2006年12月30日

Jクラブ総括2006~名古屋グランパスエイト編~

名古屋を語る上で付いてまわって来るキーワードに「中位力」というものがある。親会社の潤沢な資金力を背景に積極的な補強を行なうものの結果が伴わず、中位でシーズンを終えることが多いという意味だ。そして、今シーズンもこの例に漏れず、7位という順位でシーズンを終えた。

柏からドイツワールドカップにも出場した玉田、ベルギーの名門・クラブ・ブルージュからスピラールを獲得した今シーズン、開幕戦こそ前年度の最終節で惜しくも優勝を逃したセレッソ大阪に勝利したものの、玉田がなかなかチームにフィットせず、ディフェンス陣の核として期待されたスピラールは怪我で試合に出場することが出来ず、チームは下降線を辿った。降格争いも現実味を帯びてくるほどにチーム状態はどん底だった。

そんな名古屋を救ったのが、北欧のノルウェーから真夏の日本にやってきた現役ノルウェー代表FW・ヨンセンだった。Jリーグデビュー戦となったジェフ千葉戦でいきなり2ゴールを挙げる鮮烈なデビューを果たすと、その後の試合でもここぞという所での勝負強さを見せ、17試合で10得点という抜群の決定力でチームの勝利に大きく貢献した。

ヨンセンの貢献度はこれだけにとどまらなかった。ヨンセン加入以後、パートナーを組む快速FW・杉本のゴールが急増し、大宮戦ではプロ入り後初となるハットトリックを達成した。前線でヨンセンがボールを収めてくれることで杉本が自由に飛び出せるようになり、またヨンセンへのマークが厳しくなることで杉本がフリーになる場面が以前よりも増えたのだ。

そしてもう1人の助っ人・スピラールも怪我からの復帰以降、守備に安定をもたらし、寸での所でのクリアーなど失点に直結する場面での体を張ったプレーでチームの危機を何度も救った。また春先の怪我により川島にポジションを奪われていた楢崎も次第に本来のパフォーマンスを取り戻し、リーグ優勝を果たした浦和をホームに迎えた1戦では雨あられのように降り注ぐ浦和のシュートを防ぎ切り、リーグの盛り上げにも一役買う恰好となった。

オシム就任以降、代表に選出された中村、本田の働きぶりも見逃せない。特に本田は代表の正GKでもある川口から得意の「無回転シュート」でゴールを奪うなど1年目に勝るとも劣らない強烈な印象を残した。さらにフェルフォーセンの下、左サイドバックで起用されることも多く、守備面においても急激な成長を見せた。

来シーズンさらなる飛躍を遂げるべく、再び積極的な補強を見せるかに思えた今オフだが、今の所ジェフ千葉の阿部を狙っているという以外にそれほど目立った動きを見せていない。それとは反対に、駒沢大学から巻佑樹を獲得したのをはじめ、ユースから4人を昇格させるなど、若手の発掘・育成に力を注いでいる。その成果は確実に表れており、今年の高円宮杯では準優勝、そして同じく準優勝を果たしたUー19ワールドユースにはユース上がりの青山がレギュラーとして試合に出場した。

今、名古屋は大きな転換期を迎えている。「中位力」から脱却するために、そしてヴェンゲルやストイコビッチが在籍していた時期でも成し遂げられなかったリーグ優勝を成し遂げるために。

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posted by 犬太 |19:46 | Jクラブ総括2006 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年12月29日

ガンバvs札幌&浦和vs鹿島、どのチームが敗れても「ラスト・マッチ」

ガンバ一筋12年、来年からオーストリア・ザルツブルグでプレーすることとなった宮本恒靖。コンサドーレ札幌を率いて3年、札幌のスタイルとなった攻撃サッカーを完成の域に近づけ、惜しまれつつも今シーズン限りでの退任が決定している柳下正明。今大会にかけるバックボーンを持つ両チームの試合は、期待に違わぬ好ゲームとなった。

先制したのはガンバだった。FKのこぼれ球を拾うと、マグノ・アウベスへとつなぎカウンターを開始する。マグノ・アウベスから前田→加地へと渡り、1度はDFに防がれたものの、最後は加地が押し込んだ。

