2006年12月30日

Jクラブ総括2006~名古屋グランパスエイト編~

名古屋を語る上で付いてまわって来るキーワードに「中位力」というものがある。親会社の潤沢な資金力を背景に積極的な補強を行なうものの結果が伴わず、中位でシーズンを終えることが多いという意味だ。そして、今シーズンもこの例に漏れず、7位という順位でシーズンを終えた。

柏からドイツワールドカップにも出場した玉田、ベルギーの名門・クラブ・ブルージュからスピラールを獲得した今シーズン、開幕戦こそ前年度の最終節で惜しくも優勝を逃したセレッソ大阪に勝利したものの、玉田がなかなかチームにフィットせず、ディフェンス陣の核として期待されたスピラールは怪我で試合に出場することが出来ず、チームは下降線を辿った。降格争いも現実味を帯びてくるほどにチーム状態はどん底だった。

そんな名古屋を救ったのが、北欧のノルウェーから真夏の日本にやってきた現役ノルウェー代表FW・ヨンセンだった。Jリーグデビュー戦となったジェフ千葉戦でいきなり2ゴールを挙げる鮮烈なデビューを果たすと、その後の試合でもここぞという所での勝負強さを見せ、17試合で10得点という抜群の決定力でチームの勝利に大きく貢献した。

ヨンセンの貢献度はこれだけにとどまらなかった。ヨンセン加入以後、パートナーを組む快速FW・杉本のゴールが急増し、大宮戦ではプロ入り後初となるハットトリックを達成した。前線でヨンセンがボールを収めてくれることで杉本が自由に飛び出せるようになり、またヨンセンへのマークが厳しくなることで杉本がフリーになる場面が以前よりも増えたのだ。

そしてもう1人の助っ人・スピラールも怪我からの復帰以降、守備に安定をもたらし、寸での所でのクリアーなど失点に直結する場面での体を張ったプレーでチームの危機を何度も救った。また春先の怪我により川島にポジションを奪われていた楢崎も次第に本来のパフォーマンスを取り戻し、リーグ優勝を果たした浦和をホームに迎えた1戦では雨あられのように降り注ぐ浦和のシュートを防ぎ切り、リーグの盛り上げにも一役買う恰好となった。

オシム就任以降、代表に選出された中村、本田の働きぶりも見逃せない。特に本田は代表の正GKでもある川口から得意の「無回転シュート」でゴールを奪うなど1年目に勝るとも劣らない強烈な印象を残した。さらにフェルフォーセンの下、左サイドバックで起用されることも多く、守備面においても急激な成長を見せた。

来シーズンさらなる飛躍を遂げるべく、再び積極的な補強を見せるかに思えた今オフだが、今の所ジェフ千葉の阿部を狙っているという以外にそれほど目立った動きを見せていない。それとは反対に、駒沢大学から巻佑樹を獲得したのをはじめ、ユースから4人を昇格させるなど、若手の発掘・育成に力を注いでいる。その成果は確実に表れており、今年の高円宮杯では準優勝、そして同じく準優勝を果たしたUー19ワールドユースにはユース上がりの青山がレギュラーとして試合に出場した。

今、名古屋は大きな転換期を迎えている。「中位力」から脱却するために、そしてヴェンゲルやストイコビッチが在籍していた時期でも成し遂げられなかったリーグ優勝を成し遂げるために。

posted by 犬太 |19:46 | Jクラブ総括2006 | コメント(0) | トラックバック(0)
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