2007年04月25日

ウェズレイ~「猛犬」の魂が朽ちることはない。~

2007年3月31日、ウェズレイは、外国籍選手としては初となるJリーグ通算100ゴールを達成した。そして、ゴール後はいつものように矢を放つパフォーマンスを披露していた。

ウェズレイとコンビを組み、J屈指のツートップを形成している日本代表・佐藤寿人は、ウェズレイからのアシストでゴールを決めると真っ先に彼の所に駆け寄る。そして、ウェズレイがゴールを決めた際には一緒に矢を放つパフォーマンスを見せたり、片膝をついてスパイクを磨く仕草を見せる。

ウェズレイが異国の地・日本に足を踏み入れたのは2000年。入団直後からその実力を如何なく発揮し、2001年から2003年にかけては毎年20ゴール以上を挙げるという驚異的な活躍を見せた。

そして、2003年に結成されたのが、同じブラジル人のマルケスと組む当時最強の呼び声も高かったツートップだった。マルケスが幾度となくチャンスメイクをし、ウェズレイが何度と無くゴールネットを揺らす。この年、ウェズレイは得点王に輝き、Jリーグベストイレブンにも選出された。ウェズレイはまさにピチブー(猛犬)と化していた。

誰がこの男を止めるのか──ストップ・ザ・ウェズレイが対戦相手の至上命題となっていたこの頃、思わぬ形でウェズレイは日本を去ることなってしまった。よくある事と言えばよくある事だが、監督との折り合いが合わず、退団。皮肉なことに、猛犬を止められなかったには、自チームの指揮官だった。これにより、2005年シーズンを以ってウェズレイは日本に「サヨナラ」を告げたかに思えた。

だが、Jのクラブはウェズレイを見放してはいなかった。サンフレッチェ広島が移籍先が見つかっていなかったウェズレイにオファーを送り、ウェズレイは再び日本に活躍の場を求めることとなった。そして、それから現在に至るまでの活躍ぶりは周知の事実である。

ウェズレイほどチームメイトから信頼を受け、またその信頼に応えてきた選手はそうはいない。35歳を迎えてもなお、猛犬の魂が滾ることは無いはずだ。

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posted by 犬太 |22:58 | Jリーグプレイヤーズコラム | コメント(2) | トラックバック(0)
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2007年04月15日

15年ぶりの栄光。その裏には、初めて味わった悔しさがあった。

命の次に大切なお金を長方形の紙に託す競馬ファンは通常、馬券が当たらない限り100%勝者を祝福することはできない。そして、その祝福の度合いは配当金が大きさに反比例して少なくなっていく。

皐月賞もそうだった。7番人気のヴィクトリーがハナ差で15番人気のサンツェッペリンとの叩き合いを制した。馬連94,630円、3連単に至っては 1,623,250円。レース終了後後、えも言えぬ空気が中山競馬場を支配した。

だが、その空気は1人の男によって劇的な変化を遂げることとなる。ヴィクトリーの鞍上・田中勝春が表彰式のため公の場に姿を表すと、ヴィクトリーのオーナー・近藤英子氏の夫で「アドマイヤ」のオーナーでもある近藤利一氏と固く抱擁を交わし、岡部幸雄氏とも抱擁を交わす。そして勝利ジョッキーインタビューで滲み出る田中勝春の朴訥とした人柄。いつしか中山競馬場は、大きな拍手に包まれていた。

その一方で、レースを終え、検量室に向かう道中「あー、ちくしょう!」と声を荒げ、持っていたヘルメットを地面に叩きつけ悔しさを前面に押し出していたのが、15番人気・サンツェッペリンを2着に持ってきた松岡正海だった。一旦はヴィクトリーを交わし先頭に立っていただけに悔しさもひとしおだろう。たとえ15番人気でG1連対を果たすという大仕事をやってのけても、負けは負け。その「勝負師としての心」が、松岡を納得させなかった。

勝者と敗者のコントラストは、あまりに鮮やかだった。だが、この日は「カッチースマイル」が全開だった田中勝春も、4年前の皐月賞ではネオユニヴァースの後塵を喫し、唇を噛み締めていた。アイルランドへの武者修行を経て一回りも二回りも大きくなった松岡がこの日味わった悔しさ──それが晴れる日が、いつか来るはずだ。そして、その悔しさを晴らす最大にして最高の舞台は、5月27日、東京競馬場。そのレースの名は、「日本ダービー」だ。

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posted by 犬太 |18:56 | 競馬コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2007年04月07日

FC東京vsアルビレックス新潟~観客の「顧客満足度」を満たした1人の男。~

前半終了時、FC東京サポーターからブーイングが沸き起こった。0-1で負けているから?ベンチに控える豪華なメンツを出さないから?

