2007年06月12日

バルセロナ対エスパニョール ~さりげなくダービー~

 前回のレポはこちら。このように前回の対戦でバルサはぼこぼこにやられている。内容があまりにひどかったので今でも強く記憶に残っている。残された試合の中で、最大の壁がエスパニョールであることは、前回の対戦を見ていれば明らかなことであった。しかもロナウジーニョがいない。

 今シーズンのロナウジーニョの軌跡を振り返ってみる。コンディションが悪くさらに周りも使わない→コンディションが復活し、スーパーなプレーを連発→世界クラブ選手権→コンディションが悪化するも、周りを使うようになる→相変わらずドリブルで相手を抜けないが守備をがんばるようになった。つまり、今までに比べると、ロナウジーニョを使うことによる周りへのデメリットは少し減ってきている。グティよりはましである。ロナウジーニョの不在はちょっと痛いかもしれない。

 そんなバルセロナのスタメンはいつもどおりである。中盤がイニ、デコ、シャビ。この3人を使わなければ、ボールを回せないので理解できる。前線はグジョンセン、エトー、メッシ。サビオラはどこいった。

 ■エスパニョールの優勢かと思いきや

 守備の場面で、エスパニョールは4-5-1で守る。トップ下の選手がアンカーの選手を見る。そうすれば、ラインを下げない限り、数的不利に落ちることはない。余裕を持ってボールを回させないようにすれば、バルサは勝手に自滅する。この相手に余裕を与えないプレスは結構疲れる。また、前線にサボる選手がいた場合、無駄プレスになることが多い。しかし、エスパニョールの選手はサボらない。

 よって、イニエスタがいようがいまいが、バルサは細かいパスでボールを前に運ぶことができなかった。こんなときボールがこないのを待ち構えて、ロナウジーニョやメッシが後ろにボールを受けに来て状況を打開する。しかし、ロナウジーニョの代わりのグジョンセンが中盤に降りてくることはないし、今日のメッシは前線に残ったままだった。

 バルサはロングパスに頼ることになる。しかし、今度はマルケスがいない。テュラムの勝負パスは結構怪しい。たまに持ちすぎて取られたりすることもある。相手を引き付けてそのまま取られる。かなり笑えない。

 多少ロングパスの精度が悪くても前線の選手にキープ力があればなんとかなってしまうが、最近のエトーはDFの厳しいチェックの前に無力。

 こうしてエスパニョールにボールを奪われると、バルサは裏を何度も狙われ何とかオフサイドで切り抜ける。しかし危なっかしい場面が目立つ。その理由はエスパニョールの選手に余裕を持たせてしまったからだ。エスパニョールの寄せに比べて、バルサの自陣での寄せはゆるい。そもそも人数が足りていないという問題もある。デラペーニャを自由にしたらやられるのはスペインの常識。

 しかし、徐々に悪かったバルサが流れをつかみ始める。理由は両SBが危険なまでに高い位置を取ったことで、そのポジションチェンジからバルサはフリーになる選手が生まれ始める。それと同時にエスパニョールの寄せが甘くなる。さすがに前線からプレスを永遠にやるのは無理な話。

 バルサは前線までボールが運ぶことができると、あとはじわじわとエスパニョールゴールに迫る。ボールを奪われればアグレッシブな守備で相手の攻撃の芽を摘み、攻撃をエンドレスで続ける。イニエスタは妙に高い位置にいた
。開き直ったのかもしれないが、あれだけの人数で前からプレスに行けば、エスパニョールの攻撃は機能しなくなる。

 しかし、それでも時々エパニョールのカウンターが牙をみせる。中心はデラペーニャ。左サイド、つまりザンブロッタが上がったことによるスペースに彼は陣取りそこからカウンターを仕掛けた。イニエスタがいない、ザンブロッタもいない状態なのでデラペーニャは無敵状態になる。

 つまり、どっちの守備陣が先に崩壊するかの試合となっていく。バルサの攻撃の状態はは多人数対多人数、エスパニョールは少人数対少人数

 先にぶっ壊れたのはバルセロナ。デラペーニャにハーフラインから独走を許し、最後は綺麗なスルーパス。これをタムードは決めるだけであった。メッシがデラペーニャを追いかけることを簡単に放棄していたのが印象的であった。

 失点後、バルセロナが神の手再来で同点ゴールを決め前半は終了。バルサの攻撃も迫力のあるものであった。ザンブロッタは上がりっぱなし。

 ■ジオ→オレゲール

 後ろは三人で守れ。そんなメッセージを感じることができる交代である。前にロナウジーニョのいないジオなんてただのジオだ。前半の中盤以降からグジョンセンとエトーがポジションを替えた。エトーは中央から逃げることが癖になっているかもしれない。グジョンセンが中央にいたほうがいい気がする。ボールのもらい方がグジョンセンのほうが巧いからだ。

