2007年03月09日

待てど海路の日和なし、ウォッカもまた、待っていた。

安藤勝己にとって、このレースは2頭立てだったのか。彼の視界には、ウオッカだけが映っていた。抜群の手応えで直線を向くと、その視線の先にゴール板はあらず、外から同じように抜群の手応えで直線を向いたウオッカの動きを凝視していた。

一方のウォッカはというと、ダイワスカーレットを含めた他馬を一切眼中にせず、直線に入ってもなお、手綱をグッと引き、ウオッカを解き放とうとしなかった。そして、その状態のまま「偶然にも」先頭を走っていたダイワスカーレットに並びかけていった。

「待ってました」とばかりにウォッカが並びかけたその瞬間に馬上での動きが激しくなっていったのは安藤勝己だ。このレースにおいてはウォッカに勝つ=レースに勝つ、ということを意味する。そして、それは同時に3歳牝馬クラシック路線において最強を誇るウオッカと双璧をなすこととなるのだ。

だが、「この路線における壁は1頭のみ」と自己主張するかのように、ウオッカはダイワスカーレットを力でねじ伏せてしまった。付け加えると、目一杯追われたダイワスカーレットに対して、ウオッカは余力残しである。「どこまで行っても変わらない」ウオッカがダイワスカーレットにつけたクビ差という着差はそれ以上のものだった。

このレース、2頭が演じたマッチレースもさることながら、ダイワスカーレット、ウオッカにそれぞれ跨った安藤勝己、四位洋文の駆け引きのまた見応えのあるものだった。相手をウオッカのみに絞った安藤勝己と、愛馬の実力さえ発揮すれば負けることはないと他馬を一切気に留めていなかった四位洋文。奇しくも彼らは3歳牡馬クラシック路線においてもそれぞれフサイチホウオー、トーセンキャプテンという有力馬をお手馬にしている。今年のクラシック路線、馬上の駆け引きにも1つ注目してみたいところだ。

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posted by 犬太 |18:38 | 競馬コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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