何としても同点に追いつきたい札幌はサイドから攻撃を仕掛け、何度も好機を得たが、どうしても点が奪えない。すると後半7分、セットプレーの流れで前線に残っていたフリーの宮本にボールが渡ると、中央へ折り返し前田が難なく追加点を決める。リプレイを見る限りオフサイドのようにも見え、札幌にとっては不運な形での失点となった。

このままでは終われない札幌はその2分後、芳賀のクロスがDFに当たりコースが変わったところを相川が見事なダイレクトボレーでゴールネットを揺らし、1点差にまで詰め寄るが、終盤はガンバが試合巧者ぶりを発揮し同点に追いつくことが出来ず、ジ・エンド。ガンバが元旦に国立で試合をする権利を獲得した。

そしてその国立で行なわれた「赤ダービー」浦和レッズvs鹿島アントラーズの試合も両者の意地が激突した素晴らしいゲームとなった。

試合が動いたのは40分だった。鈴木からの絶妙なパスを受けた小野が右足のインサイドでゴール左隅へ流し込んだ。「ゴールへのパス」という表現が良く似合う技ありのゴールだった。

ハーフタイム時に岩政と永井が小競り合いをするなど徐々に熱を帯びていったこの試合を振り出しに戻したのはその岩政だった。69分、野沢のFKに背中で押し込んだ。「体ごと押し込んだ」という表現が良く似合う泥臭いゴールだった。

浦和にとって3試合連続となる延長戦も考えられた試合に決着をつけたのは、ポンテと小野の鮮やかなコンビネーションだった。81分、ポンテがドリブルで持ち込むと小野へ一旦ボールを預け、小野はヒールで再びポンテへ。ポンテの放ったシュートはDFに当たったことでコースを変え、そのままゴールネットへと吸い込まれた。その後は故障が癒えた堀之内を投入するなど万全の逃げ切り体制を整え鹿島の猛攻を凌いだ浦和が、2年連続で元旦に国立のピッチに立つ事となった。

敗れた鹿島はアウトゥオリ監督が退任、そして足掛け15年、Jリーグ元年からチームを支え続けた本田泰人はこの試合を最後に選手生活を退くこととなった。

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posted by 犬太 |17:12 | 天皇杯コラム | コメント(0) | トラックバック(4)
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2006年12月29日

現段階での移籍市場に見る来期の展望

1月1日が終わると、国内のサッカーは3月までしばしの休息に入る。しかし、選手に束の間の休息があったとしても、来期の戦力補強のために奔走するフロントに休息はない。では、ここで現時点での移籍動向を振り返っておこう。

昇格2年目ながらACLに出場することが出来る年間2位で今シーズンを終えた川崎フロンターレ。ウィークポイントであるGKにカテゴリー別代表経験のある川島を名古屋グランパスエイトから補強した。そして北京五輪予選に選ばれるであろう谷口の穴埋めとして共に戦力外通告を受けたベガルタ仙台の村上、柏レイソルの落合を補強。さらに磐田から河村をレンタルで獲得し、やるべきことは年内にやり終えたという印象だ。

昇格組では、神戸の活発な動きが目立つ。山形から(厳密に言うとナシオナルからだが)今期23得点を挙げたレアンドロをレンタルで獲得すると、横浜FマリノスからGK榎本達也を完全移籍で獲得、さらに天皇杯・大宮戦でも得点を挙げたJFL・YKK APの岸田を獲得するなど補強に余念が無い。巷の噂ではセレッソ大阪の大久保の完全移籍での獲得を目指しているとのことで、今オフの神戸の動きから目が離せない。

J2で活発な動きを見せているのが、1年でのJ1昇格という目標を達成できなかった東京ヴェルディ1969だ。磐田の常勝時代を知る服部の獲得をはじめ、湘南のチャンスメイカー・佐藤悠介、さらに現在磐田からセレッソ大阪にレンタルされている名波、同じく川崎から札幌へレンタルされているフッキの獲得も噂されている。

