2007年06月26日
バルセロナの総括
前半戦の総括はこちら。残念ながら2位です。 ■結局何が一番悪かったのか ここでも散々述べてきたが、ビルドアップが巧く行かなかったのが最大の原因だと思う。それを解決するために、ライーカールトは3-4-3などの対策をしたが、どれも有効的なものではなかった。最終的にはデコシャビイニを中盤で同時に使う、このような結論に達した。デコシャビイニは攻撃大好きである。つまり、攻撃のときに守備のことを考える選手がいなくなってしまった。本当は考えていたと思うが、それがプレーに現れていたのはイニエスタくらいであった。 ビルドアップが巧く行かないと何が起こるのか。昨年のバルセロナの場合、DFライン+エジミウソンがスタメンであることが多かった。もちろんこのメンツだけで水を運ぶことは難しい。そこにデコが中盤から下がってきて、水運びを行っていた。昨年はこれで特に問題がなかった。ちなみにデコがいない場合、アンカーの前にいるのはイニエスタ、ファンボメルであった。この2人は中盤に降りてこないので、ビルドアップがぼろぼろになることが多かった。 リーガで圧倒的な力を見せていたバルセロナ。そこに無策で挑み続けるチームは当然少ない。どのチームも徹底してバルサ対策を行ってきた。徹底的に水運びの妨害である。デコが中盤に下がったらついていき、シャビが中盤に下がってもついていく。このせいでデコ、シャビが下がってもバルサのボール回しは巧く行かなかった。つまり、さらに人を必要としたわけだ。メッシ、ロナウジーニョが中盤に降りてくる回数は増えたのではないかと思う。 セビリアのピボーテは横ではなく縦に並ぶ。ポウルセンが後ろに、レナトが前に。この並びの狙いはレナトにFWのフォローをさせるためだ。カヌーテに当てることの多いセビリアはそのセカンドボールを狙うためにピボーテを縦関係にする。 バルサの中盤は逆三角形である。前線に多い人数を残したのはセカンドボールを拾うため、前線から激しいプレスをかけるため、そしてエトーが孤立しないようにするためだと思う。バルサの3トップはボールを受けるまではサイドに張っていることが多い。自分がボールを受けると中央に入ってくるが、決して楔のボールが誰かに入った時に連動するような動きはなかったし、そもそも距離が離れている。 恐らく、CFの孤立を防ぐのはデコシャビの仕事だったのではないだろうか。しかし、デコシャビはビルドアップをしなければいけないので中盤に下がる。ボールを運べたら、今度は前線に飛び出す。昨シーズンまではここまで運動量を求めなれなかった気がする。それでも中盤に降りることで簡単にパスを回せるならば、そこまで問題にならなかっただろう。しかし、中盤に下がればファウルすれすれのプレスが待っている。それをなんとかくぐりぬけ、攻撃に加わり、ボールを奪われたら最初にプレスに行かなければいけない。これはちょっときつい。というか無理。 そんなわけでCFは孤立した。最初に孤立したのはグジョンセン。新加入の選手にこれはきつい。グジョンセンは中盤に下がることなく、前線でボールを待っていた。絶対に下がらなかった。恐らく監督の指示だろう。ちっとも楔のボールがこないので裏を狙うことにしたが、ボールが出てこない状況が続いた。 次にサビオラが孤立した。しかしサビオラは知っていた。特にシャビとの連携が良いサビオラは中盤との距離感を他のCFと違い近くした。そのおかげでバルサのパス回しは円滑になった。しかもサビオラは独特のドリブルを持っている。ファウルをもらうことができる。何度もチャンスを作っていた。 最後にエトー。怪我から復帰したエトーは他の選手と違いロナウジーニョと抜群の相性を見える。この2人のコンビはすごい。復帰当初こそは点を取れることができたものの、その後は神から見放されたようだった。お得意の鬼プレスはしたりしなかったりだった。時にはロナウジーニョよりも守備をしない試合があったくらいだ。そんなエトーもしっかり孤立していた。エトーに対する相手DFのあたりは尋常でなく、何度も吹っ飛ばされていた。ボールをキープできる場面は少なかった。 CFの対応はここの選手によって統一された動きは少なく、選手の自主性に任さていたようだ。ビルドアップが巧く行かない→人数をかける→前線の人数が足りない、、このあとの解決策がなかった。 他の選手との違いを見せたのはイニエスタだった。終盤こそ動きの質が落ちたものの、シーズンを通じて絶好調だったイニエスタはパスで水を運ぶことなく、ドリブルで水を運んだ。デコやシャビにはできないプレーだ。よって、イニエスタがスタメンになる場面が増えた。しかし、そうなると守備の問題が出てくる。イニエスタがアンカーに入ると、ロングボールに弱くなる。イニエスタは決して競り合いに強くない。 ■どうすればボールを前線に運べたか ここでも何度も述べているが、イニエスタをメッシの位置で使えば問題は解決する。試合でも実証済みだ。バルサの左サイドが流動的に変わることはある。エトー⇔ロナウジーニョ。グジョンセンが左サイドをやることもあった。