2007年01月30日

Jクラブ総括2006~京都パープルサンガ(京都サンガF.C.)編~

確かにJ2ではぶっちぎりの戦績で優勝した。前年度の川崎フロンターレが同じようにJ2をぶっちぎりで優勝し、ほぼ現有勢力の状態でJ1の舞台に挑み8位という好成績を残したことも良い物差しになっていた。

だが、すべては最下位というシーズン終了時の結果が物語っていた。J2で圧倒的な破壊力を見せていた攻撃力は鳴りを潜め、得点数はJ1ワースト2位。J2最小失点が示すように堅守を誇った守備は崩壊し、失点数74はワースト1位。結局のところ、J1では自分達のサッカーが通用しなかった。

そもそも、自分達のサッカーが出来たかという時点でまず疑わしい。組織的なサイドアタックで相手の守備を崩していく攻撃スタイルはいつしかパウリーニョ頼みとなり、J2最小失点という自信を持って臨んだ守備は完全に崩壊し、浦和、川崎、ガンバといった上位陣にとっては恰好の得失点差稼ぎのクラブになってしまった。

1年でJ2降格の辛酸を舐めた原因はこれだけにとどまらない。結果論ではあるが、開幕時に京都と同じように不振に喘いでいた広島、磐田は監督交代という手段を講じ、その後戦績を上昇させた。一方京都は監督交代という手段をせず、1シーズンすべてを委ねようという柱谷監督への信頼を示したかのように思えたが、残り9節を残した時点で柱谷監督を解任。当然ながらこの監督交代劇には疑問が残り、新たに監督に就任した美濃部監督も守備面ではある程度の成果を残したものの、たった2ヶ月という短い期間ではチームに劇的な変化を与えることが出来ず、柱谷、美濃部両氏にとって気の毒な結果となった。

昨シーズン、京都は監督に補強の全権を与えていたが、結局のところ、監督交代という手段に講じなかったことや現場に全権を委ねたことも含めてフロントにJ2降格の責任の一端があったことは間違いない。これは福岡、セレッソにも言えることだが、フロントに問題のあるクラブはコンスタントに良い結果を残せていない。そういった意味では、J1最下位はともかく、降格については至極全うであったと言えるだろう。

かくして3度目のJ2降格を味わってしまった訳だが、今後京都に求められることとして、地元との密着がある。昨シーズン大躍進を遂げた川崎にしても降格候補筆頭と言われながらもJ1残留を果たした甲府にしても地元との密着を深め、ホームでの圧倒的なサポートを得ることによって着実に勝ち点を稼いでいった。さらに付け足すと、前述の2クラブのフロントがしっかりしていることは言うまでもないだろう。

そして当然のことながらフロントの改革も求められる訳だが、これについては既に改革が始まっているようだ。加藤久氏を幹部として迎え入れることに始まり、現場の全権を監督に一任したことで失敗してしまった昨季の反省から、フロント各間で連携を図り、補強、育成といった重要な事柄を1人の人物に一任しない合議制を採用。クラブとしても、パウリーニョ、アンドレ、斉藤といった主力を残留させ、森岡、秋田、倉貫といった計算のできる選手を獲得した。

大量の主力が流出し、1からのクラブ作りを余儀なくされたセレッソに比べると京都を取り巻く環境はまだ恵まれていると言える。1年でのJ1復帰も決して不可能なことではないだろう。しかし、ただJ1に上がるだけでは何も意味も無い。揺るぎないコンセプトに基づいた補強や選手育成を推し進めない限り、同じ過ちを繰り返してしまうだろう。幸いにしてというか、京都にはスカラーアスリートプロジェクト制度や昨年11月に完成したばかりの寮など、選手を育てる環境面においては申し分無い物を持っている。今後は充実していくハード面の中からどれだけ優秀な人材が育ってくるか、J1に定着できるクラブになるためにはそこが重要になってくるだろう。

posted by 犬太 |21:21 | Jクラブ総括2006 | コメント(0) | トラックバック(0)
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