2007年02月13日

Jクラブ総括2006~鹿島アントラーズ編~

今シーズンの鹿島はすこぶる評判が良い。サッカー誌を見ても軒並み高評価を受けているし、既に日本で実績を残しているマルキーニョスをはじめ、クラブワールドカップ優勝経験者のファボン、ダニーロと新外国人選手の質も例年を遥かに凌ぐ。

加えて、鹿島におけるいわゆる「第3世代」野沢、田代、増田、内田といった若手の成長も著しい。小笠原が去った穴を感じさせないパフォーマンスを見せた野沢は終盤での活躍がオシムの御眼鏡にかなってA代表に初召集され、増田、内田は先日発表されたU-22日本代表に揃って選出された。岩政、新井場も代表にこそ縁は無いもののJリーグでトップクラスの実力を誇っており、陣容に関して大きな不安点というものは見当たらない。なるほど、評判が良いのも頷ける。

しかし、クラブが変革を迎えるその過程において、3冠達成時に鹿島が持っていたある大きなものを失ってしまった。それは、ジュビロ磐田が黄金期に持っていた絶対的な強さとはまた違う、「憎たらしい程の勝負強さ」──

例えば、昨年のナビスコカップ決勝。確かにジェフ千葉が見せたジェフ・スタイルの完成形とも言えるサッカーは素晴らしかった。しかし、浦和の初タイトルの野望を打ち砕いた4年前の国立での姿とは打って変わって、あまりにも鹿島は無抵抗だった。そして、ホームで迎えた「レッド・ダービー」対浦和レッズ戦。2点のリードを奪いながらも後半終了間際に追いつかれ、勝ち点3を逃した。さらには、同じくホームで迎えた対川崎フロンターレ戦。1度は逆転したものの逆転され返され、ホームで4点を奪われた。いずれも、常勝軍団として君臨していた時代からは考えられない出来事だ。

だが、その一方で「さすが鹿島」と思える試合が数試合あったこともまた事実だ。アウェーの磐田戦、87分に勝ち越しゴールを奪われた直後に深井が見せた執念の同点ゴールや、ナビスコカップ準決勝で決勝進出へ大きく前進した柳沢の貴重なアウェーゴールなどには、ここぞという場面での鹿島の勝負強さが垣間見えた。

話を冒頭に戻すが、戦力値だけを見れば鹿島が今シーズン中に10冠を達成してもおかしくないだけのポテンシャルを秘めていることは間違いない。トニーニョ・セレーゾが中田浩、小笠原ら「第2世代」に植えつけた憎たらしい程の勝負強さを、オリベイラは野沢、田代、増田、内田ら「第3世代」に植えつけることが出来るだろうか。僅か1年の在籍にとどまったが、アウトゥオリは内田の才能を発掘し、野沢をチームの軸にまで成長させた。アウトゥオリが蒔いた種によって下地は出来た。その種を実りあるものにするために、鹿島には「原点回帰」が求められるだろう。それは、言うまでも無く「憎たらしい程の勝負強さ」への原点回帰だ。

posted by 犬太 |22:05 | Jクラブ総括2006 | コメント(5) | トラックバック(0)
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