サッカーの面白い分析を心がけます

サラゴサ対バルセロナ ~また3-4-3ですか~

このエントリーをはてなブックマークに追加

 バルセロナにとって、この試合は正念場となりそうである。リーガでの対戦相手の中に、もう厄介なチームはほとんど残っていない。アトレチコくらいである。つまり、この試合で勝ち点を得ることができれば、優勝は限りなく近くなる。バルサはなぜか3-4-3で試合に臨んだ。まだあきらめていなかったのか。それともサイドの守備を改善できたのだろうか。

 スタメンはバルデス、プジョル、テュラム、オレゲール、マルケス、イニエスタ、デコ、シャビ、メッシ、ジュリ、ロナウジーニョ。エトーは大人の事情で欠席。

 サラゴサのスタメンは、基本的にいつもどおりである。セルヒオガルシアが右サイド、アイマールが中央、ダレッサンドロが左サイドという変化点がある。ピケ、セラデス、セルヒオガルシアはバルサのカンテラ出身。これまた気合十分のはず。

 ■機能しない戦術と走らない選手たち

 バルサの3-4-3は予想通り機能しなかった。もう少し練習で熟成させてから試せばいいのに、なぜぶっつけ本番でやるのだろうか。サラゴサはいつもの細かいパスをつなぎ形にこだわらず、サイドやミリートにロングボールを織り交ぜていて攻撃していた。

 バルサのサイドの守備は相変わらず誰が担当するか明確でなく、ダレッサンドロやセルヒオガルシアにスペースを与えていた。そこにディオゴやファンフランが上がってくるので対応の仕様がない。今節ではメッシやジュリがサイドバックのオーバーラップに対応していた。特にメッシはディオゴ相手に良くやっていたと思う。メッシの守備がうまいかどうかは話は別だが。

 3-4-3をやるときはどうしてもサイドが穴になってしまう。それを防ぐためにはサイドにボールをけらせないことが大切。そのためには前線からプレスに行かなくてはいけない。しかし、ロナウジーニョは守備をしない。メッシ、ジュリはサラゴサ・サイドバックに注意を払わなければいけない。イニエスタ、シャビは後ろにも注意を払わなければならず、まったくプレスが機能していなかった。

 前線でプレスがかからない→DFラインが下がる→しかし、前線の選手はコンパクトにする気がない→中盤にスペースができる→サラゴサやりたい放題。バルサはボールの回復点も後ろになってしまい、メッシ達も高い位置で残っているわけではないので、カウンターを仕掛けられない。イニエスタ、シャビもどうしていいのかわからないのか、意図のわからないポジショニングが目立った。

 また、ビルドアップの場面でもDFがボールをまわせないし、楔のボールを前線に入れられない。イニエスタ、シャビが戻ってきても前線の選手にボールをもらう動きがない&サイドバックがいない分、パスコースが少なくどうしようもなかった。ここまで、バラバラだと面白い。バルサは欧州のカップ戦がないので、他のチームに比べると時間がある。何をしていたのだろうか。

 バルサの3-4-3はポゼッション、攻撃状態が続くことを前提にしていると思う。あまり、守備に気を使っているとは思えない。攻撃が機能しなかった理由は、前線の選手の運動量がなかった、サイドバックの穴を埋められなかったことだと思う。メッシが仕掛ける場面で誰も後ろからサポートしていなかった。ダレッサンドロが仕掛ける場面ではファンフランが何度もサポートに来ていた。

 つまり、攻撃がうまくいかず、守備に全負担がかかった。よって、守備の問題をいくら指摘してもあまり意味がないように思える。この混沌とした状態を解決するには攻撃の機能不全をどうにかすることが必要だ。問題を解決するためには前線に運動量の多い選手&スペースでボールをもらえる選手を入れること、4バックに戻すことである。あと、ロナウジーニョは左サイドに戻す。ロナウジーニョが一気にジュリにパスを送る場面が前半はなかった。ロナウジーニョが中央にいると、そういった場面がない。すると、ジュリが活きない。さて、ライーカールトどうするか。ちなみに、バルデスのスーパーセーブによって、前半は0-0で折り返す。サラゴサが完璧に試合を支配していた。

