2007年01月17日
消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
セビリアが負けたことにまったく気づかなかった。ここまでホーム全勝のチームが、4連敗中で、さらに自慢の守備が破綻気味のマジョルカに負けるとは、、正直思いもしなかった。レアル×サラゴサ、エスパニョール×バルサも波乱の展開だったが、まさかここでも波乱が起きるとは。前節でサラゴサに敗れたものの、試合内容はかなりよかったと思う。いったい何が起きたのかに注目して試合を見てみた。 マジョルカはイバガサがこの試合で復帰、マキシは久々の先発。アランゴ、ヤンコビッチといった攻撃の要をベンチにおいて、グティエレスやロペスをスタメンで使う。要するに、攻撃よりも守備から!ということである。正面からやりあっても勝てるわけはない、というわけだ。 ■マジョルカのモラルの高さ セビリアはどうやら強豪と認定されたらしい。マジョルカはセビリア対策をしっかりしてきた。セビリアの生命線であるレナト、ポウルセンに複数でプレス。アドリアーノ、ヘススナバスに対しては、ボールがはいった瞬間を狙い撃ち、ファウル同然で掠め取る。 元々守備意識の高い選手をスタメンに並べてきたので、これが巧く機能した。DFラインも高めに設定し、中盤の5人とスペースをつぶす。プレスも延々と追いかけ、相手のパスに乱れがでたところでしっかりと奪っていた。 しかし、いかんせんマジョルカは攻撃の選手がいない。マキシは前線でボールをキープすることはできたが、違いを生み出せる選手はイバガサしかいない。そんなマジョルカはコーナーキックを狙った攻撃を見せる。流れの中から点を奪える気配はあまりないと判断したのだろう。前半だけで7回もコーナーキックを得た。自分達のサッカーが巧く機能していた証拠である。 サラゴサ戦でもそうだったが、セビリアは中盤のスペースを消される守りをされてしまうと何も出来なくなってしまう。前線のカヌーテまでボールが届かず、ピボーテがゲームを作れないので、得意のサイド攻撃はまったく観られなかった。ダニエルアウベスも後ろでパスを回すだけで、なかなか前にいけないようだった。 完全なマジョルカペースで試合が進んだが、先制点はセビリアに生まれる。PK。あれをファウルにされるようだと、GKはやってられない。問題はこのあとのセビリアの姿勢にある。 ■大人のサッカーか、消極的なサッカーか セビリアの試合をそんなに見たわけではないので、まだ印象程度でしか語れない。今のところ、セビリアの印象は大人のサッカー、ということだ。ダニエルアウベスが上がりまくるということで、先入観は攻めて攻めて攻めまくるというものだったが、決してそんなことはなかった。 先制点を取ると、リスクをあまり犯さないようになり少ないチャンスで追加点を奪う。つまり結構手堅いチームだと現段階では思っている。こういうチームは取りこぼしも少なく、安定感があるので、相当強い。 繰り返しになるが、この日幸運なPKを得て先制点を奪ったセビリアは、攻撃にリスクをかけなくなった。しかし、ボールを奪われる→攻撃という形でやられていたので、カウンターはまったく冴え渡らなかった。つまり、防戦一方。ボール支配率もセビリアは明らかに負けていた。守るよりも攻撃の機能不全をどうにかした方がよかったと思う。しかも先制点は前半20分。どう考えても、守るには早すぎる。その姿勢は消極的ともいえる。2点差だったらまだ共感できるのだけれども。 ■不可解な交代策 ルイスファビアーノがしばらく試合に出られないということで、代わりにチェバントンが出ていた。チェバントンはスーパーサブとして使われていた選手である。この試合で、チェバントンは消えていた。カヌーテが中盤を助けようとトップ下にポジションチェンジしたのに対して、前線で待っているだけであった。でも、この状況では待っている、という選択で間違いない。というか、待っているしかなかった。 そんなチェバントンは前半で交代。後半頭からマルティーを投入。レナトをトップ下にし、カヌーテを前線に。この交代の気持ちはわかる。マジョルカに中盤で数的優位を作られていたので、本職の人数をそろえたかったのだろう。また、カヌーテをトップ下ではなく、前線に残したかった気持ちも痛いほどわかる。 ただ、マジョルカに中盤をつぶされてしまった原因は人数が足りないからではない。マジョルカのほうがより走っていたからだ。つまりセビリアもマジョルカ並に走らなくてはいけない。本職の人数をただ増やしても状況は変わるわけない。相手のほうが走るなら人数で対抗、1人多くしないと無理です。 また、チェバントンを下げたことによって、前線の駒が残り新戦力のケルザコフのみである。もしも、マジョルカに追いつかれて、点を奪いに行く状況になったらどうするつもりだったのだろうか。常に最悪の状況は考えておくべきだと思うぞ。 マジョルカのターゲットはマキシしかいなかった。流れを引き寄せるには3ックしかなかったと思う。確かに3バックはリスクが高い。でもそれしか手のうちようがない。この辺は監督の哲学によるのだろうな。 結局後半もマジョルカにペースを握られたままであった。 ■サッカーはこういうものなのかもしれない 後半にマジョルカは一気に逆転してしまう。