前述の佐藤悠介を引き抜かれた湘南もいつになく積極的な動きを見せている。FC東京を戦力外になったジャーンの獲得を早々に発表すると、フランスワールドカップのメンバーでもある清水の斉藤を獲得。さらにJ1で自力を積んだ中里、柿本をレンタルから復帰させるなど、「神奈川4番目のチーム」に成り下がってしまった「湘南の暴れん坊」が本気でJ1の舞台への復帰を目論んでいる。

降格組では前回の降格からJ1復帰までに2シーズンを費やした京都パープルサンガが、チーム名を京都サンガF.C.に一新すると共に1年でのJ1復帰を目指すべく、着々と準備を進めている。パウリーニョ、アンドレをはじめとした主力選手の流出を抑えると、今シーズンJ1ワーストとなる74失点を喫したディフェンス陣のテコ入れとして秋田、森岡といった世界を知る経験豊富なベテランを補強。同じミスを2度繰り返してはならぬというフロントの強い意気込みが伝わってくるようだ。

現時点では大物の移籍はまだないが、浦和、FC東京、名古屋が狙っているとされるジェフ千葉の阿部をはじめ、2年連続J2日本人得点王であるサガン鳥栖の新居、さらにはフロントとの意見の相違から主力選手の流出も考えられる横浜F・マリノスの選手の動向も気になるところである。オフシーズンもJリーグから目が離せない。

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posted by 犬太 |00:43 | 徒然なるままのコラム | コメント(3) | トラックバック(0)
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2006年12月25日

J2第5節・横浜FCvsコンサドーレ札幌

全体を通して能動的なサッカーを展開していたのは札幌だった。「攻撃は最大の防御」といわんばかりに攻撃に重きを置き、西谷、芳賀の両ウイングバックがゴール前まで上がってフィニッシュに絡むシーンも度々あった。さらにセンターバックの加賀も積極的な攻撃参加を見せ、未だにチームのスタイルが確立されていないクラブが多い中にあって札幌の明確なスタイル=「攻撃的なサッカー」は見ていて気持ちの良いものだった。

それでも、笑ってスタジアムを後にしたのは横浜FCだった。ピンチこそあったものの、いずれも決定的なチャンスまでには至らせず、トゥイード、菅野を中心とした「ここぞ」という場面での集中力を持ったディフェンスが光った。そして定石通りのカウンターから内田がドリブルで持ち込み、最後はDFをかわした北村が左足一閃。この得点にかかった人数は僅か2人だった。

スタッツだけを見ると、格下のチームが格上のチームに勝つための常套手段であったとも言えるかもしれない。しかし、リードしている時の時間の使い方1つをとっても横浜FCの方が格上のオーラを放っていた。それは残り時間が少なくなっても勝利を焦る素振りを見せることのなかった横浜FCと、時間が経過するにつれてイライラが募り、プレーの精度を欠いた札幌を見れば一目瞭然だろう。

この試合で横浜FCが証明したものは2つあった。それは前節・山形戦での完封勝ちが決してフロックではなかったということ、そしてこの試合を機に横浜FCの「格」がより高いものに変わったということだ。

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posted by 犬太 |23:00 | 横浜FC | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年12月24日

WINSで観た有馬記念、そこは「小さな競馬場」だった。

少なくとも「WINS」という場所は、馬券を買う、ただそれだけのために存在するものだと思っている。そして、そのためだけにWINSへ来る人達は競馬場に足を運ぶ人達とは全く異なるオーラを放つ。G1のレース前の恒例ともなっているファンファーレに合わせた手拍子など一切せず、その間にも最終レースの検討を行なっているほどである。

しかし、この日のWINSは何かが違っていた。普段の競馬においては明らかに「温度差」のある競馬場とWINSが、見事にシンクロした空気を醸し出していたのだ。象徴的なのが、スイープトウショウがゲート入りをゴネたシーンだ。競馬場での音声を聞く限り、スイープトウショウの一挙手一投足に大きなどよめきが湧き上がり、ようやくゲート入りを果たした際には大きな拍手が沸き起こっていた。そしてWINSでも特別騒ぎ立てることなくその戦況をじっと見守り、ゲート入りを果たした際にはWINSには安堵感のようなものが広がっていた。表現は違えど、スイープトウショウの枠入りを願う気持ちは、競馬場もWINSも同じだった。