 後半は前半の終了間際と同じ展開だ始まる。バルサの波状攻撃をエスパニョールがゴール前で跳ね返す形だ。エスパニョールはDFラインも中盤も下がってしまい、カウンターに希望を託す。

 しかし、デラペーニャの動きが前半と比べて悪くなっていく。苛立ちを表に出し、それがプレーにも影響していた。味方からパスがこない場面もあり、不思議な光景であった。

 そしてごり押しでデコ→メッシでバルサが逆転に成功する。問題はここからだ。最近のバルサは後半にリードするとがむしゃらさがなくなり、守りきると表現するには中途半端なサッカーを披露し、勝ち点をことごとく失ってきた。
どうするバルサ。

 ■逆転後

 がむしゃらさをバルサはあっさりと捨てて、攻撃の枚数を減らした。両SBはまったく上がらなくなったし、デコシャビイニの攻撃参加もかなり守備を意識したものになっていった。

 がむしゃらさを搭載したバルサの攻撃はとにかく早い。ボールを一目散にゴール前に運び、そこから攻撃を仕掛ける。本来のバルサは後ろでゆったりとボーるを回して相手の穴を見つけていくものだ。

 つまりバルサの攻撃はいつもどおりのものになっていく。すると、今まで引きこもっていたエスパニョールは徐々にラインを上げていく。そうすればエスパニョールは復活する。サイドからクロス、デラペーニャのスルーパスとゆっくりとエスパニョールが自分達のサッカーを取り戻していく。バルサが自分達のスタイルに戻したために。

 メッシが体を張って守るようになり、3点目が入りそうになってもエスパニョールは意地で耐える。コーナキックからグジョンセンがドンピシャであわせてもボールは枠を外れた。このヘディングシュートの後にグジョンセンはモッタと交代。完全に守りきりを図る。守りきれた記憶はあまりない。

 しかし、バルサはうまくボールを回し時間を潰していく。お手本のようなサッカーであった。しかし、今度はルフェテにスルーパスを通され、タムードに同点ゴールを決められてしまう。

 エスパニョールのDFにプレス。DFは逆サイドにロングパス。ルフェテにボールがおさまる。ルフェテは寄せに来た選手を交わし、スルーパス→テュラム、プジョルはラインを上げたのに、オレゲールはラインを下げる。ドンマイオレゲール。試合終了。

 ■独り言

 バルサは微妙なオフサイドを含めて、裏を取られすぎであった。エスパニョールの狙いが裏へのスルーパス。だとしてもやられすぎである。基本的に簡単に前を向けさせているから通させているのだと思う。攻撃重視の布陣だと中盤の守備人数がいなくなることが多い。エジミウソンが1人いても状況はあまり変わらない。

 こうなったらシャビデコの位置にダービッツのような選手を来期は使うべきだと思う。間違ってもランパードなんて使ってはいけない。今年と同じ過ちを繰り返すだけだ。
 

posted by josepgualdiola |20:17 | バルセロナ/06~07 | コメント(3) | トラックバック(0)
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Re:バルセロナ対エスパニョール ~さりげなくダービー~

前半からエスパニョールのオフサイドは危ないなと感じてたら案の定な結果となってしまいました。

それにしても、こうまで同じ事を繰り返してたのでは集中力の欠如といわれても仕方ないし、つくづく失望しています。まだ、何が起こるかわからないとは本気で思っていますが、正直なところマドリー、バレンシア、エスパニョールに当該成績で負けてるバルサは王者に相応しいとは思えません。ただ、他のチームも偉そうな事を言える成績ではないのでほとんど消去法でエラーがより少ないチームが優勝するようなシーズンですね。

今から思うと、昨シーズンはチャビ(怪我もあったけど)のポジションに調子の良いモッタやファン・ボメルがいたのが守備に効果があったのかなって気がしています。エジミウソンも今シーズンよりは良かったんですけどね。昨日からアンリの話題が本格化し始めてますが補強は果たしてどうなるんでしょう・・・アンリがきたらロニーかエトーのどちらかがいなくなると思うんですが・・・

posted by T33 | 2007-06-13 21:34

Re:バルセロナ対エスパニョール ~さりげなくダービー~

ロナウジーニョが、守備をすることでデメリットは減っていると書かれていますが、その分攻撃の時左サイドの基点は後ろの方になると言う事ですよね?

メリット分と合わせての収支はプラスなのでしょうか?

posted by クドウ | 2007-06-15 17:32

Re:バルセロナ対エスパニョール ~さりげなくダービー~

コメントありがとうございます。

>>T33さん
今シーズンのリーガはバルサが自滅。これに尽きると思います。ただ守備的な選手はバルサのパス回しを分断していたのも事実です。ファンボメルが出て行ったのはそれが最大の原因だと思います。バランスが難しいですね。

>>クドウさん
キレキレのロナウジーニョなら収支はマイナスです。ただ最近のロナウジーニョならプラスだと思います。




posted by josepgualdiola | 2007-06-16 22:55

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