否、試合の内容を指してのブーイングだろう。

FC東京がボールを奪った。さあ、カウンターだ。サポーターにも期待感が充満する。しかし、カウンターの起点となるべきファーストパスがミスパスになり、新潟ボールとなる。

前半、一連のこの流れを何度見た事だろうか。はっきりいって、前半のFC東京は酷かった。パスがつながらないことには何も始まらない。というより、パスを正確に通せないようではサッカーにならない。FC東京はこの試合を1-3というスコアで終えたが、この結果は極めて全う、むしろもっと点差がついてもおかしくなかった。

FC東京の酷さが目に余った前半だったが、前半新潟が先制点を挙げるまでは、新潟も決して誉められた内容とは言えなかった。前線からのプレスは効いているし、中央を突破するショートパスも随所に見られた。しかし、肝心のラストパスがつながらない。ミスをしてマイボールになったかと思えば、ミスをして相手ボールになってしまう。こんなことが、プロの試合で何度も起こっていた。

その雰囲気を一変させ、試合に「渇」を入れたのが、新潟に先制点をもたらした坂本だ。ペナルティエリア付近で川口からボールを奪うと、中へと切れ込み、右足一閃。ボールを奪う所での予測、そのまま中へと切り込み迷わずシュートを選択した判断。「これがプロだ」という見本を示さんばかりだった。

坂本が果たした仕事は、これだけではなかった。後半立ち上がり、U-22代表でキャプテンマークを巻く伊野波と対峙すると、絶妙な切り返しでかわし、ペナルティエリア内へ侵入。伊野波は手で止めるより術がなく、PKを献上。この日2枚目となるイエローカードを受けた伊野波はピッチ外へと去った。

結局この試合新潟は坂本の得たPKも含めて計3点を挙げ、アウェーで勝ち点3を得る結果となった。新潟の勝利に大きく貢献したのは、間違いなく坂本だった。そして坂本がこの試合で示した「プロフェッショナル」は、プロのサッカーの試合を観るべくスタジアムに足を運んだ観客の顧客満足度を確実に満たすものとなった。

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posted by 犬太 |21:59 | Jリーグマッチコラム | コメント(4) | トラックバック(0)
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2007年04月07日

浦和レッズvsジュビロ磐田~さいたまスタジアムに眠り続ける「勝ち点0」。~

ショートパスを多用し、犬塚、上田の両サイドバックも積極的に攻撃に参加。カウンター時には攻撃へとスイッチを切り替え3人、4人と浦和ゴールに向かって猛ダッシュを敢行する。前線では驚異的な運動量を誇る太田が至る所に顔を出し、チャンスメイクに奔走する。

この試合の内容に関してだけ言えば、五分、あるいは磐田の方が試合をより優勢に進めていたように思える。端的なこの試合の磐田への印象が前述のものだが、怪我人が続出しベストメンバーとは程遠い状態の中で前節まで3連勝と勝ち点を積み重ね続けた理由が紐解けたようだった。

開幕当初よりは改善されたものの、やはり後方からの追い越し、前線への飛び出し、ポジションチェンジなど、攻撃面でのバリエーションの乏しさが目に付く。また1度押し込まれる時間を迎えてしまうと、全体的にラインが下がってしまい、結果として攻撃への切り替えの遅さを招く。

それでも、試合終了後は笑顔でサポーターに勝利の報告をする。

浦和に関しては、端的な試合の印象はあまりアテにならないのかもしれない。結果と内容が伴わないことが特に珍しい訳ではないが、浦和に関してはこの部分の不一致が相当に多い。

この日の試合もそうだ。浦和はこの試合、前半半ば、後半開始後と2度に渡って完全にゲームを支配されていた。セカンドボールをことごとく拾われ続け、終盤には磐田の攻撃のキーマン・太田を自由にさせてしまったことで決定的なピンチも招いた。

それでも、勝ち点3を手土産にスタジアムを去っていった。

小野からワシントンへピンポイントのクロス。ワシントンは磐田DFを引き連れながら、ダイビングヘッドを決める。

ポンテから永井へくさびのパス。磐田ゴールへ向かってフリーランを敢行するポンテの姿が永井に見えていないはずがなかった。リターンを受けたポンテが豪快にゴールネットへ突き刺す。

その結果、浦和のホーム無敗記録がさらに延びることとなった。

選手達が昨シーズンを通して身につけたメンタリティー、「勝者のメンタリティー」を3年かけて選手達に教え込ませたギド・ブッフバルトが見守る中、浦和がさいたまスタジアムでまたしても勝ち点を積み上げた。浦和が勝ち点なくしてさいたまスタジアムを去る日が、果たしてやってくるのだろうか。

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posted by 犬太 |21:03 | Jリーグマッチコラム | コメント(3) | トラックバック(1)
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