2007年05月14日

バルセロナ対ベティス

 国王杯で散々な結果となってしまったバルセロナ。メンバーも決して二軍というわけではなかった。この大敗によって、バルセロナはどう変わるのか。注目はエトーの復活なるかだろう。

 スタメンはバルデス、ザンブロッタ、テュラム、ジオ、イニエスタ、シャビ、デコ、メッシ、ロナウジーニョ、エトー。ベストメンバーである。やはり、シャビデコイニを同時期用しないと攻撃がままならないという判断なのだろう。ジュリがなぜかベンチ外。なんでだ。

 ベティスはイルレタ以後、徐々に調子を上げてきている。降格圏から完全に脱したわけではないが、恐らく大丈夫。ただモチベーションはまだ高いはず。スタメンを見る限り、バルサ対策をしてきた感じがする。スタメンに攻撃的な選手が少ないからだ。恐らく守備から入りましょう、ということなのだろう。

 ■開始早々のPK

 シャビデコイニの3人が出場しているので、ボールは回るはずだ。実際にボールは回った。その原因はベティスの守り方にある。ベティスのシステムは4-5-1。トップ下の選手がイニエスタにつき、両SHの選手がバルサの両SBにつく。ここまではまったく問題ない。問題はピボーテの選手にあった。ベティスのピボーテの選手は、シャビが後ろに下がってもついていかなかった。すると、イニエスタの位置でシャビがフリーで前を向くことができるようになる。このような状況になってしまうとゲームオーバーだ。ここでシャビのマークについていけば、デコもボールをもらいに下がることになる。そうなれば、前線の選手の数は減り、バルサの攻撃は個人能力に頼る攻撃になることが多い。

 シャビが前を向き→ボールがつながっていって→デコが仕掛けてPKを奪った。シャビをフリーにするような守備は、決してやってはいけない。シャビへの対応は非常にまずかったが、ベティスのサイドの守備は非常にタイトなものであった。ロナウジーニョがPKを決めてバルサが先制。このまま攻め続ければ、余裕で勝てそうな雰囲気である。ビルドアップにそこまで苦労していないので、ごり押しで攻めれば何とかなるだろう。

 ■気になるバルサの守備

 その1分後、バルサがまずい守備を披露する。単純なスローインから数的不利を作られてしまった。その攻撃はベティスの自滅で終わったが、バルサの守備のまずさが表現された場面となった。失点にはならなかったが、こういう守備はありえない。

 ジオが前線に飛び出す→しかし、ボールがサイドラインを割る。ベティスは前線の選手にゆっくりとしたペースでスローイン。バルサは誰も競らない。右サイドのオトンコールにボールが渡る→プジョルが攻撃を遅らせようと、オトンコールと左サイドで対峙。イニエスタ、ジオがオトンコールに近づいてくる。そのまま寄せればいいのに、イニエスタ、ジオは見ているだけ。イニエスタは中へのコースをきっているつもりだったろうが、微妙なポジショニングだった。中央にいるのはテュラム、ザンブロッタ。相手も2人。そこに中盤からベティスの選手がフリーで上がってくる。しかし、バルサの選手は誰もついてこない。

 ついてこなかったのはデコだ。カウンターでもない場面でついてこないのは論外。ジオは戻りが遅かった。イニエスタのポジショニングは意味がなかった。ただし、ジオの戻りが遅いことや、イニエスタのポジショニングは後ろの選手の指示でどうにでもなる。しかし、修正されなかったので、もしかしたらコミュニケーションが取れていないのかもしれない。これは結構やばい問題である。

 ■バルサペース

 最近のバルサは先制後、攻撃の手を緩めることが多い。この日も例外ではなかった。試合を支配できると思ったが、実際はそこまでポジティブな意味でボールを持っているわけではなかった。例えば、シャビ。後ろに戻り、ビルドアップを助けることが、この試合では容易にできた。相手がついてこないのだから。しかし、その数はなぜか時間とともに減った。そのせいで、ビルドアップには時間がかかるようになる。