 ■マルケス→ザンブロッタ

 後半頭からマルケスをザンブロッタに代え、4バックに戻した。この変更によって、DFラインでボールが回るようになった。また、中盤の役割もはっきりしたため、ビルドアップが少し改善された。しかし、イニエスタにいつもの凄みがまたなかった。周りの動かなさにもその原因はあるだろうが、ここに来て疲労がたまってきているのかもしれない。

 ロナウジーニョは中央でプレーしていた。サイドよりも中央のほうがプレスは当然きつい。ロナウジーニョはピケ、ミリート、ピボーテコンビに再三囲まれて、ボールを失っていた。多少孤立気味でかわいそうな気もするが、自分でどうにかしようという気迫がプレーから感じられなかった。

 4-3-3に変更したことによって、バルサはバランスが少し良くなった。しかし、ビルドアップにサイドバックの選手が前線に飛び出す必要がある。つまり、その裏を狙われる場面が増えた。サラゴサは前半はポゼッション、後半はカウンターという2つの戦術を使い分け、見事に戦った。

 バルサはイニエスタ、シャビ、デコの3人が中盤であった。この3人が中盤のときは攻撃を止められる選手がいない。攻撃を遅らせたり、踏ん張る選手がいないのだ。特にボールを失った瞬間のプレスが決まらず、がんがんに攻め込まれていた。サラゴサレベルの相手だと、この3人が中盤ではかなりきつくなってくる。

 そして、とうとうサラゴサにゴールを許した後バルサはグジョンセン、ジオを投入。ロナウジーニョは左サイドにいき少し復活。メッシも右サイドに行って少し復活。ただし、メッシは守備に追われる場面が目立ち、後半はキレがあまりなかった。選手が適材適所に配置されたことで、バルサは決定機を2度作った。しかし、両方ともセサールサンチャスの好セーブに阻まれた。また、サラゴサの選手の集中力がすさまじく、ことごとく攻撃をつぶしていた。試合は1-0のまま終わる。

 ■独り言

 サラゴサはひきこもることなく試合を終えた。さすがビクトールフェルナンデスのチームである。終盤に来て、この調子であるならば、チャンピオンズリーグ圏内も十分に狙えると思う。全員がすばらしい。誰も引き抜かれなければいいが。

 バルサはなんともいえない負けであった。最初から4-3-3でやれば、、、という文章を何度も書いたと思う。采配で勝ち点をどのくらい失ったことか。何をして負けたかが重要だと思っている。この試合でのバルサはやることをやって負けたとはいえない気がする。それに比べて、サラゴサはすべてを出し尽くした。かなり補強しないと来期は厳しいぞ。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
バルセロナ/0607
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

Re:サラゴサ対バルセロナ ~また3-4-3ですか~

コメントありがとうございます。

>>てぃーほりっくさん
確かのその2人はエトーがいたほうが活きますね。補強に関してですが、同意見です。誰かはまた別の機会に。

>>西久保さん
今年のコーチ陣が昨年に比べてだめなのかと思います。

>>モラレスさん
また、サビオラは干されだしましたね。ダレッサンドロは相変わらずドリブルがうまいです。来期は是非残ってほしいですね。サビオラはサラゴサに行ったらアルゼンチンだらけで面白いです。

>>マルキンスさん
そうですね。実力差や奇襲といった状況でなければ、現段階では機能しないと思います。

>>バルセロイニエスタさん
もう一度3-4-3やったらある意味笑えますね。機能したらびびりますが。

>>T33さん
今シーズンに限っていえば、デコが微妙です。昨シーズン、昨々シーズンは影のMVPだと思いますが、今年はいいときが少なすぎる。この試合でもなんともいえなかったですね。

3-4-3を機能させるにはデコの復活がなにより必要だと思います。ロナウジーニョはどんなフォーメーションでも走りませんが、やばいときはやばいのでなんともいえません。

