2007年02月25日

マドリードダービー ~カッサーノの出番~

 ホームのアトレチコは前節の3センターをやめ、サイドに起点を作る4-4-2で試合に臨む。コスチーニャが累積で出られないから4-4-2にした、ということは前節のできから考えるとないだろう。スタメンはフランコ、アントニオロペス、ゼ・カストロ、ペレア、セイタリディス、フラド、リュクサン、マニシェ、ガジェッティ、トーレス、アグエロ。注目はフラード。レアル下部組織出身の彼は気合十分に違いない。

 チャンピオンズリーグでまさかの勝利を得たレアル。その疲れによって、本日はコンディション面に問題を抱えている可能性が高い。スタメンはカシージャス、トーレス、カンナバーロ、エルゲラ、サルガド、レジェス、エメルソン、ガゴ、ラウール、グティ、イグアイン。中盤の真ん中は前節と同じ組み合わせで来た。グティトップ下のデメリット、ワントップの孤立をどのようにして防ぐのか。ラモスは怪我、ニステルはコンディションが悪いらしくベンチ外。その代わりに、カッサーノがベンチに復帰した。

 ■レアルの誤算

 サイドから攻めてくるだろうアトレチコに対して、レアルはサイドバック、サイドハーフが連携して守らなければいけない。フラドやガジェッティにボールが入ったら、2人でサンドイッチする。それが当たり前の守り方である。

 珍しくレジェスは自分に課された守備のタスクをこなしていた。特に対面のセイタリディスにボールが入ると、すぐにプレスに行き、ボールを離させていた。つまり、アトレチコの右サイドはボールが詰まることがあり、効果的に攻めることは出来ていなかった。レジェスの早いプレスのおかげである。

 レアルの右サイドコンビはサルガド、ラウールである。ラウールは最終ラインまで戻り、守備を助けられる選手である。よって、レアルの右サイドはとくに心配がないと思われていた。

 しかし、この試合でのラウールは、いつもの献身的なラウールでなかった。誤算である。守備の面でまったくサルガドを助けようとしなかったので、仕方なくエメルソンやガゴがヘルプに行っていた。とはいっても、ガゴやエメルソンは基本真ん中にポジションを取っている。つまり、サイドのヘルプに行くといっても、多少遅れ気味になってしまうし、しかも自分のポジションのスペースは空いてしまう。悪循環。

 結果として、アトレチコは左サイドから攻撃を仕掛けていく場面が非常に目立った。フラドが余裕を持った状態でボールを持てていたからである。フラドが個人技で仕掛ける、フラドをアントニオロペスが追い越す、左サイドの縦にトーレス、アグエロが流れてきて数的優位を作る。このような形を主にして、アトレチコは徹底的にレアル陣内に攻め込んだ。

 そんなアトレチコの得点シーンはクリアボールを巧くトーレスが捌き→ガジェッティが縦に抜け出す。マイナスのクロスをトーレスが決めて先制。その得点後すぐにセットプレイのこぼれだまをペレアが押し込んで追加点、、、と思いきや謎のジャッジによって取消。これが本当に疑惑の判定であった。

 レアルの誤算はもう1つある。グティの不調だ。前節ではエメルソン、ガゴ、グティが3人ともボールもらいたい病であったため、ボールが回ったと書いた。元々グティのいい面にボールもらいたい病というものがある。しかし、今日のグティはなぜかボールもらいたくない病であった。そして、エメルソンもじっとしていた。こうなると、パスが回るわけもなく、アトレチコの早いプレスの前にボールを失う場面が非常に多かった。レアルはいいところなく前半を終える。得点の気配はセットプレイがらみのものだけであった。ラウールとグティの運動量のなさはチャンピオンズリーグの疲れなのかもしれない。そして、イグアインは孤立していた。

 ■レジェスに代えてカッサーノ

 アトレチコは気合十分でこの試合に臨んだ。気合十分で試合に臨むとこんないいことがある。こぼれだまへの反応が上がる、ハイボールの競り合いで勝てる、球際で強くなる、よく走るなどなど。この気合十分によって、アトレチコは曲面曲面で試合を有利に進めた。

