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マンチェスター・シティ対ニューキャッスル ~キーマンはCBか~

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 プレミアリーグの開幕戦のオオトリを務めるのが、マンチェスター・シティ対ニューキャッスルである。  ナスタシッチが怪我のため欠場。新戦力でスタメン起用されたのは、フェルナンジーニョとヘスス・ナバス。ネグレドたちはジェコ、アグエロコンビにスタメンを譲ることとなった。今季のノルマはプレミアリーグの覇権奪回とCLで周りを黙らせる結果を出すことだろう。監督はまさかのペジェグリーニである。  あっという間にフランス人だらけになったニューキャッスル。しかし、移籍の噂のあるキャバイエはスタメンから外れている。地味に良い選手が揃っているが、個人的にはグティエレスとコロッチーニが頑張っているのが嬉しいところで。  ■中央を攻略するために  序盤から猛攻を仕掛け、あっさりとシルバのゴールで先制することに成功したシティ。しかし、ボール運びの再現性を見てみると、何だか怪しげな雰囲気が漂っていたのもまた現実であった。  シティは中央からの攻撃で決定機を作ることが多かった。そのためには、中央でオープンな状況の選手を何度も作ることでチャレンジ機会を増やしたいところである。しかし、中央で誰がどのようにフリーになるかの仕組み作りはまだまだ完成していないようだった。  ニューキャッスルは4-4-1-1で守備をセットしていた。グフランがそこまで守備に熱心でなかったのだが、自分の仕事をこなすときはなかなか苦戦するシティであった。ヤヤ・トゥレとフェルナンジーニョの能力に疑いの余地はないが、CBコンビが相手を引きつけてパスをする場面が少なかった。  CBが働かないので、ニューキャッスルの前線の1-1の守備を無効化するのにシティは苦労していた。ヤヤ・トゥレがCBの位置まで下がって仕事をしていたが、ヤヤ・トゥレがいるべき場所が空白になるわけで、実にもったいない。よって、どのようにして、相手の前線を無効化するのかと観ていると、動き出したのはシルバであった。  SHで起用されたシルバは中央に流れてくるといっても、ヤヤ・トゥレたちのポジションでプレーすることが多かった。ヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョ、シルバと揃うことで、相手の中央コンビを牽制するのが狙いである。先制点もフェルナンジーニョからシルバへの中央突破から始まっている。  だったら、ニューキャッスルもサイドを絞って対応すればいいのだが、ジェコやアグエロが頻繁にサイドに流れることで、その動きを牽制していた。ジェコとアグエロはサイドでの数的有利、相手のCBを動かすこと、バランスをとるなどの理由でサイドに流れていたのだが、CBを動かしたあとのスペースを誰が利用する問題はまだ未整備のようだった。  というわけで、中央で上手くフリーになれれば一気に攻撃が加速するのだけど、その再現性が相手の守備に依存する傾向もあったので、シティの中央からのチャンスメイクは前半を考えると、そこまで機能していなかった。ただし、ヘスス・ナバスのサイドアタックや素早い攻守の切り替えからのカウンター、前線への放り込みと色々できるシティなので、十分に攻撃の迫力はあったのだけども。  ちなみに、ニューキャッスルは非常に荒かった。ファウル覚悟のプレーというよりは、単純に荒い。終いには、スティーブン・テイラーが相手を振って一発退場。グティエレスも負傷退場してしまったので、前半に2枚の交代カードを使うという切ない状況となってしまっていた。  ■ナスリの登場で  ニューキャッスルはシステムを4-4-1-0に変更して、後半は挑んだ。これで中央突破の回数が増えるかシティと思ったが、その前にヤヤ・トゥレの直接FKが炸裂し、試合は3-0となった。その後もシティの攻撃が続くが、なぜかジェコのシュートだけはファインセーブで止めるクルルが目撃されている。  そして、アグエロ→ナスリ。このナスリがなかなか曲者であった。前述したようにシルバが中央に移動して数的有利を作ると書いたが、ナスリも同じように動いていた。この動きによって、相手のブロックの外だが、数的優位が作られニューキャッスルの面々は誰がボールにプレッシングをかけるのか曖昧になっていった。  なので、中央の数的優位からの攻撃が加速していく。シセが懸命にプレスバックで守備を何とか支えていたが、そうなれば攻撃は誰が行う!となるわけで、本日のジョー・ハートはほとんど出番がなかった。なお、相手のFWとMFの間のスペースに大量に人を配置することで、相手の中盤の守備の基準点をずらす作戦はバルセロナの得意技である。  相手のDFとMFの間のスペースをフェルナンジーニョやシルバが何度も攻略し、サイドからの攻撃に専念したヘスス・ナバスはクロスマシーンとして何度もチャンスを演出した。で、とどめはナスリ。ジェコのスルーが隠れたアシストとなった。こうして試合は4-0のまま終了となった。アグエロのシュートが相手の手にあたったのにハンドの判定をされなかったり、最後に登場したネグレドのゴールは無情のオフサイド判定をくらったシティだったが、無事に開幕戦を勝利することに成功した。  ■独り言  ハビ・ガルシアがCBに入ったときに、これでボールがもっと循環するかもしれないと思ったが、たいして無理をしていなかった。得点差を考慮すれば当たり前かもしれない。ジョー・ハートを使ったパス回しも実に危険な香りが漂っていた。CBに試合を作れる選手が来れば、ちょっと手が付けられそうもないチームになりそうである。




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この記事へのコメントコメント一覧

ほいほいさんへ

レアル・マドリーも昨年は同じような状態だったのですが、CBが攻撃の場面で働く必要ができたときに、このような日常を送っていると、ちょっと厳しくなるんですね。リーグ戦では長丁場なので逆に目立ちませんが、CLの決勝トーナメントからはこの状況が厳しくのしかかりそうです。

ヤヤ・トゥレが後方に専念するなら、再現性を持って行えればいいのですが、その気配もありません。おっしゃっているとおり、フェルナンジーニョという化物が加入したので、色々と試してほしいものです。

Szakekovciさんへ

プレーシーズンでそんなことはあったのですか。容易に想像できる事態ですね。

ただ、ペジェグリーニはCBにそこまで足元を求めないような記憶があるので、このまま突っ走るかもしれません。自分もナスタシッチに期待します。

マンチェスター・シティ対ニューキャッスル ~キーマンはCBか~

ヤヤはああいう低い位置でビルドアップという役割で基本は良いと思うんですけどねえ
もう年齢の影響で運動量は衰えてますし、守備時にヤヤが後ろで待ち構えてるのと、前線に上がっていて戻らないのでは雲泥の差です。
MOM級の働きのフェルナンジーニョが、タックル、ビルドアップ、ロングフィード、前線への飛び出しなど素晴らしかったですし、低い位置に留まるヤヤとバランスが良いように思えます。

マンチェスター・シティ対ニューキャッスル ~キーマンはCBか~

>CBが働かないので、ニューキャッスルの前線の1-1の守備を無効化するのにシティは苦労していた。ヤヤ・トゥレがCBの位置まで下がって仕事をしていたが、ヤヤ・トゥレがいるべき場所が空白になるわけで、実にもったいない。

昨シーズンもそうでしたが、シティの継続的な弱点ですね。プレシーズンでもアーセナルにヤヤを激烈にマークされて、さっぱり攻められませんでした。

コンパニは意外と組み立て仕事ができないので、ナスタシッチ君に期待しています。

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