Re:サラゴサ対バルセロナ ~また3-4-3ですか~

率直な感想として「やっちゃったなライカールト・・・」

誰もが思っているとおり3-4-3は機能していないですよね。何が問題ってバルサがバルサたる所以であるポゼッションができていません。後が3人だとパスコースが限定されてしまいすぐにプレッシャーをかけられ→中盤の選手がもらいに下がると相手もついて来る→出しどころ無く苦し紛れのフィード(マルケスのロングフィードとは意味が違う)→ちびっこバルサはキープできず(そうゆうスタイルではない)→攻められる→サイドの守備に弱点あり・・・
攻撃は中盤でキープできない→ロナウジーニョは裏へ飛び出さない→メッシは中へ切れ込む→追い越すサイドバックがいない→中央で詰まる。

諸々の事情により?エトーがいないとはいえちょっとひどい内容。ロナウジーニョのプレイはセンターFWというよりトップ下のプレーであり、言ってみればトップのいないトップ下です。ジュリとエトーがサイドにいるならまだマシでしょうが。

バルサが4-3-3以外のオプションを探したいのならば、現在のメンバーならば3トップありきではなく4バックありきの方が良いのではと思います。
3-4-3は非常に魅力的で夢のあるシステムなのですが、全員が動かなくてはいけない難しい運動量の必要なシステムと思います。それを考えると短絡的ながら最も合わないパーツはロナウジーニョであるのではないか?うまくいかない最大の原因はロナウジーニョでは?そう思います。長くてすいません。

Re:サラゴサ対バルセロナ ~また3-4-3ですか~

もう、3-4-3はコリゴリ。

『二匹目のドジョウ』大失敗。

あそこまで駄目なら、いいかげん気が付いてくれるはず。今シーズン中は二度と見たくありません。

後半4-3-3に変えていいリズムになりかけた時の失点だったから、余計に辛かったですね。

最初から4-3-3でやれば、、、 凄く同感です。

ライカールト、目を覚ましてくれ。

Re:サラゴサ対バルセロナ ~また3-4-3ですか~

3-4-3システムにする必然性がわきませんね。前のサラゴサ戦では機能したけど、それ以降の試合では、攻め込まれほうだいだったのにさ。
相当実力差がある相手じゃないと、このシステムはきついんじゃないのかね?

こんな記事も読みたい

ブロガープロフィール

profile-iconjosepgualdiola

あるアマチュアチームの裏ボスになりました。がっつりサッカーの指導をしています。

現場に立つこと&サッカーの試合を分析することが、サッカーの勉強として最適だと自らの経験から認識しています。
このブログではサッカーの試合を分析することをテーマに運営しております。

継続は力になっていることを超実感しているので、たぶんまだまだこのブログは続くでしょう。

過去の遺物ですが、興味があればどぞ
http://forkn.jp/book/1/

用事等あれば、josepgualdiola44★yahoo.co.jpまでよろしくお願いします。
  • 昨日のページビュー:190
  • 累計のページビュー:24781747

(11月15日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本対コートジボワール ~ぼくたちのサッカーがきえたわけ~
  2. 日本対メキシコからみる世界の流れ
  3. 2013年Jリーグベストイレブンを決めよう
  4. レアル・マドリー対バルセロナ ~バルセロナが砕け散った理由~
  5. 2014ブラジルワールドカップのベストイレブンを決めよう
  6. オランダ対ドイツ ~絶望的な差~
  7. ドイツ対イタリア ~スカウティングしたの?~
  8. オランダ対コロンビアの雑感
  9. ナポリ対アーセナル ~最悪の状況の定義~
  10. オリンピアコス対マンチェスター・ユナイテッドの雑感

月別アーカイブ

2016
10
2015
10
09
07
06
05
03
01
2014
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2013
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2012
12
11
10
08
07
06
05
04
03
02
01
2011
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2010
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2009
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2008
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2006
12
11
10
09
07
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月15日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss