2007年04月03日
リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
リバプールはミッドウィークにチャンピオンズリーグがある。対戦相手はPSV。プレミアのタイトルは望み薄なので、照準はとっくにチャンピオンズリーグに絞っていることだろう。恐らく、このアーセナル戦はPSV戦の予行演習になるか、戦力を多少温存したものになるだろう。 スタメンはレイナ、アウレリオ、アッガー、キャラガー、アルベロア、ゴンザレス、マスチェラーノ、アロンソ、ペナント、ジェラード、クラウチ。4-5-1で試合に臨む。 アーセナルはモチベーションの維持が難しい状態になってきている。来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権はよっぽど連敗しない限り問題ないだろう。だからといって、今から優勝争いに加わることは不可能だ。怪我による欠場しているアンリ、ファンペルシーの今シーズン中の復帰も、見送られることになった。来季に向けて、若手を多用し、良い内容の試合をすることが目標となるのだろうか。 スタメンはレーマン、クリシー、ギャラス、トゥーレ、エブエ、ディアビ、デニウソン、セスク、デニウソン、アデバヨール、バチスタ。こちらは4-5-1というよりは、4-4-2であった。バチスタはアデバヨールの周りを走り回るプレーをあまりせず、独立した2トップに見えた。 ■ターゲットの有無 DFや中盤からボールを入れるとき、前線の選手は相手DFを背負いながらプレーすることが多い。この状態でFWがボールをキープできる能力があると、後ろの選手は躊躇なく前線に上がっていける。ボールを受けた選手は中盤の選手のボールを落とし、中盤の選手はその飛び出した選手に合わせてボールをおくる 。典型的なポストプレイの場面だ。 FWの中にはポストプレイを嫌う選手もいる。その理由はゴールから遠い位置でプレーするのがイヤだ、つぶれ役になりたくない、あまり得意でないなど、たくさんの理由があるだろう。ポストプレイをあまり好きでない選手は、ボールを受けようという意欲がないことが多い。すると、当然後ろの選手から、前線にボールが入りにくくなり、チームは機能しなくなる可能性が高くなる。 リバプールの前線の選手、クラウチとジェラードはターゲットになる資格がある。なによりもボールを受けようとする意欲が高いし、フィジカルが強く、テクニックもある。クラウチはボールが触りたくて、中盤深くまで戻ってくることさえある。それはいきすぎだが、ボールをもらいたくない病に比べれば、かなりましである。この試合で、クラウチはロングボールに対して、競り合うわ、孤立していてもしっかりキープするわの大活躍であった。豊富な運動量によって、ジェラードはDFラインと中盤の間でボールを受け、有利な形で攻撃を組み立てていた。 アーセナルのFWはアデバヨールとバチスタ。アデバヨールは長身ということも有り、放り込めばそれなりの仕事が出来るだろう。しかし、彼はポストプレイをあまり好んで行うようには見えない。彼の持ち味はドリブルである。特にサイドに流れて、一対一を仕掛ければかなりの強さを見せる。つまり、前を向いてボールをもらうことで、アデバヨールは持ち味を発揮する。ゴールの背を向けてボールを受けても、あまり怖さはない。本人もそれを自覚しているのか、あまりポストプレイはしない。 バチスタはよく言えば、便利屋。悪く言えば、適正ポジションがわからない選手である。フィジカルが強く、モラルも高い。しかし、足技に難点を残す。くさびのボールを受けても、トラップミスしそうな選手である。よって、彼はスペースを求める。スペースがあるのはサイドである。つまり、彼もやはり得意でないのだ。 両チームの前線の選手にはポストプレイでの明確な差があった。さらに、両チームのプレスのかけ具合がまったく違った。 ■リバプールのプレスと相手のプレスを交わす術 リバプールのプレスの特徴は、相手に対する圧力だと思う。リバプールのプレスは相手からボールを奪おうとする気持ちが存分に現れている。それくらいアグレッシブなものだ。アーセナルはパス回しが巧い。しかし、寄せが早く、簡単に前を向かせてくれない状態になってしまうとパスをまわすのも難しくなってしまう。 そのためか、アーセナルはDFラインからのロングボールが、珍しく目立った。しかし、ターゲットのアデバヨールはいまいち、体をはっていなく、体をはっているリバプールDFにボールを奪われていた。こぼれだまになっても、アデバヨールの寄る選手がなく、簡単に拾われていた。これがリバプールだと状況が違う。クラウチがそもそも競り勝つし、こぼれだまになってもそのポジションに応じて、ジェラードやサイドの選手がクラウチとの距離を近くしてい。よって、こぼれだまを拾える。この差は結構でかかった。 リバプールの守り方はとにかく前からプレス。この試合ではクラウチのワントップであったので、DFラインにボールを奪いに行くシーンはそんなになかった。その代わりに中盤の密度が増したことは言うまでもない。とはいっても、エブエ、クリシーの2人は突破力もある。アーセナルだって時には対面の選手を抜いたりする。リバプールのサイドの守備は基本的にサイドバックとサイドハーフの2人で挟み込む形で行う。それでも、プレスが遅れたり、サイドハーフの選手がボールを奪われる状況だって出てくる。 つまり、イニエスタが相手にプレスを無効化するように、アーセナルの選手も目の前の相手を交わす場面がある。しかし、交わしたところになぜかアロンソやマスチェラーノが姿を現す。このカーバーリングの巧さが他チームとの差だろう。特にマスチェラーノはやばかった。中盤のスイーパーのように振る舞い、球際でも相手に当てて出すなど、守備の巧さが目立った。これは本当にびびった。 アーセナルの守備も決して悪くはない。しかし、そんなプレスを無効化する場面が目立った。例えば、中盤の省略。リバプールのDFたちのボール回しにはレイナが加わることもある。つまり、放り込みを防ごうにも2人や3人が追い掛け回しても不可能で、それ以上人数をかければ、中盤のスペースが空いてしまう。よって、リバプールのDFは余裕を持ってボールを前線に蹴ることが出来る。単純に中央のクラウチに当てるだけでなく、両サイドのペナント、ゴンサレスも裏を狙う動きが多く、サイドにボールを入れる場面も目立った。 プレスを交わす王道はダイレクトパスである。リバプールはロングボールとこのダイレクトパスを巧く機能させていた。アロンソがお得意のサイドチェンジをする場面は少なく、細かいパスを繋ぐことが多かった。その理由はマスチェラーノである。ボール技術も高く、パスを難なくこなしていた。そのため、今後アロンソに対するプレッシャーも減るだろう。これまでは、アロンソ抑えればなんとかなるチームだったかもしれない。しかし、これからはきつそうである。守備が巧いイメージのあったマスチェラーノはパスも普通に巧かった。最初にリバプールで見たときに比べると、連携が格段に良くなっている。これ以上良くなっていったら、やばそうである。 ダイレクトパスとロングボールで試合を組み立てる。激しいプレスによってボールを奪ったらショートカウンター。ここにきて、かなりいやらしいチームになってきた。 ■アーセナルの選手たち アーセナルは若手が試合に出ていた。ディアビとデニウソン。ディアビは長い足を活かしたキープ力が魅力。また背も高く、フィジカルも強いので中央の選手だろう、と思っていたら左サイドで試合に出ていた。積極的にプレーしていたが、ドリブルで相手を抜けるわけでもなく、ゴール前に飛び出すことを知っているわけでもないので、かなり機能していなかった。ただ、将来は有望である。 デニウソンはパスの能力が高い。セスクほどではないが、褒められたものだと思う。この試合でも、リバプールのプレスを交わすためにサイドチェンジを何度もしていた。しかし、守備が巧いわけでもないし、ゴール前に飛び出すわけでもない。セスクもいつのまにか、DFラインの前にいることが多いので、ゴール前に行く選手がいない。それでも、デニウソンは自分のやれることはやっていた。ただセスクと組ませるのはどうかと思う。 リバプールの前にどうしようもなかったアーセナルはDFラインから無謀な飛び出しをみせ、何度かチャンスを作っていた。ただ、得点の匂いはいっこうにしない、アーセナルらしいサッカーであった。シュート意欲の高い選手がアデバヨールしかいないのはどうかと思う。 そんな中、ロシツキー、リュングベリを投入し、試合は互角になっていった。確かこの時点で3-0だったので、リバプールはプレスを緩め、DFラインも下げ気味だった。交代策によって、流れが良くなったのか。その因果関係は微妙である。ただ、ロシツキーはディアビよりもはやいプレス、攻撃センスをみせ、リュングベリは縦への強い意欲を見せていた。 ■独り言 アーセナルが悪すぎたというより、リバプールがめちゃくちゃ良かった試合だった。久々に面白い試合を見た気がする。特にマスチェラーノはやばかった。ウェストハムで彼はなにをしていたのだろうか。。この調子で行けばPSVは楽勝に倒せるだろう。ただそこでこけるのがリバプールである。 アーセナルは選手の適材適所が微妙。来期はスーパーな選手を取るらしい。ドリブラーが必要です。頑張ってください。
posted by josepgualdiola |07:56 |
プレミアリーグ/06~07 |
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Re:リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
ディアビィが先発だったのはリュングベリとロシツキーに怪我させたくなかったからでは?
