2007年02月12日

きさらぎ賞に見る、今年のクラシック路線の傾向。

「ディープの再来」「ディープ2世」新馬戦で持ったままでの圧勝劇を演じて見せたオーシャンエイプスには、これでもかというほどの大絶賛の嵐だった。そしてその声は人気面で如実に反映され、重賞ウイナー・ナムラマースを差し置いて単勝1倍台の圧倒的人気に押された。

実際、レース前は私も「ぶっちぎりもあるかも・・」と思っていたし、スターホース誕生に期待を寄せていたことも事実である。だが、気になるデータとして、1戦1勝のキャリアできさらぎ賞に臨んだ馬は過去1頭も勝っておらず、国内で唯一ディープインパクトに土をつけたハーツクライですら3着止まりだった。

期待と不安が渦巻く中、ゲートが開かれた。まず先手を取ったのは、落馬負傷の四位に替わってアサクサキングスの手綱を取ることとなった武幸四郎だった。土曜京都のメイン・すばるSで超人気薄のモンテタイウンを1着に導いたように、ここのところ好調が目立つ騎手である。予想された展開ではあったが、アサクサキングスがやや後続を離す形でレースを引っ張った。注目のオーシャンエイプスは中団辺りでレースを進め、それをナムラマースがぴったりとマークしていた。

有力馬が牽制し合う中、武幸四郎は冷静に策を練っていたようだ。1000m通過が61秒を超えるスローの展開に持ち込むと、上がり勝負になってしまうタメ逃げをするのではなく、4コーナーからロングスパートを仕掛けることによって後続の脚を使わせた。これによりスローペースではあるが持続力のある末脚が問われ、スタミナの要求される流れを作り出した。

この流れに応えたのは、アサクサキングスだった。ビハインドザマスク、イングランディーレなど京都に相性の良い産駒を送り出しているホワイトマズルの遺伝子を受け継いだこの馬は、武幸四郎の作った流れを最大限に活かし、直線追い込んだナムラマースに1馬身3/4の差をつけ、重賞制覇を成し遂げた。

注目されたオーシャンエイプスは、4着だった。一旦はアサクサキングスに迫ろうかという場面もあったが、最後は脚を無くしてしまった。新馬戦こそ追わずして驚異的な勝ちっぷりを見せたが、目一杯追われた今回は伸びが無かった。単に気持ちの問題か、追って伸びないタイプなのか。この判断は非常に困るところだが、近親のゴールデンキャストも鮮やかな勝ちっぷりの後に人気が集中し、人気を裏切り続けた。もしかしたら、オーシャンエイプスはディープ後のスターホースを模索する人間側の過大評価だったのかもしれない。

きさらぎ賞が終わって気づいたことがある。それは、3歳クラシックへ向けた戦いにおいて、逃げ切り勝ちが例年以上に多いという点だ。京成杯をサンツェッペリンが逃げ切ったのに始まり、若駒Sをモチが、あすなろ賞をワンダースティーヴがそれぞれ逃げ切っている。そしてきさらぎ賞でのアサクサキングスの鮮やかな逃げ切り。だが、そのいずれも「誰も行かないなら行ってしまえ」という、ある意味では本意としない逃げ切りである。

今年のクラシック路線の有力馬はドリームジャーニー、フサイチホウオー、アドマイヤオーラと差しをストロングポイントとする馬が多い。だがその一方で、逃げ切り勝ちを収めた伏兵陣は自身の脚質の幅を広げている。有力馬と伏兵陣との脚質のバランスが取れている今年のクラシック路線、もしかしたら例年以上に見応えのあるものになるかもしれない。

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posted by 犬太 |13:04 | 競馬コラム | コメント(2) | トラックバック(1)
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2007-08-03 19:36 | 続きを読む
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Re:きさらぎ賞に見る、今年のクラシック路線の傾向。

コメント投稿者ID :

犬太さん、こんにちは。
きさらぎ賞のオーシャンエイプス、出遅れが主因と考えています。
それだけ、ではないでしょうけど。
ただ、この時期に賞金を上積みできなかった1勝馬は厳しいですよねぇ。
トライアルの選択が難しいです。

posted by ゲッチュー ゲッチュー | 2007-02-13 11:33

Re:きさらぎ賞に見る、今年のクラシック路線の傾向。

コメント投稿者ID :

ゲッチューさん>
問題はそこなんですよね。この時期に賞金を加算するために使い詰めしてしまうとクラシックへの余力が残りませんからね。次走オーシャンエイプスが自己条件を使うかオープンを使うかは分かりませんが、いずれにせよ次勝てないとクラシックでは厳しいと言わざるを得ないですね。

posted by 犬太 | 2007-02-14 00:38

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