサッカーは、リーガでは受け入れられない」、、、、、こんなことをミヤトビッチSDが言っていましたが、実際は、バルサを破っての逆転優勝、解任する理由はないですよね(何より選手たちは、喜び一塩のはず)ちなみに、ミヤトビッチSDとシュスターの代理人は、同じらしいです。(幸谷さん情報)
posted by mussan | 2007-07-03 00:22
Re:レアルマドリッドの総括
レアルのキープレーヤーは、グティだったのでしょうかね。
これを読んで、考えさせられました。
posted by MY FOBORITE FOODS & THINGS | 2007-10-14 00:24


