2006年11月26日
クリムゾンレッドを着た「ナイン」がいる限り・・・
横浜FCが勝ったことを知っている以上、自動昇格圏内をより近づけるためには、自らが勝利を手にするしかないということは百も承知である。それ故、プレーが熱を帯び、警告覚悟のプレーが増えることは当然であると言えよう。 湘南に先制された神戸は73分、栗原のゴールでようやく同点に追いついた。だが、同点ゴールから僅か1分後、有村がこの日2枚目の警告を受け、10人に。神戸は劣勢を強いられることとなった。 10人での戦いを余儀なくされた神戸だったが、サッカーは数的不利になった時の方がえてして動きがよくなり、ハンディがハンディでなくなることがままある。それを考慮すると、1人少なくなったとはいえ神戸に勝利の可能性は十分に残されていた。 だが、81分に河本までもが退場処分を受けてしまう。さすがに9人での戦いを余儀なくされることは想像していなかっただろう。 9人になると、逆サイドのケアまで人数が行き届かないので、サイドチェンジのパスを1本通されただけでピンチを招く。さらにサイドに人数をかけられないので、簡単にクロスを上げさせてしまう。ならばクロスを上げさせまいとサイドに人数をかけると、今度は中央が空いてしまう。やはり点を取られないためには後ろを増やしたい。そうすると前を削ることになる。だがどうしても勝ちたいこの試合、点を取るためには前を削る訳にはいかない・・・考えれば考えるほど、出口の見えない迷路に迷い込んでしまう。 現実的なプランとしては、このまま何とか湘南の攻撃を凌いで勝ち点1を取り、最終節に自動昇格権をかける、という方法が賢明だろう。だが、神戸はあくまで勝ちにこだわった。そしてそれを見事に体現して見せたのが田中だった。右からのスローインを受け中へと切れ込むと、最後は倒れこみそうになりながら左足を振り抜き、勝ち越しゴールを決めた。ゴール後、田中にGKの荻を含めたピッチに立っている9人が一斉に駆け寄った。サッカーという11人で行なうスポーツにおいて、「ナイン」が1つになった瞬間だった。 これであとはロスタイムの3分を守り切れば、という所だった。しかし、試合はまだ終わらない。ロスタイム、37歳・大ベテランの加藤望のヘッドがゴールネットに突き刺さった。 結局この試合をものにすることが出来なかった神戸だが、9人になっても攻撃を忘れない姿勢は、見るものの心を揺り動かすだけのものがあった。最終節はこの試合退場処分を受けた2人のDFを欠く事になるが、最後までピッチに立ち続けた「ナイン」がいる限り、大きな不安要素にはならないだろう。そしてその中心に、「自分の体がどうなろうとも、サッカー人生すべてをかけて全力で戦う」と最終戦への固い決意表明をした三浦淳宏がいる限り、きっと良い結果がついてくることだろう。
posted by 犬太 |19:44 |
Jリーグマッチコラム |
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