 レアルは後半頭からカッサーノを投入。なぜ守備で効いていたレジェスを下げたのかさっぱり理由はわからない。カッサーノ投入の意図はわかる。イグアインの孤立を防ぐためだ。今日の状態ならば、グティやラウールを下げるべきだと思ったが。

 この交代によって、レアルのシステムは中盤をボックスにした4-4-2のような形になる。もちろん前はグティとラウール。こうなれば余計に守備がガタガタになるのは明らかである。

 予想通り、レアルはアトレチコに攻め込まれてしまう。前半は抑えていたガジェッティ、セイタリディス側からも攻め込まれる回数が増え、。久々にDFが無防備にさらされる試合となった。レアルDFに一対一でアトレチコ攻撃陣を止められるわけはなく、ファウルでとめる回数が前半よりも増え、いつレアルの選手が退場になるかハラハラするような展開であった。

 そんな中、1人置き去りにされているガゴをディアラに代える。どうせ中盤が機能しないなら、守備を重視する方がましである。この交代は論理的であったと思う。

 そんなディアラの投入によって、レアルは中盤の競り合いや球際の強さが増した。中盤でボールを奪う返すシーンが前半より増え、多少攻撃も形が出来始めたのである。

 そして、カッサーノがレアルを救う。中盤でファウルをうけたカッサーノはさっさと前線へ。ここまで高い集中力を見せていたアトレチコはこのセットプレイの瞬間、集中力が途切れてしまった。グティがなんてことないパスをカッサーノに通し、カッサーノが前線にスルーパス。それをイグアインが巧く抜け出し、なんとレアルが同点に追いつく。

 その得点後、アトレチコは前半のような組織的な攻撃を見せることは出来なかった。俺が点をきめるんだ!!という選手だらけで、個人で状況を打開しようとする場面だらけになった。ホームで内容も良い、それなのに同点に追いつかれてしまった。このショックのためか、アトレチコの攻撃陣に焦りが生まれたのだろう。好調フラドにボールが回らなくなったのがそれを表す最大の証拠となるだろう。

 カンナバーロがとうとう退場し、そこからアトレチコが波状攻撃を見せるが1-1のまま試合は終わる。

 ■独り言

 本日のレアルはもうどうしようもなかった。中盤中央での数的優位を生かせず、サイドもめちゃくちゃ。運動量でも負けていた。チャンピオンズリーグの疲れがあるのだろう。勝ち点1を得たのはでかい。MVPはカシージャス。

 アトレチコからすると、勝ちを失ったゲームとなった。得点を取り消されたことが大問題となりそうである。それにしてもフラドはいい。レアルは間違いなく彼を買い戻すべきである。トーレス、アグエロが想像以上に守備をしていて驚いた。この2人はトップ下とかいないほうがやりやすいのだろうな。 

posted by josepgualdiola |18:23 | レアルマドリッド/06~07 | コメント(2) | トラックバック(1)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/josepgualdiola/tb_ping/122
この記事に対するトラックバック一覧
やったぜトーレス!! 【Y.G.net】

実はフェルナンド・トーレスがマドリード・ダービーでついにゴールを決めたようで。 バルサ相手には面白いようにゴールを決めるくせに、マドリー相手には全くの音なしという現象が長らく続いていたが、ようやくその呪縛から解き放たれたようだ。   おめでとうトーレス!!

2007-02-27 00:41 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
(事務局では、サービス全体の雰囲気醸成の為、全コメントをフィルター/目視チェックし、削除等しております。見逃し等も有りますので、ご不快な思いをされた場合は、事務局宛 support@plus-blog.sportsnavi.com にご意見頂けると幸いです。)
Re:マドリードダービー ~カッサーノの出番~

カンナバーロは最近よくないですね。ミスが目立ちます。レアルは相変わらずカシージャスで持っているようなものですね。

posted by マルクス | 2007-02-25 22:09

Re:マドリードダービー ~カッサーノの出番~

コメントありがとうございます。

>>マルクスさん
最近の試合では組織的に守れるようになってきたのですが、、また昔のカシージャス頼みになって来ました。。。

posted by josepgualdiola | 2007-02-26 23:49

コメントする