2007年02月21日
U-22日本代表vsU-22アメリカ代表~宿題は来週までに片付けられるのか?~
いよいよ、北京五輪の予選が来週から始まる。「マイアミの奇跡」を起こしたアトランタ、「日本史上最強」の呼び声も高かったシドニー、「谷間の世代」と揶揄されながらも厳しい予選を勝ち抜いたアテネ。今大会はホーム&アウェー方式が採用されるということで、その戦いが寄り一層厳しくなることは言うまでもない。この試合の注目度は決して高いとは言えなかったが、来週から始まる北京五輪予選に向けてチームの仕上がり具合を試す重要な試合である。 「多くの課題が出るように期待している」と試合前に反町監督は語っていた。対戦相手であるU-22アメリカ代表は主力を欠いた布陣ではあるが、日本にとって格上の相手と言えるだろう。果たして、本番を1週間後に控えたこの試合で、どんな課題が出てくるのか── 日本のスタメンを確認すると、布陣は3-4-3若しくは3-6-1といったところか。3バックは伊野波を中央に置き、右に青山直、左に水本。中盤は本田が守備的なボランチに位置し同じくボランチに入った梶山がゲームメイクを担当。試合を決めることが出来る左足を持つ本田が左サイド、縦への突破と正確なクロスが武器の水野が右サイドに位置し、前線は平山がターゲットとなり、カレン、李が2シャドーに入ることでトライアングルを形成していた。 序盤からペースを握ったのは日本だった。いきなり平山が挨拶代わりのシュートを見舞うと、今度は梶山からの絶妙なスルーパスを受け、ダイレクトで合わせる。さらにはその梶山がミドルレンジでの切り替えしから右足での強烈なシュートを放つ。いずれもゴールにこそならなかったものの、確実にゴールの匂いは漂っていた。 ディフェンスにおいても、アメリカのコンディション不足もあり、それほど大きな破綻をきたすことはなかった。アメリカの選手がボールを持った時のプレスがしっかり効いていて、特にカレンの前線からの献身的な守備が光った。 ただ、その一方で攻撃時のビルドアップの遅さが目に付いた。3バックの3人が自陣でボールを回しているだけという場面が目立ち、オシムのいう「各駅停車」の状態になっていた。これが、反町監督が期待していた「課題」なのだろうか。 後半に入ると、課題は湧き水のように溢れ出してきた。前半はあまり当たりにいっていなかったアメリカだったが、後半に入るとフィジカル・コンタクトでの強さを発揮し、球際での攻防をほとんどものにしていた。そして後半から投入されたジッゾが右サイドを再三切り裂き、本田のポジションを自然と押し下げていた。それにつられるように前からのプレスが効いていた前半とは全く異なり、チーム全体のベクトルが後方になってしまっていた。 こうなってくると、当然好守の切り替えには時間を要する。前半はセットプレーを蹴った後の水野に対して「晃樹戻れ!」という声が飛んだように好守の切り替えが徹底されていたが、後半は運動量が落ちたことも相まって好守の切り替えが徐々に遅れ出していた。 課題はこれだけにとどまらない。家長が投入された後は攻撃のリズムが出始めたが、それ以前は前半こそ効果的だったロングボールが後半は通用しなくなり、また前線と中盤の距離が開いてしまったことで前線3人が孤立してしまう場面が多かった。解説の金田さんがおっしゃっていたように、「4人目」が出てこなかったことで、攻撃に厚みを全く感じなかった。 結局、試合はスコアレスドローで終了した。ある意味、反町監督の意図通りと言える試合だった。「DFの部分でたくさん課題が生まれた」という試合後のコメントがそれを物語っている。 だが、その一方で「非常に手応えを感じたゲームだった」と語っているように、収穫も大きかったようだ。注目された平山は昨年と比べると動きにキレが増し、梶山、水野は個対個の対決において随所に輝きを放った。個人で圧倒されていたチーム立ち上げ時の対中国戦に比べると、大きな成長と言える。 とはいえ、ホームで戦っている以上、例えどんな試合であっても勝ちが求められる。そういった意味でも平山に訪れた2つの決定機は決めなければいけなかった。ホームで勝ち点3を獲れないことは大きな痛手になる。もう「惜しいシュート」なんて言葉はいらない。決められる時に決めておかなければ、そのツケは後々必ず回って来るはずだ。
posted by 犬太 |21:04 |
日本代表コラム |
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