 また、エトーにボールがおさまらない。楔のボールを入れても簡単に奪われる場面が目立った。いつもどおりである。そして、サイドのロナウジーニョ、メッシは対面の相手に苦しめられていた。この試合のベティスのサイドの守り方はきつく寄せ、周りの選手がサポートに行く形であった。よくある形はSHとSBが挟み込む形だが、べティスは状況に応じて、ピボーテの選手も寄せに来ていた。SBを使えるロナウジーニョが何度かジオと左サイドを突破したのに比べて、SBを使う能力のないメッシはかなりきつそうであった。

 つまり、両サイドはきつい。ビルドアップはなんとかなるが、流れるようなパス回しではないという状況が続く。前線の選手を助けるような中盤の動きもなく、どこかダイナミズムのかけた攻撃に見えた。選手同士の意図が合えばいい形になるが、それぞれが同じ絵を想像していない。そのように見えた。

 好調だったのはデコ、イニエスタ。ベティスの中央の守備が甘かったことも、好調に見えた要因だろう。個人で仕掛けていくさまは相手に脅威を与えていた。ただし、イニエスタは低い位置にいるので、脅威になる場面が全体的に少なかった。

 前半のバルサはエトーが2度、イニエスタが1度決定機を外した。時間がたつにつれて、ベティスのマークは甘くなり、メッシが何度もチャンスメイク。後半もこのまま行けば問題はないだろう。

 ■ザンブロッタ→ベレッチ

 後半の頭からなぜかベレッチを投入。攻撃的に行こうというメッセージなのか。実際にはリスクをかけて攻めることはなく、これでは点が入らないだろうなという感じであった。

 バルサはエトーとメッシがポジションを代えた。メッシを復活させるためだろう。しかし、ロナウジーニョのように後ろまで下がっていかないメッシには、中央にいてもボールがこない。他の選手が前線にまでボールを運び、相手陣内深くでボールを回せているなら、メッシが中央でも問題ないと思う。ただそこまで自由自在にボールをまわせていたわけではないので、メッシの中央は失敗に終わる。

 15分以降にベティスがアスンソン、ソビスを投入。そろそろ攻撃的にいくぜ、ということなのだろう。前半のベティスはオトンコールしか槍がなく、バルサの守備が機能しようがしまいが関係なかった。しかも、そのオトンコールのクロスの質が悪いのだから、どうしようもない。

 アスンソンはセットプレーの名手である。パスの能力は高い。何度も楔のボールを入れたり、バルサの選手の間を巧く通していた。アスンソンの加入は多少いい影響が出たが、ソビスが入ったことによる影響はあまりなかった。

 バルサは21分にロナウジーニョを下げて、エジミウソンを投入。前半はそれなりに良かったが、後半のロナウジーニョはまったくであった。慣れない守備を懸命に行ったことで、ばてたのかもしれない。

 最近のロナウジーニョは、はっきりいって調子が悪い。調子がいいときのロナウジーニョはドリブルで相手を崩せる。調子の悪いときはパスに徹する。ちなみに開幕時は調子が悪くパスをしない、、という最悪の状況だった。パスばかりのロナウジーニョはそこまで怖くない。しかもこの日はパスミスが多かった。

 エジミウソンがアンカーの位置に入り、イニエスタが右サイド、メッシが左サイドに入る。メッシの左サイドが機能しないことはわかっている。しかも本日のメッシは調子に乗れていない。そんな状態のメッシを左サイドを任せても無理。30分にメッシはサビオラに交代。エトーが左サイド、サビオラが中央となる。サビオラはミランのジラルディーノのように相手DFを引き寄せて中央にスペースを作っていた。

 ベティスは25分にオトンコール→ロベルチを投入。エドゥが中盤を個人技で突破し、チャンスを作ったくらいでベティスの攻撃は決して脅威ではなかった。ただし、バルサは止めをさせなかったので、ベティスの集中力が切れることはなかった。

 しかし、意表をついたリスタートから、ソビスがニアにぶち込んでベティスが同点ゴールを決めてしまう。これで同点となり試合終了。この失点シーンについて、なぜボールの前に人が立たなかったのか、、多くの疑問点が残る。シャビが背を向けていたとかそういう問題ではないような。

 ■独り言

 デコは久々に良かった。守備でサボる場面もあったが、シャビのできが悪い分よく働いていたのかもしれない。エトーは外しまくっていた。ここ何試合かひたすら外しているイメージがある。ただ、鬼プレスは戻っていた。エトーのプレスに周りが連動していくようになれば、守備の問題は改善されていくかもしれない。エトーの決定力が戻らない限り、バルサの優勝はないだろう。