ゲートが開き、レースが始まると、大逃げ宣言をしていたアドマイヤメインと柴田善臣が公言通りの大逃げを見せた。ディープインパクトと武豊は後方から3番手に構え、ゲート入りに手間取った紅一点・スイープトウショウと池添謙一はその後ろにつけた。前に目をやると角居厩舎の2頭・デルタブルース、ポップロックが同じようなポジションを取り、その2頭の後ろにはドリームパスポート、前にはメイショウサムソンと今年の牡馬クラシック路線を牽引した馬が構え、距離の不安が囁かれていたダイワメジャーは2番手に控えた。

1周目を過ぎ、向こう正面に入りカメラがググっと引くと同時に、競馬場、WINSから大きなどよめきが起こった。先頭を行くアドマイヤメインと後続との差が大きく開いていたからである。「本当にディープは届くのか?!」そんな空気が競馬場、WINSを支配していた。

4コーナーに入ると、アドマイヤメインと後続の差は詰まり、後続馬に捕らえられるのはもはや時間の問題だった。すると「さて、どの馬が抜け出して来るのかな」とこちらが冷静に見る間もなく、ディープインパクトの鹿毛の馬体がカメラの前を横切り、あっという間に先頭に踊り出た。

こうなると、中山競馬場、そして2500Mという特殊な距離もディープの前では全く無と化す。ディープ劇場の最終章は、ポップロックに3馬身差をつける圧勝劇だった。

ところで、ディープが勝ったという事だけは解ったが、掲示板に着順が表示されるまで2着・3着馬が全く解らなかった。ディープ1頭に目が行ってしまったことにもよるが、場内で流れる実況の音声が競馬場に勝るとも劣らないWINS内での大歓声で、直線に入ってからほどんどまともに聞き取れなかったのだ。この日のWINSはまさに「小さな競馬場」だった。そして、その空間を作り上げたのは、紛れも無くディープインパクトだった。

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posted by 犬太 |21:14 | 競馬コラム | コメント(2) | トラックバック(1)
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2006年12月24日

ディープインパクト(有馬)記念にしか見えないテレビでの報道

ディープ、ディープ、ディープ。スポーツ新聞から一般の新聞、そしてテレビ。この1週間はまさに「ディープウィーク」だった。

それにしてもディープ人気は尋常ではない。800人が前日から入場門の前で徹夜を敢行し、前売り券は既に完売している。近年の有馬記念の中でも例を見ない盛り上がり方だ。

さて、当のディープはというと、凱旋門賞からのリベンジを期したジャパンカップが目イチの仕上げかとも思われたが、調教を見る限りでは体調に問題はなさそうだ。そうなってくると昨年生涯初となる敗北を喫した中山2500Mへの対応が鍵となってくる。昨年はいつもように大外を捲る「ディープ街道」を通り、先を行くハーツクライを捉え切れなかった。ジャパンカップで再確認した自分のスタイルを貫くのか、それとも天皇賞・春で見せたような4角先頭の積極的な競馬を見せるのか。いずれにせよ、レース前、レース中、そしてレース後もディープが話題の中心であることは間違いないだろう。

だが、ディープがクローズアップされる一方で、トウショウボーイとテンポイント(さらにグリーングラス)による「日本競馬史上最高のレース」とも称されたマッチレースや一代ブームを巻き起こしたオグリキャップ感動のラストラン、トウカイテイオー奇跡の復活、そしてグラスワンダーとスペシャルウィークのハナ差の激闘など数々の名勝負を作った舞台である「有馬記念」という固有名詞として紙面を賑わすことは無かった。世間的に見れば、「有馬記念」は「ディープの引退レース」というだけのものになっている。それは決して健全な姿とは言えない。

競走馬がいるから、レースが成り立つ。そして出走する競走馬のレベルが上がってこそレースの価値は上がり、勝利馬に対する評価も上がる。ディープ以外にも、今年の有馬記念には多士済々の馬が出走してきている。