1点目はコーナキックのクリアミスをダイレクトボレー。狙いのセットプレーからの同点ゴール。セットプレーは何かが起きる、それを信じたマジョルカの勝ち。 同点にされて、セビリアは焦る。しかし打つ手はない。焦りからかDFが味方同士で衝突し、自滅。2点目がマジョルカに入る。 ここでたまらずケルザコフを投入。まだフィジカル的にはきついらしい。当然のように流れは変わらない。しかし、この辺りからマジョルカも疲れていきた。また、セビリアもリスクをかけるようにある。マジョルカのDFラインが少々下がり、ゴールに近い位置で攻防が繰り広げられるようになるが、最後まで集中を切らさなかったマジョルカの勝ち。正直、チェバントンがいたらなという試合だった。 ■独り言 セビリア2連敗。まさか負けるとは思わなかった。しかし、マジョルカのように、セビリアのサッカーを研究してくるチームが増えれば、ここから結構苦しくなると思う。ここからは監督の腕の見せ所。 マジョルカは相当良かった。なぜにこの順位なのだろう。。。
posted by josepgualdiola |11:41 |
リーガエスパニョーラ/06~07 |
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Re:消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
いつも「すげえ~~詳しく観戦・分析してるよな~~」と感心しながら読ませてもらっています。今回分析されたマジョルカ戦は残念ながら観ていないのですが、先日念願叶ってやっとセビージャの試合を観る事ができました(※ずっと観る機会に恵まれなかったんです)。良いサッカーしてますよね。ただキレイ過ぎてしまい、その分もろさもあるのかな~~と感じたりしますけど、、、。ユーロ2004の時のデンマーク代表みたいに。。。
調子の下がっているバルサ、調子の上がってきたバレンシア、新戦力が今後どうなるかわからないレアル、ダブル司令塔のサラゴサ、ここにセビージャが加われば、近年稀にみる優勝争いがリーガでも見れるかもしれないので、今後の巻き返しに期待したいです。
posted by シャビ・アロンソ | 2007-01-17 15:19
Re:消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
初めてコメントさせていただきます
基本的にはバルサファンなのですが、昨季途中からセビージャも自分の中で注目してみています
シャビ・アロンソさんの言われているユーロ2004のデンマークは言いえて妙ですね
かなりしっくりきました
個人的なセビージャの印象は、選手はもっとイケイケなんだと思います。しかし監督はかなりのリアリストなんだと思います
今まではそのバランスが絶妙なところで保たれていたのに、今シーズンの快進撃でそのバランスが監督よりになってきたのでは無いか?
ちょっとそんな気がします
posted by ソシォ | 2007-01-17 17:41
Re:消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
特にひいきにしてるチームが無い自分にとっては、勝ち点が詰まってきて嬉しいです。どの国のリーグよりもリーガは混戦なので。最近、また勝ち始めたバレンシアが不気味です。まだまだ、リーガは長いのでこのままいくとは思いませんが。
posted by サトウ | 2007-01-17 18:23
Re:消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
コメントありがとうございます。
>>シャビ・アロンソさん
お褒めの言葉ありがとうございます。ユーロ2004のデンマークですか。パスをつなぐ良いチームだったけど、チェコにやられたと記憶しています。あそこまでもろくはないと思いますが、かなり的を得ていると思います。これも言われるまでは思いつきもしませんでした。
>>ソシォさん
はじまして!自分も選手はイケイケだと思います。レナト、ポウルセン以外の選手はかなり攻撃意識が高い選手だと思います。
監督がそれをコントロールしているのはまさにそうかもしれませんね。良いバランスを取ってもらいたいです。
>>サトウさん
大混戦ですね。リーガは下位と上位のチームの力の差がそこまで離れていないので、接戦が良く見られます。
あとバレンシアはそんなに観ないのですが、このチームは波に乗ると、ずっとその波に、のりっぱなしになる傾向があります。やはり優勝候補だと思いますよ。
posted by josepgualdiola | 2007-01-17 19:39
Re:消極的なセビリア ~マジョルカ戦~
こんばんは
セビージャは、ダニエウ・アウベス、アドリアーノ、へスス・ナバスから織り成すサイド攻撃から、ルイス・ファビアーノ、カヌーテのリーガでも屈指の破壊力を持つ2トップへ、クロスを供給する形を得意としている(いわば生命線の)チームですよね、ですからサイドを封じられると、どうしても停滞してしまいます。
posted by mussan | 2007-01-19 23:34