 べティスの右SBのイシドロはメッシを巧く抑えていた。今後注目の選手。まだ20歳のスペイン人。

 最後にカンプノウでは試合終了と同時に白旗が振られていた。

posted by josepgualdiola |07:05 | バルセロナ/06~07 | コメント(8) | トラックバック(0)
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Re:バルセロナ対ベティス

>なぜボールの前に人が立たなかったのか?
距離が遠いので立たなくても良いような気がしますが…。
まあでも実際は壁を作ろうとしてたから立ったほうがいいのかもしれないけど…。
どっちにしても余裕があった場面でボールから目を離すのはいけないと思うし、気が利くようなカバーをする選手がバルサにいないのも確かだと思います。
>SBを使う能力のないメッシ
これは改善しないとドリブラー(これでも十分に一流だと思います)にしかなれないし、縦にはドリブルする形がないんで複数で囲む形をとれば抑えるのは簡単(強豪クラブレベルの話)だと思います。
期待が大きいだけにただの一流で終わってほしくはないんで(バロンドールをとれるような選手になってほしい)成長を祈ってます。

posted by モラレス | 2007-05-14 10:53

Re:バルセロナ対ベティス

またバルサのインチキPKか

昔バルサ好きな時もあったけどそれもう飽きたよw
wロナウジーニョとか典型的なダイバーだしな

posted by w | 2007-05-14 12:20

Re:バルセロナ対ベティス

首位を奪われただけにやばい状況になってきました。次がアトレチコだけにふんばらなくては。

エトーのボレーは残念でした。決まっていればまさにゴラッソだったんですがね。そうゆうところも含めて最近のエトーは決まらないですね。プレスが復活していただけにあとはゴールを・・・

メッシは本当にSBを使わない。そして裏に飛び出さない。ロナウジーニョが右サイドでボールを持ちメッシに裏に行けと手でゼスチャーしているシーンが象徴的でした。

もっとサイドを使わないと厳しいですよね。なぜジュリがはずれていたんだろう?今日の試合を見るとロッベンは獲った方がいいなと思いました。

ちなみにスペインの新聞でロナウジーニョとエトーのどっちを残すべきかのアンケートでエトーが上回っていたそうです・・・

posted by T33 | 2007-05-14 20:07

Re:バルセロナ対ベティス

ヘタフェは1チャンスをものにしましたね。エトーが決定力不足に苦しむとは意外。

posted by shimada | 2007-05-14 20:19

Re:バルセロナ対ベティス

首位はレアルだけど勝ち点は一緒なので大丈夫!!と思いたいですね…残り試合、取りこぼしなく勝っていってほしいです。頑張れ!ブーイングなんかに負けるなバルサ!!

posted by お茶犬 | 2007-05-14 20:40

Re:バルセロナ対ベティス

>またバルサのインチキPKか

昔バルサ好きな時もあったけどそれもう飽きたよw
wロナウジーニョとか典型的なダイバーだしな

なにこのにわかw

posted by A | 2007-05-14 21:19

Re:バルセロナ対ベティス

ロナウジーニョがダイバーで無いと言い切るのは無理
自分から倒れに行ってる

posted by じゅん | 2007-05-14 22:53

Re:バルセロナ対ベティス

コメントありがとうございます。

>>モラレスさん
個人的にはこう考えています。ファウルをしたらどの位置でもリスタートを遅らせろ。休んだほうが守備の準備ができると思うので。

メッシに関しては成長を見守るしかないですね。

>>wさん
今シーズンは少ないような気がします。ゴール前で仕掛ける回数が減ったので当たり前ですが。

>>T33さん
エトーはまったく決まらないですね。ここ何試合かの決定力はかなりひどいです。本人もあせっているかもしれません。

ロナウジーニョとジュリのコンビはかなり優れています。おっしゃるとおりですね。

ロッペンは怪我ばかりするのであまり信用ならないです。

自分だったら、、難しい選択ですね。

>>shimadaさん
確かに意外です。

>>お茶犬さん
アトレチコ戦が鍵になりそうですね。

>>Aさん
わからないです。

>>じゅんさん
最近はダイブする姿も見れません。

posted by josepgualdiola | 2007-05-14 23:06

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