降着の憂き目に遭ったものの、エリザベス女王杯でスイープトウショウ、ディアデラノビアといった歴戦の古馬相手に先着を許さなかったカワカミプリンセス、5連勝でジャパンカップダートを制したアロンダイト、そして先週のフサイチリシャール・・・今年の3歳馬のレベルが高いことは周知の事実だ。ジャパンカップ2着などG1・2着3回を数えるドリームパスポートは雪辱に燃えることだろう。そして春2冠のメイショウサムソンは不完全燃焼に終わった秋3戦からの巻き返しをすべく、ハードな調教を積んできている。中山2500Mという特殊な条件下で3歳馬の台頭があっても不思議ではない。

さらには世界で戦った経験値を持つ5歳世代が待ち受ける。メルボルンカップでワン・ツー・フィニッシュの離れ業を演じて見せた角居厩舎の2頭・デルタブルース、ポップロックにはそれぞれ岩田、ペリエといった名手が手綱を取る。名手と言えばこの秋充実の一途を辿っているダイワメジャーには今年G1・3勝の「アンカツ」こと安藤勝己が跨る。

それ以外にも大逃げ宣言をしているアドマイヤメインやコスモバルク、前述の紅一点・スイープトウショウも虎視眈々と番狂わせを目論んでいる。さらにデビュー10年目の武士沢に初となる重賞のタイトルをプレゼントしたトウショウナイト、サマー2000シリーズ初代王者・スウィフトカレント、「ディープ世代」の1頭で11ヶ月ぶりの出走となるアドマイヤフジ、芦毛の名馬・タマモクロスの遺児であるウインジェネラーレ、佐賀で初勝利を挙げたトーセンシャナオーとバラエティに富んだメンバーが揃っている。

ディープばかりに目がいってしまうのも致し方ないことではあるが、ファンに選ばれた馬、そして推薦を受けた馬が走る「有馬記念」というレースを色々な角度から見てもらえたらな、と思う。今日はあまりにもディープ偏重のテレビ番組が多すぎた。

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posted by 犬太 |03:30 | 競馬コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年12月23日

浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

アビスパ福岡との死闘から1週間。この間に起こった出来事については既に皆さんの知るところだろう。

今シーズン全試合に出場した三都主アレサンドロのオーストリア・ザルツブルグへの期限付き移籍が決定した。来年ACLを戦うチームにとっては手痛い損失となるが、巷では浦和に対する悲観論はそれほど飛び交っていないように感じる。

その大きな理由として挙げられるのが、相馬の存在だろう。ヴェルディ時代に頭角を現し、一時期は代表入りも噂された実力の持ち主である。ドリブルを最大の武器とし、レアル・マドリードとの親善試合では、レアルにコンディションの問題があったにせよ、左サイドを幾度と無く切り裂き、鮮烈な印象を残した。

左サイドは問題ない。となるとこの試合で問題となってくるのが、ブラジルに帰国した闘莉王、ワシントンを誰が埋めるのかということだ。特に闘莉王はガンバにおける遠藤と同じく、試合に出ていないことがチームの結果にダイレクトに影響するレベルの選手だ。そして今日の相手は闘利王が累積警告によりリーグ戦で唯一出場できなかった磐田である。その時のチームは鉄壁のディフェンスが崩壊し、3点を失った。福岡戦での不安要素が精神的なものだとすれば、この試合の不安要素は主力選手の不在だった。

果たして、その不安は的中してしまった。前半から磐田に主導権を握られると31分、犬塚の絶妙のクロスに前田が頭で合わせ、先制点を許し、ビハインドで前半を折り返す。西、太田がサイドで起点を作り、犬塚、上田の若い両サイドバックが高い位置をキープする。そしてファブリシオがゲームを組み立て、前田、福西がフィニッシュに絡んでいく。連動性溢れる磐田の攻撃に浦和はなす術がなかった。さらに攻撃では持ち味を発揮していた相馬だったが、ディフェンスになると裏を狙われるシーンが多く、攻撃と守備のバランスに苦労していた。この辺りが三都主との経験の差なのだろうか。味方のフォローが遅かったこともあり、残念ながら前半の浦和のウィークポイントになっていた。

