2007年06月25日

ビジャレアル好調のわけ ~VSビルバオ~

 リーガは無事に終了。まとめ記事に入る前に、ビジャレアルについて書こうと思う。37節と38節を対象にして、ビジャレアルが好調の理由を探る。今回の対象は37節。対するは降格争い真っ只中のビルバオ。次の相手がセビリアなので、比較するにはちょうどいい。

 ビジャレアルのスタメンはビエラ、ホセエンリケ、フエンテス、ゴンサロ、ハビベンタ、ピレス、タッキナルディ、ホシコ、カニ、フランコ、フォルラン。ピレスはスタメンに定着しているようだ。そして、いつのまにかゴンサロが復帰。控えにトマソン、マティがいる。ちなみにピレスが復帰してから6勝2引き分け1敗。

 ■ビジャレアルの新しいサッカーの形

 このブログを読み直したところ、ビジャレアルの新しい~という見出しで何度か書いていることがわかった。その変異を整理してみる。

 シーズン開幕当初のビジャレアルは、例年通りリケルメを中心としたチームであった。それを打破するために、ピレス、カニを獲得。しかし、ピレスは開幕前に怪我、カニはまったくチームになじめなかった。しかも、ソリンを放出したせいで、チームの運動量が激変。さらにリケルメVS監督でリケルメはボカへ。こうしてビジャレアルはフォルランを活かすカウンターしか打つ手がなくなる。

 マティを獲得。ドリブル大好きの南米から来たマティは、南米のリズムと欧州のリズムの差に苦しむ。具体的に言うと、球離れが遅い。あまり状況が変わらない中、ホセエンリケ、マルコスというスペイン若手の左サイドコンビがスタメンに定着すると、ビジャレアルに運動量が戻る。マルコスはレアル戦で決勝点をいれ、ホセエンリケはメッシを押さえ込むなど期待されている若手。 

 そして、ピレスやゴンサロの復帰、カニ、マティがチームになじんできたことで、ビジャレアルはチームとしても機能するようになっていく。ピレスを中心にバルサを倒し、さらにチームは勢いを加速させていく。

 ビルバオ戦は4-4-2で試合に望んだ。左SHにピレス、右SHにカニ。形はバレンシアの4-4-2に非常に似ている。わざと2トップとピボーテの間のスペースを空け、そのスペースを決められた選手が使うのでなく、流動的に両SHとFWが使う形だ。決まった選手が楔のボールを受けるわけではないので、対戦相手からすると、非常に厄介。カニ、ピレスは両FWがボールを受けたときに近距離でサポートをし、アヤックスのように連動性のあるパス回しを行っていた。カニやピレスが中央に絞ったときは、その動きに連動して全体が微妙にポジションを変える。選手間の距離感が非常に良い。

 例えば、カニがピボーテの位置まで下がると、このような動きが見られる。ハビベンタが右SHの位置まで上がり、ピレスは中央に。両FWのはピレスの前にスペースを作る動きをして、ホセエンリケは左SHの位置まで飛び出す。

 ビルバオはビジャレアルの選手をまったく捕まえることができていなかった。ボールホルダーを見ているだけの場面が特に目立った。恐らく、周りの状況が把握できていないので、アグレッシブな守備ができなかったのだとおもう。

 ミニゲームかと言うくらいに、ビジャレアルが少ないタッチ数でパスを回し、3人目、4人目をうまく使っていく。ドリブル禁止??というくらいに全員がパスをつなぎ、走っていた。新しいビジャレアルの形は全体の流動的な動きとそれにともなうポジションチェンジで相手を崩す。そのスタートのきっかけは楔のボール。しばらく見ない間にめちゃくちゃ良いサッカーをするようになっていて、正直驚いた。

