2007年02月05日
PSV対AZ ~いざ、首位決戦~
前節ローダ相手に2失点完封負けしてしまったPSV。首位を独走する状態が続いているので、集中力が切れたのだろうか。そんな試合も一年に数回起きるものと思う。このチームの特徴は堅固な守備と、個人能力の高い攻撃陣である。ただ攻め続けるだけでなく、時には試合のペースを意図的にダウンさせ、大人のサッカーを魅せることも出来る非常に優れたチームだ。 AZはまさにオランダサッカーを体現しているチームだと思う。育成の面でよく手本になる機会が多いオランダだが、それをそのままプロにしたような感じである。組織的な好チームだ。 ■受身に回ったAZ PSVのホームに乗り込んだAZは守備の意識が高い選手をスタメンに入れてきた。1つの目安として、DF登録の選手を6人、スタメンで使ってきた。まずは守りから!という意識だったのだろう。守備を固めて、速攻でPSVを崩す。ファンハールはこのようなゲームプランを頭に描いていただろう。 しかし、そのゲームプランはあっという間に崩れ去ってしまう。試合序盤から全開で飛ばしてきたPSVにAZ守備陣は押し込まれてしまう。コーナーキックから決定機を作られてしまうなど、集中力の欠けたプレーも目立った。 また、守備意識の高い選手たちは徐々にそのポジションを下げ、最終的に最終ラインに吸収される選手まで出てきた。そうなれば、中盤と前線の距離が開いてしまい、そこをPSVに使われてしまう。中盤でコクやメンデスが自由にボールを持っている状態で、DFラインをあげることは自殺行為だ。 つまり、守備意識の高い選手を並べ、スペースを潰し、高い位置でボールを奪おうとするプランが、最終ラインに吸収され、相手にスペースを与え、自陣ゴール前で踏ん張るという危険な状態に陥ってしまった。このような状態で相手からボールを奪っても、PSVゴールは遠い。それだけでなく、PSVは先制点を取るまで前線から激しいプレスをかけてきた。つまり、ボール奪取→すぐに相手のプレス→苦し紛れのクリア→または奪われる。このようなスパイラルが続いた。 まさに苦し紛れのクリアーから、PSVに先制点が生まれる。PSVはスローインから相手を崩しファルファンが先制。まさに狙い通りの形だっただろう。 先制点後、PSVは少しラインを下げ、リスクを犯さない形にしてくる。お得意の形である。すばやい寄せで2トップからボールを奪い、ファルファン、コネを中心に速攻を仕掛けた。AZは守備の巧い選手を並べすぎたためか、攻撃の場面でも個々の場面でほとんど敗れ去り、どうしようもない状態で前半を終える。特にサイドでの一対一はびっくりするほど見ごたえがなかった。前線にボールを入れても、どうしようもないと判断したAZのDFは自陣から2度ドリブル突破を仕掛け攻撃をリードしていた。この場面のみAZのらしさが出ていた。 ■イェネルとブカリ 後半頭からAZは2枚交代枠を使ってきた。守備的な選手を攻撃的に代えてきたのだ。イェネルとブカリはサイドの選手である。つまり、後半は攻撃的に行くこと、特にサイドから相手を崩すということというメッセージが誤解なくAZイレブンに伝わっただろう。そのメッセージどおりに、AZはサイドから積極的に仕掛ける。 特に右サイドに入ったイェネルの積極性が目立った。果敢にドリブルを仕掛け、さらに必ず攻撃をクロスにつなげていた。右サイドが活性化したことによって、2トップの右に位置するデンベレも復活。イェネルとコンビで崩したり、イェネルをおとりにして中央突破を試みるなど、AZの攻撃はファンハールの交代策によって復活した。 まさにその右サイドから同点ゴールが生まれる。イェネルが強引にクロスを上げ、そのこぼれだまをデンベレが押し込む。 同点後、PSVもラインを上げ攻撃的になるが、意外な形でAZ得点が生まれる。コーナーキックがなんと直接入ってしまった。ニアポストのところにいたコクがボールをスルーしてしまい、それがゴメスにあたりそのままゴール。これでAZは逆転に成功する。 逆転されたPSVは狂ったようにリスクをかけて攻撃に出る。するとすぐにコクが同点ゴールを叩き込みここから試合は無秩序状態になっていく。 スコアが2-2になってから、両チームとも攻撃と守備の選手がわかれ、中盤が空っぽになり、ノーガードの打ち合い状態になっていった。このような状態のとき、自然にボールはチームのエースに集まる。PSVのエースはコネ。コネが左サイドから積極的に仕掛けチャンスメイクをする。 それに対して、AZ。エースがいない。絶好調の右サイドコンビにボールが集まるではなく、PSVのDF陣に跳ね返され良い形を作れていなかった。チーム得点王のクーフェルマンを投入するが、流れは変わらなかった。しかし、追加点はAZに生まれる。コーナーキックのこぼれだまにいち早く反応したのは途中交代のクーフェルマン。これで3-2。試合はこのまま終わる。 ■独り言 ファンハールの切り替えは良かった。非常に論理的な采配だけれども、あそこまですぱっと切り替えられる人は多くないと思う。後半に攻撃的に行った結果、コーナーキックも得られたので、勝つべくして勝ったともいえる。 いつもながら、PSVは守りに入るのがはやい。前半に2点目を奪えなかったのが痛いね。
posted by josepgualdiola |18:22 |
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