右サイドのメッシ、ジュリは右サイドで驚異的なプレーをするが他のポジションではかなり微妙である。 イニエスタを右サイドで使うと面白いことが起こる。イニエスタなしでボールを問題なく運べるなら彼は右サイドにいるだろうが、ボールがこなければかれはさっそうと中盤に降りていく。しかも右サイドにこだわらず。イニエスタが下がれば中盤はデコシャビイニ+エジミウソンになる。さすがのエジミウソンもこれだけパスコースがあればなんとかなる。 イニエスタが下がったことによるスペースは流動的に誰かが埋める。自分の見た試合ではデコ、ロナウジーニョが埋めていた。時にはもちろん右SBが上がってきていた。中盤、前線のポジションチェンジが活発化することによって、相手のゾーンは混乱する。相手を混乱させてしまえば、別に人数をかけなくてもビルドアップはできる。 ただし、あくまでこれはビルドアップが巧く行かない状況での布陣だ。相手が引きこもっている場合はもちろんメッシのほうがすばらしい。 ■Q&A Q、前線からの守備が機能しなかったのはなぜですか?? A、デコシャビに求められる運動量が増えすぎたこと、守備をしなくても勝てるという慢心が原因だと思います。前者は上記のとおりです。後者はシーズン途中でバルデスやプジョルが前線から守備をしてくれないと、、、という発言以降、多少ましになったからです。モラルの高いジュリ、イニエスタは言われる前から懸命に守備をしていました。 Q、サイドバックは結局どうするべきだったのでしょうか。 A、ロナウジーニョの裏、ザンブロッタの裏は最後まで弱点でした。途中からザンブロッタは飛び出さなくなることもありました。ロナウジーニョの裏はなんとなくうやむやのままです。ただ、ロナウジーニョが守備をするようになってきているので、多少はよくなる可能性があります。ただ飛び出しを自重してしまうと、バルサがバルサらしくなくなってしまうように思います。 解決策としてはセビリアのまねがいいかもしれません。メッシはSBの飛び出しを必要としないので、右SBは守備専門にしてしまうのがいいでしょう。 Q、ライーカールトってなんなの。。 A、愉快な采配を連発したライーカールト。ベンゲルがいなくなるからアンリが脱出!!したように、選手からの信頼感は高いのかもしれません。ただエトーの発言、グジョンセンの発言、ラーション、サビオラの処遇など、本当に信頼されているのか微妙です。また、優勝を逃した試合の後に、僕達は慢心していたよ、という発言が多々ありました。それをコントロールするのは監督の仕事です。プジョルに頑張ってもらいたいです。 Q、補強は?? A、守れる右SB。プジョルなみのCB。エトーがアフリカに帰る時期があるので、ライーカールトの下でも文句を言わないFW。デコシャビのバックアッパーにボメルみたいな選手。あと優秀なコーチか監督。 Q、アンリ取ったけどどう使うの。 A、アンリは前線で自由にしてあげるのが一番良い使い道だと思います。ただバルサの場合、3トップが前線に残っているので、あまりスペースがないです。ロナウジーニョを中央で使い、ピボーテを2枚にする方法もあります。ポゼッションを捨ててカウンターチームになるのも手です。ライーカールトがどうするのか楽しみです。
posted by josepgualdiola |09:40 |
バルセロナ/06~07 |
コメント(14) |
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Re:バルセロナの総括
個人的にですが、去年バルサってそんなにスペタクルじゃなかったと思う。
周りのチームに比べれば、全然すばらしいと思うけど、一昨年のバルサの方が良かった。
去年は勝ちを意識した戦いが多かった。
モッタやファンボメルもアンカーではなく、中盤の一角として使われてた。
だが、今年は一昨年と同じく華麗さにこだわった。
もっと勝負にこだわれば、良かったと思う。
イニエスタの躍進がそれを許さなかったのだろう。
サビオラを出したことは後悔するはず、せまいスペースで勝負できるあれだけの選手を嫌うライカール‥。
理解できない
posted by モラレス | 2007-06-26 12:39
Re:バルセロナの総括
はじめまして。
個人的にはダーヴィッツがいたときのバルサが1番好きでした。
posted by ポロリーノ山田 | 2007-06-26 13:05
Re:バルセロナの総括
バルサを見るたびにロナウジーニョとメッシの両方がピッチにいるのは魅力的ではありましたが、戦術的に無理がある気がしていました。
アンリがこのチームで生きるとはとても思えないので(それでもかなり活躍するでしょうが)サビオラを出すのはどうかと思います。
来期からはロナウジーニョはセンターかもしれませんね。
posted by jin | 2007-06-26 14:47
Re:バルセロナの総括
来期は守備的MFの補強が急務だと思う。ミランにはガットゥーゾがいて、あの働き様。一方バルサはエジミウソンやモッタがいるが、パス能力やディフェンス能力で一歩劣る。
来期は4-3-3になるんじゃないかな?
