2007年05月14日

レアルマドリッド対エスパニョール

 最近調子のいいレアル。前節は結果のみを得たが、ここまでくると内容はどうでもいいかもしれない。そんなレアルはロビーニョとベッカムが出場停止。スタメンはカシージャス、ロベカル、ラモス、カンナバーロ、シシーニョ、グティ、エメルソン、ディアラ、イグアイン、ラウール、ニステル。

 不安は左サイドにある。グティとロベカルってどうなのだろうか。どうやらカペッロはラモスをセンターバック、シシーニョを右SBに固定するようである。レアルのベンチは面白い。DFだらけで、攻撃の選手はレジェスしかいない。

 エスパニョールはさりげなくUEFAカップの決勝戦を控えている。確か5/16。つまり、この試合はメンバーを落としてきた。ルフェテ、パンディアーに、カメニくらいしか知っている選手がスタメンにいない。

 ■狐につままれたような失点

 ディアラ、エメルソンがかなり攻撃に参加するようになった。これでチームに完全になじんだといっていいだろう。運動量も豊富、前線からの守備の面でもかなり貢献度は高い。また両SBがロベカル、シシーニョ。特にシシーニョはSHの選手を追い越すだけでなく、中央へドリブルで切れ込んでいくこともできる。つまり、相手を崩すオプションが増えた。また、ハードワークできる選手が多い。なによりも優勝できるかもしれないというモチベーションもあるのだろう。レアルが両サイドからエスパニョールゴール目指して攻めまくる展開となった。

 エスパニョールはそんなレアルの攻撃の前にびびり、ラインを下げて対応してしまい、押し込まれる時間帯が続いた。しかし、徐々に持ち前のプレスが機能し始め、レアルは効果的にボールを前に運べなくなってしまう。

 ディアラ、エメルソンのDFラインからのボールのもらいだけはいつまでたっても変わらない。そのため、ラモスが前線にロングボールを入れる場面がちらほらあった。

 そんななか、グティが中盤に下がってボールを受けにくるいつものパターンになる。しかし、グティがボールを受ける→取られる→速攻でなんとエスパニョールが先制する。あの場面だとパンディアーニのマークはシシーニョ。しかし、シシーニョは中盤でボールを奪われても全力で戻らなかった。なんてやつだ。

 ■エスパニョールの守備が機能してから

 得点後、エスパニョールはレアルのビルドアップを阻むような守り方でレアルの攻撃に対応した。レアルはボールを持たされるような展開になっていく。ディアラ、エメルソンが何とか前線にパスをつなごうとするがパスミス。奪われて速攻という絵に描いたような形が目立つようになった。

 レアルはエスパニョールのプレスを交わすために、右に左にボールを動かし、シシーニョを起点として徐々にエスパニョール陣内に進入していく。特にイグアインが何度もいいクロスを上げていた。いつもまにかSHの選手っぽくなっていてかなり驚いた。攻撃はある程度機能していたが、守備は微妙であった。基本的に両SBが上がる。ピボーテも片方は上がる。両SHの選手は攻撃の場面では守りのことを考えたポジションを取らない。かなり前かがりである。ボールを失ったときに、ボールに近い選手が寄せに行くことで、カウンターを防ぐ場面もあった。しかし、とうぜんカウンターをくらう場面もあった。

 エスパニョールの2点目は、ディアラと前線の選手の意思不通からボールを奪われ、すばやくサイドに展開されて生まれた。ロベカルはなぜか高い位置にポジションを取っていて、そのボールに間に合わない。今度はシシーニョも懸命に中央に下がったが、マークを少し離してしまい、またもパンディアーニに決められてしまう。

 エスパニョールの狙いは明白で、ボールをうばったらロベカルの裏。それだけであった。センターバックがサイドにつりだされることによってできる中央のスペースをカバーする力はシシーニョにあまりない。狙いが綺麗に決まりすぎたエスパニョールだった。

 しかし、レアルも黙ってはいない。パスの名手・グティが相手の寄せをものともせずに、ラウールに楔のボールを入れると、ラウールが粘って中にクロス→そこに後ろからフリーで飛び出してきたロベカルが頭で流し→ニステルがゴール。これで2-1。最近のニステルは神がかっている。グティのパスセンスとラウールの粘りが影で輝いていた。

 しかし、エスパニョールも黙っていない。レアルは追加点を狙うためにまえがかりになっている。するとDFラインと中盤の間が空くことがある。しかも両SBが上がっているので、CBの2人にとっては非常に難しい試合となったのだろう。

 単純なスローインからジョナタスにそのスペースをつかれ、モハにパス。シシーニョをあっさり交わしカンナバーロと一対一。そこでモハがうまくギャップを作り、ラモスをひきつけてパンディアーニにパス→シュートゴールであった。ハットトリック。このシーンは確かにオフサイドくさかった。レアルの選手はオフサイドをしきりにアピール。しかし、ロベカルが全力で戻ればパンディアーニはフリーにはならなかったと思う。シシーニョ軽すぎ。

 レアルはコーナーキックやニステルの惜しいシュートがあったが前半は3-1で終わる。レアルの選手の守備の寄せが甘い、というより、いつもどおりグティが守備をしない、ロベカル・シシーニョが軽いだけだと思う。ただエスパニョールの寄せはかなりアグレッシブであった。確かにそれに比べると甘い。