スコア、内容共に劣勢に立たされた浦和は後半から小野を投入し、何とか流れを変えようとした。しかし後半開始直後の46分、上田のクロスに前田が頭で落とすと、そこに福西が飛び込み2-0。磐田の鮮やかな攻撃の前に手も足も出なかった。

手の足も出なかった浦和だったが、その中にあった唯一出ていたもの、それは浦和サポーターの「声」だった。2点ビハインドという状況下にあっても依然として浦和サポーターの声援が鳴り止むことは無かった。それどころか、浦和の逆転を信じ、さらに声援を強めていった。「レッズが好きだから」試合中何度も映し出されたその言葉は、まさに浦和サポーターの想いそのものだった。

その言葉を見たかどうかはわからないが、サポーターの声援は確実に浦和の選手の耳に届いている。ここから浦和の反撃が始まった。

相馬のクロスに合わせた永井のヘッドは惜しくもゴールラインを割ることが出来なかったが、63分、山田のクロスに永井がGKと競り合いながらも押し込み1点差とすると、今度は相馬の右足でのクロスに小野がDFと競り合いながらのダイビングヘッドで同点に。さらに80分にはポンテのスルーパスに反応した小野が技ありのゴールでついに逆転に成功した。「浦和が好きだから」スタメンの機会は少ないものの、浦和一筋でプレーする永井、「浦和が好きだから」慢性的な痛みを抱えながらも足首の手術をせず、リーグ優勝を目指すチームの一員として試合に帯同し、チームを盛り上げた小野。そんな2人が決めたゴールに、スタジアムは興奮のるつぼと化した。

しかし、まだまだ試合は終わらない。逆転ゴールから僅か1分後、ゴール前で前田が潰れ役となり最後は飛び出してきた犬塚が角度のない所からねじこみ、磐田が執念で同点に追いつく。これで3-3。紛れも無く、天皇杯史上に残る死闘となった。

120分間で決着はつかず、試合はPK戦に。5人を終わってホームのアドバンテージを持つ浦和は全員がきっちりと決めた。一方の磐田も数こそ少ないもののサックスブルーのユニフォームを着たサポーターがアウェー特有の大ブーイングの中、チームを鼓舞する。磐田も全員が決め、勝負はサドンデスへと持ち込まれた。

サドンデスに突入してもなお、決着はつかない。そして、決着がついたのは、蹴っていないプレイヤーが残り1人という状況でのことだった。

福岡戦といい今日の磐田戦といい、天皇杯での浦和はリーグ戦に勝るとも劣らないハードなゲームを経験した。その中でリーグ戦ではあまり出場機会に恵まれなかった相馬、細貝が確実に成長の跡を見せている。加えてリーグ戦では闘莉王、ワシントンといった「個」の力に依存しているという向きも強かった浦和だったが、この試合で見せたように闘莉王、ワシントンの不在が「怪我の功名」となっている。「浦和は個人頼み」という世間の逆風に対して2人がいなくても勝てるということを証明した浦和。この試合は、全員の力で掴んだ勝利だった。

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posted by 犬太 |16:31 | 天皇杯コラム | コメント(6) | トラックバック(5)
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2006年12月22日

Jクラブ総括2006~大宮アルディージャ編~

大宮アルディージャのスタイルである「堅守速攻」にポゼッションサッカーのエッセンスを加えることを求めた今シーズン。それが「餅に描いた絵」でないことは、オフシーズンでの積極的な選手補強から見て取れた。

東京ヴェルディ1969から小林大悟、小林慶行を、柏レイソルから土屋征夫、波戸康広、ガンバ大阪から吉原宏太を補強。さらにはホンジュラス代表として日本代表と対戦した際に鮮烈な印象を残したマルティネスも獲得し、チームは前年度のメンバーから大きく様変わりした。

そして迎えた開幕戦、前年度のナビスコカップ王者・ジェフ千葉相手に4-2と打ち合いを制す。新加入の小林大悟が全得点に絡む大活躍を見せ、得点力不足に陥った昨シーズンから一転し、「今年の大宮は違う」という印象を与えた。