 ■エチェベリアとアドリス

 ビジャレアルのホームでの試合。しかし、降格争いをしているビルバオはなりふりかまっていられない。試合開始の音とともに強力なプレッシャーとアドリスへの放り込み、エチェベリアを走らせる形で、ビジャレアルゴールに迫る。しかし、思いっきりが足りなかった。ビルバオは失点をしたくなかったのだろう。攻撃にかける枚数が少ないので、波状攻撃を仕掛けることはできなかった。実はビジャレアルは守ろうと思えば守ることができるチームである。ゆっくりとビジャレアルが試合のペースを自分達のものにしていった。

 得意のパス回しでフランコがゴール前でフリーになるなど、ビジャレアルがらしさをみせたが、先制したのはビルバオ。フリーキックをアドリスに当ててそれをイラオラが押し込む。ホセエンリケがオフサイドを主張していたが、ラインを崩していたのはホセエンリケだった。

 ビジャレアルはあわてることなく丹念にパスをつなぐ。そしてピボーテからの楔のパスをフォルランがダイレクトスルーパス→ピレスが裏へ抜け出しPKを奪い、フォルランが決めて同点。

 逆転ゴールもフォルラン。楔のボールが2人目に渡った時点でフォルランは縦にフリーランニング。3人目にボールが渡ったところでビルバオはすでに混乱状態。クリアが味方にあたってフォルランへのスルーパス。これを冷静に決めて逆転。前半は2-1で終わる。

 ■後半になっても

 ビルバオの監督はどのような指示をハーフタイムにしたのだろうか。流れはまったく変わらなかった。ビジャレアルは守備意識の高いホシコ、タッキナルディがDFラインと挟み込む以外は高い位置でボールを奪おうとしていなかった。最近のリーガの風潮として、高い位置でボールを奪うというものがあるが、ビジャレアルは守備に体力を使わず、攻撃に体力を温存しているようだった。単純にビルバオが人数をかけて攻めてこなかったから、人数をかけて守らなかっただけかもしれないけれども。

 後半すぐにビルバオがオウンゴールをし、2点差がついてからは、ビジャレアルは両SBがあまり上がらなくなった。パスコースが減ったので、ビジャレアルの攻撃は前半ほどの多彩さはなくなった。その代わりに手数の少ない攻撃、主にワンツーを中心とした攻撃を見せた。後は特にみどころがなかった。

 ■独り言

 たまたまだが、新生ビジャレアルを象徴とするような試合を見ることができたと思う。カニとピレスがチームの一員として完全に機能していた。神出鬼没の2人と、抜群のポストプレーができるフォルランがビジャレアルのキーマンとなっている。

 来シーズンは特に期待。
 

posted by josepgualdiola |14:33 | リーガエスパニョーラ/06~07 | コメント(3) | トラックバック(0)
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Re:ビジャレアル好調のわけ ~VSビルバオ~

ゴンサロはまたケガで長期欠場だそうな。
アジャラ&カプデビラ(とトマソン?)加入で来期注目ですね。
ただアルバレスとアルアバレナ退団は残念です。

posted by sz | 2007-06-25 19:55

Re:ビジャレアル好調のわけ ~VSビルバオ~

リケルメの後釜として獲ったマヌエル・フェルナンデスについてどう考えているか教えてください。南米最優秀選手を獲っている選手なので実力は確かだと思うのですが。

posted by クドウ | 2007-06-26 18:53

Re:ビジャレアル好調のわけ ~VSビルバオ~

コメントありがとうございます。

>>szさん
ホセエンリケがいるのにカプテビラを取ったようですが、意味がわかりません。ビジャレアルは意味不明な補強をするイメージがあります。

>>クドウさん
自分の見た試合でいうと、たいした活躍はしていません。加入当初に比べれば、パスを出すのも受けるのもましになったと思います。トラップやドリブルなどの、一つ一つのプレーを観ていると、この選手は巧いんだろう、ということは伝わってくるのですが、怖いレベルではないです。本領発揮はこれからですかね。

posted by josepgualdiola | 2007-06-27 21:37

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