2007年04月12日

チェルシー対バレンシア ~ファーストレグ~

 ようやくファーストレグを見ることができた。この時期に感想を書くと、セカンドレグと混乱する人もいると思うので、題名にファーストレグと記入。

 チェルシーはマケレレではなく、ミケルを中盤の底で起用。右サイドバックはディアラ。カルーも先発。3トップで左にシェフチェンコ、真ん中にドログバ、右にカルー。そういえば、エッシェンがいない。

 バレンシアは前節のリーガで活躍したホアキン、ビセンテをスタメンで起用。その代わりにシルバをFWで起用。そしてモレッティまたもをセンターバックできよう。サイドバックもセンターバックもできるよっという、日本人はあんまりいない。しかし、こっちの人はあっさり対応してしまうのだから、困ったものだ。ちなみに、デルオルノは古巣との対決。マルチェナの欠場は大きいかもしれない。

 ■ウイングの動きを覚えたシェフチェンコ

 今までのシェフチェンコは3トップのときに、ウイングらしい仕事をしなかった。その代わりにドログバと近い位置に距離をとり、それは中央からの攻撃に厚みをもたらすものとなる。しかし、この2人のコンビは依然として構築状態にある。つまり、攻撃に厚みが出るといっても、そのメリットはあまりない。あるとすれば、相手のマークが混乱するくらいだが、時間とともに解決されてしまう。

 シェフチェンコが中央よりのポジショニングをとることで、デメリットもある。相手のサイドバックをフリーにしてしまう。また、攻撃が中央やシェフチェンコのいないサイド、中央に偏ってしまい、相手がそれに対応してくると、スペースがなくなってしまう。

 しかし、この試合でのシェフチェンコは、しっかりサイドにはりついていた。そして、彼がサイドにはることで、バレンシアのDFラインの間隔は広がらなければならない。DFラインの間隔が広がれば、一対一の局面を作りやすくなる。また、守備の局面でもサイドバックのマークをシェフチェンコがすることによって、中盤のゾーンの配分に混乱が起こりにくくなった。ま、今でもたまに中央に行ってしまうが、かなり改善されてきたと思う。

 ホアキン、ビセンテはあまり守備がうまくない。恐らく、チェルシーのサイドバックが飛び出していく動きについていくのは苦手なはずだ。ボールを自分のゾーンの選手が目の前で保持しているならば、攻撃の得意な選手でも、ある程度の守備はできる。しかし、その選手がボールを持っていないときの動きにはなかなか対応してくれない。一見攻撃に関係ないように見えるので、守備意識の低い選手には難しいタスクである。

 よって、チェルシーのサイドバックがどれだけ攻撃に貢献できるか、それがバレンシア戦のキーになるだろうと感じた。しかし、一度アシェリーコールが飛び出したくらいで、あまりそういった場面は見られなかった。バレンシアの守備が良かったからだ。

 ■バレンシアの組織的な守備

 チェルシーがビルドアップ、それに対して、バレンシアが守り速攻!という試合展開となった。バレンシアの2トップ、シルバ・ビジャはセンターバックにはあまりプレスには行かず、ミケルの近くにポジションを置いていた。時々、片割れがプレスに行くこともある。ホアキン・ビセンテが両サイドバックにきつくプレスを行った。ランパード、バラックがボールをもらいに下がってくると、それにしっかり中盤の選手がついてくる。そしてFWと挟み込む。

 このような守り方によって、チェルシーはロングボールを多用した。うそだ。それでもロングボールを多用しなかった。いつもだったらドログバに当てる、という行動に出る。だが、この試合でのチェルシーはあくまでボールをつなぐことにこだわった。ドログバの調子が悪かったのか、セカンドレグのことも考えて、勝負に出たのかは定かではない。ただ、アジャラのほうが上手だったのは間違いない。

 バレンシアの守備は相手からボールを奪うよりも、パスを奪うシーンが多かった。それが狙いどころなのだろう。前を向かせないDビルドアップ時のプレスと違い、中盤へのプレスは間合いを詰め、パスコースを限定しボールを離させるものであった。足を出さず、相手についていく守備でファウルもあまりしなかった。よって、チェルシーはそんなプレスの前に自滅する場面が非常に多かった。単純なパスミスや無謀なクロスが増え、攻撃しているように見えるが、得点は遠い、そんな試合展開となった。