前線にエトー、アンリ、メッシ。逆三角形でロナウジーニョとデコ。問題はボランチだと思う。
リヨンのアビダルやマンUのエインセ、ローマのキヴーなどがリストアップされてたかもしれないが、モナコからヤヤが加入した。
後はSBが一人とCBが一人補強が必要かな?
posted by おでこ | 2007-06-26 15:48
Re:バルセロナの総括
アンリがいても、
バルサにカウンターサッカーは無理じゃないでしょうか。
軽量級CDF、攻撃的過ぎるSDF、守れないMF、
後、バルデスのフィード力ってどうですかね。
サビオラ、ジュリも出しちゃうし。
戦術整備だけでも多難そうですが、
それ以上にファンも選手も納得しないでしょう。
ライバルのレアルは、
カペッロが半ば戦術的采配を諦めて、
モチベーションとコンディションの維持に
努めた後半の方が結果出ましたよね。
願望になりますが、
スペインの二強は十点取って七点取られる位の
豪快な試合をして貰いたいものです。
posted by Sf | 2007-06-26 17:06
Re:バルセロナの総括
前線の戦力がだぶつき気味な気もしますが、回りを使えないメッシにはポジション争いをさせたほうがいい気がします。このままだと、ドリブルが上手いだけの選手になりそう。
上記と関連して守備専業の右SBを獲るのは戦術的にはいいと思いますが、プレイが完成している20台半ばならまだしも、まだ20そこそこなので、上がれる選手を横において成長部分の余しをとっておいてあげたいですね。
個人的に、そう思いました。
posted by クドウ | 2007-06-26 19:10
Re:バルセロナの総括
サビオラはレアルが謹んでお受け致します。そしてカンプノウでゴール決めます。
posted by さびおら | 2007-06-26 20:29
Re:バルセロナの総括
サビオラがもったいないとの声もあるようですが、控え選手にしては年棒が高すぎるはず。レギュラー時代のままだったんではないかと思うので。メンバー的にファーストチョイスにはなりづらいし、これ以上ベンチにいる事は本人も耐え難い事でしょうから出す事がお互いのためでしょう。文句も言わずにいてくれるならありがたいでしょうが・・・
今シーズンを顧みて思い出すシーンと言えば、総括にもあったと思いますが、デコ、チャビ、イニエスタら中盤が下がってボールを受けに行っては後ろからチャージされる。前を向けないため仕方なく後ろに下げる。こんなシーンが多かったと思います。また、ロナウジーニョが後から突っつかれてキープできない試合があまりに多かったと思います。昨シーズンはそこでキープできていたはずなので。その辺をひっくるめるとバルサのポゼッション対策が進みビルドアップがうまくいかなくなっていたと言う事でしょうね。守備に問題はあったでしょうが、”らしさ”を言うならこれがポイントだったのでしょう。ただ、メンタルを支えるテン・カーテの移籍がなければそれでもリーガ優勝はできてたと思うんですが。
これから選手の整理が始まるでしょう。前線ではエスケーロは確定、グジョンセンもほぼ出るでしょう。ジュリも出ると思いますので、残りはロナウジーニョ、メッシ、エトー、アンリの4人。おそらくジオバンニがカンテラから上がるとして・・・もう1人誰かを獲るんではないでしょうか?どうなるか楽しみですね。ついでにライカールトの補佐役も補強してもらいたいんですが・・・
posted by T33 | 2007-06-26 21:34
Re:バルセロナの総括
アンリ ロニー エトー メッシ デコ イニエスタ シャビ すごいメンバー。全員残るって言ってるし
この中から同時起用は5人でしょうか。中盤をデコ イニエスタ シャビにすると去年みたいに失敗するんじゃないかな。かつてのマドリーみたいに面子にこだわってバランスを失うような事はやめてほしい
