2006年12月04日

Jクラブ総括2006~ジェフ千葉編~

「激動の一年」今年の千葉を総括する上で、この言葉が最もしっくり来る。

激動の引き金は、なんといってもイビチャ・オシムの辞任だろう。まあこれに関しては日本サッカー協会の「強奪」という表現が近いだろうが、これによってチームが完全に狂った。なにしろあれだけ劇的に千葉を変えた人物だ。いくら同じベクトルを持つアマル・オシムが後任を務めたからといっても、やはり父・イビチャとは雲泥の差がある。

もうひとつの「激動」は、祖母井GMの退団(まだ確定ではないが)騒動である。祖母井GMは、ヨーロッパでも名の知れた名将だったイビチャ・オシムを現地まで出向いて交渉し、招聘したのはもちろんのこと、ヨーロッパでの幅広い人脈を活かし、ベルデニック、ベングロシュといった現在の千葉の主力を育てた人物を招聘し、クラブの礎を築いた。その手腕を買われ、大黒が在籍していたことで知られるフランスリーグ2部・グルノーブルへの移籍が噂されている。

この時間差で起こった2つの騒動により、順位も少しずつ下がっていった。昨年は最終節まで優勝の可能性があったが、今年は優勝争いに1度も絡むことなく、11位という順位でシーズンを終えた。イビチャ・オシム就任後の日本代表で計6人召集されたチームにしては、物足りない成績だった。

ただ、これにはイビチャ・オシムが日本代表監督に就任したことによる千葉に対する過度なプレッシャーに原因があることは間違いないだろう。特にドイツワールドカップに「サプライズ」選出され、その時から過度な注目を集めてきた巻は、マスコミに対してふさぎ込むようになり、日に日に笑顔も消えていった。またチーム・個人に対するバッシングも激しく、大量選出された代表勢は「千葉枠」と揶揄された。さらにA3、代表を掛け持ちする代表選手の体からはキレが失われ、千葉の代名詞でもある運動量で相手に負けることもあった。

その中での大きな収穫といえば、A3で魅せた千葉のサッカーと、ナビスコカップ2連覇だろう。

A3第1戦、アジアレベルでは間違いなくトップクラスの実力を持つ蔚山現代に対して千葉はストロングポイントである運動量を前面に押し出し真っ向勝負を挑み、3-2で勝利した。一進一退の攻防で、試合後両チームの選手が倒れこみ、しばらく立てなかったことが物語るように心身共に激しいゲームだった。個人的には今シーズン日本で行なわれた試合の中でベスト3に入るゲームだったと思っている。

そして、ナビスコカップ2連覇は昨年の優勝がフロックでないことを示した。さらにこの試合でMVPを獲得した水野をはじめとした若手の成長が見られたことも来年へ向けて大きな収穫と言えるだろう。特に第3GKという立場から、これまで出場機会がなく5年目にしてリーグ戦初出場を果たしたGKの岡本は終盤、正GKとして千葉のゴールマウスを守り、ナビスコカップ連覇にも貢献した。さらに野洲高校から今年入団した青木も甲府戦でJリーグ初ゴールを挙げた。

来季に向けての課題としては、チームに蔓延しつつある「マンネリ」の解消だろうか。特に、阿部、佐藤、羽生のオシム就任以来続いている強力なセンターラインを崩しうるだけの人材の育成が求められる。

後半戦という短い期間ながら、佐藤のワンボランチを試すなど、攻撃をより明確に打ち出すアマル・オシム色は確実に見られた。恒例となっているトルコキャンプでどれだけ新たな色を付け加えることが出来るかどうか、そしてハース、クルプニコビッチの退団により新たに加わるであろう新外国人選手がどれだけフィットするか、それ次第では再び優勝争いに加わることも決して不可能ではないだろう。

posted by 犬太 |22:14 | Jクラブ総括2006 | コメント(2) | トラックバック(0)
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