2007年04月15日

15年ぶりの栄光。その裏には、初めて味わった悔しさがあった。

命の次に大切なお金を長方形の紙に託す競馬ファンは通常、馬券が当たらない限り100%勝者を祝福することはできない。そして、その祝福の度合いは配当金が大きさに反比例して少なくなっていく。

皐月賞もそうだった。7番人気のヴィクトリーがハナ差で15番人気のサンツェッペリンとの叩き合いを制した。馬連94,630円、3連単に至っては 1,623,250円。レース終了後後、えも言えぬ空気が中山競馬場を支配した。

だが、その空気は1人の男によって劇的な変化を遂げることとなる。ヴィクトリーの鞍上・田中勝春が表彰式のため公の場に姿を表すと、ヴィクトリーのオーナー・近藤英子氏の夫で「アドマイヤ」のオーナーでもある近藤利一氏と固く抱擁を交わし、岡部幸雄氏とも抱擁を交わす。そして勝利ジョッキーインタビューで滲み出る田中勝春の朴訥とした人柄。いつしか中山競馬場は、大きな拍手に包まれていた。

その一方で、レースを終え、検量室に向かう道中「あー、ちくしょう!」と声を荒げ、持っていたヘルメットを地面に叩きつけ悔しさを前面に押し出していたのが、15番人気・サンツェッペリンを2着に持ってきた松岡正海だった。一旦はヴィクトリーを交わし先頭に立っていただけに悔しさもひとしおだろう。たとえ15番人気でG1連対を果たすという大仕事をやってのけても、負けは負け。その「勝負師としての心」が、松岡を納得させなかった。

勝者と敗者のコントラストは、あまりに鮮やかだった。だが、この日は「カッチースマイル」が全開だった田中勝春も、4年前の皐月賞ではネオユニヴァースの後塵を喫し、唇を噛み締めていた。アイルランドへの武者修行を経て一回りも二回りも大きくなった松岡がこの日味わった悔しさ──それが晴れる日が、いつか来るはずだ。そして、その悔しさを晴らす最大にして最高の舞台は、5月27日、東京競馬場。そのレースの名は、「日本ダービー」だ。

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posted by 犬太 |18:56 | 競馬コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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