サビオラは不運としか言いようがない。
いい選手なんだからバルサ以外だとかなり活躍するんじゃないかな
できればスペインに残ってカンプノウで点決めてほしい
posted by ナニの何故 | 2007-06-26 23:42
Re:バルセロナの総括
ヤヤが守備的MFをやるとすると、中盤もだぶつきますね。
posted by shimada | 2007-06-27 00:23
Re:バルセロナの総括
コメントありがとうございます。
>>モラレスさん
昨年のバルサは確かに現実的な部分があったと思います。それはチェルシーにやられた後遺症のせいかと勝手に思っています。今シーズンはおっしゃるとおりですね。特にイニエスタがあそこまで進化しなければ、どこかで割り切ったサッカーができたかもしれません。
>>ポロリーノ山田さん
現在、ダービッツはスナイデルを自由にするため奮闘しています。今のバルサにそのような選手はいないですね。
>>jinさん
ロナウジーニョをセンターで使えば、シャビデコのどっちかがベンチですね。もったいない話です。
>>Sfさん
豪快なサッカーを望めば、チャンピオンズリーグでやられる可能性が高いです。ただ自分もそのような形のサッカーが見たいです。
カウンターについては結構簡単にできると思います。それについてはいつか書くかもしれないです。
>>クドウさん
おっしゃるとおりですね。メッシをチーム全体で育てていこうとするならば、そのほうがいいと思います。メッシはまだまだ変わる可能性を持った選手ですので将来が楽しみです。
>>さびおらさん
サラゴサに行って欲しいのですが。
>>T33さん
結局選手よりもスタッフの補強が最優先だと思います。アンリを取ろうがデロッシを取ろうが何も変わらないと思います。
>>ナニの何故さん
シャビやイニエスタがチームを出て行くことは考えにくいです。しかし、ベンチに追いやられてしまえば、どうなるかわかりません。それが一番怖いなと思います。イニエスタやシャビのような選手は他のチームからすると欲しくてたまらないでしょう。
posted by josepgualdiola | 2007-06-27 00:26
Re:バルセロナの総括
私なりに総括すると
今シーズンはリーグ戦では好調不調の波が激しかった。また強い相手(マドリー、バレンシア)に一度も(ホームでも)勝てなかった。
勝負所の試合で勝てなくて全て引き分けた。
中期のアウェイの連続未勝利・引き分け連続が痛かった。
正直に言うと昨年序盤にエトーとメッシが相次いでリタイヤした時点で今期は終わったと思いました。ボメルを放出したのも失敗でした。
それでもリーガで最多得点・最少失点で終わったのはすごいことだと思います。
単純に戦力を考えたら、マドリーやセビリアとは比較にならないレベルだと思います。
ただ、ご指摘の通り、テクニコ(首脳陣)の指導力や戦術の問題が大きいのでしょう。
posted by サントス | 2007-06-27 11:17
Re:バルセロナの総括
なんか銀河系時代のマドリーみたいになりそうで怖いですね…。
posted by たまたま | 2007-06-27 18:47
Re:バルセロナの総括
こんばんは
「7冠獲りにいく」と胸をはって主将のプジョルが宣言していたこのシーズンは、散々でした。エトーの長期離脱と、途中交代の拒否、ロナウジーニョとの確執と、ゴタゴタ続きで、結局獲れたのは、スペインスーペルコパのみ、この雪辱を晴らすべく、来シーズンに、向けての補強は「本気」が伺えます(アンリ、アビダル、ヤヤ・トゥレ)後、キブー(インテルは、国内のライバルなので、バルサに移籍する可能性大)かミリートを獲れれば磐石な布陣が完成するので楽しみです。
posted by mussan | 2007-07-03 00:32


