2006年12月23日

浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

アビスパ福岡との死闘から1週間。この間に起こった出来事については既に皆さんの知るところだろう。

今シーズン全試合に出場した三都主アレサンドロのオーストリア・ザルツブルグへの期限付き移籍が決定した。来年ACLを戦うチームにとっては手痛い損失となるが、巷では浦和に対する悲観論はそれほど飛び交っていないように感じる。

その大きな理由として挙げられるのが、相馬の存在だろう。ヴェルディ時代に頭角を現し、一時期は代表入りも噂された実力の持ち主である。ドリブルを最大の武器とし、レアル・マドリードとの親善試合では、レアルにコンディションの問題があったにせよ、左サイドを幾度と無く切り裂き、鮮烈な印象を残した。

左サイドは問題ない。となるとこの試合で問題となってくるのが、ブラジルに帰国した闘莉王、ワシントンを誰が埋めるのかということだ。特に闘莉王はガンバにおける遠藤と同じく、試合に出ていないことがチームの結果にダイレクトに影響するレベルの選手だ。そして今日の相手は闘利王が累積警告によりリーグ戦で唯一出場できなかった磐田である。その時のチームは鉄壁のディフェンスが崩壊し、3点を失った。福岡戦での不安要素が精神的なものだとすれば、この試合の不安要素は主力選手の不在だった。

果たして、その不安は的中してしまった。前半から磐田に主導権を握られると31分、犬塚の絶妙のクロスに前田が頭で合わせ、先制点を許し、ビハインドで前半を折り返す。西、太田がサイドで起点を作り、犬塚、上田の若い両サイドバックが高い位置をキープする。そしてファブリシオがゲームを組み立て、前田、福西がフィニッシュに絡んでいく。連動性溢れる磐田の攻撃に浦和はなす術がなかった。さらに攻撃では持ち味を発揮していた相馬だったが、ディフェンスになると裏を狙われるシーンが多く、攻撃と守備のバランスに苦労していた。この辺りが三都主との経験の差なのだろうか。味方のフォローが遅かったこともあり、残念ながら前半の浦和のウィークポイントになっていた。

スコア、内容共に劣勢に立たされた浦和は後半から小野を投入し、何とか流れを変えようとした。しかし後半開始直後の46分、上田のクロスに前田が頭で落とすと、そこに福西が飛び込み2-0。磐田の鮮やかな攻撃の前に手も足も出なかった。

手の足も出なかった浦和だったが、その中にあった唯一出ていたもの、それは浦和サポーターの「声」だった。2点ビハインドという状況下にあっても依然として浦和サポーターの声援が鳴り止むことは無かった。それどころか、浦和の逆転を信じ、さらに声援を強めていった。「レッズが好きだから」試合中何度も映し出されたその言葉は、まさに浦和サポーターの想いそのものだった。

その言葉を見たかどうかはわからないが、サポーターの声援は確実に浦和の選手の耳に届いている。ここから浦和の反撃が始まった。

相馬のクロスに合わせた永井のヘッドは惜しくもゴールラインを割ることが出来なかったが、63分、山田のクロスに永井がGKと競り合いながらも押し込み1点差とすると、今度は相馬の右足でのクロスに小野がDFと競り合いながらのダイビングヘッドで同点に。さらに80分にはポンテのスルーパスに反応した小野が技ありのゴールでついに逆転に成功した。「浦和が好きだから」スタメンの機会は少ないものの、浦和一筋でプレーする永井、「浦和が好きだから」慢性的な痛みを抱えながらも足首の手術をせず、リーグ優勝を目指すチームの一員として試合に帯同し、チームを盛り上げた小野。そんな2人が決めたゴールに、スタジアムは興奮のるつぼと化した。

しかし、まだまだ試合は終わらない。逆転ゴールから僅か1分後、ゴール前で前田が潰れ役となり最後は飛び出してきた犬塚が角度のない所からねじこみ、磐田が執念で同点に追いつく。これで3-3。紛れも無く、天皇杯史上に残る死闘となった。

120分間で決着はつかず、試合はPK戦に。5人を終わってホームのアドバンテージを持つ浦和は全員がきっちりと決めた。一方の磐田も数こそ少ないもののサックスブルーのユニフォームを着たサポーターがアウェー特有の大ブーイングの中、チームを鼓舞する。磐田も全員が決め、勝負はサドンデスへと持ち込まれた。

サドンデスに突入してもなお、決着はつかない。そして、決着がついたのは、蹴っていないプレイヤーが残り1人という状況でのことだった。

福岡戦といい今日の磐田戦といい、天皇杯での浦和はリーグ戦に勝るとも劣らないハードなゲームを経験した。その中でリーグ戦ではあまり出場機会に恵まれなかった相馬、細貝が確実に成長の跡を見せている。加えてリーグ戦では闘莉王、ワシントンといった「個」の力に依存しているという向きも強かった浦和だったが、この試合で見せたように闘莉王、ワシントンの不在が「怪我の功名」となっている。「浦和は個人頼み」という世間の逆風に対して2人がいなくても勝てるということを証明した浦和。この試合は、全員の力で掴んだ勝利だった。

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posted by 犬太 |16:31 | 天皇杯コラム | コメント(6) | トラックバック(5)
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Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

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酒井はPKはずしたんじゃないの???

posted by トウリすがり | 2006-12-23 18:57

Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

コメント投稿者ID :

浦和が好きだけどあの試合は内容も結果も磐田が勝ちだったと言わざるを得ないと思う。

延長も決定的なシーンが結構あったし。
なによりPKが意味不明

posted by 感想 | 2006-12-23 19:10

Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

コメント投稿者ID :

買ったのは浦和。
負け惜しみのコメントなどみっともないことこの上ない。

ジュビロ若ぇなと。
2-0から逆転されるなんてのは昔のジュビロじゃあり得ないよね。
前半の内に2,3点取れなかったツケ。

posted by フィー | 2006-12-23 19:44

Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

コメント投稿者ID :

いやー、なかなか楽しめた。
小野は1シーズン分走ってたな(笑)

>感想君
責めるならカレンの空振り責めなきゃ。
その決定的なシーンとやらで決められなかった選手を責めなきゃね。
そうそう、フットボールは判定勝負じゃ無いよ。

posted by moka | 2006-12-23 20:03

Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

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犬太さん、おはようございます。
テレビ観戦だったのでしょうか?
後半早々の認められなかったゴールは、やっぱり入っていなかったでしょうか。
メインスタンド浦和側、ゴールほぼ真横で観戦していたのですが、入っていたようにも見え・・・。
ただ、バックスタンド側のラインズマンの動きが悪く、この場面のほか、オフサイド関連でもいいポジションを取っていなかったのが気になりました。
場内では当然のごとくスローはなかったので、ホントのところが知りたいです。
酒井のPKですが、GKの動きが早かったといわれればそれまででしょう。
あとからの情報ですが、予め注意があったらしいですね。
都築の動き出しが遅いと感じていました。
読みは良かったので2本ぐらいは止められそうだったんですけど・・・。

posted by ゲッチュー ゲッチュー | 2006-12-25 09:35

Re:浦和レッズvsジュビロ磐田~「レッズが好きだから」~

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ゲッチューさん>
そのシーンについてはとあるサイトで見たのですが正直ゴールライン割ってるな~って思いました(笑)

確かに副審はどうなのかな?と思いました。ポンテが副審が旗を上げるそぶりを見せたから走るのを止めたのにそぶりだけで結局上げてなかったり。選手を惑わすああいった曖昧なジャッジはなるべく控えてもらいたいですよね。

posted by 犬太 | 2006-12-25 12:13

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