二人ともキャプテンとしてプレッシャーのかかる試合を二度こなして来た直後でしたし。
あとディアビィのサイドは、例えばカーリングの決勝のチェルシー戦はかなり利いてました。
ドリブルでかわしたりワントラップでマークを外したりしてたので全く機能しないとは言い切れないと思います。
ただリバプール戦は機能してませんでしたし、元々ムラの多い選手なので何とも言えませんが、あれだけスペースが無いと今のアーセナルにはそれを打破できる選手は、怪我人がいなくても、見当たらないと思います。
意外性のある選手も、圧倒的なパワー・高さ・スピードもしくは決定力を持った選手もいないですし。
良くも悪くも真正面から特攻を仕掛けるチームになっちゃいましたからね。。
ただまだ先の話ですが、リバプールが新スタジアムに移転してグラウンドが大きくなってスペースが増えたら先日のように完璧に蓋をするのは難しくなりますよね。
posted by 仮免練習中 | 2007-04-03 11:32
Re:リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
まだ試合は見ていないのですが、面白そうなので見ようと思います。
個人的にマスケは好きなので楽しみです。
マスケはボランチの中でもかなり良い選手だと思うんですけど、ロングボールの展開が並なのでシャビ・アロンソとのコンビは最高にあうと思います。
個人的にリバプールはワントップの下にジェラードをおいた形のほうがツートップでジェラードが右もしくはセントラルよりも機能すると思います。
ぜひ、PSV戦もそうしてほしいです。
あとアーセナルはアンリあってのチームなのでしょうがないかと思います。
ただ、アデバヨールが加入してからロングボール多くなったんでなんか残念です。意地でもショートパスで崩すサッカーが好きだったんで。
posted by モラレス | 2007-04-03 18:04
Re:リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
アンリがいないと途端にアーセナルは攻撃力半減しますね。
posted by ピボーテ | 2007-04-03 19:02
Re:リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
シッソコが復帰すれば、マスチェラーノは控えになりそうだけどね。
posted by メル | 2007-04-03 22:17
Re:リバプール対アーセナル ~面白い試合だった~
コメントありがとうございます。
>>仮免練習中さん
ユーロ予選の存在をすっかり忘れてしまっていました。ロシツキーやリュングベリに無理をさせる理由がないですもんね。ディアビは昨年から見ているのですが、中央で活躍していた、、といってもあまり試合にでていないですが、、イメージが強かったです。
あとは完全に同意見です。
>>モラレスさん
マスケは本当にやばかったです。ファンならかなり楽しめるかと。ジェラードのトップ下はかなり効いていると思います。
アデバヨールは悪い選手ではない。けれど、アーセナルに合うかというとちょっと疑問です。
>>ピボーテさん
アンリは偉大ですね。
>>メルさん
中央の層が厚くなりました。
posted by josepgualdiola | 2007-04-04 09:24


