2007年01月17日
2007年、所属元への「恩返し」を期するレンタル復帰組。
短期間でチームを立て直すためにベテラン選手を「助っ人」として獲得する、出場機会に恵まれない若手が出場機会が見込まれるクラブへ1年ないしは2年以上に渡り在籍することで試合経験を積む──いわゆる「レンタル移籍」と呼ばれる制度を活用することはもはや当たり前となっている。最終的には所属元には戻ってこなかったものの、ベガルタ仙台にレンタル移籍した佐藤寿がそこでブレイクし、日本代表にまで上り詰めたという例もあり、以前にも増してレンタル移籍制度を使用するクラブが増えている。 もちろん、レンタル先に行ったからといって出場機会が100%保障されているわけではない。若手選手の中にはレンタル移籍をネガティブに考える選手もいるかもしれない。だが、全く違う環境の下に放り出されることで、選手としても人間としても一回りも二回りも大きくなることが可能になる。レンタル移籍をポジティブなものとして捉え、より高い成長意欲を持って過ごした選手だけが胸を張って所属元に戻ることができるのだ。 そして2007年も、多くの選手がレンタル先での武者修行を終え、所属元クラブに戻ってきた。ここでは、2007年に保有権を持つクラブに復帰したJ1所属の若手選手に話を限定したい。北から順に追っていくと、大宮は昨年草津の攻撃の中心として君臨し、J2アシスト王にも輝いた島田が復帰した。小林大悟に頼りがちだった攻撃のオプションを増やすという意味でもレフティーでパスだけではなく自ら仕掛けることも出来る島田の復帰が大宮にもたらす効果は大きいだろう。 1年でのJ1昇格を果たした柏には、愛媛で11得点を挙げた菅沼が復帰した。17歳でJリーグデビューを果たし、各年代の代表にも選ばれたようにそのポテンシャルは早くから認められていたが、愛媛で出場機会を得たことで持ち前の高い攻撃性を存分に発揮し、J2というカテゴリーながらも確かな結果を残し、今回復帰の運びとなった。愛媛ではどちらかというと下がり目の位置でプレーしていたが、元々はFWの選手だ。玉田が抜けて以降、日本人ストライカーの育成が急務な柏で玉田を超える活躍を見せることが出来るだろうか。 レンタル移籍は何もJリーグ間に限ったことではない。JFLのロッソ熊本からは、飯倉がマリノスに復帰した。GKというポジション柄、出場機会を得るのは容易なことではないが、榎本達が神戸に移籍したことでチャンスは確実に広がっている。決して大柄ではないが天皇杯・対仙台戦で見せたパフォーマンスが示すように、今後の成長如何では正GKの座をおびやかしうる可能性を秘めていることは確かだ。 2年の間札幌へレンタルされ、3シーズンぶりに磐田への復帰を果たしたのがCBを本職とする加賀だ。元々定評のあった1対1の強さに磨きをかけ、攻撃サッカーを標榜する札幌にあって積極的な攻撃参加を見せ、攻撃的なセンスも身につけた。レギュラー陣の高齢化が進み、次なる人材の育成が求められる磐田においてまだ23歳と若く、サイドもこなせる加賀の存在意義は高いものになるだろう。 最後に、個人的にかなり期待しているのが、愛媛から広島へ復帰することとなった高萩である。以前はひ弱さが目に付いていたが、試合数の多いJ2で44試合に出場し、チームの中心として1年間フル稼働した。さらに11月に行なわれたU-21が出場したアジア大会に選出され、そこでも出場機会を得るなど愛媛で過ごした1年は高萩にとって大きなステップアップになったようだ。ユースの後輩である柏木は既にレギュラーの座を獲得しており、レギュラー獲りを目指す高萩にとって2007年は真価を問われる年になりそうだ。
posted by 犬太 |21:50 |
徒然なるままのコラム |
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