しかし、その後が続かなかった。シーズンが進むにつれチームは小林大悟を経由しない限り点が生まれないという「小林大悟依存症」に陥り、FWの柱として期待された新加入のマルティネスも僅か3試合に出場しただけでチームを離れた。そしてレンタルで獲得したグラウは試合を重ねていくにつれてチームにフィットしていったが、これも僅か3ヶ月でチームを去ることとなった。終わってみれば今シーズンFWが挙げた合計得点数は13点。この得点数は川崎フロンターレのボランチ・谷口が今シーズン挙げたゴール数と全く同じだった。

守備に関しては、昨年と比較してパフォーマンスに大きな変化はなく、良い意味での平行線だったといえる。だが、夏場に差し掛かると、選手間で明確な意思統一がなされていたディフェンス時におけるフラットな3ラインが崩れる回数が増えた。その最も顕著に現れた試合がホームで迎えた川崎戦であり、中村からジュニーニョへ簡単にスルーパスを通されるなど中村、ジュニーニョにいいようにやられ、大量5失点を喫した。ストロングポイントを打ち砕かれた大宮はこの試合から8試合に渡って勝ち星から見放され、降格圏内突入も現実味を帯びるほどだった。

それでも終盤は何とか立て直し、リーグ戦3連勝で今シーズンを終えた。とはいえ、終盤の立て直しはあくまで守備に対する意識を強くした去年の大宮のサッカーへの「原点回帰」であり、シーズン当初に新たな大宮のカラーとして加えようとしていたポゼッションの部分に関しては目に見える進歩は見られなかった。そういった意味ではチームの「原点」と「進化」の間での葛藤に苦しんでシーズンだったとも言える。

シーズン前の期待度が高かっただけにネガティブな部分を挙げていったが、ポジティブな部分を挙げるとすれば、前述の小林大悟がクラブ史上初となるA代表への選出を果たしたことだろう。チーム在籍1年目ながら既にチーム内で確固たる地位を確立しており、今後も彼を中心としたチーム作りがなされていくことだろう。さらに同じ中盤では橋本、片岡の成長も著しく、藤本、ディビットソン純マーカス、小林慶行など、こと中盤のタレント・選手層に関してはJ1の中でも水準以上である。

既にチームを長年に渡って支え続けたトニーニョ、久永の退団が決定しており、J2時代から監督を務めた三浦監督も辞任を発表した。来たるべき2007年シーズンに向けて、点の取れるFWとチームの柱となりうるDFを獲得することが今オフ大宮に課せられた最重要課題であると言える。

言い方を変えれば、今オフの動き次第で来シーズンの大宮の出来が左右されると言うことだ。新監督が現在のベースを引き継ぎつついかにしてチーム力の上積みを図れるか、そして新戦力がどれだけチームにフィットするか、それ如何では、一桁順位も見えて来るだろうし、降格の可能性もあり得るだろう。


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posted by 犬太 |21:17 | Jクラブ総括2006 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2006年12月21日

J2第4節・横浜FCvsモンテディオ山形

J2第4節、ホームにモンテディオ山形を迎えた横浜FC。開幕戦の指揮を執った足達監督の姿はすでになく、後任となる高木監督が試合の指揮を執っていた。

前回のホーム開幕戦では、例を見ない早々の監督交代劇に不信感を抱いたサポーターが横断幕、声援を一切排除した「ボイコット」を行なった。チームは続く第3節・徳島戦でも勝利を手にする事が出来ず、3節を終えて未だに未勝利だった。この試合の出来如何ではサポーターの怒りの矛先が高木監督に向いてもおかしくなかった。

だが、前回のホームでの開幕戦とは違った部分が1つだけあった。それは横浜FCサポーターの応援だ。三ツ沢球技場に「ヨ・コ・ハマ!ヨ・コ・ハマ!」の声援が鳴り響く。これが、本来の三ツ沢球技場の正しい姿だ。

あるべき姿を取り戻したスタジアム。その中で選手達は躍動した。

ベテランのカズ、城が前線から献身的にプレスをかけ、それに中盤が連動することでボールホルダーを決してフリーにさせることなく断続的にプレスをかけ続ける。最終ラインではシーズン途中で退団してしまったトゥイード、チョン・ヨンデが体を張り、最後の砦に守護神・菅野が立ちはだかる。後に「ハマナチオ」とも称された鉄壁のディフェンスの礎はこの段階で完成されていた。