 ■流行の連動性のある攻撃

 バレンシアはボールを奪うと、ボールに近い選手と前線の選手が攻撃に参加した。攻撃の形はシルバを中心としたショートパス。流行の連動性のある攻撃だ。ドリブルで仕掛けても、よっぽど有利な形でなければ、体でつぶされる可能性が高い。そのとおり、ビセンテはディアラにつぶされる場面が目立った。途中からビセンテはシルバとのコンビで相手を何度も崩していた。

 つまり、相手と接触したら、バレンシアは結構きつい。そのため、相手と接触をしないためには早いパス回しを行う必要がある。それをあっさりと行うバレンシアをかなり見直した。特にその中心のシルバはかなりやばい。ビジャとともに相手を背負って無理をする場面ではそのテクニックを活かし、相手を翻弄していた。ちなみに、ドリブルで仕掛けても問題がないのはホアキンくらいだった。

 このように、フィジカルで勝てない相手にはスピード、連動性のある組織力、運動量、テクニックで勝つしかない。日本もがんばりましょう。

 ■クロスボールの先に

 ホアキン、ビセンテはサイドを何度か突破した。そしてクロス。しかし、クロスボールの質が悪かった。いや、クロスの先にいるのはビジャ、シルバである。カルバーリョ、テリーに勝つためにはクロスボールに工夫が必要である。ただ、挙げるだけでは意味がない。

 リーガでも同じことを指摘したが、モリエンテスがいるなら、まだましである。でもいない。同じミスを繰り返すとろくなことが起きない。そのせいではにないが、またビセンテが怪我をした。

 ■総括

 シルバのロングショートでバレンシアが前半に先制した。そこからバレンシアはあまりリスクをかけなくなった。そこからは怖さが消えたと思う。バレンシアは数少ないチャンスを活かした。しかし、決定機の数は少なく、欲を言えばもう少し攻めてほしかった。このような状態だと、試合内容はチェルシーが優勢だと言うしかない。

 バレンシアは良く守っていたと思う。セットプレーからの失点は、ずいぶん長いことないらしい。その言葉どおりにこの試合でもセットプレーからの失点はなかった。しかし、カニサレスのあいまいなポジショニングが目立った。かなり危うい。また、失点シーンはかなり切ないものであった。

 カニサレスがゴールキック→アシェリーコールが奪ってDFとキーパーの間にボールを落とす→バウンドのアジャラが目測を誤る、カニサレスも目測を誤る→ドログバが余裕でヘッド。守りのチームがこのミスはいただけない。

 そして、最後のパワープレーでは競り負けまくっていた。アジャラ、アルビオルくらいしか互角に戦ってていなかった。これはやばい。セカンドレグに向けての課題である。

 ■セカンドレグへの課題

 結果が出たのに課題かっ!!!てな話だが、一応書く。

 チェルシーは勇気を持って攻めること。特にパワープレーは得点の可能性を感じる。あと少しあえば得点というシーンがかなりあった。つまり、その回数さえ増やせば勝てると思う。あとはサイドバックががんがん攻めれば面白いと思う。SWPとか使えば面白そうだ。

 バレンシアはパワープレーに持っていかれてはいけない。特にチェルシーがビルドアップをすてるような開き直りをみせたら最悪である。ロングボールを放り込ませないためには、前線から激しく行くしかない。試合展開にもよるが、早い段階でビジャを変える勇気があるかどうかか鍵となりそうだ。別にビジャが疲れていなく、最後までプレスにいけるなら変える必要はないが。

 ちなみにセカンドレグの更新は来週になります。遅。

posted by josepgualdiola |08:45 | チャンピオンズリーグ/06~07 | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007-04-12 15:49 | 続きを読む
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Re:チェルシー対バレンシア ~ファーストレグ~

こんばんは

今シーズンの、チェルシーは、アブラモビッチとケニオンが選手獲得に介入し、チームのコンセプトが、崩壊しました。シェフチェンコやバラックは、明らかに経営戦略によるものであり、それによりモウリーニョは、フォーメーション変更を余儀なきされ、結果的にダイアモンド型は、うまくいかず、本来の4-3-3に変えてから、勝てるようになりました。どんなに苦境に立たされても(多くのけが人と経営陣との確執)彼の「勝てるチームをつくる」という信念をバレンシア戦で感じました。

posted by mussan | 2007-04-14 18:11

Re:チェルシー対バレンシア ~ファーストレグ~

こんにちは。

なんだかんだチェルシーはここまできましたね。あの後半の強さは何なのか突き止めてみたいものです。

posted by josepgualdiola | 2007-04-16 11:57

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