2007年05月27日

日本ダービー~必然の快挙。~

ヴィクトリーが出遅れた。

一瞬立ち遅れただけでなく、隣にいたアサクサキングスに寄られる格好になってしまい、完全にリズムを失った。そして、道中は掛かってしまい、4番手まで押し上げるというチグハグな競馬。ヴィクトリー&田中勝春のダービーは、そこで終わりを告げた。

フサイチホウオーが掛かった。

いうまでもなく、ダービーは世代の頂点を決める舞台。その舞台で栄冠を手に入れるためには、馬と喧嘩していてはいけない。フサイチホウオー&安藤勝己のダービーは、そこで終わりを告げた。

アサクサキングスがハナに立ち、気分良く飛ばす。サンツェッペリンが2番手につける。鞍上は、先週、先々週とそれぞれG1を制した福永祐一と松岡正海。積極策は自信の表れか。

4コーナーを過ぎ、直線に入っても前を行く2頭の脚色が衰える様子は見えない。ヴィクトリーも抜け出そうとするが、すでに脚色は鈍っている。

さあ、何が来るのか──その刹那、ヴィクトリー、プラテアードの間を力強く抜けていく1頭の馬が視界に飛び込んできた。

ウオッカだ。

新聞上で、「何を考えているのかわからない」とまで言われたウオッカのダービー挑戦。その答えは、直線での鮮やかな弾けっぷりが表していた。「ダービー馬になれる自信があるから出走を選択したんだ」と。

終わってみれば、2着に3馬身差をつけての圧勝。父よりも強くあって欲しいという願いをこめて命名された「ウオッカ」の走りは、すでに父を超えているのかもしれない。それほどまでに、ウオッカは強かった。

posted by 犬太 |16:54 | 競馬コラム | コメント(3) | トラックバック(2)
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2007年05月14日

5年目&3年目、府中のターフを鮮やかに彩ったフレッシュコンビ。

ハナ差でG1初制覇を逃した皐月賞から約1ヶ月。検量質へと引き上げる際に地面へと投げたヘルメットは、この日はしっかりと頭を覆っていた。そしてその代わりにジョッキーの命ともいえる鞭がスタンドへ投げられていた。昨年は北村宏司がG1初制覇を成し遂げたヴィクトリアマイルで、今年もまた新たなG1ジョッキーが誕生した。

松岡が手綱を取った馬は、コイウタ。前川清さんの持ち馬ということで昨シーズンの牝馬クラシック路線でも注目を集めていたが、桜花賞では3着、オークスでは競走中止と満足のいく成績を残すまでには至らなかった。前走のダービー卿CTで2着に食い込んだものの、カワカミプリンセス、スイープトウショウといった強豪揃いのメンバーにおいて、単勝60.1倍の12番人気にとどまった。

「馬の行く気に任せて乗った」とレース後に振り返ったように、道中は無理なく6番手につける。そして直線に入ると、迷わずインへ進路を取る。先週のNHKマイルカップで内が壊滅状態だったことから各ジョッキーともインを嫌う傾向が強かったが、松岡曰く「自分の勘を信じて乗った」。

松岡によってインへと導かれたコイウタは、競走中止のオークス以外で3着以内を外していないという得意なコースで文字通り「弾けた」。逃げ粘るアサヒライジングを内から交わし去ると、後はゴールまで一直線。鬼気迫る松岡の追いっぷりに応え、半馬身差をつけてG1のゴール版を真っ先に駆け抜けた。ゴール版を過ぎた後には渾身のガッツポーズを見せ、嬉しさを目いっぱい表現した。

嬉しかったのは、調教師もまた然りだろう。コイウタを管理する奥平調教師は若干34歳。開業から僅か3年でのG1制覇となった。ジョッキー5年目の松岡と、調教師3年目の奥平。この日、府中のターフを彩ったのは、フレッシュなコンビだった。

posted by 犬太 |23:06 | 競馬コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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