攻撃に関してもこの試合が今シーズン初スタメンとなった内田が前線に積極的に飛び出すことで攻撃にアクセントを加え、ボランチの吉野も機を見てはスルスルとゴール前まで上がっていた。攻撃陣に突出した個の力こそないものの、攻撃にサイドハーフだけでなくボランチも絡んでいくことで「3人目の動き」を作り出し、攻撃に厚みを持たせていた。

好守における連動性が出た横浜FCは、36分に得たPKをカズが落ち着いて決め、後に何度も見せることとなるウーノ・ゼロ(1-0)で高木監督就任後初となる勝利を手にした。しかし、この時点で今シーズンの横浜FCの快進撃を予想できた人はほとんどいなかっただろう。横浜FCが見せた快進撃、その出発点はこの試合だった。

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posted by 犬太 |22:52 | 横浜FC | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年12月19日

Jクラブ総括2006~大分トリニータ編~

シャムスカ監督就任以降、劇的に生まれ変わったチームは2006年、中身の伴った成長を遂げ、さらなるステップアップを果たした。

序盤戦こそなかなか波に乗れずに苦しんだが、ワールドカップによる中断明け前から少しずつ波に乗り始め、一時はチーム最高順位である5位まで浮上した。しかしその後は夏場の疲れからかとりこぼす試合が増え、最終節に開幕戦で敗れたFC東京に再び敗れたことで、8位という順位でシーズンを終えた。

今シーズンの大分の躍進の原動力はなんといっても若い力だろう。「飛び飛び級」でA代表に選出された梅崎をはじめ、北京世代不動の正GKにして飛び級でA代表にも選出された西川、さらにアジアユース準優勝時のキャプテン・福元や森重などもリーグ戦での出場機会を得た。それ以外にも大卒ルーキーの高橋がサイドプレーヤーとしての新境地を開拓し、2年目にしてチームに欠かせないストッパーにまで成長した深谷は代表入りが噂されるほどの高いパフォーマンスを見せた。

だだ、「若い力」という項目だけで今シーズンの大分を語るのはもったいない。チームの心臓部を担うドイスボランチのトゥーリオ・エジミウソンのブラジル人コンビや正確な左足で幾度と無くチャンスを演出し、Jリーグアウォーズでフェアプレー賞を受賞した根本、チームの精神的支柱であるキャプテン・三木、上本など、若手・中堅・ベテランが上手く融合したことが今シーズンの大分の大きな強みとなった。

さらに、大分には他のチームにはない大きな特徴がある。それは、日本人のFWで10点以上を挙げた選手を2人輩出したことだ。これは、優勝した浦和以下、今シーズンのJ1のチームにはない部分である。外国人ストライカーが盛隆を極め、「日本人得点王」というジャンルが確立してしまっている今日のJリーグにおいて、爆発的なスピードを誇る松橋、A代表にも選出されポストプレイを得意とし、守備にも労を厭わない高松と対照的なプレイスタイルを持つコンビは、大分の得点源として他チームからも一目置かれる存在になっている。

マグノ・アウベス、吉田といった主力選手を放出しなければならないほどの財政難に陥った昨年の背景からして、今シーズンのオフも選手補強に関しては厳しい状況が予想されるが、退団が決定的なトゥーリオの穴を埋めることが出来るボランチの補強が急務であると言える。さらに、財政的に苦しいクラブの宿命ともいえる主力選手の引き抜きも全くないとは言い切れない。

とはいえ、長期的に見れば明るい材料の方が多いのは確かだ。西川、梅崎、福元と代表選手を既に3人輩出した実績を持つ優秀な下部組織に加え、現在の主力は総じて若い選手が多い。チームの方向性さえ誤らなければ、J1の常連になるにとどまらず、カップ戦などのタイトル獲得も見えて来るだろう。

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posted by 犬太 |21:30 | Jクラブ総括2006 | コメント(5) | トラックバック(0)
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