2007年01月31日

武豊が発した言葉の意味を、今1度。

夕方のスポーツニュースを見ていると、ある1頭の競走馬の特集が組まれていた。エリザベスクィーンという名を持つその馬は目下113連敗中と連敗街道を突き進み、昨日のレースで3着に敗れたことで114連敗となったとのことだ。

なぜこの馬が今回スポーツニュースで特集されるほどに注目を集めたのだろうか?これは、言うまでもなく以前高知競馬に所属していたあの馬の騒動が起因している。

ハルウララ──当時人気が低迷していた高知競馬の救世主として突如スポットライトを浴び、ハルウララ絡みの馬券を買っても「当たらない」ことから、ハルウララのたてがみを交通安全のお守りとするファンが急増。それに付随してグッズの売上、入場者数は増加の一途を辿り、全国津々浦々からハルウララ見たさに高知競馬場まで人々が足を運んだ。さらにあの武豊までもが騎乗し、ハルウララを題材にした映画が作られるほどの一大ブームを湧き起こした。

ハルウララの人気のパロメーター、それは語弊を恐れずに言うと「負けること」である。負けても負けても諦めない、という触れ込みなのだからこれは当然と言えば当然だろう。そして負けに負けを重ねたハルウララが持っていた連敗記録が113敗だった。つまり、昨日の敗戦によってエリザベスクィーンはハルウララの持つ記録を破ったわけだ。注目が集まるのも無理は無いだろう。

ただ、私はそのニュースを目にした時、武豊がハルウララの騎乗を終えた際に公式サイトで出したコメントがフッと頭に浮かんた。曰く、「生涯で一度も勝ったことがない馬が、G1レースを勝った馬達よりも注目を集める対象になるというのはどうにも理解し難いものがあります」ちなみに、この日は高知競馬唯一の交流重量である黒潮賞が開催され、武豊はフェブラリーSを制したノボトゥルーに騎乗していた。それでも、あくまで世間の注目はハルウララであり、G1馬の出走する黒潮賞は実質準メインという扱いになっていた。どう考えても矛盾しているとしか言いようがない。

そして今回、その歴史が繰り返されようとしている。エリザベスクィーンの存在をマスコミが取り上げたのか、それとも小牧、岩田といったトップジョッキーの中央移籍により人気が低迷している園田競馬側からマスコミへのPRの要望があったのかは定かではないが、確実に言える事として、ハルウララ騒動の良い部分だけを見るがあまり、その騒動の中にあった裏の面を何1つ見ていないということが今回の報道から窺い知れた。

ここでハルウララ騒動時に起こった裏の面を1つ1つ振り返ってみよう。馬主交代時に前馬主から現馬主が無償譲渡を受け、その直後に「ハルウララ」を商標出願登録したことから営利目的ではないかという批難が巻き起こったことに始まり、ハルウララの移送を巡る調教師、馬主間での綱引き、ハルウララ基金における高齢馬保護という観点の欠如・・・本当に様々な暗い影を落とした。

今回はハルウララ騒動の時と比べればそれほど大きな騒動にはならないだろうとは思うが、何があるか分からないのもまた事実である。何しろ、半官贔屓という言葉に託けて、100戦以上して未勝利の馬に「負け組の星」「負けても負けても諦めない」といった美辞麗句を並べたて、勝ち馬やG1馬の存在をないがしろにしてしまった「前科」があるのだから。

posted by 犬太 |20:50 | 競馬コラム | コメント(3) | トラックバック(0)
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