 ■シシーニョ→エルゲラ、グティ→レジェス

 前半守備の場面で足をひっぱていた2人を下げて、レジェス、エルゲラを投入。ラモスが右SBなら、あそこまでモハに崩されないだろう。

 後半開始とともにレアルが厳しい寄せでボールを奪うと、レジェスが決定機をつかむが外す。ファーストトラップの質が悪かった。

 次はレジェスが中盤で相手を引き寄せロベカルにパス。レジェスのおかげでロベカルはドリブルで前進、そして中央へクロス→ニステルがヒールでファーに流すとラウールが点を決める。ラウールはいい試合で点をとる気がする。イグアインがしっかりと中に入ってきているのも大切な動きだ。仮にイグアインがゴール前に飛び出してこなければ、ラウールはつぶされていたと思う。イグアインとレジェスが輝いていた。

 3点目はエメルソンの執拗なプレスから生まれた。エメルソンがなぜか相手左SBにプレスに行く。そこはレジェスの担当だ。SBはビルドアップをあきらめカメニにボールを返す→クリア→それがエメルソンにつながり相手の裏へやまなりのパス。イグアインが相手と交錯しながらボールへ向かうと、カメニが飛び出してきてはじいた。そのこぼれだまをなぜか右サイドにいたレジェスが決めて同点。イメージとしては、アトランタオリンピックのブラジル代表ジダ×アウダイール。

 後半のレアルの変更点はプレスを強くいくこと、ラウールを右サイドにして相手の守備を抑えることであった。ラウールの方がイグアインよりは守備が巧い。また全体の守備意識が高くなったことによって、エスパニョールのカウンターじゃ見ることができなくなった。ロベカルも無謀な飛び出しが一切なくなった。

 エスパニョールは戦い方を変えていないし、ばてたわけでもない。レアルのほうがよく走るようになった。こんな単純な理由でエスパニョールは機能不全に陥ってしまった。

 同点に追いつかれたエスパニョールは、パンディアーニを下げルイスガルシアを投入。狙いがわからん。別に前線から追い掛け回してもいなかった。

 レアルはイグアイン、ラウール、ニステル、レジェスがポジションを流動的にかえ、フィニッシュまでいくのだが点が入らない。徐々にプレスの勢いも弱くなり、エスパニョールがボールを保有する時間も増えてくる。だが、エスパニョールもばててきて後半の35分以降は無秩序状態。こうなれば決定力のあるチームが勝つ。ルイスガルシアがカシージャスとの一対一を外し、イグアインは相手を背負いながらもゴール。レジェスのスルーパスも見事だった。1-3からよく逆転したと思う。そして、カペッロの交代策は見事だった。

 ■独り言

 ここに来てレアルの勢いはやばくなっていきている。日替わりでスターが誕生、苦しい試合もなんとかものにする。この試合の結果、首位に立った。ひょっとするとひょっとするかもしれない。荒れた試合だったけれど、かなり面白い試合だったと思う。エスパニョールはいいチームだった。

posted by josepgualdiola |13:02 | レアルマドリッド/06~07 | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/josepgualdiola/tb_ping/182
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:レアルマドリッド対エスパニョール

イグアインのSHがフィットしていたので驚きました。


DFラインからのビルドアップに関してはエメルソン・ディアッラのどちらかの選手をガコに変えれば巧くいくと思うのですがどうお考えですか?


それと守備の面ですがもうちょっとFWとMFで連携した動きを見せて欲しかったです。

エスパニョールの狙いは良かったと思います。

posted by 司 | 2007-05-14 16:54

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

いつもわかりやすい解説楽しみにしています。
最近エメルソンはかなりよくなってきているようですが、カンナバーロはどうなんでしょうか?

posted by マドリ | 2007-05-14 17:41

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

私は、ラモスが右SBの方が好きですね。シシーニョは、右SHの方がよくないですかね。

posted by shimada | 2007-05-14 20:11

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

コメントありがとうございます。

>>司さん
今のレアルのピボーテの選手は、前線で相手からボールを奪うことを求められます。フィジカルが強くないと厳しいです。ガゴにその能力があるのか疑問です。得意なボールの奪い方は人それぞれですから。

>>マドリさん
序盤に比べると、レアルがチームとして機能するようになりました。そのおかげで、カンナバーロに理不尽な負担がかからなくなり、最近はいい感じだと思います。

>>shimadaさん
自分もラモスのほうがいいと思います。シシーニョは後ろからスピードに乗ったドリブルが得意です。SHだと静止した状態で仕掛けなければいけなくなります。どうなるかはやってみないとわかrないですね。

posted by josepgualdiola | 2007-05-14 23:12

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

個人的にイグアインはSHでまだ自分の良さを出せてない気がします。 
アルゼンチンのときから見てますが、彼の良さはボールをもらう動きのうまさや飛び出しやシュートのうまさだと思うのでまだ活かしきれてない気がさします。
ラウールみたいにゴール前に入ってきたり、ポジションをかえたりして自分の活かし方を考えてほしです。
FWになった後半は非常に良かったと思うので次カペッロがどういうメンバーでくるか楽しみです。

posted by モラレス | 2007-05-15 03:08

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

>>モラレスさん
どことの試合かは覚えていませんが、前にサイドでイグアインが試合に出たときは、ゴール前に果敢に飛び出してラウールの右サイドよりも攻撃的でした。ただ中に絞りすぎていて、サイドを使えていませんでした。

それが今回はサイドから意図のあるクロスを何度も上げていたので個人的に驚いたわけです。

ただまだ活かしきれないのは同意です。がんばってもらいたいです。

posted by josepgualdiola | 2007-05-15 11:33

Re:レアルマドリッド対エスパニョール

すみません。早期見解でした。
イグアインがSHで見たのは初めてで、らしくないなぁと思ったので‥。
ただイグアインもあんなプレーできるんだなぁと驚きはあったもののクロスをあげるようなSHならベッカムの方がいいなぁと思ったので。
カゴとイグアインはアルゼンチン時代から見てるので早く成長してほしいです

posted by モラレス | 2007-05-15 12:43

コメントする